神戸市では市民と市との協働と参画のまちづくりを推進し、市民の知恵と力が生きる、個性豊かで魅力と活力とにあふれた地域社会の実現のため、地域活動の推進に関する条例を制定し10月1日から施行しました。この条例を身近なものに感じてもらうために10月2日に記念フォーラムが開催されました。
矢田市長の挨拶からはじまり、条例検討会の座長であった帝塚山大学の中川教授の記念講演と東京工業大学の真野助教授による長田区野田北部のふるさとネットの取り組みの報告のあと、「協働と参画による個性豊かなまちづくり」をテーマにパネルディスカッションが行われました。コーディネーターには長年NPOや市民活動に関わり地域活動の研究をしておられる絹川さん、パネリストには地域で活躍する市民の代表として、垂水区つつじが丘ふれあいのまちづくり協議会の長谷川さん、須磨区南落合校区防災福祉コミュニティーの岩田さん、長田区野田北部まちづくり協議会の河合さん、東京工業大学の真野助教授、コメンテーターとして帝塚山大学の中川教授が参加されました。
番組では、記念フォーラムの様子を紹介します。誰もが住みやすい、よりよいまちづくりを目指してがんばるみなさんの熱い思いをぜひご覧ください。
震災で大きな被害を受けた六甲道周辺。復興再開発によるウェルヴの整備や区役所の移転などによりまち並が一変した駅の南と同様、六甲道駅北地区も復興区画整理によりまちの様相が震災前とは大きく変わりました。
震災後に地区の区画整理が都市計画決定される中、「自分たちのまちづくりを自分たちの手で」という動きが活発化。地区内の8つのまちづくり協議会が一体となって「六甲道駅北地区まちづくり連合協議会」を設立し、各協議会に共通する問題・課題に取り組んできました。幾度となく重ねられたワークショップにより生まれた「まちづくり提案」。その結果、住民の様々なおもいが、例えば道路、せせらぎ、公園づくりなどに反映されています。
震災10年目となり神戸はひとつの節目を迎えていますが、この秋、六甲道駅北地区もひとつの節目となる出来事を迎えます。それが、「風の家(六甲道駅北地区集会所)」のオープン。「自分たちで自由に使える集会所を」という住民の声を反映してつくられたこの集会所を、今後どう維持・管理・活用していくか。住民の腕の見せ所でもあります。
番組では、この「風の家」の開所式の模様、「風の家」が立地しその整備が今後本格化する「六甲道北公園」、そして震災後整備された六甲せせらぎ通のせせらぎ大掃除の模様を中心に、震災後10年間のおもいがつまった六甲道駅北地区の取り組みを紹介します。
豊かな自然と田園に囲まれた北区の大沢町。神戸でも有数の農業地域では、日本のほかの農業地域と同様に、近年、人口の減少、高齢化の進行、農業の担い手不足などの課題を抱えています。
そこで大沢町では、例えば大沢コンパクトタウン研究会を立ち上げ、自分たちのまちを見つめなおし、その個性や特長を再認識。これをいかしたまちづくりに取り組んでいます。夏の名物イベントとなった「どろんこバレー」や「しろんと綱引き」、昨年から始まった「大沢農業塾」、さらに今年からは大沢の名所・旧跡をめぐる「ポイントラリー」を始めるなど、さまざまな仕掛けを行っています。
多くの人に大沢に訪れてもらい、都市部の市民や他地域との交流を図るとともに、新たな農業の担い手、大沢のサポーターづくりを行うなど、地域のにぎわいづくり、活性化に向けた取り組みを進める大沢のみなさん。
番組では、光山寺の市民公園づくり、そしてポイントラリーと農業塾を紹介。実りの秋をむかえた美しい大沢の風景とともに、住民の熱い取り組みをご覧ください。
東灘区魚崎にある甲南本通商店街。約50店舗が軒を連ねる商店街ですが、震災後約4割の住民が入れ替わり足を運ぶ古くからのお客さんも減少してきました。そこで甲南本通商店街では昔のにぎわいを取り戻そうと試行錯誤を重ね、さまざまな取り組みをはじめました。
そのひとつとして地域住民に役立つまちの情報を発信するホームページをつくろうと3年前に「にぎわいネット運営委員会」を立ち上げました。自治会や PTA、婦人会といった魚崎の地域団体に属する人やボランティアで運営し、魚崎の歴史や教育・福祉情報、子育て情報など生活に役立つページが今では150ページにものぼります。
また、今年の5月には学生有志が「甲南地域経営研究所」を設立しました。まちづくりに感心のある学生が集まり、「甲南からはじまる地域の元気」をスローガンに学生ならではの斬新なアイデアと元気な行動力でイベント事業を中心に地域のために役立ちたいと活動しています。
番組では、7月24日に商店街で行われた「甲南にぎわいフェスタ」を中心に学生と地域の人々とともに地域活性化に挑戦する甲南本通商店街の取り組みを紹介します。
1976年。灘区を流れる都賀川は、魚も棲めず悪臭を放つ状態にまで悪化。以前の美しい川を取り戻そうと流域の住民が集り結成されたのが「都賀川を守ろう会」です。月日は流れ、1988年には天然アユの生息を、2000年にはアユの産卵を確認するなど、大阪湾に面した都市河川では非常に珍しい状態にまで川は回復しました。
これは現在にまで至るおよそ30年間の「守ろう会」の地道な取り組みの結果であり、今では、多様な生き物が生息し、子どもたちが水遊びをし、多くの人びとが川辺を散策する、そんな地域住民の生活にとって欠かせない都賀川に戻ったのです。
年に5回の大規模なものをはじめ日常的に続けられてきた清掃活動。毎月20日を「川を守る日」と定め続けられてきた啓発活動。子どもたちがもっと川に親しめるようにと続けられてきた様々なイベント。そして、住民の熱意に応えようと行政もできる限りの力をこの川に注ぎ続けています。都賀川はまさに長年にわたり続けられてきた協働の結晶でもあります。
番組では、7月4日に行われた大規模な河川清掃と7月20日の川開きの模様を中心に、守ろう会の木村事務局長が小学校に出向き都賀川の話を授業の一環で行った模様などを紹介。暑い夏にぴったりの涼しい水辺を、住民の熱い思いとともにご覧ください。
西区の北西部に位置し、雌岡山と雄岡山に囲まれた自然豊かな神出町東地区。こちらでは「日本一楽しい里づくり」を目指しさまざまな取り組みを進めています。1998年に神出東里づくり協議会が発足し、昨年「めっこうファーム」がオープンしました。めっこうファームでは里づくりのシンボルとなるかやぶきの休憩施設を中心に市民貸農園や野菜もぎとり農園、農産物直売などを実施し、集落の活性化と都市部の方々との交流を図っています。今年6月には「田んぼ探検隊」も開校しました。これは里づくり協議会と神戸市が協働で開催したもので、市内の小中学生が農作業体験をしたり、ビオトープなどで生き物の観察をし、農村の環境にふれることを目的としています。また、夏には恒例のめっこうすいかの「すいか狩り」も予定されています。
ふるさとの富士として親しまれている雌岡山では昔カタクリの花が群生し、その蜜を吸うギフチョウもたくさん生息していたそうです。地球温暖化や乱獲で今ではほとんどみることができなくなってしまいました。あの可憐な花をもう一度雌岡山に復活させようという活動が老人会を中心に始まっています。雌岡山のふもとの神出中学校でもカタクリの栽培とギフチョウの飼育、ギフチョウのえさとなるカンアオイの栽培を行っています。
番組では、田んぼ探検隊の開校式と田植え体験の模様やカタクリとカンアオイの栽培とギフチョウの飼育の様子、そして神出東のすばらしい自然や風景を紹介します。自然を守り、多くの人たちに訪れてもらいたいという人々の気持ちが感じられる日本一楽しい里づくりをご覧ください。
南には白砂青松が広がり、清酒や酢、醤油、素麺づくりなどが盛んだった青木南地区。高度成長期に入るとまちの北側に国道43号が、南側に東神戸フェリーセンターができ、まちの様相が一変しました。そして震災後にはフェリーセンターが移転。その跡地問題を機に住民のまちづくりに対する機運が高まり、2000年にまちづくり協議会が設立されました。
現在の青木南地区は、国が管理する国道43号、県が管理する天上川、そして市が管理する港湾施設(サンシャインワーフ)に囲まれ、何か地域活動をしようとすると行政との協議が必要になるケースが多くなります。このため、この地域では行政との間に協定を結び、まちづくりを進めていこうという動きが活発化。2003年に神戸市との間にまちづくり協定を締結したのを皮切りに、今年4月には同じく市との間にサンシャインワーフ北緑地(なぎさガーデン)の美化等に関する協定を締結。さらに、5月には国そして市との間で国道43号の清掃等に関する三者協定を締結しました。地元、行政ともにメリットがある協定を結び地域が一体となって活動に取り組んでいく、青木南地区が進めているのはまさに協働のまちづくりそのものです。
番組では、三者協定締結の模様、なぎさガーデンや国道43号の美化活動の模様、そして、歴史看板や西国街道まわり道の碑の設置、さらに歴史を語る会の立ち上げなど、地域の歴史に着目した活動などを紹介します。
サンシャインワーフができて多くの人が青木の地を訪れてくれるのだから、気持ちよくお迎えしたいし楽しくまちを歩いてほしい。そういう地域の方々の気持ちがあらわれた青木南のまちづくりをご覧ください。
神戸で最も新しいまちの一つ西神南ニュータウン。井吹台東町、西町に続きこの夏には北町もまち開きするなど現在も人口が増加し続けており、新しい住民の理解や協力を得ながらどうまちづくりに取り組んでいくかというニュータウン特有の課題がある一方、震災後に復興住宅が多数建設され、多くのひとり暮らし高齢者が住むという、この地域ならではの課題を抱えています。
1993年のまち開きからまだ十数年。しかし、井吹台ではこの10年ほどの間に驚くようなスピードでまちづくりに取り組んできました。活動の主体も、自治会やふれあいのまちづくり協議会はもちろん、地域課題の解決に必要とあればボランティア団体やNPO団体を立ち上げるなど、柔軟かつ積極的なまちづくりを進めています。
番組では、まちづくりの出発点となったパトロール活動や、復興住宅の高齢者見守り活動、住民交流の場としての地域福祉センターの積極的な活用、そして、小学校や地域住民、行政との協働による公園整備などを紹介します。わかりやすく、誰もが参加しやすいまちづくりを・・・。番組で紹介した活動をご覧いただくと、井吹台のまちづくりの姿勢を感じ取っていただけるのではないでしょうか。
これまで1年間、さまざまな地域の活動を取り上げ、まちづくりにかける熱い思いを伝えてきました。どの地域でも、「自分たちのまちづくりを自分たちの手で行い、より良いまちを作っていこう」という気持ち持った人たちが多くいる、ということがよくわかりました。そのため、神戸市では、こういった地域の活動をより円滑に進めていけるよう支援するために、“協働・参画3条例”を制定しました。
この条例を制定するにあたって、地域活動をがんばっている人たちはもちろんのこと、より多くの市民の意見を聞くために、数多くのワークショップや公開フォーラムなどを開きました。そして、市民による地域活動をさらに進めていくための条例の内容を検討するために、何度も検討会が行われました。この検討会は、自治体の公共文化政策に詳しい中川幾郎教授が座長を務め、地域で活動する市民や、NPO団体、学識経験者などが参加し、この熱い議論をまとめた意見は、提言として矢田市長に手渡されました。
市民だけでも、行政だけでも解決できないことはたくさんあります。お互いにパートナーとして認め合い、助け合いながらこれからの神戸のまちづくりは進めていく必要が出てくるでしょう。それを円滑に進めていけるような条例にしたい、そして多くの地域の方たちに活用してほしい、また自分たちの地域でも活用していきたい、そういった熱い思いが伝わってきます。
兵庫区の中道地区(中道通と下沢通)で1992年に始まった地域におけるリハビリテーション活動(以下「リハビリ」)。お年寄りの閉じこもりを予防し、家から外に積極的に出てもらおうと、この活動を始めました。毎週金曜日になると、高齢者だけでなく様々な世代の方々がリハビリをするために中道地域福祉センターに集ります。同じ目的を共有している者同士、みんなで活動メニューを考え、一緒に体を動かし、励ましあいながらリハビリを行っています。一人だと家に閉じこもり気味になりがちなのが、みんなで一緒に頑張るからリハビリを続けられるそうで、活動の間、みなさん笑顔がいっぱいでした。
もともとは中道ふれあいのまちづくり協議会が中心になって始まったこの取り組み。以降、運営体制の見直しや介護保険の導入といった変化があり、現在はリハビリをされている方の主体性を重視した活動になっています。そして、協議会のメンバーや地域の方々によるボランティアは、必要なときに必要な支援をするという形をとっています。いずれにしても、地域の中で10年以上この活動が続いていること自体、素晴らしいことではないでしょうか。
中道寄席。2ヶ月に1回地域福祉センターで開催される落語会は、今年2月で20回目をむかえました。この地域最大の行事である敬老会に桂三若さんが出演したのをきっかけに始まったこの会。三若さんを中心に毎回何人かの落語家のみなさんがボランティアで出演し、中道のみなさんが元気になるような笑いを振りまいています。リハビリも落語会も、みんなが同じ目的のために集り、顔をあわせ、体を動かしたり笑ったりする。地域の一体感はこんなところから生まれてくるのでしょう。都会の中の下町−中道はまさにそのようなまちでした。
中央区東部の大日六丁目商店街では、地域を盛り上げて行こうとさまざまな活動が行われています。その中心的役割を担っているのは“大日通周辺地区まちづくりを考える会”。老人ホームに出張し、お年寄りとの交流を深める“出張市場”や、子どもたちを集めて年間約80回も行われる“ふれあい子どもまつり”など、地域の人たちとより親密な関係を築いて行こうと頑張っています。
さまざまな活動の中でも、もっとも大きなものは毎年1月17日に行われている“鎮魂火”。これは震災の記憶を忘れず、犠牲になった方々への追悼、そして未来へ向かって歩んでいこう、という意味を込めたメモリアル・イベントで、今年が5回目の開催となります。このイベントには、いつもたくさんの人々による協力があります。毎年、“鎮魂火”のときに使用するためのガラスコップの寄付のお願いは、今年は告知をする前から置き場がないほど集まって来ました。また、前日には、春日野小学校3年生の生徒たちが会場となる“にぎわい広場”の掃除を行い、当日に振舞うことになっている豚汁の準備は、商店街のお惣菜屋さんが担当。また地元の人たちによる震災写真展の準備、さらに、葺合中学校の生徒会は、今回の“鎮魂火”の運営自体を担当するなど、本当に多くの人たちによって支えられています。
1月17日、朝から葺合中学校の生徒たちを中心に、会場設営や献火用のろうそく作りなどが行われました。17時46分、会場のろうそくが点灯され、黙祷が捧げられました。会場となった“にぎわい広場”には多くの方が訪れ、復興と追悼、そして未来への希望を願いました。
地域の人たちが一体となって今年も行われた“鎮魂火”。震災で失ったものは数多いですが、震災から学んだこと、始まったこともたくさんあると思います。自分たちが住む地域により関心を持ち、良いまちにしていこうとする多くの人たちの力が集まることで、人々の絆はさらに深まっていくことでしょう。
垂水区の西脇小学校区である西脇102丁目、本多聞1丁目、南多聞台3丁目の一部、清水が丘103丁目、神陵台5丁目の地域を総称して西脇といいます。従来、この地域には地域全体をまとめるような組織がなく、各自治会がそれぞれの活動をしていましたが、1998年、西脇地域福祉センターが開設され、同時に西脇ふれあいのまちづくり協議会が誕生。ここから地域をあげた活動が始まっていきました。
地域によるしめ縄づくりもこの年からスタート。今年で6回目をむかえました。この地域には、古くから自宅で飾るしめ縄をわが家でつくる習慣が残っており、これを地域として残していきたいという想いが活動のきっかけとなりました。12月になると住民が地域福祉センターに集り、古くからの住民にしめ縄づくりを教わります。そして、その技を覚えた大人が今度は西脇小学校を訪問。3年生と一緒になってしめ縄をつくります。地域の伝統が見事に次世代に受け継がれているのです。
地域福祉センターでは、住民によるボランティアグループ「つくしの会」がお世話をする「ふれあい給食」が毎月行われています。ひとり暮らしの高齢者を招いて行われるこの催しに、西脇小学校の3年生が毎年参加。歌や劇を披露して高齢者をおもてなしし、世代を超えた交流が生まれていきます。先人からの伝統を大人が受け継ぎ、大人はそれを子供に伝える。そして子供は高齢者をいたわる。地域の絆が輪となって深まっていきます。
これ以外にも、ふれあいのまちづくり協議会が誕生してから、地域をあげた様々な活動が始まっています。そしてこれらは、今はやりのスローライフではないですが、ゆっくりと、しかし確実に地域に根ざそうとしています。
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