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神戸市における海外向け技術支援の取り組み

最終更新日:2023年4月28日

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神戸市では、まちづくりの経験やノウハウ、さらには震災の教訓を活かし、開発途上国における生活水準向上や都市開発に貢献するため、水・インフラを中心とした国際的な技術支援に取り組んでいます。

Efforts in Providing Overseas Technical Support in Kobe City(Kobe City International Technical Cooperation Headquarters)(英語版ページ)

神戸市の持つ強み

水インフラの技術と事業運営の経験

神戸市では、開港以降の急速な都市化に対応するため、100年以上前より上下水道の整備がなされており、今日まで安定した水道水の供給と、瀬戸内海や河川の水環境保全に貢献する下水道処理を続けてきており、安定した事業経営の実績があります。
また、膜ろ過方式による浄水処理技術の導入、下水処理の過程で発生する汚泥やガスの再生可能エネルギーとしての有効活用など、先進的な取り組みも積極的に行っています。

急速な人口増に対応してきた都市開発の経験

神戸市は、日本有数の貿易港として発展し、市勢を拡大してきた歴史を有しています。
特に戦後の高度経済成長期には、住宅地不足と港湾・産業用地不足を一挙に解決するため、市自らが主導して臨海部と内陸部で計画的・効率的に、住宅団地や産業団地などの都市整備を進めてきました。そこで得られた開発者としての経験や、都市開発の管理に関する行政指導などのノウハウを活用することができます。

都市型災害の教訓に基づく経験

神戸市は、1995年の阪神・淡路大震災において、人口が密集する市街地を中心に大きな被害を受けました。震災からの復興においては、住民との協働のもと、土地区画整理事業や再開発事業などを進めており、震災の教訓を生かした災害に強いまちづくりノウハウを有しています。
また、神戸の市街地は急峻な山(六甲山系)と海に挟まれた東西に細長い地形に発展した都市で、過去に何度も大きな土砂災害に見舞われました。その経験を活かし、治山・砂防施設、地下河川、雨水排水施設などの整備の経験も有しています。

技術支援の内容

水・インフラに関する技術支援

上下水道分野を中心に、2010年に策定した「水・インフラ整備に関する国際貢献の新たな取り組み」により、海外進出を志向する地元企業等からの提案や、JICA等関係機関からの要請に基づく技術支援を行っています。
神戸市としても、こうした取り組みを進めることで「国際貢献」「神戸経済の活性化」「技術・技能の伝承」を図っていくこととしています。

都市開発全般にかかる助言・人材育成

JICA等からの要請に基づき、開発途上国の都市計画やマスタープランづくりなど、まちづくり全般についての分野横断的な助言や、人材の育成への協力などを行っています。

一般財団法人 神戸住環境整備公社(海外インフラ整備支援)(外部リンク)

取り組み事例

株式会社OKAMURA(ミャンマー連邦共和国・ヤンゴン地域のまちづくり)の表敬を受ける

神戸市と「水・インフラ事業の海外展開等に関する相互協力協定書」を締結している株式会社OKAMURAが、ミャンマー国におけるJICAのビジネス支援事業(案件化調査)を受託しており、2020年2月に事業の進捗報告のため油井副市長を表敬訪問されました。
また、事業の一環として、ミャンマー国ヤンゴン地域政府エンジニアの方々への水衛生環境プロジェクト研修を実施しており、同日、ヤンゴン地域政府開発委員会副技師長をはじめとする視察団が神戸市を訪れ、港島クリーンセンター、農業集落排水処理施設などを視察されました。

集合写真

視察①

視察③

視察②

ベトナム社会主義共和国・カントー市

カントー市視察団12019年3月に、カントー市人民委員会委員長をはじめとする視察団が神戸市を訪れ、神戸市副市長および兵庫県副知事を表敬訪問をされたほか、企業セミナー等に参加されました。

カントー市視察団2

バングラデシュ人民共和国

バングラデシュ視察団1バングラデシュ国では、中核都市において急激な人口増加に対し、道路や排水溝などの都市インフラの整備が遅れ、著しい交通渋滞や都市環境の悪化の原因となるなど、経済活動の阻害要因となっていることから、JICAにて「包括的中核都市行政強化事業」が実施されています。
事業の一環として、バングラデシュ国行政官への研修を実施しており、JICAの要請を受け神戸すまいまちづくり公社を通じ、2019年2月には地方行政技術局(LGED)計画局長をはじめとする視察団が神戸市を訪れ、国際技術支援本部長を表敬訪問されたほか、西神ニュータウン、神戸港など視察されました。

バングラデシュ視察団2

ミャンマー連邦共和国・ヤンゴン地域のまちづくりへ展開

(1)概要

「2018年度第一回中小企業海外展開支援事業案件化調査」において、2013年以来、本市と水・インフラ事業の海外展開等に関する相互協力協定を締結する株式会社OKAMURA(本社:神戸市兵庫区)の企画書案が2018年8月に採択されました。

(参考)中小企業海外展開支援事業とは
国際協力機構(JICA)では、途上国の課題解決に貢献し得る、日本の中小企業の技術・製品・ノウハウ等を活用したビジネスアイデアやODA事業に活用する可能性を検討し、ビジネスモデルの策定を支援する「案件化調査」を実施しています。同調査は、JICAにより年1~2回程度の公示が行われ、中小企業から企画書(事業提案書)を募集し、優れた事業を提案した中小企業とJICAとが業務委託契約を締結し、JICA資金によりその企業の提案を実施に移すものです。

連携詳細

(2)企画書案

企画書案は、2016年9月「神戸の都市開発視察」等に招聘された、ヤンゴン地域首相が目指す貧困の削減と格差の是正に向け「南部デルタ貧困地域の水衛生問題改善のための病院・市場等への高度浄化槽導入に関する案件化調査」です。
これは、度重なるサイクロン等洪水被害に悩むヤンゴン南部地方の水衛生問題改善策として、病院・市場等公共施設への日本で発達した浄化槽の導入に関する可能性を調査するものです。

(3)今後の展開

OKAMURA社はJICA事業応募に向け、神戸市及び神戸すまいまちづくり公社の支援を受け、2017年以降、5次にわたる現地事前調査を実施してきました。
今後、JICA事業としての具体的な調査として、現地の生活汚水状況や地域の水循環環境への影響などの課題調査・分析、事業対象地区の絞り込み、同社の浄化槽の導入可能性の検討および将来のODA事業への展開方策や民間企業としてのビジネス展開計画を作成していきます。本調査においても、神戸市および関係団体は、引き続き協力・支援を続けていきます。
 

フィリピン・メトロセブ

マンダウェイ市副市長記念品交換フィリピン第2の都市圏のメトロセブでは、急激な都市化や人口増加に伴い交通渋滞等の課題が顕在化しており、JICAにて「メトロセブ都市交通システム開発マスタープランプロジェクト」が実施されています。
プロジェクトの一環として、フィリピン政府関係者等への研修を実施しており、JICAの要請を受け神戸すまいまちづくり公社を通じ、2018年5月には、マンダウェイ市副市長ををはじめとする視察団が神戸市を訪れ、副市長を表敬訪問をされたほか、西神ニュータウン、神戸港など視察されました。

メトロセブ都市交通システム開発マスタープランプロジェクト

マラウイ共和国・リロングウェ市

マラウイ国本邦研修マラウイ国リロングウェ市では、急速な人口増加に伴い、交通渋滞や生活環境悪化などの都市問題が顕在化しており、JICAからの要請を受け、2012年から2015年にかけて、神戸すまいまちづくり公社を通じ、都市計画・開発管理人材育成に関する専門家派遣や本邦研修を行いました。

ミャンマー連邦共和国・ヤンゴン都市圏

ヤンゴン地域政府首相市長表敬国土交通省からの要請を受け、2015年より、都市計画マスタープランづくりや、計画策定後の規制・行政指導などについて、助言等を行っています。
2016年9月には、ヤンゴン地域政府首相をはじめとする視察団が神戸市を訪れ、市長を表敬訪問されたほか、西神ニュータウン、神戸港など視察されました。

ヤンゴン地域政府首相神戸港視察

ベトナム社会主義共和国・キエンザン省

調印式2011年にキエンザン省人民委員会との間で、環境・上下水道の分野における交流及び相互協力などに関する覚書を締結し、これに基づく技術支援を実施しています。
2014年に最初の覚書更新を実施したあと、再度の覚書の更新にあわせ、2017年10月にキエンザン省幹部職員を神戸市に招聘して調印式を行いました。

キエンザン省との覚書調印式

技術支援の体制・窓口

2017年10月1日に全庁横断的な組織体制「神戸市国際技術支援本部」を設立しました。
神戸市が行う途上国向け技術支援については、都市局を総合的な窓口として、全庁が一丸となって、支援を必要とする国・地方政府等のニーズに応えていきます。

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神戸市の国際的な技術協力・支援に関する窓口は以下の通りです。
神戸市国際技術支援本部事務局
(都市局未来都市推進課)
TEL 078-595-6685
FAX 078-595-6690
E-mail chiikiseisaku@office.city.kobe.lg.jp

お問い合わせ先

都市局未来都市推進課