神戸市-KOBE-


早期発見でうまく付き合う認知症

  厚生労働省の推計では、2025年には、65歳以上の約5人に1人が認知症になると見込まれています。今や誰もが関わる可能性のある病気、認知症に対して、市は全国に先駆けた制度「神戸モデル」を創設。認知症の人にやさしいまちづくりを進めます。
 今月は、自分の身近な人が発症するかもしれない認知症について、考えてみませんか。

認知症対策「神戸モデル」1月28日(月曜)スタート

 「診断助成制度」と「事故救済制度」の2本柱で支える認知症対策「神戸モデル」。先行して診断助成制度が始まります。

◆診断助成制度 ※実施医療機関など、詳細は挟み込み記事へ

第一段階「認知機能検診」認知症の疑いが「ある」か「ない」かを診断

疑い「あり」の場合

第二段階「認知機能精密検査」認知症かどうかと、病名の診断

認知症と診断された場合

◆事故救済制度 〜無料で受けられる4つの安心 ※4月1日(月曜)事業開始
1.賠償責任保険 → 最高2億円の賠償責任保険への加入
2.コールセンター → 24時間365日対応
3.GPS※     → かけつけサービス ※GPS・・・衛星利用測位システム
4.見舞金     → 最高3,000万円

詳細は挟み込み記事、または

認知症と私の付き合い方

 認知症の夫を介護する傍ら、認知症カフェなどの開催もしている丸本恭子さんに話を聞きました。

まさか夫が認知症に

 夫が58歳の時にうつ病のような症状になったのですが、59歳の時に「誰かが物を盗みにきた」などの発言をするようになり、認知症を疑い始めました。しかし、私の入院や義母の看病で忙しく、夫の症状を病院で診てもらったのは、義母が亡くなってからで夫が64歳の時でした。
 結果は若年性アルツハイマー型認知症。病院に行ったことで、対策を考えるなど、先に進むことができたので良かったと思っています。

病気に向き合うことで広がる世界

  ある時、認知症家族の会を知り、参加してみました。会の始めの自己紹介で抑えていた気持ちが思わず込み上げ、大泣きしてしまいました。「今まで我慢していた素直な気持ちを、ここでなら出しても良いんだ」と思えたからでしょう。そこで出会った人にケアマネジャーのことを教えてもらい、夫に合ったデイサービスを受けることができました。
 そうこうしていた時、私が脳出血で倒れてしまいました。再び私が介護できるまでの8カ月の間に夫の症状は進み、会話ができなくなっていたのが非常にショックでした。しかし「今できることをどんどんしよう」と、ピアノや絵画に挑戦しました。絵画では、夫は作品展を開くほどの才能を発揮。これらは集いに参加し前向きになれたおかげでできたこと。2人だけだと後ろ向きになってしまい、挑戦できなかったかもしれません。

日々の介護は大変だけど、うれしいことが励みになる

       症状がまだ軽いころ、夫の運転する車が他の車に衝突してしまいました。私は首を痛めて病院へ運ばれたので、夫が1人で事故後の対応をしたのですが、認知症と伝えられず、ちぐはぐな対応で相手を怒らせてしまいました。
 会話ができなくなった夫とは意思の疎通が図れず大変ですが、名前を呼んだら返事をしてくれたり、おいしいねと言ったらうなずいてくれたり、ちゃんとした答えがたまに返ってくると本当にうれしいです。そういうちょっとした喜びで何とかやっていけているんだと思います。

早めの診断で未来は変わる

 さまざまな事情により、疑いを持ってから病院に行くまでに時間がかかってしまうこともありますが、早めに診てもらうことで病気の進行を遅らせることができます。

「早期診断が大事です」

 認知症は早期に発見すれば、進行を遅らせることができ、さまざまなサポートを受けながら今後の生活に備えることができます。1月28日(月曜)から始まる診断助成制度は、認知症の疑いがあるかどうかの検診をお住まいの身近な場所で受けてもらえるよう、市内300を超える医療機関で実施します。疑いがある場合は専門医療機関での精密検査につないで、認知症の有無と病名の確定をします。
 ぜひ周りの人にも勧めてください。この制度をきっかけに認知症の人への支援がより広がっていくことを期待しています。

市医師会 会長 置塩 隆さん

周囲の関わり方

 身近な人が認知症になってしまうと戸惑うと思います。そんな時、介護に大切なこととは何でしょうか。

「優しく寄り添う大切さ」

 認知症の介護はとても大変ですが、人と共有することで負担の軽減が見込めます。認知症カフェなどで自分の体験を語ったり、同じ立場の人の話を聞いたりすることで気持ちが楽になるといわれます。
 また、ユマニチュード(フランス語で人間らしさ)と呼ばれるケア方法があります。同じ目線で正面から見る、動作を一つ一つ実況する、優しく触れるなど、認知症の方の人格を認めながら接することで、その方の不安が和らぐことが分かっています。
 認知症の方やその家族を地域で支える仕組みが必要であり、優しく寄り添える人が増えることは、認知症の人にやさしいまちづくりに大切なことです。

認知症の人にやさしいまちづくり推進委員会 委員長
神戸在宅医療・介護推進財団 理事長
市医療監  北 徹さん

こうべオレンジカフェ( 認知症カフェ)

           認知症の人や家族、医療・介護の専門職に限らず、地域の人も参加できます。参加者同士で悩みを話したり、笑い合ったりする場所です。

詳細は

早期発見でうまく付き合う

    体験した人にしか分からないであろう大変な介護の話ですが、語ってくれた丸本さんの表情には多くの笑顔が見られ、そこからは夫への深い愛情が感じられました。認知症の介護と聞くと辛いイメージばかりかもしれませんが、ケアマネジャーに相談するなどし、その時できることを精力的に取り組むことで、介護を楽しむことができると教えてくれました。
 近親者や地域の人で認知症の疑いがあれば、ぜひ早期の診断受診を勧めてください。今後に備え、認知症とうまく付き合っていくことが大切です。

問い合わせ

介護保険課(TEL322-5259 FAX322-6047)