• 日程:本会議・委員会の日程がご覧になれます。
  • 議員の紹介:区別・会派別・委員会別・50音順に紹介しています。
  • 会議録検索システム:本会議・委員会の会議録がご覧になれます。
  • インターネット中継:本会議・委員会の映像をご覧になれます。

未来都市創造に関する特別委員会行政調査報告(平成29年)

最終更新日
2017年4月20日

1.日程

平成29年1月30日(月)〜1月31日(火)

2.調査項目

(1)バスターミナルについて 
   1)西鉄天神高速バスターミナルについて:西日本鉄道株式会社 (福岡市)
   2)博多バスターミナルについて:博多バスターミナル株式会社 (福岡市)
(2)広島駅周辺地区整備の推進について:広島市役所 (広島市)
   1)駅周辺地区の再開発事業について
   2)広島駅自由通路整備及び駅前広場整備について

3.委員長所見

 現在、神戸市が進めている三宮駅周辺再整備にあたって、特にバスターミナル整備及び駅周辺の再開発事業に関して参考にさせて頂くため、今回の行政調査を実施した。

(1)バスターミナルについて

1)西鉄天神高速バスターミナルについて

西鉄天神高速バスターミナル視察の写真 福岡市の中心都市に位置するバスターミナルの一つであり、高速バスの年間利用人数は日本一を誇り、全国でも屈指の規模を持つバスターミナルである。隣接する商業施設の大規模改修に併せて、この度、開業(平成9年2月)以来初の大規模改修を行い、平成27年3月にリニューアルしている。
 元々は、福岡駅周辺再開発計画における事業に基づいて着工・完成したターミナルビル内(3F)に「西鉄天神バスターミナルセンター」を開業していたが、バスターミナルに隣接する商業施設との一体化を強め、天神地区の活性化や更なる賑わい創出のための一環としてリニューアルされた背景がある。なお、ターミナルビル2Fは、西鉄の鉄道駅舎になっている。
 設備規模としては、乗入路線は全33路線、所定便6バース+臨時1バース+貸切バス用3バースを確保し、大通り側に面した片方向にバースごと順番に乗車専用として配列されている。発着本数は約1,500便/日、乗降者数は約20,000人/日とのことで、流石に日本一を誇るだけの規模である。一方、降車場は同じフロアの反対側にあり、隣接する商業ビルに直結させている。
 リニューアルされたバスターミナルの特長としては、乗り場、降り場の機能一辺倒の施設ではなく、長く居てもここちよい環境を提供するために、動線の改善のみならず、「心ときめく施設空間」を創り上げることをコンセプトとしており、趣のある空間を提供していることが特筆される。
 そのために、様々な工夫、アイデアがされている。具体的な特長として例えば、まつ(休憩)スペースは、人の流れが煩雑にならないように通路と乗車スペースが待合ベンチで緩やかに仕切られている他、ガラスで仕切られた待合ブースやカフェでの待合も提供している。パウダールームも綺麗に利用者が使いやすいように工夫されており、更に男女ともそれぞれが使用出来るフィッティングルームも新設され、長距離バス利用者には、とても喜ばれている。
 特に情報発信・案内サービスについては、デジタルサイネージを効果的に各所に配置し、ターミナル空間の告知環境をとても素晴らしいものにしている。同じフォントを使用し、カラ―もユニバーサルデザインの色に限定して使用するなど、空間での見え方の統一を図るとともに、床面にもデジタルサイネージと連携した表記で案内している。また、画面の切り替えでインバウンド対応も可能としている他、インフォメーションコーナーは、乗り場側では視認性のよい中央部に配置し、インバウンド対応のスタッフも常駐させており、一方、降車場側インフォメーションでは観光案内もサポート出来る対応になっている。
 このように、スパンを長く取れるターミナルビルの規模だからこそ出来る仕様もあるが、ただ、コンセプトである、ここちよい環境を提供するという視線でのハードとソフト両面の環境整備は、今後の神戸においてとても参考になると思う。
 まさに、単なるバスターミナルの機能としてではなく、神戸の自慢できる一つの居場所・空間として、バス利用者のみならず行ってみたいと思わせる場所になるような取り組みを求めていきたい。

2)博多バスターミナルについて

博多バスターミナル視察の写真 天神バスターミナルに引き続いて、同じ西日本鉄道株式会社の傘下である、博多バスターミナルを視察。
 ここは、西鉄バス・JR九州バスの運行上の拠点となっているほか、糸島・唐津方面に路線網を有する昭和自動車の拠点ともなっており、西日本鉄道株式会社ほかJR九州と福岡市も出資している。開業50周年を機に平成27年12月にリニューアルをしている。
 背景としては、やはり天神と同様に近年の博多駅周辺地区における交通機能の結節強化や商業集積が急速に進むなか、西鉄グループの拠点施設としての機能充実、商業施設としての周辺施設の差別化を図り、存在感のある複合施設としてリニューアルの必要性が求められたようである。
 設備規模としては、ターミナルビルの3Fが乗車用フロアで8バース、2Fが降車用フロアであり、更に1Fは市内バスの発着場となっている。乗入路線は高速バス全35路線、発着便数は約3,120便/日、乗降者数は約70,000人/日とのことだが、市内バスの便数が多いためであり、高速バスでは、約780便/日と多くなく、中でも特に九州島内など近郊都市への路線が多く、天神バスターミナルとすみ分けが出来ている。
 ここのリニューアルされたバスターミナルの特長としては、まず、商業施設との分かり易い動線を確保するとともに、館内の案内サインをイメージカラーで分かり易く表示し提供していることである。特に車椅子の方用に車椅子対応型の自動券売機や高速バス切符売り場でも専用のカウンターを用意している。更には利用者の多い市内バスのりばでは、路面の案内表示において、視覚障害者の方のために誘導ブロックを適切に配置するなど、バリアフリーの環境づくりに努めている点も特筆すべきことだと思う。
 なお、博多バスターミナル株式会社の社長は、親会社の西日本鉄道株式会社から赴任してきた社長であるが、実は、先の西鉄天神バスターミナルのリニューアルにも携わって来ており、そのため、当バスターミナルのリニューアルにも規模は違うものの、同様のコンセプトを基に進められたと伺った。従って、同様に特に情報発信・案内サービスやユニバーサルデザインなどの視点を重要視されているのが納得できた。
 更に、バスターミナル事業としての採算性も重要であるが、その他の事業も含めて経営を考えなければならず、経営責任も問われる旨、社長から話がありとても説得力があった。
 今後、神戸の運営形態がどのようになるか分からないが、経営の視点からも運営事業体を注視していく必要があろう。

(2)広島駅周辺地区整備の推進について(広島市)

1)駅周辺地区の再開発事業について

広島市役所視察の写真 広島駅周辺地区の全体的な整備については、広島駅北口周辺から南口周辺及びマツダスタジアム周辺地区までの広範囲がかなり以前より整備計画がされるなか、平成15年に、この73haにおよぶエリアが都市再生緊急整備地域の指定を受けた。その後、エリアごとに順次整備されてきた状況であり、駅北口周辺地区及びマツダスタジアム周辺地区は既に整備完了している。
 広島駅南口周辺地区については、広域交通ターミナルである広島駅に隣接した重要な位置にありポテンシャルの高いエリアでありながら、老朽家屋が密集しているなど、効率的な土地利用がなされていない状況だった。そこで、広島の陸の玄関口にふさわしい地区に再生するため、当該地区をA、B、Cブロックに分け市街地再開発事業(いずれも組合施行)を実施してきた。
 Aブロックは、既に平成11年4月に再開発ビルがオープンしたが、Bブロックは平成28年8月に再開発ビルが完成。Cブロックも、平成28年12月に再開発ビルが漸く完成に至った。
 Bブロック、Cブロックとも昭和56年3月の市街地再開発事業基本計画に位置付けられていたが、途中バブル崩壊等の影響もありなかなか進展しなかったが、前述した平成15年の都市再生緊急整備地域の指定を契機として、動き出してからは比較的早かったとのこと。それでも、完成までに35年を要している。なお、いずれも住居施設(マンション)をメインとした再開発ビルとなっているのが特長的である。
 というのも、完成まで長期にわたっているため、当然、当初計画時より考え方の変化もあったようである。つまり、当初はデパートなどの商業施設やホテルの誘致を想定していたが、経済状況悪化のためなかなか誘致が進まず、一時は三セクに床を所有させる案もあったが、負担が大きいため頓挫した。そうしたなか、商業施設はオーバーストアとの観点から、商業施設メインから住居施設ならば事業が成立するのでは、との判断から住居施設(マンション)最優先の方向に変わったようである。
 そこで、神戸市においても同様の再開発ビルに何を持ってくるかが最重要であるが、しっかりと様々なニーズを調査・研究し、明確なコンセプト、方向性のもと進めていく必要があると痛感した。
 なお、Bブロックの再開発ビルの2フロアに公共施設(広島市総合福祉センター)が入居し、更に駐車場スペースの一角に市営駐輪場を確保していることも印象的であった。

2)広島駅自由通路整備及び駅前広場整備について

広島駅周辺視察の写真 広島駅周辺地区整備に並行して、駅の橋上化や自由通路の整備などの駅改良工事も実施中である。自由通路は駅の南北を跨ぐ通路であり、幅員は15M。ちなみに同様の通路では、京都駅が12M、博多駅が20M、大阪駅1Fが20Mと伺った。
 そして、自由通路に繋がって駅北口3ルート方面へのペデストリアンデッキも併せて整備中である。
 更に、新幹線口広場の公共交通機関のバスエリアの利便性向上、マイカー送迎スペースやタクシーエリアも含めた整備も進めている。これは、利用者の利便性向上の観点に立った公共交通ネットワークの形成を図ることを目的として、路面電車の駅前大橋ルートの整備も含めた駅前広場の再整備となっている。
 特に広島の公共交通の目玉である路面電車の現在の駅前ルートを変更して、駅前正面ルートである駅前大橋ルートから南口広場へ路面電車を高架で駅ビル(ASSE)の中に進入させるという画期的な構想も進めている。
 まさに、広島の路面電車を更に有効活用させるとともに、広島市ならでは知恵で交通ネットワークを同時に進めていこうとしている事は、特筆すべきことであろう。やはり再整備に併せて公共交通ネットワークも再構築するのは神戸市においても同様であろう。
 ともあれ、広島駅周辺と神戸市とは大きく違うものの、一つひとつのエリアの取り組みや経緯は今後の取り組みにおいて参考になると思われる。