神戸市-KOBE-


 

定例会見 2018年(平成30年)9月20日

最終更新日
2018年9月26日

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発表項目

全国初! 認知症対策「神戸モデル」の実現に向けて

久元市長:
 よろしくお願いいたします。



 私からお話し申し上げたい案件は2件です。



 1件目は、認知症に関する神戸モデルを実現したいと考えておりまして、11月議会に必要な条例案を提出したいと思っておりますので、その内容をご説明申し上げたいと思います。



 認知症は加齢により、多くの人がなり得る病気だ考えられています。神戸市では平成29年にG7保健大臣会合が開催されまして、認知症対策を盛り込んだ神戸宣言も発表されました。その後、この神戸宣言も踏まえて「神戸市認知症の人にやさしいまちづくり条例」が制定され、この4月から施行されております。



 これを具体化させるために、このたび、認知症の早期受診を推進するための診断助成制度、それから、認知症の方が外出時等に事故に遭われた場合に救済をする事故救済制度、この2本の柱を内容とする「神戸モデル」を実現したいと考えております。



 神戸市の高齢者人口は約42万人で、そのうち認知症高齢者は約6万3,000人、軽度認知障害の方は約5万5,000人で、約11万8,000人の方が認知症の方だと推計されています。言うまでもないことですけれども、加齢とともに認知症になる割合が高くなっていきます。85歳になりますと40%の方が認知症と判断されまして、今後、高齢化が進むと、認知症高齢者の数は増えていくということになります。



 そこで、認知症対策として、認知症の方やそのご家族が安全、安心に暮らし続けていくことができるように、まず、認知症の方なのかどうかということをしっかりと診断するための診断助成制度を構築いたします。そして、認知症と診断された方が不幸にして起こした事故によって第三者に損害が生じ、ご家族などに責任が生じる場合の賠償を含めた救済制度というものを創設したいと考えております。



 新しい診断助成制度は2段階に分かれます。



 まず、地域の身近な医療機関で受診をする認知症機能検診、それから、専門の医療機関で受診する認知機能精密検査です。第1段階の認知機能検診は、認知症の疑いがあるかないかを診るための検診です。そして、第2段階の認知機能精密検査は認知症の疑いがあるとされた方に対して、専門の医療機関で受診をしていただく精密検査です。認知症があるかないかということだけではなくて、認知症も幾つかの病気の種類がありますので、病名の診断も行います。いずれも受診者の方に自己負担がない形で受診できるような仕組みというものをつくり上げていきたいと考えております。



 もう1つが新たな事故救済制度です。



 認知症と診断された方の対策として、1つは認知症と診断された方の保険料を全額、市が負担をする新たな保険制度を構築いたします。当事者が事故で損害責任を負うということになった場合には最高で2億円を支給いたします。



 もう1つは、事故に遭われますと、突然のことなので、どこに相談したらいいのかということで非常に迷われる、大変混乱されることも多いわけですが、その場合に迅速に対応するための、24時間365日相談できるコールセンターを設置いたします。



 3番目に駆けつけサービスです。当事者の所在がわからなくなった場合に、早期に発見できるようにGPS端末の初期費用と駆けつけサービスにかかる費用を市が全額負担いたします。ただし、こちらにつきましては、GPS端末の月額利用料はご本人に負担していただきたいと考えております。



 これまでの3つは認知症と診断された方が対象であったわけですが、4つ目に、全市民を対象とした見舞金制度を創設いたします。認知症の方が起こした火災あるいは傷害などの事故で被害をこうむった市民に対して見舞金を支給する、こういう制度です。



 「神戸モデル」と呼んでおりますけれども、この実現に必要な費用を賄うために、市民の皆さんに広く薄く負担をしていただきたいと考えております。



 平成31年度から33年度までに年平均約3億円の経費が必要となると考えておりまして、これにつきましては、個人市民税均等割に1人当たり年間400円を上乗せするということを検討しております。



 新たに市民の皆さんのご負担をお願いするということにつきましては、大変心苦しい面もあります。しかし、既に制定された認知症の人にやさしいまちづくり条例では、この点について説明をさせていただきまして、財源を含む必要な財政措置を講ずるという規定も盛り込まれておりますので、既にそういう大きな方向につきましては、これは市の方針として確定していると思いますので、その具体的な財源として、今回、均等割に1人当たり400円を上乗せさせていただくということをお願いできないか、こういう提案です。新たな負担になるわけですけれども、これを既にある税でではなく、新たな超過課税で賄うということになるわけです。これをお願いする趣旨は、どこの自治体もそうですけれども、さまざまな行政サービスにかかる費用は経常的経費と投資的経費に分かれておりまして、投資的経費は借金をして後の世代に負担をしていただくということが合理的であるわけですが、後に残る施設につきましては、これはずっとその後も使い続けるわけですから、世代間公平ということからいうと、借金をするということのほうがむしろ合理的であるわけです。一方で、経常的経費はその年度に消えていくお金で、このかなりの部分が残念ながら赤字地方債などで後の世代にツケ回しがされています。そういう現状の中で、この認知症対策に関するお金、費用というものは、これからずっと増え続けていくということになります。そういたしますと、これを既にある財源で賄うということになると、ほかに回す財源というものが縮小していくことになりかねませんし、また、そうしなければ、この認知症対策というのは、先ほど申し上げましたように、十分な対応ができないということになりますので、これは広く薄く負担を市民の皆さんにしていただきたいというふうに考えたわけです。この点につきましては、幅広くパブリックコメントを行いまして、市民の皆さんのご意見をお伺いしたいというふうに思っています。


 1件目の認知症対策につきましては以上です。

10月1日より空き家・空き地活用の「3つの新たな取り組み」を開始します

 2件目は、空き家・空き地対策につきまして、3つの新たな取り組みをしたいと考えております。



 平成25年の住宅土地統計調査によりますと、神戸市内の空き家は約11万戸、空き家率は13%となっております。空き家は、今後、人口の減少に伴い増加していくということが予想されておりまして、この増加をいかに食いとめるのか、あるいは、できればこれを減らしていくということが求められます。空き家のまま放置をしますと、老朽化をするということにもなり、周辺にも迷惑をかける。また、空き地が放置されると、ごみの不法投棄などいろいろな問題が引き起こされることになります。



 空き家につきましては、利用可能なものは何らかの形で活用をしていくということが重要でして、空き地につきましても、管理が十分行われないようなケースをできるだけ減らしていくということが必要です。これまで、「空家等対策の推進に関する特別措置法」が施行されまして、神戸市も独自に条例を制定・施行いたしました。適切に管理されていない空き家・空き地への指導、勧告、あるいは場合によっては代執行も行ってきました。あわせて、改善に向けて取り組む所有者に対しましては、専門家の派遣や解体費補助などの支援、ふるさと納税を活用した空き地管理などの取り組みも行ってきました。活用に関しましても、民間事業者と連携した空き家相談窓口の開設、現況調査や瑕疵保険の補助、空き家活用ウェブサイトの運営など、対策に取り組んできました。



 このような対策に加えまして、さらに3つの対策を追加したいと考えております。



 1つは、空き家等活用相談窓口です。現在、すまいるネットで行っている空き家の活用相談業務を拡充いたしまして、空き地も対応していきたいと考えております。まだ十分使えるにもかかわらず、不動産市場に流通されていないような使える空き家を流通させていこうということで、平成27年度から、神戸すまいまちづくり公社にあるすまいるネットに相談窓口を開設いたしましたが、これを空き地にも拡充するわけです。仕組みとしては、一般相談員が所有者から相談を受けて、専門的な相談を受けたほうがいいと判断した場合に、兵庫県宅地建物取引業協会、全日本不動産協会の協力のもとに、派遣していただいている専門相談員が必要なアドバイスを行うということにいたします。また、この専門相談をサポートするために、不動産事業者である支援事業者から無償で課題解決や活用方法の具体的な提案をいただく体制を整えています。



 2番目が、空き家・空き地地域利用バンクです。これは、空き家・空き地を地域にぜひ活用したいというようなニーズがあるわけですが、そういうニーズを持った団体と、所有者とをマッチングする仕組みです。すまいまちづくり公社のすまいるネットで活用相談のあった物件、あるいは、ぜひ地域に利用してほしいと思われている空き家・空き地の所有者と、空き家・空き地を地域の居場所や子ども食堂、コミュニティ農園などに活用したいと思われている地域団体やNPO団体にそれぞれ登録していただきまして、マッチングを行うというものです。そして、そのすり合わせを行うために、まちづくりコンサルタントを派遣してマッチングの成立を目指していきたいと考えております。



 この空き家・空き地地域利用バンクに登録をしていただいた所有者については、(3年以上無償貸しする場合に限り、)1年分の固定資産税・都市計画税相当額を補助する制度を設けたいと考えています。それから、空き地を利用したいと考える団体に対しましても、この初期整備費を助成するということを考えております。



 それから、3番目は隣地統合です。土地がどんどん細分化されておりまして、非常に狭い土地が増えております。そこで、この流通困難な狭い宅地を隣と統合する場合に、仲介手数料などの補助を行う住環境改善支援制度を創設したいと思っております。すまいるネットでこれまでも相談に乗っているわけですけれども、非常に狭小な宅地、あるいは長屋の一部など、単独ではマーケットの価値が低いと見られる相談の案件が増えております。これを市場に流通させるため、隣地の所有者に買い取りを呼びかけ、これを統合する場合に取得者に対して登記費用や仲介手数料等の補助を行うというものです。



 それから、隣地を統合した後に、非常に狭い通路を拡幅するとか、あるいは、空地を確保した場合に整備費の補助を行おうと考えております。



 これら3つの取り組みにより、空き家・空き地のさらなる活用を目指していきたいと考えております。



 これらの制度により、膨大な空き家・空き地の問題が一気に解決するというわけではないわけですけれども、非常に困難な問題に対して、とにかくやれることはやっていこうという姿勢で臨むことにしておりまして、その取り組みの1つの例だとご理解をいただければと思います。

質疑応答

認知症対策「神戸モデル」(質疑応答)

記者:
 認知症の神戸モデルなんですけど、有識者会議を経て案がまとまりましたので、市長に改めて、この制度についての意気込み、思いをうかがいます。また、財源のところなんですけど、3カ年で1人当たり年400円の上乗せということなんですが、これは運用によっては市民負担が増えてしまう可能性があるのかどうか、お聞かせください。



久元市長:
 我が国は既に、人口減少社会、高齢社会になっているわけですが、認知症患者の方はどんどん増えてきました。認知症の方に対する対応というのは国も地域も行っていかなければならない。そういう中で自治体の役割というのはかなり大きいのではないかと考えてきました。



 そんな中、数は決して多くはないわけですが、認知症の方が行方不明になる、または、踏切で電車にはねられてお亡くなりになるということに関する裁判例もありました。これは、認知症の方が増えると起こり得ることだと思います。電車の事故だけではなくて、例えば火災の原因になるとか、あるいは、十分状況がわからないままに第三者に対してけがをさせるとか、そういうことが起きてきますし、その前提といたしまして、まず、認知症の患者さんであるということをはっきりさせる必要があるわけで、そのためにはきちんとした診断方法を確立するということが大変重要です。



 ですから、まず、診断方法をしっかりと確立をさせて、必要なお見舞い金と賠償金を支給する制度というものをしっかりつくるということが、高齢社会における認知症対策としては非常に重要ではないかと考えました。これは本来、国において用意をしていただきたいわけですが、残念ながら国ではまだそのような対応が十分できておりません。やはり保健大臣会合を開き、認知症対策をこれまで進めてきた神戸市として、さらに全国に先駆けて一歩進んだ対策を、自治体独自の知恵でさまざまな皆さんからいろいろとご意見をいただいて検討してきましたので、そういう議論を踏まえてこういう対策を講じることにしたいということです。



 それから、超過課税ですから、市民の皆さんに新たなご負担をお願いすることになります。その理由につきましては、先ほど申し上げたとおりで、やはり認知症対策の経費というのはこれからずっと増え続けるということが予想され、一方で将来に対して残念ながらつけ回しが行われている中で、やはりみんなで認知症に関する費用を分かち合うという考え方がとれないだろうか。そういうことで今回、超過課税のご提案、お願いを申し上げているということです。



記者:
 その負担が増える可能性とか、今後運用次第で、また必要経費が増えたらその分をまた分かち合うという考え方なんですか。



久元市長:
 いえ、これは400円で年間3億程度の財源が確保されますので、とにかく3カ年に限った措置として実施したいということです。そして、その後は、とにかくこれは未知の世界への挑戦ということになりますから、我々が用意した仕組みというものが認知症の方々を取り巻く状況の中で適切であったのかどうかということを、3年間やってみて政策の中身を判断したい。そして、その時点でまた同じような措置を継続するのか、あるいは、別の形での財源を用意することを考えるのか、その時点で考えたいということです。

その他の質疑応答

関西空港の代替措置(質疑応答)

記者:
 先日、兵庫県の井戸知事が緊急時には2空港の連携対応について、もっとスムーズにできたのではないかという発言があったんですけれども、久元市長はこれについてどのようにお考えでいらっしゃるでしょうか。



久元市長:
 これは、関空が大きな被害を受けて、そして、滑走路も被害を受ける、ターミナルビルも被害を受ける、連絡橋が大きく損傷をしてアクセスにも支障があるという中で、大阪府知事からの要請、それから、国土交通省からの要請で、代替措置としての神戸空港の活用というものが決定されたわけです。



 せっかく代替措置というものがあるわけですから、関西空港の機能を緊急時の措置として代替するということで活用していかなければと思いますし、神戸市としてもそれに対して必要な協力をさせていただきたいと思いますが、これは緊急時の措置ですから、関空が本来の機能を発揮できるということであれば、必ずしもこれ(代替措置)を全部使う必要もないわけです。ですから、緊急時の措置としての対応だというふうに理解をしています。



記者:
 今回、少なからず神戸も含めた関西に影響が出るという形にはなったとは思うんですけども、こうした緊急事態にどこが主導権をとるとか、司令塔になるべきところというのは、民間の関西エアなのか、国であるべきなのか、どのようにお考えでしたでしょうか。



久元市長:
 それは、それぞれの主体が必要な役割を果たしていくということだと思うんですね。1つはやはりこの関西空港を設置している設置者の役割というのがありますし、それから、4月からは神戸空港も関西エアポート神戸株式会社が運営をすることになり、3空港を運用している関西エアポートの役割というものがある。そして、それぞれこの路線で飛行機を運用している航空会社の役割というものもある。そして、航空行政について権限を持っている国土交通省というものがあるわけですね。それぞれが適切な役割を分担しながら、そして、緊密に情報連携をし、連絡をとり合いながら必要な調整をして対応していくということが必要だと思います。



 その対応の目的は、やはり今回の関西空港に対する被害というものの影響を、みんなが協力をして最小限に食いとめるということだと思うんですね。関西空港の復旧、それから連絡橋の復旧というものも急いでいただきたいと思いますし、完全に復旧されるまでは神戸空港と伊丹の大阪国際空港が必要な代替措置を担うと、こういうような役割をしっかりとそれぞれが果たしていくということが重要で、そして、関西経済への影響を最小限に食いとめるためにみんなが一致協力してやっていくことが大事だと思います。



記者:
 指揮をとっていくという意味ではやはり国のほうになっていくということなんですか。



久元市長:
 航空行政はほかの分野に比べまして国の権限や役割が大きいと思いますけれども、しかし、国だけでも解決できないわけで、先ほど申し上げましたようにそれぞれ関係する主体が必要な役割を分担しながら航空需要に応えているわけですから、人の流れ、そして物流にも応えているわけですから、それぞれの主体がしっかりとした役割を果たしていくということが重要ではないかと思います。



記者:
 今回は幸いどんどん復旧が進んでいるようなスピード感も見えてきているんですけども、緊急的にそういう仕組みをつくっていったスピード感等に関してまずどうお考えだったでしょうか。また、結果として今こういう状況になっているのをどう受けとめているかということと、今後、防災面とか起こり得ることがわかったという意味では、そういう緊急措置としての仕組みというのは何らかの形で持っておいたほうがいいという話は、おそらく出てくるとは思うんですけども、そういう方向性というのは市長ご自身はあったほうがいいのかとか、あるいはそういう働きかけというのも必要だなとお考えなのかということを教えてください。



久元市長:
 今回は代替措置の決定も含めてスピーディに行われたと思います。神戸空港は北部が少し浸水しましたけれども大きな被害はありませんでしたし、ベイシャトルも持っておりましたので、9月4日の被害の状況を踏まえて、夜中から未明にかけて、みなと総局と関西エアポート、また国の関係者が緊密に連絡をとって、翌朝からベイシャトルの臨時運航というものを行ったわけです。こういう対応をすぐに始めましたし、その後は関西空港が大きな被害を受けたということが判明いたしまして、6日には大阪府の松井知事から代替機能を発揮していただきたいという要請があり、その後は、国土交通省からも文書で協力要請があり、これに対して私は、神戸空港は前後1時間の時間枠を拡張する用意もありますという返事をいたしまして、すぐにこれが決定されたわけです。そういうことからいいますと、今回の一連の措置というものは関係者が緊密に連携をとって迅速に行われたと思います。



 2点目の今後の対応ですけれども、やはり関西空港も高潮に対してこういう被害が出たわけですから、関係者がしっかりと対応されるものという理解をしておりますし、また、神戸空港も現実に北部のほうは浸水をしたわけで、海上空港である神戸空港の安全対策というものが十分なのかどうかということは、これは設置者としての神戸市が中心になって、運用していただいている関西エアポート神戸株式会社と相談をしながら対策の強化をしていかなければいけないというふうに思います。



 また、なかなか考えにくいわけですけれども、神戸空港が途絶をしたというような場合への対応というのは考える必要があるのかないのか、これも検討課題ではないかと思います。



記者:
 今回、関空のことに関して、対策はしたとしても、こういうスキームとか考え方というのは防災的に持っておかないといけないというのは関空そのものにも出てきていると思うんですけども、そういうときの協力とか、自治体としての関西全体としての協力体制とかスキームというのは、あらかじめ今後つくっておいたほうがいいんじゃないのというようなことはお考えじゃないでしょうか。



久元市長:
 それは、今回は関空が大きな被害を受けたわけですから、やはり新関空会社、関西エアポート株式会社、地元の自治体、それから国土交通省が中心になってお考えをいただくということが大事ではないかなと思いますし、そういう中で神戸も協力をするようにということがあれば、いつでも相談に乗らせていただきたいというふうに思います。



記者:
 空港に関して再確認なんですけれども、増便の振り分けに関して、一部で増便の枠を設けたけれども、そういうふうな利用があまりないということに関して、振り回されたとか、肩透かしとかというような見方もあるんですけれども、実際、先ほど、使う必要がそもそもあるのかないのかというと、ないと言われたようにも思うんですけれども、改めてその受けとめ、今回の増便を受け入れた意義というのを、お考えを教えてください。



久元市長:
 これは、関西空港は、関西経済の命脈を握っていると言ってもいいほど非常に大きな役割を果たしているわけです。その関西空港が大きな被害を受けて、航空便が減便になっている。物流にも支障を来しているし、乗客の輸送にも大きな影響が出ている。これをやはり関西全体でしっかりと分かち合わなければいけないというのが基本的な考え方です。ですから、先ほどのような要請を受けて、神戸はこれに応えるということになったわけで、振り回されたということは全く感じておりません。必要な対応を大阪府も関西エアポートも国交省もされたというふうに思いますし、そういう要請を受けて、神戸市も真摯に対応したつもりです。



 これは代替措置ですから、関西空港の状況に応じて使われるということです。ですから、これは全部を使い切るとか、あるいはこれを使わないのは、この代替措置が設けられた趣旨に反するということではなくて、要するに、関西空港が必要な機能を発揮するということが最も大事なことです。それに対して両空港が協力をしているということです。そのお役割をしっかり果たしていくことが私たちの役割だと思っています。



記者:
 今回の増便枠が、関空の本格的運用が始まるまでというような国交省からの要請だったと思うんですけれども、この本格的運用が始まるというのはいつのことを言っているというふうに考えられていますか。



久元市長:
 それは神戸市が判断することではなくて、要請をされた国交省がどう判断されるのかということによって決まると思います。私たちは国交省からの要請、あるいは、今回も大阪府知事からの要請があったわけですが、その要請に対して誠実にしっかりと応えていくというのが我々の役割だということです。



記者:
 (発着時間を)前後1時間延ばす用意がありますということをあわせて伝えられたと思うんですが、国交省からの要請の中では、「上限を増やしてくれ」、あと「国内線も含む」という2点だったと思うんですけれども、神戸市からの回答で前後1時間用意する準備がありますということをあわせて伝えられたのは、どういった意図だったんでしょうか。



久元市長:
 国交省の要請にはなかったわけですけれども、松井知事からの要請もあったということで、もしもそういうようなことが必要なのであれば神戸市としてはそういう用意がありますよということをお伝えしたということです。



記者:
 先ほどのお話の中で、それぞれの自治体の役割があるとおっしゃったと思うんですけども、神戸空港の設置者としての神戸市の役割、果たすべき役割というのはどういうものだと考えられていますか。



久元市長:
 それは、やはり神戸空港が施設面あるいは設備面でもしっかりとした安全性を備えた信頼性のある空港であるということを、設置者としてしっかりと果たしていくことだというふうに思います。設備につきましては関西エアポート神戸株式会社との役割分担もあるわけですが、まずは安全な空港であり続けるということについては神戸市としての役割も大きいと思います。



記者:
 関西空港が関西の中でもすごく重要な空港であるということは認識が一致しているとこれまで言われていると思うんですけれども、その関西空港が今回のように水没することがわかったわけですけれども、これを踏まえて、これから得た教訓といいますか、どういうふうに改善していけばいいという点についてはどう考えられていますか。



久元市長:
 関西空港が広範囲に浸水し、滑走路、それからターミナルビルが一部使えなくなった、設備、電源設備なども大きな被害を受けたということは、やはり関西経済全体に実際に影響もあり得るわけですから、しっかりと関西空港の安全対策ということを、国、そして新関空会社、関西エアポートのほうでしっかりと講じていただきたいと。これは関西経済全体にとって大変大事なことだというふうに思います。それが基本ですね。



 同時に、やはり今回は突然の事態でしたので、短期間のうちに代替措置ということがまとめられたわけですが、こういう緊急時の対応については、神戸空港も代替措置の役割を要請されて、一部ですが既にそういうことを果たしているわけですから、やはり関係者の間で、空港の安全対策、そして危機管理のあり方について、従来以上に少なくとも情報交換していく、議論していくことは必要なことではないかなというふうに思います。



記者:
 関西空港に関してなんですけれども、3空港懇の開催をこの秋にでもというような声もありますが、それについて具体的な動きは何かあるんでしょうか。



久元市長:
 既にそういう発言が松本関経連会長からも出されているということについては、これは私どもとしてもありがたいことだというふうに思います。



 この3空港懇では、従来の3空港の役割分担ということについても、これは平時の空港のあり方として議論はされることになるというふうに思いますので、今後、私どもとしては、いきなり空港の懇談会の開催ということではなくて、事前の調整とかそういうこともこれから予想されますから、適切に対応していきたいと思います。

ふるさと納税(質疑応答)

記者:
 1週間ほど前に、総務省がふるさと納税の制度見直しを検討されているという話がありましたが、そのことについて受けとめを教えていただきたいです。



久元市長:
 今回は、総務省は返礼品の割合が3割を超えている自治体に対して、これはそもそもふるさと納税の対象にはしないという方針だと承知をしておりますが、神戸市はもちろん返礼品を用意しておりますが、(返戻率が)3割以下の常識的は範囲のものになっていますから、あの通知に特段何か敏感に反応する必要はないと思います。



 同時に、返礼品を重視した自治体の対応についてはやはり批判も強いわけで、返礼品以外の方法でふるさと納税を広く求めるという努力というものは、やはりもっと神戸市も力を入れてやっていかなければいけないと思います。いろんな形で神戸市が抱える課題に、あるいは政策にふるさと納税を呼びかけて、ネットなどでも募集しているわけですけれども、必ずしも十分な成果が上がっているとは思いません。そういう努力は、自治体、神戸市自身がもっともっと庁内で議論をして、また、東京の方が中心になると思うんですけれども、実際にふるさと納税をしている方あるいはふるさと納税をしようとされる方がどういう施策や取り組みに共感していただけるのかということもしっかりとリサーチをするということが必要ではないかなと思います。

市営地下鉄・快速電車(質疑応答)

記者:
 一部の報道で市営地下鉄の西神・山手線で快速電車を復活させるということを市が検討をしているという報道がありまして、早ければ平成31年度に本格調査をして5年以内に実現を目指すという報道があったんですけれども、市として実際にこういう検討はされているんでしょうか。



久元市長:
 私が知らないところでひそかに検討している人がいるのかもしれませんが、私のところにはそういう話は来てはおりません。



 ただ、3年ぐらい前だったかと思いますが、私自身はそういうことが考えられないかということを交通局に対して意見を求めたことはあります。それに対して、1つは地上部分では名谷でこの追い越しをするということ、それからもう1つは、やはり地下で追い越しをしないといけない駅を新設しないといけない。駅を新設するというのではなくて、既にある地下の駅で追い越しをする路線が必要になって、そのためにはたしか数百億単位の経費が要るという報告を受けたことは記憶をしております。そこの段階で私のところでの検討はとどまっております。ですから、その後、スケジュールを決めて、例えば31年度に本格的な調査をするとかということを神戸市として意思決定したということはありません。



 ただ、西神中央から三宮へのこの所要時間というものは開業してからほとんど変わっていないということも事実ですから、やはりそういうことが可能かどうかということは、不断に研究していかなければいけないと思います。

職員団体等の調査(質疑応答)

記者:
 ヤミ専従の関係で、一昨日も市長さんのほうから市役所に亡霊がいるのであれば去ってもらわなきゃいけないというお話もありましたけれども、現状まだこれから委員会のほうで実態が詳しくわかってくると思うんですけれども、まず、なぜこんなことが起こってしまったのか、どういう風土があったのかというところを教えてください。



 また、平成22年のころに総務省のほうからも調査があったかと思うんですが、神戸市は問題ないということで答えていたようですけれども、そのときから(ヤミ専従が)あったようなこともあり得るのかなと思うんですけども、そこも含めて教えてください。



久元市長:
 まず、これは第三者委員会で、調査委員会でしっかりと調査をしていかなければいけないと考えますけれども、今のご質問については、その結果を踏まえて正確に調査委員会の見解を求めて、そして、改善をしていかなければならないというのが基本です。



 ただ、現時点で私が断片的な情報をつなぎ合わせれば、平成22年とかそういうことではなくて、どの程度かわかりませんが、少なくとも相当昔からこのヤミ専従というものが、存在をしていたということは事実のようです。ですから、どうしてそれが是正されなかったのかということについて、その背景はまだ十分自分なりに認識を形成するには至っていません。これからよく庁内関係者の調査も第三者委員会に対して行われると思いますが、私なりにその点については当然関心を持っていますから、自分なりの心証を形成していかなければいけないと思います。



記者:
 亡霊に去ってもらわなきゃいけないというのは、具体的にどういう意味なんでしょうか。



久元市長:
 ヤミ専従をなくさないといけないということです。



記者:
 その該当する職員さんへの処分というか、そういったところはどう考えていますか。



久元市長:
 調査の結果を見た上で検討していきたいと思います。まず実態を明らかにすることが大事です。そのためには、やはり調査をする。これは前も申し上げましたけれども、内部で調査をするということも方法としてはあり得るわけです。しかし、ヤミ専従というのは、これはかつて存在をしたヤミ専従が解明される過程でも、当局側はこれを真正面から聞かれたら否定するということがよくありました。つまり、ヤミ専従というのは組合が一方的に行えるものではなくて、当局側との癒着が背景としてあるということが普通であるわけです。そういうことを考えれば、やはり職員を介在させることなく、調査委員会で実態をしっかりと明らかにするということが最も適切であるというふうに考えたので、調査委員会を立ち上げたわけです。その結果を踏まえて、どう対応するのか、今おっしゃったようなことも含めて、どういう対応をするのかということを考えていかなければいけないと思います。



記者:
 昨日・今日の委員会でも、第三者委員会の調査を待たずに、疑いの段階から実際にヤミ専従がされていたということが明らかになり、さらに、それが組織的にも黙認、容認されていた中で行われていたという話も出てきました。改めてこのことに対する受けとめと、どうも委員会の答弁をお聞きしてますと、少なくとも各局の部長、局長さんクラスまでは把握されていたようなんですが、それがご自身のところまで情報として入ってきてなかったのであれば、それ自体をどう受けとめられるか。また、その責任について、トップとしての責任をどうお考えになられるか、聞かせてください。



久元市長:
 まず、これは全貌を明らかにしなければいけないということです。ヤミ専従というのは、かつては存在しておりました。しかし、それはもう既に国においても自治体においてもこれは根絶されているというのが大方の受けとめ方でありましたし、私もそういうふうに思っておりました。それがよもや自分がトップを務める神戸市で行われているということについては、私は大変大きな衝撃を受けております。ですから、これの実態を解明するということ、全貌を解明するということが大事です。委員会の審議の詳細はよく承知しておりませんが、昨日・今日の委員会において、そういう実態があったことは認めた答弁があったようですけれども、これはやっぱり断片的な事実です。断片的な事実があったということだけでは十分ではないので、全貌を明らかにするというのは第三者機関でのみ行えると私は考えております。ですから、年内にその実態を明らかにした報告書を出していただきたいということを委員会の先生方にもお願いをしているわけです。それが基本的な認識です。



 どうしてそれが私のところに上がってこなかったのかということについては、正直、よくわかりません。ただ、そのことについては大変残念です。ただ、これは前も申し上げたかもしれませんが、労使関係あるいは労使慣行というものは、優れて現場的な話でして、どこの自治体もそうなんですけれども、とりわけ神戸市におきましては、例えば具体的にこういうことで労使交渉をやっているとか、そういう話はほとんど私には報告はありませんでした。それはそれで、私の受けとめ方としては、適正な労使関係が神戸市には存在していて、法にのっとった交渉も行われている、組合活動についても適正に行われているというふうに私は認識をしておりました。しかし、それはそうではなかったことが明らかになったわけで、それは、特にヤミ専従については組合だけの判断で行えるものではなくて、当然、当局との間での何らかの調整のもとに行われたということで、労使の癒着がそこに推認されるわけですから、内部調査では解決ができないということで、第三者委員会を立ち上げたということです。まずは第三者委員会によってその実態を解明することが必要です。



 私自身の責任は当然あると思います。その責任につきましては、調査が明らかになった時点で自分なりに判断を下したいというふうに思っています。

えきまち空間(質疑応答)

記者:
 先般、「えきまち空間」の基本計画で、6つの駅を1つにというようなキーワードで計画策定されましたけれども、その会合でも、進め方やスピード感をもっと早くとかという要望も参加された方から上がってはいました。この計画の意義と今後に向けた考え方、意気込みを伺ってよろしいでしょうか。



久元市長:
 三宮の再整備につきましては、具体的な施設配置計画とか移転計画とかということを進めておりますけれども、ただ単にビルが建てかわるということが三宮の再開発の目的ではありません。6つの駅があるターミナル駅ですから、これをいかに有効にうまく活用するか。そして乗りかえがしやすい、それぞれの駅をおりた方がスムーズにまちの中に出ていけるような、そういう駅前空間をつくっていくということは非常に大事な考え方です。



 この「えきまち空間」の考え方はそういう方向で、公共交通優先、そして、歩行者優先の駅前空間にしたいということで、かなり時間をかけて進めてきました。そういうことで、できるだけ通過交通は排除するということと、先ほど申し上げたような考え方で今回の計画はできているわけですが、実は、これは平成29年度中につくる計画であったわけです。しかし、主として市会からのご議論の中で、かなり自動車交通を全面的に排除するというような考え方は現実的ではないのではないかというようなこともありまして、それで、再度さまざまな方々の皆さんのご意見を検討して、必要な修正を行い、策定の時期を少しずらすことにしたわけです。



 したがって、当初の考え方に賛成の方からは、スピード感が欠けるというご指摘あったかもしれませんが、しかし、あまりにもドラスティック過ぎるというような考え方のご意見もありましたので、そういうことも踏まえて、当初の大きな方向性や内容は基本的に維持をしながら、今回の計画を策定したということです。