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文教こども委員会行政調査報告(平成29年)

最終更新日
2017年12月28日

1.日程

平成29年11月13日(月曜)〜11月15日(水曜)

2.調査項目

(1)函館市子ども条例について(函館市)
(2)はこだてみらい館・はこだてキッズプラザについて(函館市)
(3)教科指導におけるICT活用(MIYAGI Style)について(宮城県)
(4)せんだいメディアテークについて(仙台市)
(5)児童相談所一時保護所の外部評価について(横浜市)

3.委員長所見

(1)函館市子ども条例について(函館市)

函館市視察の写真 函館市では子どもの人権を尊重しつつ子どもの健やかな成長を支え安心して子育てができる地域社会の実現を目指すため,子どもにかかわる施策推進の柱となる「函館市子ども条例」を制定し,平成28年4月1日に施行している。条例制定の発端は平成23年の函館市長選挙において「子ども条例の制定」が市長公約に掲げられたことであった。その後19回にわたり開催された検討委員会で協議検討が重ねられ制定に至ったとのことである。
 条例制定後の施策展開として,子どもの悩み相談110番の体制強化,「子ども会議」の開催などがあげられた。「子ども会議」は子ども自身が子どもに関係する施策やまちづくり関することなどについて意見発表することを目的として,本年8月に3日間にわたり開催された。「子ども会議」では子どもの目線で函館市の課題について様々な意見が寄せられ,市長の前で報告が行われたとのことであった。質疑の中では委員からも条例制定の効果として「子ども会議」の開催を評価する声が上がっていた。
 本市においては,児童相談所における平成28年度の児童虐待相談の受付総件数が1,225件と昨年度の904件を上回り統計を取り始めて以来最も高い件数を記録する中,子どもの人権を尊重し安心して子育てができる環境を一層整えることは最重要課題の一つである。その意味で,子ども条例を制定し子どもに関わる施策の柱を明確にし,子どもの権利擁護に努める函館市の取り組みは大いに参考になる事例である。

(2)はこだてみらい館・はこだてキッズプラザについて(函館市)

はこだてみらい館・はこだてキッズプラザ視察の写真 はこだてみらい館・はこだてキッズプラザの調査では,それぞれの施設をご案内いただきながら説明をうかがった。これらの施設は駅前・大門地区の交流と賑わいの創出を図るため「函館駅前若松地区一種市街地再開発事業」で建設された再開発ビルの3階および4階に整備され平成28年10月15日にオープンした。
 整備事業費(平成26年から平成28年度予算ベース)は約20億円(床取得16億3,800万円,施設整備3億6,400万円)であるが45%は社会資本整備交付金でまかなわれたとのことであった。
 3階のはこだてみらい館でまず目に飛び込んできたのは横14.4メートル,縦2.4メートルの大型LEDディスプレイである。ディスプレイでは最新の映像技術により動物の実際の大きさや走る速さが体験でき,当日も大勢の子ども達が歓声をあげながら映像と共に体を動かしていたのが印象的であった。またイカ型ロボット「IKABO」やレゴブロックにプログラミングによりさまざまな動きを与えて遊ぶロボットプログラミングキットも展示されており,身近な題材で科学にふれワクワク感を味わえるしかけが随所に見られた。また,小学校で2020年からプログラミング授業が始まるのに伴い,函館市ではプログラミングを学ぶ先進的な取り組みが市内で進んでいるとのことであった。
 次に4階のはこだてキッズプラザを調査した。こちらでは,高さ3.5メートルの天井から網をつるした巨大なネット遊具が印象的であった。当日も大勢の親子が利用していた。また子育て相談室も併設され,専任の子育てコンシェルジュが子育てに関する相談を受けているとのことであった。
 駅前・大門地区の交流と賑わいの創出を図るため整備された施設であるが,はこだてキッズプラザが年間目標入館者数である11万人を越える一方で,はこだてみらい館はPR不足のため入館者が伸び悩んでおり入館者数の増が喫緊の課題とのことであった。
 本市においても人口減少の進む地域等における駅前活性化は重要な課題であり,函館市の事例も参考にして駅前再整備の検討を一層進めるべきであると考えるところである。

(3)教科指導におけるICT活用(MIYAGI Style)について(宮城県)

宮城県視察の写真 宮城県教育委員会では「教科指導におけるICT活用」を推進している。「Miyagi Style」はMiyagi ICT Youth Approach Growing with Innovation Styleの頭文字をとっており,ひらがなや漢字の表記ではなく,あえてアルファベット表記にしている理由は,今までにないような“見せ方“を行うことで,教育現場で一層のICT活用の浸透を図りたいためとのことであった。
 「Miyagi Style」の基本的な考え方は,比較的取り組みやすい一斉学習(Miyagi Style ver1)から始め,段階的に協働学習(Miyagi Style ver2),個別学習(Miyagi Style ver3)へと進めることである。
 Miyagi Style ver1の大きな特徴は,タブレットPCと小学校等では大抵整備されている大型テレビなどの必要最低限の機材で開始できることである。導入に費用のかかる無線LANや学習支援システムを必須としないことから,導入しやすいものとなっている。
 本市においては第2期教育振興基本計画が示す電子黒板や無線LAN等のICT機器の整備目標は財政制約のため未達である中,より効果的なICT機器導入に向けて「ICT環境整備計画」の策定にむけて検討が進んでいる。このような本市にとって初期導入費用をおさえながら着実に成果を出している「Miyagi Style」は大変に参考になる事例であり,本事例を参考に教科指導における一層のICT活用に取り組むべきと考えるところである。

(4)せんだいメディアテークについて(仙台市)

せんだいメディアテーク視察の様子 2日目の午後は仙台市の,せんだいメディアテークを調査した。仙台市の目抜き通り沿いにあるガラス張りの建物は街の雰囲気にマッチしていた。この建物はプリッカー賞を受賞した世界的な建築家・伊藤豊雄氏の設計によるものとのことである。建設の沿革は,平成元年にさかのぼる。当時,仙台市には美術館が設置されておらず県芸術協会から大型ギャラリーを中心とした美術館建設の陳情書が提出されたことが建設のきっかけになっている。同時に昭和37年に開設した図書館が老朽化していたことから,その代替えとしての検討も行われた結果,建物の3階,4階には仙台市民図書館が設置されている。図書館利用登録者数が震災前の水準にもどっていないことや,図書館設置数が政令市平均との比較で半分程度であり,市民にとって図書館へのアクセス向上などが課題としてあげられた。
 館内各フロアを案内いただいたが,全てのフロアが柱ではなくチューブで支えられておりその特徴的なデザインが印象的であった。また,大勢の市民でにぎわっており市民活動の拠点として市民の中に根付いているとの印象を受けた。
 本市においては,都心・三宮の再整備に伴い中央区役所,三宮中央図書館,文化ホールなどの行政施設の移転・仮移転・再整備の大枠が示されたところである。せんだいメディアテークの事例を参考にしながら,また市民・区民・関係者の意見に一層耳を傾けながら,街の魅力と回遊性の向上につながる計画にするよう努めるべきであると考えるところである。

(5)児童相談所一時保護所の外部評価について(横浜市)

横浜市視察の写真 3日目は横浜市中央児童相談所をおとずれ,児童相談所一時保護所の外部評価について調査した。横浜市は所管区域毎に4か所の児童相談所を設置して相談を受け付けており,児童相談所に付設された一時保護所においては,定員の約9割が入所している状態で,人材の育成やハード面の整備などが課題であるとのことであった。
 一時保護所における外部評価制度は平成20年度から本格導入されているが,そのきっかけは平成18年に発生した一時保護所における職員の人権侵害事案であるとのことである。外部評価は「一時保護所の自己評価」「子どもによる評価」「外部委員による評価」の3つの項目を組み合わせて総合的におこなわれている。この中でも特に,職員全員が参加し一時保護所のあるべき姿を議論する自己評価が最も大切であると考えており,自己評価については4つの児童相談所で毎年行われているとのことであった。
 評価結果についてもご説明を受けた。子どもの権利擁護の項目では評価委員からの意見として「一時保護所のしおりに第三者委員が来所し相談できる旨の記載がない」や「意見箱の設置場所について,意見箱に入れるところをみられたくない児童もいることを考慮されていない」などの意見が出されて,それぞれに対し具体的な提案がなされていた。このように外部評価を通じてきめ細かい意見を頂くことは,児童の権利擁護の推進と施設運営の透明性の確保に寄与しているとのことであった。
 本市においては,こども家庭センター一時保護所における一時保護人数・保護日数ともに年々増加傾向の中,一室当たりの定員・面積とも基準以下であるなどの課題をふまえ,こども家庭センターの抜本的な機能強化を図るため,再整備に向けた基本計画を策定中である。この機会に,一時保護所入所児童の一層の権利擁護のために横浜市同様の外部評価の導入を検討すべきであると考えるところである。