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未来都市創造に関する特別委員会行政調査報告(平成30年)

最終更新日
2018年3月15日

1.日程

平成30年2月1日(木曜)〜2月2日(金曜)

2.調査項目

(1)将来のモビリティ社会について(日産自動車株式会社総合研究所)
(2)都市づくりのグランドデザインについて(東京都)
(3)東京2020大会に向けたバリアフリー化の推進について(東京都)

3.委員長所見

(1)将来のモビリティ社会について(日産自動車株式会社総合研究所)

日産自動車株式会社総合研究所の視察の様子 神戸のまちの未来の姿をより具体的にイメージするために,当委員会は日本を代表する自動車メーカーである日産自動車株式会社の総合研究所を訪れ,「将来のモビリティ社会について」をテーマにお話をうかがった。
 同社は,走行中にCo2などの排出ガスをゼロにする「ゼロ・エミッション」と交通事故の死者数をゼロにする「ゼロ・フェイタリティ」の実現を目指し,安全で持続可能なモビリティ社会の構築に先進的に取り組んでいる。技術面においては,電動化,知能化,自動運転の技術開発を進めることにより,そのミッションを果たしていくとのことであった。近年関心が高まっている自動運転については,同社も力を入れているとのことであり,5段階あるレベルの最高水準であるレベル5「完全自動運転車」についても,他社から近い将来の導入が発表されており,2020年代は自動運転の時代になることに間違いはないとのことであった。また,電動化についても,太陽光を活用した発電効率が向上することでエネルギー単価が今後低下し,電動自動車がますます普及していくのではないかとのことであった。こうした技術の進展により,遠くない将来において,駅前や自宅の駐車場が不要になったり,カーシェアが大幅に増えたりするなど,社会に大きな変革を与えるのではないかとの指摘もあった。私たちが想像している以上に,自動車の自動運転などが普及した近未来のモビリティ社会が,すぐそこまで来ているのだと感じた。
 神戸市は坂が多い土地であり,また市の北部や西部には広大な田園地域が広がるなど,かつては自動車利用を前提としたまちづくりが進められてきた。一方で,この度の三宮再整備では,歩行者と公共交通中心のまちづくりへと大きく方向転換することとなった。今回うかがったお話を参考にして,今年度策定される「えきまち空間」基本計画など今後の再整備の内容が,将来のモビリティ社会に適応するものとなるのか,あるいは,将来のモビリティ社会をイメージして再考するところがないのか等,しっかりと見極めていく必要があると感じた。

(2)都市づくりのグランドデザインについて(東京都)

東京都の視察の様子 昨年9月に策定された「都市づくりのグランドデザイン」は,2040年代の目指すべき東京の都市の姿とその実現に向けた都市づくりの基本的な方針と具体的な方策を示したものである。言うまでもなく,東京都は日本の首都として,今後ますます発展するという前提に加えて,2020年にオリンピック・パラリンピックを迎え,世界各国から多様な人を大量に受け入れることになる。果たして,東京都はどのような視点に立ち,この長期的な計画を策定し,未来のまちを創ろうとしているのかについて調査し,今後の神戸のまちづくりの参考にするため東京都を訪問した。
 このグランドデザインは,「活力とゆとりのある高度成熟都市」を都市づくりの目標とし,広く都民から意見を募集するだけでなく,未来を担う世代,特に高校生に意見を聞いて策定されたものであり,サブタイトルである〜東京の未来を創ろう〜というフレーズも,高校生のアイデアであるとのことであった。目指すべき都市像の実現に向けて,分野横断的な視点から7つの戦略,30の政策方針,80の取り組みを示している。そして,それらをまとめた200ページを超える冊子は有償刊行物として発行されており,一見,白書のようにも見えるほど立派なものである。しかしながら,都民の意識はそれほど醸成されているとは言えないようであり,神戸市と同じ課題を抱えていると感じた。
 神戸市は東京ほど大きなイベントを控えているわけではないが,神戸経済の活性化のためにも三宮再整備をスピーディに進め,都市の活力を生み出していかなければならない。今回お聞きした内容を基に,今後の東京の変化を踏まえつつ,神戸市の都心のまちづくりに生かしていきたい。

(3)東京2020大会に向けたバリアフリー化の推進について(東京都)

東京都の視察の様子 今後のまちづくりを考えるにあたり,バリアフリーはもはや当然の要素になりつつある。神戸市もバリアフリーを超えて,ユニバーサルデザインを意識したハード整備をすでに行っているが,おそらく今,日本で一番バリアフリーを急速に進めている街は,やはりオリンピック・パラリンピックを迎える東京都であろう。障がいの有無に関わらず,全ての人々にとってアクセシブルでインクルーシブな街にするために,「Tokyo2020アクセシビリティ・ガイドライン」を策定されており,その中のまちづくりに関する部分を中心にお話をうかがった。
 今回策定されたアクセシビリティ・ガイドラインは,組織委員会がIPCの求めに応じて,大会運営におけるハード・ソフト両面のバリアフリー化を目的とした指針である。競技会場のアクセシビリティ,輸送手段,情報発信や表示,接遇トレーニングに至るまで,非常にきめ細かく設定されており,実行していくためには相当な予算と労力を要すると思われる。それぞれの数値基準は,国や都条例などよりはるかに厳しく設定されており,法的な拘束力はないものの,バリアフリー化を促進するきっかけにはなり得る。
 神戸市ではバリアフリー法や兵庫県の「福祉のまちづくり条例」に基づき,全市的にバリアフリー化に努めている。しかし,30年後の都心のまちづくりを考えるのであれば,三宮再整備においては,国や県よりも厳しい基準を設け,民間事業者等にもバリアフリー化への理解や協力を促していく必要があるのではないかと感じた。ガイドラインの作成も視野に入れて,三宮再整備におけるバリアフリー・ユニバーサルデザイン化を進めていきたい。