神戸市-KOBE-


 

定例会見 2018年(平成30年)12月4日

最終更新日
2018年12月7日

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発表項目

2019年2月「GovTechサミット」を開催!

久元市長:
 よろしくお願いいたします。私からお話を申し上げたい案件は1件です。

 GovTechサミット、あまり聞きなれない名前かもしれませんが、自治体とスタートアップによる課題解決の議論をするサミットを2月10日(日曜日)に東京の三井住友銀行東館SMBCホールで開催をすることにいたしましたので、その概要を説明させていただければと思います。

 このGovTech(ガヴテック)という言葉は、我が国ではまだあまり使われていない言葉ですけれども、欧米では最近はかなり使われるようになった言葉です。つまり、政府や自治体が利用者目線で最先端のIT技術や外部の知見などのテクノロジーを使って、公的サービスをよりよいものにしていくという取り組みです。例えばアメリカのスタートアップ・イン・レジデンス、それからエストニア、これは電子政府の取り組みとして大変有名ですけれども、e-エストニアなどの事例が見られます。

 神戸市では2017年からUrban Innovation KOBEという取り組みを行っていまして、市職員とスタートアップの皆さんが協働で地域課題の解決を行うというプロジェクトを展開しているわけですが、これは、このGovTechの1つの例であると考えられます。

 GovTechは、最先端のテクノロジーを使って、社会や地域の課題、行政課題の解決を行う、市民サービスの向上を目指すという側面と、それから、そういうような地域の課題にスタートアップの皆さんが参加をしていただくことによって、スタートアップの皆さん自身の成長を支援していく、つまり実証実験の場を提供するということ、そして、神戸市との共同作業を行う実績もつくっていただく、こういう両方の側面があります。この神戸の取り組みは、総務省や経済産業省などからも問い合わせなどが来ております。

 このGovTechについては、自治体初としての取り組みとしてサミットを開催したいと思っております。自治体の職員、起業家が一堂に会し、情報を共有したいということです。また、自治体と起業家の間、また起業家同士の間で、マッチングが期待をされるという側面もあります。

 あわせまして、神戸市のこういう先進的な取り組みを首都圏で、若い世代の皆さん、学生や社会人の皆さんに発信をしていくということで、神戸で働く魅力というものも提供していきたいというふうに思っております。

 開催日時は、2月10日(日曜日)13時から、三井住友銀行東館SMBCホール。大体500名程度の参加者を見込んでおりまして、参加費は無料、参加方法は特設サイトで行っていただくようにしております。

 オープニングセッションの基調講演は尾原和啓(おばら かずひろ)さん。尾原和啓さんは、マッキンゼー、グーグル、iモード、楽天、リクルートなどで事業を立ち上げ、投資を専門とされている方です。そして、神戸市のイノベーションオフィサーである関治之(せき はるゆき)さんと対談をしていただきます。次に、経済産業省の若手官僚の皆さんで議論をしていただく。さらに、Urban Innovation KOBEの取り組みをスタートアップの皆さんから紹介していただき、大いに議論をしていただきたいと思っています。

 現在のこのUrban Innovation KOBEの取り組みを少し紹介させていただきますと、6つの課題の中で、4つの課題について課題が解決を既にされておりまして、残りは実証実験が行われております。

 1つは、子育てイベント参加アプリです。長田区の地域子育てイベント、いろいろとやっているんですけれども、なかなか認知されない、参加者が少ないという、こういうような現状にありました。これをチラシで広報していたわけですが、これを電子化いたしまして、イベント情報を発信するという取り組み。これは広島県のためま株式会社に参加をしていただきました。イベント参加者は43.8%増えたという実績が上がっています。長田区のまちづくり課とのコラボで行ったわけです。

 それから、2番目が、地域統合バスロケーションの整備実証実験です。バスロケーションシステムのコンサルティングなどを手がける株式会社トラフィックブレインと住宅都市局公共交通課とのコラボということで行われました。これは今年度中にデータ形式を統一いたしまして、オープン化をするということで調整ができておりまして、今後、これをデジタルサイネージ化していくという取り組みを行っていきます。グーグルマップあるいは各バス会社などの乗りかえ案内での表示に結びつけていきたいと考えております。

 3番目が、行政窓口をスムーズに案内できるツールです。今、紙のマニュアルをもとに窓口で案内をしているわけですが、これをタブレットでの案内にしていこうということで、タブレットでの自動受け付けシステムを手がけるACALL株式会社と東灘区総務課がコラボして実証実験を行いました。平均案内時間が47秒から24秒に短縮されたと。これを使うと、案内に関して経験のない職員も簡単に迅速な対応ができるというような結果も明らかになってきています。

 最後が、手作業でレセプトチェックを行っているわけですが、これの自動化の実証実験です。医療機関からの請求書の誤りを目視でチェックしておりますが、アプリケーションの開発などを手がける株式会社モンスター・ラボと保健福祉局国保年金医療課がコラボをいたしまして実証実験を行いました。パソコン作業の自動化ツールを導入いたしまして、手作業のうち4割を自動で処理するということで、月38時間の業務削減を達成いたしました。ほかの自動化可能な業務への展開も行いたいと考えております。

 神戸市としては、こういうGovTechサミットなどの取り組みをさらに進めていきたいと思っております。Urban Innovation KOBEの取り組みは3年前に始めた500 Startupsの取り組みとこれを連動させております。これは2015年から、きっかけは西海岸に出張したときでしたけれども、西海岸のいろんな取り組みを見まして、ぜひ神戸でこれを展開できないかというふうに考えておりました。サンフランシスコに行きましたときに非常に印象的でしたのは、サンフランシスコの市の職員と、そしてベンチャーの皆さんとが生き生きと議論を交わしているということで、大変新鮮な驚きを感じました。ぜひこれを神戸で展開できないかということで努力を続けてきたわけですが、おかげさまで、500 Startupsは3年目を迎えて、応募をする皆さんも海外の方からが半分以上になったということで、順調に深化してます。さらに、このUrban Innovation KOBEもこういう形で少しずつ成果が出るようになっています。

 GovTechの取り組み、我が国ではまだほとんど行われていませんので、神戸がこのGovTechの取り組みのパイオニア的な役割を果たしていきたいと考えております。

 ビジネスの世界では、KURASERU、介護施設と入居者とのマッチングを行うという、これは介護サービスの中では今まで地域包括支援センターの皆さんなどが非常に苦労されていた分野ですが、これがビジネスとして幅広く全国で展開されると。日本でトップレベルとも評価されるところまで、このKURASERUは発展をしてきています。こういう形で行政サービスの高度化を図っていく、そして、神戸を舞台にしてスタートアップの皆さんがどんどんビジネスを展開していく、そういう未来志向の取り組みを神戸から行っていきたい。このように考えています。

質疑応答

2019年2月「GovTechサミット」を開催!(質疑応答)

記者:
 今回、4課題で採用というか、成果が出ましたということなんですけれども、ITのスタートアップと組んで、働き方改革にもつながったと思うんですが、職員側にも何か民間とやることで意識の変化とかそういうのはあったんでしょうか。


久元市長:
 先ほどの、例えばレセプト点検では、38時間、業務が削減されているということで、この分野では成果が上がっていると思うんですね。問題は、これをどうやって横展開するのかということです。それから、ここにかかわる部局はまだ、庁内の中ではわずかなところにとどまっていますから、こういうようなアプローチとマインドというものを庁内で広げていくということ、これが課題ではないかと思っています。


記者:
 今後もこういう取り組みは引き続き積極的にやっていきたいということでよろしいですか。


久元市長:
 そうです。Urban Innovation KOBEの取り組み、これは来年度も引き続いてやっていきたいというふうに思いますし、このGovTechの考え方というもの、これを具体的にどう進めるかというのは、もっと違うアプローチもあるかもしれませんから、これは庁内でしっかりと議論をしたり、スタートアップやベンチャーの皆さんと議論をして、ほかの取り組みがないのかということ、これも検討していきたいと思います。


記者:
 今回、ほかでもなく、会場が地元じゃなく東京で開かれるということで、これは神戸のまちをPRする情報発信の意味合いが強いと思うんですけれども、では、その情報発信した結果として何を目指しているのか、東京でやる意義ということを教えてください。


久元市長:
 もちろん、ビジネスマッチングは神戸の企業同士で行うということも必要で、それは神戸でも盛んに行われているというふうに思います。しかし、特にこのITをはじめとするベンチャーのビジネスというのは、例えば海外との間でもビジネスマッチングを行ったり、海外の企業と一緒に仕事をするというようなケースが普通の世界ですよね。ですから、これは何も神戸というところの中で閉じこもって行う必要はないわけです。むしろ、神戸のIT企業が、東京にものすごくIT企業の集積がある、新しいベンチャーがどんどん生まれていくというダイナミズムが東京にあることは事実ですから、東京でそういうビジネスマッチングの機会をつくっていくということ、これは、このGovTechサミットにとどまらず、むしろ必要なことではないかというふうに思います。つまり、神戸のIT企業にも、東京でビジネスマッチングの機会をつくることによって、ビジネスチャンスを広げていくということ、これが可能になるのではないかということが1つです。

 もう1つは、神戸がこういうGovTechという先進的な取り組みをしているということを首都圏で若い世代の皆さんに発信するということ、そこで、例えば神戸の出身の皆さんで、神戸に帰りたいと思っている20代や30代の皆さんに、神戸のこういう取り組みを理解していただいて、神戸でビジネスを展開していくということにもつなげる、あるいは、東京でビジネスを展開しているITの企業が、数はそんなに多くはありませんが、神戸に本社を移すとか、神戸に新しい拠点をつくるとかという動きが最近出てきています。こういう動きを加速させるという狙いもあります。


記者:
 なぜ東京なのかというところは私も気になるところであるのと、あと、どういう人に集まってもらって、どのような注目というか、効果が上げられればいいのかなというところの期待度とか、期待している部分とか、そうであるとかというところをお聞きしたいんですけども。


久元市長:
 まず、集まってほしいなと思っているのは東京のベンチャー、あるいはスタートアップの皆さんに集まってもらいたいのと、それから、やはり学生の皆さんです。学生の皆さんに集まっていただいて、学生の皆さんも、大手企業などに就職をするというような方ばかりではなくて、学生の間から起業のための勉強をして、卒業したらすぐ起業したいという方もいらっしゃいます。スタートアップの予備軍ですよね。そういう方にぜひ集まっていただきたいなというふうに思います。あと、経済産業省や総務省などの若手官僚の皆さんにもぜひ参加をしてほしいなということで、参加を呼びかけたいと思います。もちろん、マスメディアの皆さんや、ITの世界で情報発信をしている皆さんにも参加をしていただきたいというのは当然のことです。


記者:
 神戸市がスタートアップ支援を始められて約3年、そのスタートアップ支援というのは、兵庫県内にいるよりも、先日もTechCrunchのフォーラムに行ったんですけど、より注目度の高さというのが全国に行くとよりわかるんですね。今回も、そのUrban InnovationであるとかGovTechサミットであるとか、そういういわゆるトップランナーなのではないかと思っているんですが、今後、どういうふうな、深めていくというか、展望を描いていらっしゃるかと。トップランナーとしてというか、スタートアップ支援でより具体的なものがあれば、それを教えていただきたいのと、もう1点あるんですが、GovTechというと、ほかの自治体に神戸市さんの取り組みを知らせることになると思うんですね。いわゆる神戸市さんの手の内を明かすことになると思います。それは強みを見せることであって、今、先頭を走っているのが、どんどんほかの自治体もまねをしてしまうのではないかという、そういうリスクもはらんでいると思うんですけども、その辺をどうお考えになっているのかというのをお聞かせください。

久元市長:
 このGovTechの取り組み、あるいはスタートアップの取り組みというのは、未知の世界への挑戦だと思うんですね。ですから、明確な道筋が描けているわけではありません。

 例えば、500 Startupsでも、応募して参加をしたけれども、残念ながらドロップアウトをする企業もあるわけです、スタートアップの皆さん。それが現実なんですね。ですから、明確なシナリオというものがあるわけではなくて、できるだけ、トップランナーというのは結果だと思うんですね。やはり裾野を広げていくということ。スタートアップを育成するための取り組みというのは、金融機関で民間企業でも行われていますし、神戸市は従来から申し上げているような考え方で展開をしてきたわけです。そこの先に何があるのかというのは、これは未知の世界だと思います。

 ただ言えることは、こういうような参加をしていただいたスタートアップの中からトップランナーが育っていく可能性が高いし、現実にトップランナーも育っているということですね。先ほどKURASERU(クラセル)の例も挙げましたけれども。そういうお答え、不十分なお答えになるかもしれませんが、明確なシナリオというのがあるわけではありません。走りながら考えていくということだろうというふうに思います。

 それから、2番目のお答えは、GovTechの取り組みというのは、別に神戸の専売特許ではなくて、世界でも幅広く行われている、これは非常に有効なツールだと思うんですね。行政課題をテクノロジーを使って解決をしていく、そこにたくさんの皆さんの参加を、市民の参加、企業の参加、NPOの参加を得ながら行っていくという取り組みですね。あわせてそこに参加をしていく企業やスタートアップの皆さんも成長していくという、ウイン・ウインの関係をつくっていくということです。

 これはどんどん、手の内を明かすとか、明かさないとかいう発想ではなくて、ほかの自治体もむしろ参考にして取り組んでいただければ、それは神戸市としては名誉なことだというふうに思います。

 同時に、神戸市はこういう取り組みからさらに進化させていくということが神戸市の我々の目指すべき姿なのであって、もしも神戸市と同じような取り組みをほかの自治体がしていただくということであれば、それは大いに結構なことではないかなと思います。


記者:
 改めてなんですけれども、そもそも民間のベンチャー企業の知見を取り入れることのメリットであるとか、こういうふうな点が行政にはなく、ベンチャー企業にあるので、これはどんどん進めていきたいとか、そもそも論のところをもう1回、改めて市長の口からご説明いただけますか。


久元市長:
 そうですね。行政サービスの高度化を進めていかなければいけないというのは当然のことですね。やはりテクノロジーというのはこれからどんどんどんどん進化をしていくわけで、行政はどうしても日々のルーチンの仕事に追われていますから、この行政の中だけではテクノロジーの進化ということになかなかキャッチアップできないというのが、これは神戸市に限らず自治体が置かれている現状だというふうに思うわけです。

 テクノロジーの進化というものは、やはりIT企業など、ベンチャー企業の皆さんは、失敗のリスクもはらみながら常に挑戦を続けている。そういう皆さんと一緒にコラボをしてやるということがテクノロジーの進化の状況ということをいち早くこれをキャッチして、そして、これを行政サービスに生かすことができる有力なことではないかということで、このUrban Innovation KOBEという取り組みを進めているということですね。

その他の質疑応答

認知症対策について(質疑応答)

記者:
 認知症にやさしい条例というものがあした節目を迎えるかと思うんですけれども、今回、神戸市がこの条例に踏み切ったきっかけとその思いというところを伺いたいのと、あとは、国ではなく、市が先駆けてやるということについての意味というか、思うことというのをお伺いできますでしょうか。


久元市長:
 この認知症に対する対応というのは、これは我が国社会全体が直面しているテーマですね。ですから、これはどこの自治体でも取り組まなければいけない課題であるわけですが、神戸の場合には、2年前の秋に保健大臣会合が行われまして、そこで保健大臣会合としての「神戸宣言」も出されました。ユニバーサル・ヘルス・カバレッジという、それぞれの方々が置かれている状況に応じて普遍的なサービスを提供していくという方向性が示されました。

 やはりそこの中で、シニア世代の皆さんが、私も含めて、迎えるであろうこの老いということと闘っていく上で、認知症というのは避けられない課題であると。認知症というのは特別な方に訪れる症状ではなくて、誰もがかかる病気であるという認識が共有化されたと思うわけです。

 そういう課題に対してどう対応したらいいのかということについて、これはほんとうに幅広い皆さんに参画をしていただいて検討組織も設置をいたしました。そういう議論を積み重ねていくと、市民の皆さんにも参加をしていただいて議論をすると、やはりこの認知症に対する対応というのを地域社会全体でやっていかなければいけないという思いがかなり市民の皆さんの間に共有をされていくということを少しずつ私自身も感じるようになったし、この議論に参加をしていただいた医療や介護や、あるいは認知症の見守りをしていただいている地域団体やNPOの皆さんや、学会の皆さん、法律の専門家の皆さんなど、幅広い皆さんの間で共有がなされていったということ、そういう経過をたどったということだと思うんですね。

 今回は認知症に対するこの対策の内容は何回もお話をしておりますので繰り返しませんが、この費用を市民の皆さん全体の負担で分かち合うということにぜひ踏み切らせてくださいと、そういうお願いを市民の皆さんにいたしましたところ、もちろんこれは増税ということですから反対意見もかなりありましけれども、やはり増税ということにもかかわらず、かなりの市民の皆さんがこれに賛意を示していただいているという状況で、最終的には住民の代表である議会、神戸市会に判断をしていただくことになります。私はぜひこれを議決していただきたいと願っています。

 その中の個別事項ということになるわけですが、認知症の方が第三者に損害を与えて法律上の損害賠償責任が生じた場合の対応のあり方、これは保険も含めて国で検討が行われました。しかし、国ではこれを制度化するということを断念されたわけです。しかし、これは国は断念したかもしれないけれども、やはりさまざまな政策分野で挑戦をしていきたいと考えている神戸市としては、国は諦めた課題かもしれないけれども、やはり自治体としてこれは取り組んでいく価値があるのではないかと、そういう思いも含めて、先ほど申し上げたような検討組織で議論をしていただいたわけです。そういう思いでこれに取り組んできて、今いよいよ議会の議決を目前にしているという、そういう段階に来たと感じています。


記者:
 やはり本来は国がやるべきことと思っていらっしゃる節はありますでしょうか。


久元市長:
 本来、国でやっていただきたいと思っています。

 幾つかの市で一部の市民を対象にした保険制度というものは導入されていますが、全ての市民を対象にした制度というのはおそらく神戸市が初めてではないかと思います。

 私たちは市民の力でそういう制度化に向けて最終段階に来ているわけですが、ぜひ神戸市の取り組みを参考にしていただいて、国民全体を対象とした第三者に損害を与えた場合の対応方法を含む制度を国の責任で構築していただきたいと思います。そのときには神戸市の制度が国の制度に吸収されるということになると思いますが、それはそれで結構なことではないかと思います。

記者:
 超過課税、先ほどおっしゃった認知症超過課税400円ということで、今、議会で最終盤を迎えておりますけれども、非常に珍しい手法だと思うんですよね。今後も、場合によっては、その超過課税の手法というのを使うことがあるのかどうか、そのあたりのお考えをお聞かせください。

久元市長:
 超過課税というのは、これは市民の皆さんにより今まで以上の税負担をお願いするということですから、これはやはり例外的な場合に限られるというふうに思います。今回は、認知症という我が国が直面している非常に重要な課題で、しかも、その対応が遅れている分野ですので、神戸市として特別の対応をしていくと、こういう特別の対応に対する特別の財政ニーズというものがあって、この財政ニーズというのは、やはりこれからも増えていく可能性もあるので、従来の既存の財源で対応をすれば、ほかの財政需要を圧迫するおそれもありますから、そこで特別のケースとして市民の皆さんにお願いをし、今、理解が進みつつある、最終段階に来ているということだと思います。ですから今後、市民の皆さんに超過課税をお願いするということは、やはりよほどのこと、よほどの場合に限られるのではないかと思います。

高校の定員内不合格について(質疑応答)

記者:
 ちょっと話題が変わるんですが。既に一部報道で出ているんですけれど、今年の兵庫県の高校入試で、神戸市立高校を受検された重度脳性麻痺の男性が定員割れで不合格、いわゆる定員内不合格に唯一なられたということで、定員内不合格の理由というのは、受検の不正等、いろいろありますけれども、その障害がありながらも学びたい意思がある方が定員内不合格になることの是非について、教育委員会の所管ではありますが、市長のご見解を伺えればと思います。


久元市長:
 まさにこれは教育委員会の所管に関することでして、合否の決定は、これは学校長の判断になっています。ただ、今お話がありましたように、これ、定員内不合格の場合には、学校長だけの判断ではなくて、教育委員会と協議が行われるというふうに承知をしております。

 教育委員会から説明を聞いたところでは、障害があるということが理由ではなくて、教育委員会として、要するに、高校に入ったら、高校を卒業するためのやはり基礎的な能力というものが前提になる。その上で入学を判断して、そして高校を卒業するという資格もそこに付与されるわけですから、そういうような適性を備えているのかどうかということを判断して、こういう決定をしたというふうに聞いております。

 やはり大事なことは、保護者の方とよく丁寧にその理由なりを、定員内の不合格ということですから、その理由をやはり教育委員会において丁寧に説明をしていくということが非常に大事ではないかというふうに感じています。


記者:
 教育委員会のほうではやはり合否基準は明らかにできないというところで、総合的判断による不合格という説明をされていると伺っています。これは理解できるんですけれども、先ほど市長もおっしゃった中で、やっぱりどういう理由で落ちたのかというところがはっきりわからないと保護者の方も対策が打てないというところで今苦しんでおられる中で、どこまでを説明すべきなのかというところは、明確にこういう理由で落ちたというところまでやはり説明すべきだと思われますか。


久元市長:
 そこは私の権限外に属することですので、私が教育委員会の権限に属することを、つまり合否の決定という非常にデリケートな分野ですから、そこは私が判断を申し上げることは適当ではないというふうに思います。

 そもそも、これは何回も申し上げているわけですが、教育委員会制度というのは、選挙で選ばれた政治家が教育行政に介入することを極力抑制する。今回の問題はまさにその典型なんですよね。高校に入るか、入れるか入れないかということについては、これはやはり教育委員会の判断を尊重すべきではないかと思います。

 ただ、行政全体を代表する立場でいうと、やはり保護者の方にしっかりとご説明をしていただくということが必要ではないかというふうに思います。
 

記者:
 少しちょっと視点を変えまして、なかなか、学校のほうが、受検前にやはり医療的ケアが必要ということで、看護師配置がかなり今前例としてないというところで、そこで結構難しさもありますよという説明をされたようなんですけれども、取材をしていても、やはり公立高校における看護師配置の前例のないところというところのハードルがすごく高いように推測されるんですけれども、そこも合否基準に影響し得るかどうかわからないという部分で、逆に、市として、公立高校における看護師配置を積極的に進めていくべきだ、あるいは進めていかなければならない、そういったお考えというのはありますでしょうか。


久元市長:
 看護師を誰のために配置をするのかというのは、やはり障害のある生徒さんですよね。しかも、非常に重度の障害のある生徒さんに対してどう対応したらいいのかということにかかわると思うんですが、これはやはりそれぞれの高校で対応しなければいけないのか、あるいは、神戸の場合には特別支援学校も設置をしておりまして、私も見に行きましたけれども、少なくとも神戸市民の皆さんに対しては相当手厚い体制で教育が行われています。ですから、神戸市内における神戸市民の皆さんへの対応ということについては、特別支援学校における対応と、それから、個々の学校においてどう対応すべきなのかという、これを全体を総合的に考えて判断しなければいけないというふうに思います。


記者:
 全体としては、やはり特別支援学校もある中でというところでの障害者教育への対応ということになると思うんですけれども、ご家族としては、やはり小中で公立小中学校に通ってきた経験があって、高校も公立でというふうな思いがある中で、自治体としてここをどう捉えるかというところの結論になってくると思うんですけれども、障害のある方が公立高校で学ぶべきなのかどうかという、ここについてはどう思われますか。


久元市長:
 そこは、やはり障害のある生徒さんにどういうような教育体制で臨めばいいのかということ、それも教育委員会と小中学校を含む学校の体制ということを全体を考えて対応していく必要があるというふうに思いますね。

 私は、やはり特別支援学校あるいは特別支援学級における対応というのをしっかりと行っていくわけですから、今回は神戸市民の方ではありませんが、市民の皆さんにはそういう体制をしっかりつくっていっているということも理解をしていただいた上で、それぞれの置かれている状況に応じて最も適切な判断をしていただく、そして、適切な判断をしていくための説明をしっかりしていくと、こういうことが大事ではないかというふうに思います。

ビジャ選手のヴィッセル神戸入団について(質疑応答)

記者:
 この間ビジャがヴィッセル神戸に来ることが決まりまして、イニエスタにポドルスキ、ビジャ、世界的なスターが三者そろうことになりました。そもそも市長はサッカーをごらんに行かれたりされますか。


久元市長:
 時々ヴィッセル神戸の応援には行ったりしております。


記者:
 ご覧に行かれるということで、私も最近行ったんですけど、ものすごく人が増えてまして、今回、この三者がそろうということが、神戸に与える意義というのを、一度お話しいただけないかなと。


久元市長:
 実はビジャ選手が、ノエビアスタジアムでヴィッセル神戸に入団されるという発表がある直前に、三木谷浩史会長と神戸市との包括連携協定の締結式を行いました。その前に、短時間でしたけれども三木谷会長といろいろと意見交換をさせていただきまして、このビジャ選手のお話も聞かせていただきました。

 ポドルスキさんが来られるときも、あるいはイニエスタさんが来られるときも、事前に三木谷会長からはそういうお話を聞いておりまして、このことは三木谷会長に大変感謝をしております。そのときにもまさに話題になったわけですが、イニエスタ選手が入団されてから、ノエビアスタジアムのヴィッセル神戸の試合の観客数がかなり増えたと、しかも外国人の方がかなり増えたというような話も、これは三木谷会長からではなくてヴィッセル神戸の方からですけれども、聞いたわけですね。やはりヴィッセル神戸の存在、もちろんイニエスタ選手の存在とヴィッセル神戸の存在、また、神戸という存在が内外に発信されているということを大変ありがたく感じています。こういう3人のすばらしい選手が入団をされて、そして来季に対する期待というものが、いやが上にも高まると思います。

大阪万博について(質疑応答)

記者:
 先月の23日に大阪万博が決定しまして、それを受けて改めてコメントをお願いしたいのと、あと、神戸としてどのようにこのチャンスを生かしていかれようとされているかというところを教えてください。


久元市長:
 大阪万博については、もちろんこれが決定をしてほんとうによかったというふうに思っています。神戸市も神戸市民も、万博開催について、これをぜひ応援するということで臨んできましたので、とても喜んでいます。

 また、この大阪万博のテーマというのが「いのち輝く未来社会のデザイン」ということで、健康というものがテーマになっていますし、あと持続可能性ということもテーマになっているわけですね。健康創造ということを目指して都市経営をやっている神戸市ですし、神戸医療産業都市を展開してきて20周年になるわけですが、この万博のテーマと密接に関連をした行政運営や、いろいろな事業の展開が行われる神戸としては、ぜひこの大阪万博に何らかの形で参画をしていく可能性というものを探っていきたいと思います。もう1つは、会場の夢洲とは海路を使えば非常に至近距離にあるので、ぜひ新たな海路の創設ということについて可能性を探っていきたいと思います。


記者:
 具体的に探るというところでは、何かあるんでしょうか。


久元市長:
 これはまだこれから、万博の会場の整備計画などが、万博の実行組織が立ち上げられて具体化していくことになると思いますから、その状況を見ながら関係方面と調整をしていきたいと思います。まだ、現時点では構想にとどまっています。


記者:
 あと、井戸知事は会見などで、神戸空港の国際便のことに関しても期待をしているというようなお話しあったんですけども、久元市長としてはどのように捉えていますか。


久元市長:
 そうですね、万博が開催されるときに、神戸空港で国際便が飛んでいるという状況は大変すばらしいことだと思います。ただ、すばらしい状況が現実の姿になるためには、やはりきちんと手順を踏んで進めていかなければなりません。特に空港懇談会の開催の準備というものも始まっているというふうにも承知をしておりますから、神戸空港の存在というもの、これが関西全体の航空需要の拡大や、関西全体の経済発展につながっていくという理解を深めていく、共通認識を関係者で持っていくということ、共有していくということ、これがやはり大切で、そういうような手続を踏んだ上で、そういう姿が実現されることになるのではないかというふうに思います。


記者:
 万博の今の質問に関連してなんですけども、何らかの形で参画する可能性を探りたい、例えばサテライト会場とかという意見も出ているというふうには聞くんですけれども、現段階でより具体的なお答えをいただけるのならば、教えてください。


久元市長:
 今以上の具体的な構想はこれからですね。やはり、せっかく大阪で万博が行われる、そして、先ほども申し上げましたように、神戸が取り組んでいる健康というテーマと非常に関連が深い「いのち輝く未来社会のデザイン」というテーマが掲げられているわけですから、やはり何らかの形で参画をしたい、その可能性を探りたいということが現時点での答えられるところですね。

神戸空港について(質疑応答)

記者:
 神戸空港のことなんですけれども、市長のほうから何か会議の場でご提案をされるというふような予定はありますでしょうか。


久元市長:
 まだ空港懇談会自身について、具体的に何か話があるということはありません。一部報道で24日開催とかかということはありますが、そういうようなお話はまだありません。ただ、開催の準備が進められている、日程の調整なども始まっているということはみなと総局からは聞いておりますが、それ以上の情報はありません。

 ですから、まだ開催時期も未定だということになると思いますが、現時点で具体的に何かこういうことを発言しようということはまだ十分検討はしておりませんが、少なくともこれは、与党の先生方が来られた与党関西国際空港推進議員連盟の総会が、関西空港で開催されました。そのときにも申し上げたわけですけれども、台風21号の襲来の経験などを踏まえれば、やはり、この3つの空港がふだんから災害時を含む危機管理を連携して対応していくことが必要なのではないだろうかということを感じておりまして、私から積極的に発言するかどうかというのはまだわかりませんが、そういうこともやはりテーマになるのではないかというふうに思います。

 そういうことが議論されるということが、やはり台風21号の来襲時の経験を踏まえれば必要なことではないかというふうに考えています。


記者:
 今のご発言でちょっと追加で質問なんですけども、これまで、関西エアがまず案を示すべきだというようなお立場だということでご発言されてきたかと思うんですけれども、その考え自体は今も変わりはないですか。


久元市長:
 明確に関西エアポート株式会社がどういうような対応を望まれるかというのは、関西エアポート株式会社で考えられることではないかと思いますが、少なくとも神戸空港のコンセッションが4月に実施されまして、実質的には1つの事業主体である関西エアポート株式会社が3つの空港を運用することになったわけですね。

 ですから、どの空港をどういうふうに使っていくのかということが関西エアポート株式会社のビジネスにとって一番有効なのかということは、そのことを踏まえた上で神戸空港の役割あるいは今の規制のあり方をどう考えるのかということがやはり影響を与えてくるというふうに思いますから、そういう考え方で私どもは望んでいきたいというふうに思います。


記者:
 設置者として、仮に今後、国際線が飛ぶことになった場合、どのようなご用意、どのような対策をしていくというふうなことを考えられますか。


久元市長:
 国際線が飛ぶか飛ばないか、飛んだときにということを議論するのは、まだ時期尚早ではないかというふうに思います。やはり、発着枠の問題、運航時間の問題などもあるわけで、その辺の議論を踏まえた上で国際線ということも考えなければいけないわけですけれども、同時に、今おっしゃってるのは定期航路というようなイメージでおっしゃったのではないかと思いますが、例えばビジネスジェットなどは現在でも使われていますし、これをどういうふうに拡大していくのかということは当然あり得るだろうというふうに思います。