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この年、明治41年4月28日、神戸港から始まった物語があります。最初の主人公は、781人の乗船客たち。移住先として向かったのは南米ブラジルでした。それから100年目の現在、神戸からの移住者は25万人に達し、ブラジルの日系人は150万人を超えるほどになりました。今ではもう、岸壁や港湾設備の風景に当時の面影をさがすことはできませんが、国際港都として交流の歴史を大切にしてきた神戸では、街を気ままに歩けばブラジル移住の足跡をいくつか訪ねることができます。
日本初の移住者のための大規模な施設「神戸移住センター」が完成したのが、ブラジルへ向けて最初の移住船「笠戸丸」が神戸港を出てから20年後の1928(昭和3)年。この「神戸移住センター」の建設に尽力したのが、当時の兵庫県知事、神戸市長、神戸の財界人らが一丸となって誕生させた日伯協会であり、戦前・戦後の移住者支援に貢献してきました。
渡航前の7日〜10日間滞在し、その間、語学や文化の研修などを受けるために開設された鉄筋コンクリート5階建ての「神戸移住センター」。
在りし日の「神戸移住センター」
船内での生活に慣れるよう施設内は船室を模してつくられたため、天井にはパイプが通されていました。
長い船旅に備えて
「蛍の光」の音楽とともに岸壁を離れ、沖へ出て行く移住船をいつまでも見送る人々の姿がありました。
盛大な見送りを受けて出港していく移住船
建物前にあるブラジルの地図をかたどった記念碑。
ブラジル移民発祥の地の碑
神戸市では、建物の保存と海外移住者の功績を歴史に残し後世に伝えるために再整備を計画。2009年(平成21年)春には、旧神戸移住センターはもとより、海外移住の歴史や南米日系人のルーツを紹介する専用の展示室が設けられる予定です。
「建物の記憶」をコンセプトに再整備
(写真は、2008年2月撮影)
1908年(明治41年)当時の笠戸丸を復元して描いたとされる絵画(作者 野上隼夫氏)。 現在は、神戸海洋博物館に展示され、将来は再整備後の「旧神戸移住センター」に展示保管される予定。
日本人ブラジル移住第1回移民船「笠戸丸」