神戸市-KOBE-


幸せな家族をつくる里親という選択肢

  子どもが明るく健やかに成長していくためには、温かい家庭が必要です。しかし、さまざまな事情で、家庭で暮らすことのできない子どもたちもいます。そのような子どもたちを自分の家庭に迎え入れ、温かい愛情と正しい理解で成長をサポートする人が「里親」です。今月は、幸せな家族をつくる「里親制度」を紹介。子どもたちのためにできることを考えてみませんか。

徐々に広まりつつある里親という家族の形

  市内には、社会的養育※を必要とする子どもたちが、平成30年3月末現在481人おり、そのうち里親委託は55人。里親登録世帯数は119世帯で、その数は徐々に増えています。
※ 社会的養育: 乳児院や児童養護施設で生活する「施設養育」と、 里親の下で生活する「家庭養育」の総称

そもそも里親制度って?

 一定期間(原則18歳未満)自分の家庭に迎え入れて養育する「養育里親」や、子どもを養子として迎える「養子縁組里親」などがあります。
 また、夏休みや正月などに1週間ほど家庭に迎える「季節里親」や、週末だけ預かる「週末里親」もあります。おじちゃん、おばちゃんの家に遊びに行くような短期間でも、子どもにとって家庭での体験は大切です。

どうして里親が良いの?

 施設は安心安全な生活環境ではありますが、職員が交代制なので、ずっと同じ大人から愛情を注いでもらうことがなかなかできません。それが里親家庭だと、ずっと自分だけを見てくれる大人に愛情を注いでもらえ、さらに家庭での生活体験が将来家庭を持つイメージの助けにもなります。

「里親ママ・パパは私たちがサポートします」 御影乳児院 里親支援専門相談員 三木 きく子さん

 里親として子どもを家庭に迎え入れるまでに、私たちがミルクのあげ方や抱き方などをお教えするので、初めての子育てでも心配しないで大丈夫ですよ。里親になってもらった後も、私たちが家庭訪問をしたり、相談を受け付けたり、いつでも手助けします。

経済面もサポート

 生活費として乳児には毎月5 万8,310 円、乳児以外には5万570円が支給されるほか、例えば養育里親の場合、生活費とは別に毎月8万6千円の里親手当が支給されます。ほかにも医療費や幼稚園費がかからないなど、手厚い支援があります。

「さまざまなサポートがあります」 大阪府立大学大学院 人間社会システム科学研究科教授 伊藤 嘉余子さん

 里親を迷われている人の中に「金銭的負担が心配」「里子の人生を左右するので責任が重い」と思う人が多いのですが、金銭面は手厚いサポートが受けられます。学習塾や修学旅行にも補助が出るんですよ。また、責任が重いと思う人は、すでに里親の役割を自覚できているので、向いていると思います。里親になる前の研修でもしっかり学ぶことができるので安心してください。
 私自身、実子と里子を一緒に育てていますが、家族以外に支えてくれる人の大切さを実感しています。里親ではない人も、もし近くに里親家族がいたら温かくサポートしてもらえたらと思います。

里親になるためには

[要件]

◆子どもの養育に理解や熱意があること
◆研修を受講すること
◆経済的に困窮していないこと
◆養育里親希望者および同居人が欠格事由に該当しないこと

[ステップ]

1 こども家庭センター、または家庭養護促進協会に相談
2 研修の受講
3 家族合意の上で申し込み
4 家庭訪問
5 里親登録
6 子どもとのマッチング

「里親になるきっかけは、子どもと関わりたいと思ったこと」 神戸市里親会 会長 市川 博睦さん

 里親になろうと思ったきっかけは、定年を控え、やり残したことを考えたときに、実子に恵まれなかったため、子どもと関わりたいと思ったことです。家庭養護促進協会に相談し、まずは季節里親から始めました。養育里親としては男の子と女の子を家庭に迎え、それぞれ18歳、20歳まで養育しました。子どもと生活できたことは本当に良かったと思っています。今でも「元気?」「台風は大丈夫やった?」と連絡をくれたり、正月や盆には帰ってきてくれたりと関係が続いています。
 里親になることを迷っている人は、まず勇気を持って子どもと会ってみてほしいです。いきなり養育里親になることはハードルが高いと思えば、私のように季節・週末里親から始めるなど、気軽に相談してみてください。

「両親が一歩踏み出してくれたから幸せな今がある」 荒木 麻美さん

 生後8カ月の時に特別養子縁組として今の両親に迎え入れられました。思春期のときは「なぜ私は生みの親の下で暮らせないのか」と悩んだこともありましたが、何度も親が向き合ってくれたので、今では「養子縁組したことも含めて私」と思えるようになりました。自分を社会に出るまで育ててくれた親のありがたみをすごく感じています。
 両親が一歩踏み出してくれていなかったら、今の私の人生はなく、もしかしたら18歳までずっと施設にいたかもしれません。今、私は当たり前のように働けて、結婚し、子どもを2人授かり幸せに暮らせています。里親になることを迷っている人には、普段の何気ない「当たり前の幸せ」を、里親となって子どもと一緒に感じてもらえればと思います。

里親は、幸せな家族をつくる一つの選択肢

 日本には親と暮らせない子どもが約4万5千人います。少子化で子どもが減っている今でも、この数は増え続けています。里親は、多くの人にとってまだ一般的ではないかもしれません。しかし、取材をする中で、里親家族の親と子、その両方から「幸せ」という言葉を何度も聞くことができ、里親は幸せな家族をつくる選択肢の一つだと思いました。関心を持った人の踏み出す一歩が、また一つ幸せな家族をつくることにつながるのかもしれません。

問い合わせ

こども家庭支援課(TEL322-5211 FAX322-6119)

里親相談窓口

少しでも興味があれば、気軽に問い合わせてください。

◇こども家庭センター
TEL382-2525
FAX382-1902

◇家庭養護促進協会
TEL341-5046
FAX341-1096

私たちにできること

1 季節・週末里親の募集と説明会

日時:11月11日(日曜)13時30分〜16時
場所:総合福祉センター
料金:無料
申し込み:電話かFAXか電子メールで家庭養護促進協会(ainote@kjd.biglobe.ne.jp)へ11月7日(水曜)〜先着順

2 私たちにできることは?〜虐待を防ぐ視点から

「子どもと虐待」についての流通科学大学・加藤曜子教授の講演や里親の意見交換など。一時保育あり。
日時:12月4日(火曜)13時30分〜16時
場所:あすてっぷKOBE
料金:無料
申し込み:電話かFAXか電子メールで家庭養護促進協会(ainote@kjd.biglobe.ne.jp)へ11月22日(木曜)〜先着順

ふるさと納税「子どもの未来支援プロジェクト」

市内の児童養護施設などに入所している子どもたちが必要とする、学用品などの購入に使われます