神戸市-KOBE-


想うことで変化に気付く 家族で支える認知症

  もし、あなたの知らないうちに家族に認知症の症状が現れていたとしたら、どうしますか。厚生労働省の推計では、7年後の2025年には、65歳以上の約5人に1人が認知症になると見込まれています。夫婦それぞれに65歳以上の両親がいれば、そのうち1人は認知症になる恐れがあるといえます。あなたの家族がなるかもしれない認知症。正しく理解し、思い合うことが必要です。

多くの人が認知症になり得る

「認知症」と「もの忘れ」は違う

  認知症は、日常生活に支障が生じる程度にまで記憶機能などが低下した状態をいいます。人の名前や昨日の朝食を思い出せない「もの忘れ」とは違い、その人のことや朝食を食べたこと自体を忘れてしまいます。認知症は脳の病気であり、発症する可能性は多くの人にあるのです。

認知症に気付くためのサイン

もの忘れ
・出来事の一部を忘れる
・ヒントを出すと思い出せる
・もの忘れを自覚している

認知症
・出来事の全部を忘れる
・ヒントを出しても思い出せない
・もの忘れを自覚していない

家族だからこそ気付ける変化がある

 市の調査によると、認知症の支援を受けるきっかけとなったのは、本人や近所の人ではなく家族からの相談が最も多く、全体の約4割を占めました。日常的に関わることができ、少しの変化でも気付いてあげられるのが家族です。

母が私を忘れた日  認知症の人と家族の会 兵庫県支部代表 河西 美保さん

父から「母がもの忘れをよくする」と聞いていましたが、子育て中だったこともあり、あまり気に留めていませんでした。変化に気付いたのは、父が亡くなり母と暮らし始めてから。当時は認知症の知識もなく、怒りやすくなった母と口げんかをする日々が辛かったです。どこへ行くにも一緒にいた私を、娘だと分からなくなった時は夢であってほしいと願いました。その後「認知症の人と家族の会」に参加し、介護者同士の悩みを共有できたことで、母の介護をやり遂げられました。けれども、気持ちも落ち着いた今になって、母にもっと優しくしてあげれば良かったという後悔が込み上げることもあります。

必要な支援につなげる

 日々、高齢者に関する介護の相談が寄せられる「あんしんすこやかセンター」では、認知症の疑いのある人や家族からの相談も受け付けています。また、看護師などの専門職が家庭を訪問する「認知症初期集中支援チーム」と連携し、適切な医療・介護サービスができるよう取り組んでいます。

気軽に相談を  五葉あんしんすこやかセンター センター長 清水 邦子

本人、家族、友人、近所の人など、誰からの相談でも受け付けています。何度も同じことを聞かれたり、家の中が散らかっていたりするなど、おかしいと思ったらすぐに連絡してください。どうしたらいいのか分からないという内容でも構いませんよ。皆さんが住み慣れた自宅で安心して暮らせるよう、一緒に考えていきます。

気持ちと行動を理解する

  認知症による症状への対応は、本人の気持ちを考えてあげることも大切です。例えば、自宅にいるのに「家に帰りたい」と言うのは、そこが自宅であることを忘れ、知らない場所にいるのだと不安になっている場合があります。そのとき、ここは自宅だと説得したり否定したりするのは、より不安にさせてしまいます。言い分を認めて「送りますね」と言い、一緒に散歩をしてから自宅に戻れば、気持ちが落ち着くこともあります。

学ぶことが支援につながる

認知症サポーター養成講座

  認知症の症状や認知症の人への接し方を学ぶ、認知症サポーター養成講座の市内受講者数は約9万4千人(平成29年度末現在)。具体的な手助けはできなくても、認知症の人や家族への理解を深めることで、介護者の気持ちを軽くすることができます。

家族を大切にします  南五葉小学校 4年生 岡さん・吉山さん

学校の授業で、認知症の勉強をしたり、家族と手紙を交換したりして、家族を大切にしないといけないと思いました。困っているおじいちゃんやおばあちゃんがいたら声掛けもできるようにがんばります。

神戸から始まる認知症対策

認知症の人にやさしいまちへ

 認知症になっても住み慣れた地域で安心して過ごすことができるまちを目指し、今年4月に「認知症の人にやさしいまちづくり条例」を施行。市民の皆さんや事業者の協力を得ながら、まち全体で支援の充実を図ります。

例えば

・事故を起こし損害賠償を求められた認知症の人を救済する制度の整備
・行方不明者を早期発見するためのGPS(衛星利用測位システム)活用
などを検討

進む、認知症研究

 WHO神戸センターと神戸大学などが共同研究を開始。認知症の早期発見・早期介入に向けた研究が行われています。

最後に会ったのはいつですか

  困っている人に声を掛けるのは勇気が必要です。でも、家族に声を掛けるのは簡単。顔を合わせて「元気?」と聞くだけで気付く変化もあります。そうした日々の積み重ねが家族を守り、大切な思い出にもなります。認知症の人にやさしいまちづくりに向けて、家族に優しくなることから始めませんか。

問い合わせ先

介護保険課(TEL322-5259 FAX322-6047)

「知ること」から始める

認知症の人にやさしいまちづくり条例制定記念講演会

認知症への理解や地域で支える必要性、検討中である事故救済制度などについて講演会を開催します。

日時 5月12日(土曜)13時30分〜
場所 ラッセホール(中央区中山手通4)
料金 電話で下記問い合わせ先へ。5月8日(火曜)まで受付。先着順
問い合わせ先 市イベント案内・申込センター(TEL333-3372 FAX333-3314)

こうべオレンジカフェ(認知症カフェ)

認知症の人や家族、医療・介護の専門職に限らず、地域の人も参加できます。参加者同士で悩みを話したり、笑いあったりする場所です。

認知症がよく分かる動画

市と製薬メーカーの日本イーライリリー株式会社が製作した、約10分間の動画です。認知症の人や家族へのインタビューなどを収録。自治会などグループでの勉強会向けにDVDの貸し出しも。
問い合わせ先 介護保険課(TEL322-5259 FAX322-6047)