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都市防災委員会行政調査報告(平成29年)

最終更新日
2018年2月20日

1.日程

平成29年11月13日(月曜)〜11月15日(水曜)

2.調査項目

(1)熊本地震の被害と復興状況について(熊本市)
(2)熊本地震の被害と復興状況について(熊本県)
(3)博多・天神の再開発「天神ビッグバン」について(福岡市)
(4)民間主導のまちづくりについて(We Love 天神協議会)
(5)ひろしま都心活性化プランについて
   広島市地域公共交通網形成計画について(広島市)

3.委員長所見

(1)熊本地震の被害と復興状況について(熊本市)

熊本市視察の様子 熊本市復興総室より,平成28年4月14,16日発生の熊本地震の概要・熊本地震における支援物資の状況と課題などを聴取した。
 震度7の地震が2度発生し,さらに余震の回数が4,400回を超えることなどが熊本地震の特徴であった。このため,自宅に滞在するのが心理的に不安であり,自家用車避難が多く,エコノミークラス症候群の発症が多くみられた地震であった。
 阪神・淡路大震災等の経験から,各地から集まる支援物資の集積と配分については課題であることが把握されていながらも,人材や機材の不足などにより,やはり支援物資の配分整理は困難を極めたが,支援物資受入れ所を4月25日よりショッピングモール化し,物資がどこにどれだけあるのかを分かりやすくした事で,物資の配分がスムーズにいくようになったと聞いた。
 また,現地派遣されている神戸市役所職員の声も聞く事ができた。阪神・淡路大震災で受けた各地からの援助に報いるべく熊本でも活躍してくれているとの事で,我が市の職員の士気の高さを感じ,誇らしく感じた。

(2)熊本地震の被害と復興状況について(熊本県)

熊本県視察の様子の写真 熊本県危機管理防災企画監より,企画監就任時からの訓練・防災センターの改善点と,熊本地震への成果,またその後新たに把握した課題点などを聴取した。
 企画監である有浦氏自身は,元陸上自衛隊レンジャーであり,就任時から,その陸上自衛隊での部隊指揮の概念を災害時の指揮命令系統に活かすことに取り組まれたという。これは,指揮官が誰なのかを明確にし,情報を指揮官に流す,対応スケジュールをタイムラインで示す,日常からの報連相意識付けにより情報共有と検証を可能にする等の取り組みであったという。このために,訓練も展示型ではなく,実際に指揮所が機能するための指揮官の訓練を重視するのだという。
 このコマンド概念や訓練の効果があり,実際の熊本地震発災から,指揮命令系統は機能し,情報伝達もしっかりと行われたという。
 また,庁内の危機管理部局からの転出者復帰制度も対応の充実に貢献したという。転出者復帰制度とは,役所内の異動により危機管理部局から他部局へ異動したメンバーが災害時には自動的に危機管理部局へ戻ってくるというシステムであり,異動時期と発災時期のタイミングにより現場対応力が低下する事を防止する仕組みである。
 改善が必要な点としては,国からのプッシュ型支援への対応が大変であった事から,現状の単一物資を大ロットで配送する方法から,必要なものを適切な種類セットしてパックで配分する方法への転換が望まれるという点。そして,日用品については女性と子供目線での支援物資準備が望まれるという点などであったという。
 また,住民主体の自主防災組織が最大限機能した「西原村の奇跡」については,防災時のリーダーが存在し,日頃の訓練により,住民自らが心理的にも準備できている事が重要であったという。住民が災害時に機能する事で,役所の人員のマンパワーが他に活かせるという事も利点であるという。
 防災という観点からは,熊本市・熊本県への視察より,支援物資の集配分方法についてのショッピングモール方式などの工夫や,支援物資の子供および女性目線でのパッキング,防災センターの指揮命令系統および訓練の態様,住民訓練や防災リーダーの養成などが参考となるものであると考えられる。

(3)博多・天神の再開発「天神ビッグバン」について(福岡市)

福岡市視察の様子 福岡市住宅都市局より,天神ビッグバンと都心部のまちづくりについて聴取した。
 福岡市は,アジアの各都市と近く,また,人口増加傾向にあることを背景に,インバウンド誘客や都心の活性化に取り組んでいる。
  「ウォーターフロントエリア」,「博多駅周辺エリア」,「天神・渡辺通エリア」の3拠点を都心の主軸として,それぞれのエリアを結ぶ回遊軸の強化,老朽化や床不足に対応するための建て替えインセンティブとして都心部機能更新誘導方策などによる高さ及び容積率の緩和,附置義務駐車場制度の見直しなどを行っており,これを天神BBB(ビッグバンボーナス)と命名し取り組みをアピールしていると聞いた。都心回遊軸の強化については,BRTやフリンジパーキングなどの取り組みを目論んでおり,神戸市と類似する点が多くみられた。例えば,附置義務駐車場などは,都心に設置する必要のある駐車場を郊外へ設置させ,パークアンドライド施策の推進に役立てることも検討できると考えられる。

(4)民間主導のまちづくりについて(We Love天神協議会)

We Love天神協議会視察の様子 We Love天神協議会とは,2006年に設立された,福岡市天神エリアのエリアマネジメント団体であり,エリアの集客力向上や生活文化の創造などを目的としたまちづくりを推進している。地権者や地元企業,行政機関なども会員としているが,年間予算2億4千万円の大半は,西鉄グループが協賛しており,直接的な利益を度外視した地元愛の強さが原動力として存在するものである。今後の都心活性化のためのイベントやまちづくり団体の設置などについては,海外のBIDなど,企業と都市との互恵関係に基づく独自財源確保が必要であると感じた。
 また,まちづくり団体のイベントについては,団体自身の自己満足に終始するようなものではなく,様々な意味での外部の人々に訪れたいと思わせるようなものにならなければまちづくりとは言えないのであろうと感じた。

(5)ひろしま都心活性化プラン,広島市地域公共交通網形成計画について(広島市)

広島市視察の様子 広島市より,都心のグランドデザインとしての都心活性化プラン,および,公共交通網計画について聴取した。
 広島市は神戸市と同様に,コンパクトシティと公共交通による回遊性向上を打ち出している点で類似する。ただ,水辺を活かすという点では,神戸にも海はあるものの都心部に大きな河川がないため,広島ほど大きな河川を活かしたスペース造りは困難であろう。
 神戸市でも,地域資源を活かした魅力向上の取り組みは行っているが,広島では,3大プロ(広島交響楽団・サンフレッチェ広島・広島東洋カープ)を資源として街の活力創造をすると宣言しており,この点が他都市とは少し趣向が違う面白い点であると感じた。
 例えば,広島カープナンバープレートなど,神戸市でも取り組んでいるシビックプライド向上施策に合致するため,ヴィッセル神戸ナンバープレートなどについて是非神戸市でも取り組みたい。
 また,広島市とは瀬戸内海を共有しているため,瀬戸内クルーズなどでも協力した取り組みが出来るため,こういった取り組みもウォーターフロントづくりに活かせるため,せとうちDMOなどとの協力もまちづくりの一要素として検討すべきであると考える。
 広島市地域公共交通網形成計画については,都心部でのバスの過密状態と朝ピーク時の渋滞による定時制と速達性が損なわれているという問題点と,その対応としてのバスのフィーダー化などの対応策を聞いた。また,郊外の住宅地から都心部へのアクセス利便性を高めるため,郊外を走るアストラムラインを新交通西風新都線として延伸し,JRと接続する計画も聞いた。
 広島市では,日常的な交通のマイカー利用割合について,買い物では45.5パーセント,通勤には40.5パーセントとマイカー依存率が高いという。一方で,マイカーではなく,公共交通で都心を訪問した人は滞在時間が長くなり,従って経済効果も高くなる傾向にあるため,マイカー依存度を減少させる事が都心の活性化や魅力づくりそのものにつながるという。
 アストラムラインの延伸やバスの過密解消などにより,公共交通の利便性を高める事が,その目的に資するという事であり,広島市と同じくコンパクトシティを目指す神戸市においても,このように公共交通の利便性を高める事が三宮などの都心のにぎわい作りとなり,ひいては市全体の経済活性化につながると考えられる。
 この点,神戸市にも公共交通網のデザインを描いた神戸市総合交通計画が存在するが,特に北区・西区等の郊外から都心部へのアクセスの利便性を画期的に高めるような,広島市におけるアストラムラインの延伸等の都心へのアクセス向上施策の必要性を感じた。