神戸市-KOBE-


文化財建造物の登録(国登録有形文化財)について

記者資料提供(平成28年3月8日)
教育委員会事務局
社会教育部文化財課  豊島、山本
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文化財建造物の登録(国登録有形文化財)について

国の文化審議会(会長 宮田亮平)は、平成28年3月11日(金曜)開催の同審議会文化財分科会の審議・議決を経て、新たに199件の建造物を登録するよう、文部科学大臣に答申を行う予定です。
今回の答申を受けて、今後文化財建造物として登録予定の神戸市内にある文化財建造物は下記の1箇所6棟です。

1 登録される文化財建造物の概要(神戸市分) 1箇所6棟

大土神社(おおつちじんじゃ)本殿、拝殿及び弊殿、摂社住吉社本殿、摂社天満社本殿、蔵、鳥居
所在地:神戸市灘区鶴甲3丁目159他
登録基準: 一 国土の歴史的景観に寄与しているもの
特徴等:六甲川の水車渡世で栄えた集落に構える。本殿は一間社流造で、要所に装飾を備えた小規模社殿の典型。拝殿及び弊殿は舟肘木に疎垂木で簡明な意匠ながら、拝殿内部に幅の広い格天井を張るなど、簡素な中にも質の高い建物である。鳥居は阪神・淡路大震災の被災を免れた希少なもので、絞油生産で栄えた歴史を伝える。

大土神社本殿

大土神社本殿 正面近景年代:江戸末期
特徴・評価:六甲川に沿った細長い南北敷地の北寄りに建つ。一間社流造で、内陣は三室に区画し、正側面に縁を廻し、高欄を付け、正面には浜床・浜縁を設ける。正面は格子戸四枚引違で、軸部組物は檜材を用いる。江戸末期の新田開発の歴史を今に伝える建物である。
備考(調査等):大土神社は水車利用のため開発された集落の中心をなした大利(おおとし)家により創建された。拝殿前の燈籠には天保12(1841)年銘があり、細部様式と一致することから江戸末期と考えられる。雨囲いは登録範囲外。

大土神社拝殿及び弊殿

大土神社幣拝殿 階段下から見上げ年代:昭和4年頃、昭和60年頃改修
特徴・評価:正面三間、奥行二間の拝殿と奥行四間の弊殿からなる。拝殿は桟瓦葺、弊殿は向唐破風の鉄板葺とする。拝殿は舟肘木に疎垂木で簡明な意匠とする。内部はいずれも一室で、床は板張り。天井は幅の広い格天井を張るなど、簡素な中にも質の高い建物である。
備考(調査等):建築年代は登記簿による。

大土神社摂社住吉社本殿

大土神社摂社住吉社本殿 全景年代:明治前期
特徴・評価:本殿の東側に並んで建つ、身舎梁間56センチメートル、桁行50センチメートルと小ぶりな摂社。一間社切妻造妻入、正面一間庇付、鉄板葺。組物は舟肘木で、軒も反りをつけないなど簡素な造りになるが、妻飾や虹梁に彫刻を飾る。
備考(調査等):建築年代は絵様等から明治前期以前と推定。

大土神社摂社天満社本殿

大土神社摂社天満社本殿 全景年代:明治前期
特徴・評価:本殿の西側に並び、玉垣で画された場所に建つ。一間社、切妻造妻入、正面一間庇付、鉄板葺。身舎は円柱を用い、庇は角柱とする。規模、意匠とも摂社住吉社本殿とほぼ同様で、小ぶりな摂社であるが、本殿とも相まって神社景観を形作っている。
備考(調査等):建築年代は絵様等から明治時代前期以前と推定。

大土神社蔵

大土神社蔵 外観南面年代:昭和4年
特徴・評価:拝殿及び弊殿の西側に建つ、神事道具等を収めるための蔵。土蔵造平屋建で、拝殿側妻面に扉口を開き、背面上部に換気のための丸穴を設ける以外は全面壁とする。内壁は真壁漆喰塗、外壁はモルタル塗。境内景観を構成する小規模土蔵。
備考(調査等):建築年代は棟札による。

大土神社鳥居

大土神社鳥居 南面全景年代:江戸後期
特徴・評価:南北に細長い敷地の南端にあって境内を画する。間口4.1メートル、高さ5.2メートルの石造明神鳥居で、六甲花崗岩を用いた粗面仕上げとする。比較的大規模な鳥居である。水車利用を意図して開発され、菜種や綿実の絞油生産で栄えた地域の歴史を伝える。
備考(調査等):阪神・淡路大震災の被災を免れた希少な鳥居。

2 文化財登録制度の概要

近年の国土開発、土地開発の進展、生活様式の変化等により、社会的評価を受ける間もなく、消滅の危機にさらされている多種多様かつ大量の近代の建造物を中心とする文化財建造物を後世に幅広く継承していくため、届出制と指導・助言・勧告を基本とする緩やかな保護措置を講じる制度で、従来の指定制度(重要なものを厳選し、許可制等の強い規制と手厚い保護を行うもの)を補完する制度です。
登録有形文化財(建造物)は、50年を経過した歴史的建造物のうち、一定の評価を得たものを文化財として登録し、届出制という緩やかな規制を通じて保存が図られ、活用が促進されています。

3 国登録有形文化財(建造物)の件数

今回答申を受ける登録予定の6件を加えると、神戸市内にある国登録有形文化財(建造物)の件数は86件となります。