神戸市-KOBE-


神戸開港150年記念「港都KOBE芸術祭」開催結果に対する意見・評価について

記者資料提供(平成30年3月13日)
市民参画推進局文化交流部文化交流課

神戸開港150年記念「港都KOBE芸術祭」開催結果に対する意見・評価について

 神戸開港150年を記念して、神戸港や神戸空港島などを舞台に開催した「港都KOBE芸術祭」について、開催結果に対する意見・評価をとりまとめました。概要につきましては、下記のとおりです。

1.目的

 「港都KOBE芸術祭」について、内容等の検証を行い、今後の芸術文化施策の参考とする。

2.検証方法

 公益財団法人神戸都市問題研究所に本検証を委託し、「港都KOBE芸術祭」の来場者アンケート、「神戸アートクルー(ボランティア)」からのアンケートや市が行っているネットモニターアンケートの結果を参考としながら、併せて学識経験者や「港都KOBE芸術祭」の企画・運営に携わった関係者にヒアリングを行った。

3.ヒアリングによる意見・評価のまとめ(概要)

(1)「港都KOBE芸術祭」の基本方針・テーマ

・開催テーマについては、「神戸開港150年」というコンセプトが明快であり、開港150年の歴史を振り返りつつ、これからの夢を描いていこうというメッセージが分かりやすかった。
・一方で、150年の歴史の中には正負の面があり、作家がこれに向き合い、俯瞰しながら、未来に向けて問題提起をする、そして、鑑賞者がそれによってあらためて社会的な課題を感じられるような作品があってもよかった。

(2)作家の選定と作品の質・内容

・準備期間が短かったにもかかわらず、実力のあるプロの出展作家がそろい、作家が開催テーマを理解し、作品に反映していただくことができたこともあり、質・完成度は高かった。神戸港の歴史と関連づけながら、空間と時間軸を見せる作品が多かったのは評価できる。
・野外彫刻が多かったが、神戸港のスケールが大きく、相対的に作品の存在感が小さく見えた。無難な作品が多く、ドキドキワクワクを感じることが少なかった。
・主軸はあくまでもテーマに沿ったしかるべき作家を選定した上で、一部コンペティションを併用するという方法については、今後検討の余地がある。

(3)会場展開や開催方法、設営・運営

・全ての作品を鑑賞するためには、公共交通機関と徒歩での移動で半日間を要することなど、アクセスが課題であった。今後の芸術祭で会場を分散するにしても、第1メイン会場、第2メイン会場のように集約したうえで、それぞれの会場内に徒歩で巡れるよう複数の作品を展示し、エネルギーを集中させるほうがよい。
・「港都KOBE芸術祭」は神戸市主導により進めることとなったが、今後の芸術祭の実施体制として、ディレクター等の民間の専門人材と公的団体が緊密に連携しながら実施する体制が望ましい。各プロジェクトにディレクターを設置して、責任の所在を明確にする手法も検討すべきである。
・今回の会期(30日間)は短い。雨天等の影響も考慮し、開催期間は1.5倍〜2倍ぐらいは必要である。

(4)効果的な広報のあり方

・神戸開港150年記念事業関連のイベントについては、よく周知が図られていたが、芸術祭についてはあまり周知が進んでいなかった。SNSのフォロワー数は低迷し、いかにしてフォロワーを増やしていくかについては課題を残した。
・現代アートは大衆芸術ではないので、ターゲットの設定は、ある程度絞り込みが必要である。多くの来場者を集めるための取り組みや広報は、エンターテインメント性の高い商業的な取り組みに任せるべきである。

(5)市民参画の進め方

・ボランティア「神戸アートクルー」の活動は来場者からも評判が良く、ボランティアの域を超えて、芸術祭をともに創り上げた“パートナー”として大きな役割を果たした。
・芸術祭を一過性のイベントにせず、裾野が広く息の長い取り組みにするためには、作家と市民・来場者を繋ぐ架け橋的役割を担う「神戸アートクルー」のような存在が重要である。

(6)今後の芸術祭のあり方

・全国各地で芸術祭やアートプロジェクトが多数行われているが、地域振興と芸術文化の振興のバランスを図っていかなければならない。
・今後の芸術祭では、社会性のあるテーマや社会的な課題に対するメッセージをどのように盛り込んでいくのか検討していかなければならない。地域の文脈を掘り起こし、作家やボランティアと時間をかけて共有していく取り組みが重要である。開催までのプロセスは非常に大切であり、準備期間をしっかりと設けた3〜4年間隔での芸術祭開催を検討することも必要である。

4.参考

神戸開港150年記念「港都KOBE芸術祭」開催結果に対する意見・評価報告書
URL:http://www.city.kobe.lg.jp/culture/culture/bunka/kotokobehyoka20180313.pdf