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外郭団体に関する特別委員会行政調査報告(平成30年)

最終更新日
2018年3月29日

1.日程

平成30年1月25日(木曜)〜1月26日(金曜)

2.調査項目

(1)東京ロボット産業支援プラザについて
            (独立行政法人東京都立産業技術研究センター)
(2)品川成年後見センター事業について(品川区社会福祉協議会)
(3)柏の葉キャンパスタウン構想について(柏の葉アーバンデザインセンター)

3.委員長所見

(1)東京ロボット産業支援プラザについて(地方独立行政法人東京都産業技術研究センター)

東京ロボット産業支援プラザの写真 ロボット産業の活性化に向けた事業の推進,及び中小企業のロボット分野への参入を支援する東京ロボット産業支援プラザを視察し説明を受けた。
当施設では,単なるロボット技術開発にとどまらず,生活の質の向上や安全・安心な社会の実現など,日常生活を含め様々な場面での活用が期待されており,産業支援はもとより案内支援,点検支援,介護支援など必要とされるサービス分野において,商品となるロボットを創り「実用化」,それらのロボットを活かした新しいサービスの提供「実業化」をめざす中小企業を支援するため「ロボット産業活性化事業」を実施している。また,基盤技術開発による技術移転や公募型共同開発の実施,ロボット産業への参入促進,試作・評価・安全性・信頼性評価の認証取得などの支援を行うほか,普及啓発セミナーや実践的エンジニア養成講習会を開催し,ロボット産業の人材育成にも取り組んでいる。
 当施設の特筆すべき点は,公募型共同研究開発事業により中小企業におけるロボットの大規模開発が資金面で設備投資が難しいところ,当施設の設備を利用できることにより,ロボット開発の拠点として安全性や性能を試験し,かつユーザーとメーカーとのマッチングの場が提供されており,また,東京都産業技術研究センターと企業が共同体として研究を進め,具体に新たなるロボットの技術開発や製品化が実現し推進されていることである。
 このように研究開発され実用化・製品化されたロボットを紹介する場として,2017年には東京ビッグサイトで国際ロボット展が開催され,その中では,会話するコミュニケーション見守りロボットや夜間でも在庫商品管理をして回る商業施設向け案内業務・店舗棚卸ロボット,介護現場の為の食事盛付け協働ロボットなど多種多様なロボットが数多く出展され,神戸からの出展もあったと聞いた。
 最後に,今後の新たな取組みとして,東京オリンピック・パラリンピックに向け,東京都庁舎でもサービスロボット実証実験を進めていくと聞き,神戸市としても市庁舎でのサービスロボットの実証実験に取り組んではどうかと考え,また,本市として中小企業へのロボット研究開発支援及びロボット技術を実用化・商品化できるような研究開発拠点も必要ではないかと感じた。

(2)品川成年後見センター事業について(品川区社会福祉協議会)

品川成年後見センター事業視察の写真 東京都品川区における成年後見制度に関する取組みについて説明を受けた。
 介護保険制度施行後の平成14年6月,品川区では品川区社会福祉協議会が品川成年後見センターを開設し,すでに展開していた「財産保全サービス」と「権利擁護事業」を連動させ,成年後見制度に関する情報の提供や相談,手続きの支援を行っている。
 当センターで実施している主要な事業を見ると,(1)あんしんサービス事業の実施―これは,一人暮らしの高齢者や障がい者のためのサービスで,将来の不安に備え,元気で判断能力があるときからあんしんの3点セットとして利用を進めている。このあんしんの3点セットとは,1.身近に親族がいない高齢者や障がい者に対して定期的に訪問し,日常生活の維持に必要な金銭管理や各種手続きの代行等を含むあんしんサービス契約と,2.品川区社協が任意後見人として契約でき将来の不安に備える任意後見契約と,3.公正証書遺言の作成手続きの支援を行う公正証書遺言作成支援契約を組み合わせた手厚い3つのサービスを提供している。(2)成年後見申立の代理申請―全国で初めて,成年後見申立ての代理申請に係る基準を制定し,年間約20〜30件の代理申立案件があり,また,それと共に区役所と連携し区長申立は年間約50件と活発化しており,他の自治体に先駆している。(3)成年後見人報酬等助成事業の実施―これは,全国初で平成21年4月,成年後見人報酬等助成事業要綱を策定したことに始まり,現在,形態は様々だが同様の事業が多くの自治体で実施されている。(4)市民後見人の養成―これに関しては,市民後見人養成講座を受講後,市民後見人として登録され,そのうち,当センターの支援員として98人が実務につき,財産上で支障のない方や施設入所されている方の個人受任や自らが住む地域の見守りと発見を行い,市民後見人として登録されたまま何も行わない状態だけは避けるように努めていると聞く。神戸市も市民後見人の養成は行っているが,受講後の受け皿や仕事づくりにおいては,見習うところも多いと感じる。
 また,当センターの後見等における地域連携ネットワークの重要性について説明を受けた。それは,これからは発見が大事,発見した情報をいかにいかせるかが問われるというものである。その上で,行政機関の責任として情報収集をいかにうまくやるか,マッチングをいかにうまくやるかが重要だとも言う。
 品川区においては,区民,親族,後見などを必要とする方,民生委員と地域団体や民間の医療機関,調剤薬局,高齢者施設及び介護事業者,また,障がい者生活支援センターや在宅介護支援センターなどが一体的に連携し,発見・相談に努めることで,その結果として地域との関わり合いの中から発見が増えてきているという。その上で,発見・相談を通じて該当する方については,区,社協,各在宅介護センター,訪問介護,ヘルパー,医療(ソーシャルワーカー)等が参加して,毎月,地区ケア会議を実施するなど,成年後見制度利用までの流れが形成されているとのことだった。神戸市においても同様に発見の重要性を認識することから,品川区のように行政と地域ネットワークの構築を拡充し推進していきたい。
 最後に,品川区のように,区役所ではなく外郭団体である社協が成年後見実施機関となることで,資金調達の難しさなど課題はあるが,社協自らが直接成年後見等を受任することができ,また,第三者後見が増えている現状の中,地域との連携強化を踏まえ,今後予想される代理申立や区長申立の増加にも対応していることを見れば,神戸市においても社協の重要性をより痛感するところであり,社協のさらなる役割の拡大に大いに期待するところである。

(3)柏の葉国際キャンパスタウン構想について(柏の葉アーバンデザインセンター)

柏の葉アーバンデザインセンター視察の写真 公・民・学連携による国際学術研究都市・次世代環境都市を目指し取り組む柏の葉国際キャンパスタウン構想の中心拠点となる柏の葉アーバンデザインセンター(UDCK)を視察し説明を受けた。
 UDCKは,行政・民間・大学が参画して2006年11月に創られた我が国最初のアーバンデザインセンターである。ここでは,新たなまちづくりに係る「調査・研究・提案」を行うシンクタンクとしての機能と,実際のまちづくりの「調整・支援」を行う事業推進コーディネーターとしての機能,そしてこれらを市民や社会に対して発信し,参画を促す「情報発信」機能の3つの機能を持ち,公・民・学の7つの構成団体で共同運営されている。
 地域主体で街を創造する拠点であるUDCKを中心に展開される「柏の葉国際キャンパスタウン構想」は,2008年3月に,千葉県・柏市・東京大学・千葉大学の4者により,「公・民・学連携による国際学術研究都市・次世代環境都市」づくりを理念に,大学と地域が空間的にも活動的にも融和し,そこから新たな文化や産業が生み出されるようなまちづくりを目指し策定され,その中では,8つの目標が掲げられている。
 その中の幾つかを紹介すると,環境と共生する田園都市づくりでは,対象区域における民地内の緑地保全・創出による緑地環境の形成が進められ,緑地ネットワークの保全・強化でまちの緑被率40%を維持し,また,対象区域内の総使用電力量を掌握する効率的なエリア・エネルギー管理システム(「柏モデル」とも言われる)を構築し,CO2削減率35%を達成すべく取り組まれている。また,国際的な学術・教育・文化空間の形成では,国際化に対応し世界レベルの学生を育てる教育・生活環境の整備を進め,世界をリードする「10の研究・教育機関」の誘致を目指し,次に,サスティナブルな移動交通システムでは,公共交通や自転車の利用促進,環境負荷の小さい自動車の普及・活用を進め,サイクルシェアリングシステムの利便性向上と拡大で自転車分担率を10%増加させ,カーシェアリングの実施などによる自動車利用の削減で自動車分担率を10%削減することを目指す。また,健康を育む柏の葉スタイルの創出では,健康で快適な暮らしを支える生活空間,だれもが歩きやすく快適・安全な歩行環境の整備を進め,加えて街の健康ステーション(まちの健康研究所「あ・し・た」)を整備し,誰もが気軽に健康チェックでき,サポートする体制を構築している。また,質の高い都市空間のデザインでは,豊かな緑地環境と都市の活力とが調和した緑園のまちの形成を目指しており,緑園の道沿いでは点在してベンチが置かれ,高齢者が歩行する際にはひと休みする憩いの場となる。そのベンチの横には,水道蛇口が設置され,またベンチの中にはスコップやホースなど防災用具が収納されているなど防災の観点からも細かな工夫が凝らされていた。
 この視察において,まだ目標達成に向かい遂行過程のところも多くあったが,一番着目すべき点は,新たなる街づくり・都市形成に向かい,より目標を高く設定し,その実現を目指し具体に取り組み,かつ,独自のモデル的取組みを発信しようとされているところにある。
 最後に,本市として当構想の先進的な取組みについて取り入れられることも多くあるが,それ以上に本市が今後進めようとする街づくりにおいて,柏の葉国際キャンパスタウン構想の理念が着実に推進されていることをみるに,構想の理念をいかに具体・明確に実現していくことが重要であるかを実感した。