神戸市-KOBE-


『法華経(久能寺経)』の国宝指定について

記者資料提供(平成29年3月7日)
教育委員会事務局社会教育部文化財課文化財保護活用係 橋詰
TEL:078-322-5798(内線6422) FAX:078-322-6148
E-mail:bunkazai@office.city.kobe.lg.jp

『法華経(久能寺経)』の国宝指定について

国の文化審議会(会長 馬淵(まぶち) 明子(あきこ))は、平成29年3月10日(金)開催の同審議会文化財分科会の審議・議決を経て、新たに7件の美術工芸品を国宝に、37件の美術工芸品を重要文化財に指定するよう文部科学大臣に答申を行いました。
 今回の答申を受けて、官報告示を経て新たに国宝になる神戸市内の文化財は下記の1件です。

神戸市で6件目の国宝指定

久能寺経
1 新たに国宝に指定される有形文化財【美術工芸品(書跡・典籍)】1件の概要
名 称:法華経(ほけきょう)(久能寺(くのうじ)経(きょう)) 四巻
所有者:個人
大きさ:随喜功徳品第十八(26.7cm×196.4cm)
作成年代等:平安時代後期
特徴・評価 
本経は、鳥羽(とば)上皇(じょうこう)(1103〜1156)らが結縁して書写した法華経で、久能寺経と通称され、平家納経と並び平安時代後期を代表する装飾経として貴重なものである。結縁者には女性が多い。料紙には美麗な染紙を用い、金銀箔・砂子(すなこ)などを散らした上に蝶、鳥、蓮華などを彩絵している。巻末には後筆で鳥羽上皇はじめ待賢門院など近侍の人々の名が記されている。
装飾経のなかでも出色の出来栄えであり、また現存する久能寺経の表紙・見返など原装を伝える唯一のものである。
備考(調査等)
 久能寺経はもと静岡県の久能寺にあり、法華経二十八巻に無量(むりょう)義経(ぎきょう)と観普(かんふ)賢(げん)経(きょう)の開結二巻を加えた三十巻が完備していた。全巻が同筆で書かれた一筆経で、各巻の末にそれぞれの供養者名が異筆で記されている。本経は第五、第十五、第十八、第二十八の四巻である。料紙は表裏とも金銀の切箔を散らし、うち三巻はさらに著彩、あるいは金銀泥の文様を添加している。見返しには優美な大和絵を描いている。

2 神戸市内の国宝指定文化財の件数
 今回答申を受け、国宝指定される文化財1件を加えると、神戸市内にある国宝指定文化財の件数は6件となります。(以下、これまでの神戸市内の国宝指定文化財)
 建造物 1件 「太(たい)山寺(さんじ)本堂(ほんどう)」(昭和30年指定)  太山寺
 書跡  1件 「賢愚経残巻(けんぐきょうざんかん)」(昭和39年指定)  白鶴美術館
 書跡  1件 「大般(だいはつ)涅槃経集(ねはんぎょうしゅう)解(げ)」(昭和40年指定)  白鶴美術館
 考古資料1件 「桜ヶ丘(さくらがおか)銅鐸(どうたく)・銅戈(どうか)」(昭和45年指定)  神戸市
 絵画  1件 「紙本(しほん)墨画(ぼくが)淡彩(たんさい)夜色(やしょく)楼台図(ろうだいず)」(平成21年指定)  個人

3 文化財の概要
 有形文化財とは建造物、絵画、工芸品、彫刻、書跡、典籍、古文書、考古資料、歴史資料などの有形の文化財の文化的所産で、我が国にとって歴史上、芸術上、学術上価値の高いものの総称です。このうち、建造物以外のものを総称して「美術工芸品」と呼んでいます。国は有形文化財のうち重要なものを重要文化財に指定し、さらに世界文化の見地から特に価値の高いものを国宝に指定して保護しています。