• 日程:本会議・委員会の日程がご覧になれます。
  • 議員の紹介:区別・会派別・委員会別・50音順に紹介しています。
  • 会議録検索システム:本会議・委員会の会議録がご覧になれます。
  • インターネット中継:本会議・委員会の映像をご覧になれます。

企業建設委員会行政調査報告(平成29年)

最終更新日
2018年2月6日

1.日程

平成29年12月13日(水曜)〜12月15日(金曜)

2.調査項目

(1)東山動植物園について(名古屋市)
(2)みなとモデル二酸化炭素固定認証制度について(東京都港区)
(3)技術の継承,水道ビジネスについて(東京水道サービス株式会社)
(4)緑化助成について(東京都中央区)
(5)大丸有地区公的空間活用モデル事業について(東京都千代田区)

3.委員長所見

(1)東山動植物園について(名古屋市)

東山動植物園視察の写真 東山動植物園は,約60ヘクタールの広さを誇る市営動植物園であり,平成28年度の年間来園者数は上野動物園に次ぐ全国2位で約240万人となっている。そうした東山動植物園の展示方法の工夫等について説明を受け,園内を視察した。
 同園を所管する緑政土木局東山総合公園管理課では,「人と自然をつなぐ懸け橋へ」をテーマに,1.動物園を見て楽しむ,2.楽しみながら学ぶ,3.野生生物を守る,4.調査研究を行うという具体的な役割を設定し,開園100周年となる平成48年度までを整備期間として,概ね5年ごとに事業計画を見直しながら平成17年度から展示施設の整備等を進めている。
 第一期事業として平成25年度に完成したアジアゾウ舎「ゾージアム」では,より生態に合わせた環境となるよう,実際にスリランカでゾウの生態について学び,アジアゾウの故郷・スリランカの風景をイメージして運動場やぬた場,体こすり棒なども設置され,変化の少ない飼育下で生息地における動物本来の生態を再現するよう工夫・充実がされている。現在,第二期事業としてゴリラ・チンパンジー舎等を整備中であるが,いずれも動物本来の姿や躍動感が間近に観察でき,学びながら楽しめる魅力的な展示が進められている。
 また,園内には,民間のノウハウを活用したフードコートやカフェを始めベンチやいす,芝生広場など休憩スペースが園内各所にあり,憩いの場としての機能も多く取り入れられている。
 他にイケメンゴリラ「シャバーニ」やフクロテナガザルの「ケイジ」など,話題となった動物もいるが,そうした動物だけに頼ることなく,こうした取組により多くの人でにぎわう動物園となっているのだと感じた。
 王子動物園においても開園から既に66年を迎え,施設の老朽化やレジャーの多様化などに伴う入園者数の減少が課題となっている。東山のように敷地のない王子動物園では,ここまでの大規模な整備は難しいであろうが,魅力的な展示方法について大いに参考となるのではないかと思う。
 また,平成28年12月に発生した鳥インフルエンザの対応について,当時の対応等の説明を受けた。
 飼育鳥と野鳥との接触による感染であり,渡り鳥が多数飛来するシーズンには一部の池の水抜きを行うなどの対応が現在もなされている。
 また,当時,対策マニュアルが十分でなかったこと,防疫用資機材が不足したことなどを受け,マニュアルの改訂や緊急時に備えての機材・薬剤が備蓄されている。
 東山動植物園では,鳥インフルエンザの発生により約1か月の休園を余儀なくされており,王子動物園においても十分な警戒,緊急時の備えが必要である。

(2)みなとモデル二酸化炭素固定認証制度について(東京都港区)

東京都港区視察の様子 この制度は,地球温暖化対策として区内で延べ床面積5,000平方メートル以上の建築物を建築する建築主に対し,1.国産木材使用計画書・国産木材使用完了届出書の港区への提出を義務付け,2.床面積1平方メートル当たり0.001立方メートル以上の国産木材の使用を指導,3.木材使用量に相当する二酸化炭素固定量を港区が認証,4.特に,区と「間伐材を始めとした国産材の活用促進に関する協定」を締結した自治体(協定自治体)から産出された木材(協定木材)の使用を促すというものであり,条例化はされておらず,要綱として指導するものである。補助金などのインセンティブがあるものではないが,CSR活動として建築主である企業にとってのイメージアップにつながるとして好意的に受け入れられており,認証の実績を上げている。また,協定自治体もスタート時には9自治体であったが,今年度も2自治体が新規加盟し,現在77自治体となっている。なお,兵庫県からは朝来市と宍粟市が加わっている。
 三宮市街地再整備や市役所2・3号館の建て替えにおいても木質化の推進が注目されており,委員からは活発な質疑がなされた。また,港区役所のリニューアルにもこの制度により木質化が進められており,正面玄関エントランスや食堂などを見学したが,木のぬくもりが感じられる素晴しい空間であった。
 神戸市においても,このような制度を研究していく必要があるのではないかと感じた。

(3)技術の継承,水道ビジネスについて(東京水道サービス株式会社)

東京水道サービス株式会社にて説明を受ける様子 同社の1.東京水道の経営改革,2.技術継承・人材育成,3.国内事業,4.海外事業の4つの観点から説明を受けた。
 1については,東京都水道局は業務の約8割を民間委託している。監理団体としては技術系の東京水道サービス株式会社(TSS)と事務系の株式会社PUCを置き,水道局とともに基幹的業務を担うといった,大幅な経営改革がなされた。同社は,かつて東京都水道局が行っていた技術部門のほとんどを引き継ぎ,人件費などを縮小させて事業を継続している。
 2については,様々な経験を持つ同社には大規模な研修施設があり,社内研修にとどまらず,日本水道協会や国内の水道事業体からも漏水防止研修や設備研修を受託しており,阪神水道企業団もここで研修を行っているということである。
 3については無収水対策としてのTSリークチェッカーと施工管理効率化のための現場管理システムを主力事業としている。
 TSリークチェッカーはTSSと民間で共同開発され,水道メーターにて録音した音を分析し,漏水音を抽出するもので,誰でも簡単に片手で操作できる携帯型のものであり,作業効率の向上が図られる。現在17事業体にレンタルを行っている。
現場管理システムはスマートフォンを活用した水道工事の施工管理システムであり,施工品質の向上,効率的な検査体制,適切な進捗管理を可能にしている。人材不足の地方をアシストするためにTSSにより開発され,他の事業体にレンタルされている。
 4については,アジア各国において進行中のプロジェクトが紹介された。同社の海外事業の特徴は,技術指導にとどまらず単独事業やODA等を活用するなど事業化にまで結びつけている点である。委員からは神戸市の水事業の海外展開と比較するなど,様々な観点から活発な質疑がなされた。
 神戸市の水道事業においても,施設の老朽化や技術の継承など様々な問題を抱えている。こうした活動を参考に,神戸市の水道事業の発展につなげていきたいと感じた。

(4)緑化助成について(東京都中央区)

東京都中央区視察の様子 平成元年の「花の都中央区宣言」により,公園や街路樹の整備など緑化を積極的に進めてきた。区内の住宅,事務所,学校などの施設用地の緑化を推進するため,緑化計画書を提出いただき,緑化指導を行っている。
 緑化場所としては,地上部緑化,屋上緑化,壁面緑化であるが,特筆すべきはベランダのプランターも対象に含まれるという点である。ただし,プランターは容量が100リットル以上のものとされているが,複数のプランターの合計でも対象になるということである。また,家庭菜園も対象に含まれるが,通年植栽が条件となる。
 この制度の助成金額の上限は200万円であり,委員の関心が高かったベランダ緑化については,平方メートル当たり3万円の助成である。住宅の場合は要した費用の3分の2,非住宅系は2分の1の助成となる。
 また同区では,樹木の保護育成にも助成を行っており,地上1.2m以上の高さで幹回りが1.2m以上の樹木に対し,助成額は年間1本当たり1万円とし,同一敷地内の年間の助成限度額は10万円となっている。
 この制度を利用した企業の屋上緑化と,新築マンションの地上部緑化の実例が示されたが,この制度を利用することで美しい景観づくりに大きな役割を果たしているのではないかと感じた。
 委員からは,いわゆる「まちづくり条例」との兼ね合いについての質疑もあったが,同区では,大規模開発を対象とする「まちづくり条例」と,小規模ながらも各所で進められる緑化助成とは住み分けをしているということであった。
 本市においても緑化推進は重要な施策であり,今回の調査は本市の施策を進める上でも,参考になるのではないかと感じた。

(5)大丸有地区公的空間活用モデル事業について(東京都千代田区)

東京都千代田区視察の様子 大丸有エリアは平成27年に国家戦略特区制度における特区認定を受け,まちづくり協力金をもとにエリアマネジメント団体(千代田区,東京都,特定非営利活動法人大丸有エリアマネジメント協会等)が中心となり,丸の内仲通り,行幸通り等におけるエリアマネジメントを進めている。
 特区認定ならではの道路法特例の適用が可能となり,にぎわい創出のためのイベントをやりやすくするために,オフィスビルの私有地(接合部)歩道部,車道を一体で管理して意匠を統一,植栽の脇に電源コンセントを設けるなど,緻密に計算されたエリアマネジメントである。
 丸の内仲通りにおいては,オープンカフェや盆踊りなどに公的空間が活用され,先端性・時代性のある催事及び就業者間の交流催事等を推奨している。
 行幸通りにおいては,JAPAN NIGHTや地下部分におけるマルシェなどに公的空間が活用され,世界に向けて日本の歴史・文化を発信する催事,国際的レセプション,国際競争力のPRに寄与する催事等を推奨している。
 また,将来像として丸の内仲通りを東へ延伸して神田川に人道橋を架橋し,神田地区との回遊性を確保するということである。
 永楽ビルディング等最新の複合ビルも視察した。午前4時まで営業をしているバーフロアでは,店舗ごとに仕切られるのではなく,フロア一帯で各店舗のサービスを受けられるように工夫されているそうである。いわゆるフードコートの大人版とでもいうべき洗練された空間である。
 ナイトライフの充実はエリアマネジメントの重要な位置を占めており,特に海外からのお客様を多数迎える同地区では,開発段階から考慮しているということも聞いた。
三宮中心市街地再整備においても,同様の観点は欠かすことのできないものであり,こうした先進事例は本市の再整備において大いに参考になるのではないかと感じた。