神戸市-KOBE-


 

定例会見 2018年(平成30年)7月11日

最終更新日
2018年7月17日

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発表項目

平成30年7月豪雨の被害状況・対応状況について

久元市長:
 私からは、まず、今回の豪雨に対する対応の状況につきまして、説明をさせていただきます。



 まず、人的被害ですが、軽傷は1名、それから建物被害は、半壊1件、一部破損9件、床上浸水21件、床下浸水39件、その他主な被害として目立っておりますのは、側溝からの溢水が27件、それから土砂崩れが108件、土石流が1件、擁壁崩れが8件となっております。



 これは昨日も申し上げたところですが、私も、今年に入りまして、たびたび市民の皆さんに挨拶をさせていただく機会で何回も触れてきましたが、今年は阪神大水害から80年という年です。1938年の阪神大水害により、当時の神戸市の区域で616名の犠牲者がありました。当時の神戸市は、現在の東灘区、それから現在の北区山田町以北は含んでおりませんでしたが、その当時の狭い神戸市の区域で616名の被害があったわけです。



 今回の市街地での雨の降り方や、阪神大水害のときの雨量と今回の雨量とを比べますと、ほとんど同じですけれども、若干今回のほうが上回っております。それにも関わらず、人的被害が軽傷1名ということは、やはりこの間、営々として六甲山系を中心に、砂防ダムや堰堤の整備、また山林の管理というものを進められてきた先人の努力と、国土交通省六甲砂防事務所、県、そして関係者の皆様方の努力が、こういう形で成果が出たということではないかと考えております。



 また、たくさんの救助要請があったわけですけれども、これに警察、消防、また、消防には私どもの常備消防のほかに、たくさんの消防団員の皆さんが参加をしていただきました。市民の皆さんの協力もありました。こういう形で、少なくとも人的被害につきましては最小限に抑止することができたのではないかというふうに考えております。



 しかし、その一方で多くの土砂崩れがありましたし、また、現在も避難指示が継続されており、灘区内2カ所、14世帯24名の方が避難をしておられます。このような状況と、市内の道路の通行止めも続いております。これをできるだけ早く原状復旧するということ、そして被災をされている方々に対してしっかりと支援をしていくということが求められると考えております。



 被害が出ている中で一番規模が大きい地域が、灘区篠原台です。ここでは7月6日に、民間所有地の崩れた土地(黄土)が私道と沿道の宅地敷地内に流入する土砂崩れが発生いたしました。(現在も)209世帯420名が居住する区域に避難指示を発令中です。7月8日11時50分から流出土除去作業を開始いたしました。これは私道ではありますけれども、異常気象であるということと規模と影響、あるいは早期の生活に復帰をしていただくという観点から、神戸市において、この黄土撤去を行いました。こういう形で撤去を進めているわけですけれども、避難指示は継続中です。この避難指示をいつ解除するのかということは、なかなか難しい問題です。



 実際に被災されている皆様方は、できるだけ避難指示を解除してもらって、家の中、敷地の中の土砂の撤去だとか、あるいは家の後片づけをしたいと希望されている方が多いわけです。しかし、土砂崩れが発生した現場、山の中には、まだ土砂がかなり残っております。ほかの地区でも、雨が降らなくても土砂崩れが起きた事例もありますし、また非常に大気が不安定な状況が続いていますから、また雨が降り、かなり降水量が多くなるとまた土砂崩れが発生をするということも予想されます。



 したがいまして、この避難指示を解除するかどうかということにつきましては、神戸大学の学識経験者の先生の知見もいただく必要がありますし、それから、ドローンを飛ばして山の中の状況を調査するということは既に着手をいたしました。専門的な知見をしっかりといただいた上で評価を行い、避難指示の解除を行うことが適当かどうか、そういう判断につなげていきたいと考えております。



 このように神戸市内はまだ災害対応が継続中ですけれども、しかし、西日本全体を見ますと、広島県や岡山県、愛媛県などで大変大きな被害が発生しております。神戸市としては、そのような地域に対してしっかりと支援をしていくということも大きな任務ではないかと考えております。



 そこで、この神戸市の行政としてどのように応援をしているのかということをまとめておりますが、1つは水道局の応急給水隊です。多くの地域で断水が続いており、とにかく生活用水が待ち望まれております。既に7月9日から10名の職員で岡山県の小田郡に派遣し、現在、倉敷市に移動いたしました。明日からは、さらに岡山県倉敷市に対しまして7名の職員の追加派遣したいと考えております。



 それから、緊急消防援助隊につきましては、7月9日から高知県に対しまして、ヘリコプターを含む航空小隊を派遣しております。さらに、これに加えまして、明日から広島県に対しまして指揮隊、救助隊、後方支援隊、通信支援小隊、合計29名を派遣したいと考えております。



 また、被災地の衛生状態、また被災者の方の健康保持ということも大変大事な課題です。既に7月10日から倉敷市に、4名の保健師、事務職員、自動車運転手からなる保健衛生隊を派遣しております。



 関西広域連合を通じた派遣といたしましては、兵庫県のカウンターパートは岡山県ということになっておりまして、そのような決定に沿った対応でもあるわけです。今後、被災地のニーズに、あるいは被災地、また自治体からの要請に応じて支援を強化、拡大をしていきたいと考えております。



 次に、被災者の方々に対する支援ということを幾つかご紹介申し上げたいと思います。



 1つは、実際に住宅に住めない方が出てきておりますので、避難所の開所が長期化する可能性に備えまして、市営住宅の活用を検討していきたいと考えております。もともと市営住宅は火災で焼け出された方に対する用意をしておりましたが、これを風水害にも拡大いたしました。現在は使用期間が6カ月以内、使用料の免除期間は3カ月となっております。今回の災害を受けまして、これを、使用期間を原則1年、そして、この1年間の使用料は全て免除し、無料で市営住宅に入っていただけるというような対応を考えて、できるだけ早く要綱改正をして実施したいと思っております。



 市営住宅、被災者の方に対しましては、それぞれの区に5戸ずつ用意しておりまして、現在、市内で45戸を用意しております。



 これに加えまして、西日本でもかなりの方々が避難をしておられますので、市外から受け入れることができる市営住宅を50戸用意しております。これも要請に応じて使っていただけるようにしたいと考えております。



 次に、市内の道路の通行止めの状況と、その解消の見込みにつきましてご説明したいと思います。



 有料道路と一般道路があるわけですが、有料道路は、まず、神戸の北東部の六甲北有料道路の長尾ランプと神戸三田インターチェンジの間が通行止めになっております。



 それから、阪神高速7号北神戸線の布施畑東ランプ、それから藍那ランプの2箇所です。、阪神高速北神戸線自体は通行できるわけですけれども、布施畑東ランプの西行き出口と藍那ランプの東行き出口の外の部分が土砂で通れないという状況になっております。



 一般道路につきましては、六甲山上以外では夢野白川線、鵯インターチェンジから鵯越トンネルの出口それから、塩屋丸山線、塩屋町7丁目の一部です。それから、小部明石線の福谷東から木見の部分と、神戸三木線の布施畑神戸西インター前の部分が通行止めになっております。これにつきましては、急ピッチで工事を進めまして、今日の5時から、小部明石線については片側の交互通行で、神戸三木線については通行止めを解除するという措置をとりたいと思っております。



 次に、六甲山上です。六甲山上につきましては、まず、六甲山上から市街地に下る神戸六甲線、新六甲大橋と丁字ケ辻の間が通行止めになっております。それから、有馬街道からずっと山中を走っている道路である、明石神戸宝塚線の森林植物園前から六甲山牧場の間、それから、六甲山頂駅と芦屋市の境までが、現在、通行止めということになっております。これにつきましても急ピッチで通行止めを解除すべく対応したいと思っておりますが、現時点ではまだ、いつ通行止めを解除できるのかという見通しは立っておりません。これが通行止めの状況です。



 そして、これらの被害の状況、また、避難状況などを踏まえての対応といたしまして、このほかに、1つは、避難されている方は、やはり風呂に入って体をきれいにしたいというニーズが大変強いことは言うまでもありません。神戸市でも14世帯、24名の避難中の方がいらっしゃることに鑑みまして、神戸市浴場組合連合会が無料で入浴機会を提供していただけるということになりました。対象の方に対しましては、事前に入浴料免除証という一種のパスを神戸市が交付いたしまして、神戸市内の39カ所の銭湯に無料で入っていただけるということです。対象の方は14世帯24名、いずれも灘区内の方々です。市内で39カ所あるわけですが、灘区でも比較的近い場所に銭湯もありますので、無料で入っていただくということができるようになります。公衆浴場組合の皆さんの大変心温まる対応に対して、この場をかりまして感謝を申し上げたいと思います。



 もう1つは、六甲山上があのような形で道路が複数箇所、通行止めになっているということに鑑みまして、六甲山トンネルの無料通行証を発行いたします。



 現在、六甲山上から市街地におりようとすると、この東西と、市街地に向かう道路が通行止めになっていますから、裏六甲ドライブウェイを通って、そして、一旦裏六甲に出まして、六甲有料道路、六甲山トンネルを通って市街地に出るというルートを通ることになります。したがって、この六甲山有料道路、六甲山トンネルを通るということが非常に大事になってきますので、六甲山上に住所があり、通院、買い物、通学のために使用される方につきましては、ホームページで必要事項を記入の上、必要な書類を送付していただき、折り返し無料の通行証をお送りするという形で郵送での受け付けを行い、そして、六甲山の地域福祉センターでも出張の受け付けをしたいと考えております。このほか、灘区役所でも窓口での受け付けを行います。いずれにいたしましても、この道路が開通するまでの間、こういう形で対応したいと考えているわけです。



 こういう形で、現在の被災者の皆さんへの対応、そして、被害を受けたエリアの原状・災害復旧などに取り組んでいきたいと考えております。
あと、今回の災害で起きた事象として考えなければいけないのは、新幹線のトンネルの出口で太陽光パネルが豪雨により落下をしたということです。特にこれは接触はしなかったということですが、危険性があるので山陽新幹線が運転を中止したということがありました。これはやはり太陽光パネルへの対応というのを考えていかなければいけないというふうに考えております。これまでもこの太陽光パネルを設置工事中にブルドーザーが転倒して、隣接地に侵入をして被害が出たというようなこともありました。太陽光パネルが災害時に危険性を持つことになるということだということですね。



 それから、もう1つは、太陽光パネルがかなり広範囲に神戸市内でも設置をされているということが最近認識されるようになってきています。この太陽光パネルについては、これは固定価格買い取り制度に基づいて発生した電力を売電、売却することになるわけですが、これが順次下がっていくということになると、太陽光発電そのものは、クリーンエネルギーとして高い評価を得ていますけれども、この事業として今後とも継続性に全く不安がないのかという問題も一方で指摘をされております。



 もしも、これは全体としてそういう危険性は少ないのかもしれませんが、個々の事業者で事業が継続できないということになり運営している会社が倒産をするということなどになると、これが放置されることになって、周辺の生活環境に悪影響を与え、また、災害時にも大きな危険性をはらむことになります。



 そこで、今回の議案を踏まえまして、神戸市として独自にこの太陽光パネルの設置に関する規制をできるだけ速やかに検討したいと考えておりまして、その検討の結果、必要であれば、神戸市独自の条例の制定も含めて考えていきたいと思っております。

質疑応答1

平成30年7月豪雨の被害状況・対応状況について(質疑応答)

記者:
 篠原台の土砂崩れについてなんですけれども、14世帯24名の方々が避難しているということなんですが、大体どれぐらい避難は続きそうだという見立てだけでもいいので教えていただきたいと思います。



久元市長:
 これが難しいんです。まさにさっき申し上げましたように、これはやはり私ども行政だけでは判断ができないというのが、昨日もだいぶ庁内で議論しましたけれども、やはり専門家の知見が要るだろう、それから、ドローンを飛ばして、今までこういうことをやったことがなかったんですが、残っている土砂の状況だとか、そういうものをしっかりと見る必要があります。それから、六甲砂防事務所に監視カメラを設置していただきました。そういう状況を見て判断をしていきたいということで、できるだけ早く解除したいと思いますし、もちろん皆さまも切望されていると思うんですが、やはり危険がまだあるということなので、申しわけありませんが、今、めどを申し上げることはできません。



記者:
 神戸も大規模に被災をしている中で、倉敷であるとかいろんなところに応援を出さなければいけないというご判断は非常に難しいものがあると思うんですけれども、被災を受けながら、そこに全戦力を投入することなく、一部はやはり応援に出さなければいけないというのは、どういった思いでそういったご判断をされたんでしょうか。



久元市長:
 やはり神戸市民の命と安全を守るということ、これが神戸市政の最優先課題です。そのことに支障を生じないということを前提にして、やはり神戸としては、23年前の震災のときに多くの自治体からの応援もいただいたということを思い起こしながら、やはり非常に大きな被害を受けた自治体があるわけですから、そこに対してしっかりと支援をしていかなければいけないと考えているわけです。



 まず、今のこの状況を見ますと、神戸市内でやらなければいけないことは、やはり土砂が堆積している篠原台のようなところをできるだけ早く原状復帰するということですね。それからあと、崖崩れが起きているところ、擁壁が崩れているところ、これをできるだけ早く原状復帰をするというところが大きいわけです。それから、現に避難をされている方に対する対応ということ、これも、例えば市営住宅への対応だとか、銭湯への対応だとかということをいたしました。



 ですから、こういうような分野に対応する職員は、しっかりと市内で活動してもらいます。しかし、人的被害はほとんどなかったわけです。それから、避難をされている方も、神戸市全体の人口から見れば、そんなに多い人数ではありません。それと、水道施設の被害もほとんどありません。そういうことから考えれば、被災地で非常に求められている給水活動、それから、一応、災害応急対策が終わりましたので、ヘリコプターをはじめとする消防局の職員についても、もちろんしっかりと対応できる分は残してありますけれども、応援することができるのではないか。それからあと、保健衛生の関係の職員、これも、災害対応ということから見れば、そこに大きな人員を割く必要はないわけですから、そういうような部分については派遣をしても神戸市内への対応に支障はないと、そういう思いで派遣を決定したということです。



記者:
 北区のほうで田んぼとか畑が被害を受けていると聞いているんですけれども、農業への影響について、どの程度出ているかというような判断を持たれていますでしょうか。



久元市長:
 農業についての被害は、災害対策本部に対しては、特段の報告はなかったと聞いております。しかし、被害が発生をしているというような情報があるようであれば、それに対してしっかりと対応します。これは農業については県と一緒に対応するということにもなりますので、その点は情報を集めて、必要な対応が求められるのであれば検討していこうと思います。



記者:
 避難指示とか勧告がまだこれだけ出ている中で、避難されている方はかなり限られた数にはなっていますけど、この現状についてはどうお考えですか。



久元市長:
 避難指示には従っていただきたいと思うんですけれども、やはり最終的にはそれぞれのご判断のもとで実際そこにとどまっておられる方が多いのではないかというふうに思います。もう1つは、今後の状況を見て、避難指示についても順次解除していきたいというふうに思っております。



記者:
 先ほどドローンとか新しい手法で判断されるということだったんですけど、そもそもやっぱり指示とか勧告の判断のやり方というか、基準、見きわめるやり方というのを今後やっぱり見直していく必要があるとか、そういうのは今の段階でありますでしょうか。



久元市長:
 まず、今回確かに避難勧告を出し、あるいは避難指示をし、その結果、そのとおりに全て行動していただけなかったということは事実です。しかし、これは神戸市だけではなくて、ほかの自治体でもこれは同じ現象が起きています。これは結果論ということになりますけれども、人的被害ということから見れば非常に軽微なものであったということは、やはり私たちの災害応急対策は今回の豪雨の中で一定機能をしたというふうに思います。



 それと、もともと避難の指示あるいは勧告について、災害対策基本法は市長の権限、市長の権限になるわけですが、神戸市の場合には事実上、これは消防署長が行使をしております。消防署長の判断で避難の指示や勧告などを出しているわけです。このやり方は私は正しい選択ではないか、今回もそれで大きな問題は起きなかったというふうに思います。これは特に見直す必要がないと思います。



 問題は、やはりこういう土砂災害の場合の避難指示の解除です。これは繰り返しになりますが、大変難しい判断になります。やはりドローンを飛ばす、あるいは監視カメラで全長をつかんで、いち早く避難の指示を改めてかけることによって避難指示を一旦解除することができないかというような検討とか、そういうことを含めた有識者の皆さんの専門的知見に基づくアドバイスということで、これをより精度の高いものにし、かつできるだけ速やかに解除するということにつなげることができないか。これは見直すというよりも、そういうような方向での新しい観点からの検討が求められるということだと思います。



記者:
 避難指示は解除されない限りボランティアの方とかもその場に入ることはできないと思います。篠原台のほうとかでも、今、すごくまだ土砂がたくさん残っていて、住民の方はすごい苦労されている様子なんですけれども、そういうところにボランティアの人たちが行くようにするというのもすごくこれから大切になると思うんですが、そのあたりはどうされますか。



久元市長:
 避難指示が継続をしているわけですから、ボランティアの方は立ち入らないでいただきたい。現実にボランティアの方にはそういうお願いをしております。これは大変難しいところです。実際に住民の方、被災者の方は自分でも片づけたい、そして、これはボランティアの方にも手伝って早く片づけたいと思われるのは当然だと思うんですが、ここは非常に私どもも辛いところですけれども、危険性がある以上は極力被災者の方も中に入らないでいただきたい、もちろん外部のボランティアの方は中に入らないでいただきたいというのが私どもの立場です。



記者:
 一般の人が立ち入れないなら、なおさら重機だとか専門的な技術を持った人に作業をしてもらわないとやっぱり生活の復旧というのは遅れる一方だと思うんですけれども、そのような点で、この篠原台についてはそういう市からの支援というのは追いついていると思いますか。



久元市長:
 これは非常に難しいところですが、ここの道路は私道なんです。私道については、従来の神戸市の判断では、所有者の方に土砂を撤去していただくという対応をしてきました。今回は、私道ですけれども神戸市が撤去したということです。



 あと、それぞれの敷地の中の対応ということについては、これは全国自治体も同じことだと思いますけれども、やはりそれはそれぞれの所有者の方で対応していただくことを基本として、行政としてどういう対応ができるのかということを考えていかなければいけないというふうに思います。



記者:
 撤去するのは、私道だけれども市のほうがやったと。でも、何か個人でお金を出して、重機を呼んでこられた方もいるみたいなんですが、その土砂を捨てる場所がないと困っていらっしゃる方がいたんですが、そういう場所というのはありますか。



久元市長:
 そういうようなことがあるのであれば、きちんと神戸市としてそれに相談に乗って対応を検討させていただきます。

発表項目

神戸市いじめ問題再調査委員会 設置および開催について

久元市長:
 平成28年10月に発生をいたしました垂水区の中学生自死事案に関しまして、神戸市としての調査委員会を設置する、市長の責任で設置をするということをお話ししてきました。設置が少しおくれておりましたけれども、今般この委員会を設置するということにいたしました。



 委員候補者の名簿はご覧のとおりでして、この調査委員会の委員の選任に当たりましては、ご遺族と代理人の弁護士も入って、どういう方に委員をお願いするのか協議を重ねてきたわけです。そして、このほどご遺族と神戸市の双方が選任について合意に至ることができましたので、お示しをしている先生方に対して委員の就任を今お願いしているところです。そして、手続が完了いたしますと、祝日ということになりますが、7月16日に第1回の再調査委員会を開催いたしまして、再調査を開始したいと考えております。



 改めてこの再調査委員会の調査の目的ですけれども、いじめ防止対策推進法に基づきまして、自死に至った生徒にどういうことがあったのかという事実を調査し、その事実に基づいていじめの有無を客観的に評価、認定をする。そして、いじめの事実とこの自死との関係の有無、さらには、市教委や学校の対応に問題がなかったのかということ、そして、いじめの再発防止策を具体的に提言いただきたいというのが、この調査委員会の調査の目的と内容です。



 調査委員会の方々の名簿ですけれども、改めてお名前を申し上げますと、春日井敏之先生、立命館大学大学院教職研究科長、文学部教育人間学専攻教授でして、滋賀県のいじめ再調査委員会の委員長などをご歴任されました。曽我智史先生、尼崎駅前で法律事務所を開設しておられる弁護士の先生です。加古川市の委員などを歴任されています。三木憲明先生、同じく弁護士で、大阪弁護士会の子どもの権利委員会委員長をご歴任されました。それから、吉田圭吾先生、臨床心理士でいらっしゃいます。神戸大学大学院人間発達環境学研究科教授です。



 もうお一方、精神科医の先生がいらっしゃいまして、この方については実は内諾を得ておるんですけれども、その内諾をこの方が所属をする組織の最終的な決裁が終わってないということなので、一応手続中とさせていただきます。

北神急行電鉄を利用する高校生を対象に通学費助成制度を開始します

久元市長:
 北神急行を利用する高校生のご家庭を対象に通学費助成を開始したいと考えております。この背景ですけれども、もともと北神急行の運賃が高いということはあるわけですけれども、平成27年度に県立高校の学校が再編をされました。そして、今までは神戸は第1学区、第2学区、第3学区だったわけですが、学区が大括りになりまして、それぞれ1区から2区あるいは1区から3区へと旧の別の学区に通学される方が増えることになりました。そうなりますと、通学費が高額になるケースが出てきます。



 北神急行の運賃なんですけれども、北神急行の利用者の大半は、神戸電鉄、それから市営地下鉄を乗り継いでいるわけです。北神急行だけで、つまり谷上で乗って新神戸でおりる高校生はほとんどいません。そうすると、この路線ごとに初乗り運賃がかかることになりまして、保護者の費用負担は大きくなります。特に北神急行は神鉄、地下鉄に比べまして運賃が高いということで、3カ月通学定期運賃では5,000円程度高くなっています。



 1つの例をご覧いただきますと、大池の中学校の校区から市立の科学技術高校に通学をされる方は花山で神戸電鉄に乗りまして、谷上で北神急行に乗りかえて、新神戸から先は、神戸市営の地下鉄になります。三宮でおりて、JRの灘まで通うということになります。そうすると、それぞれの定期の運賃を合計すると、3カ月で5万4,310円ということで、かなり高額になるわけです。やはりこの負担はぜひ軽減をしたいということで、9月1日以降の通学定期から通学費助成をスタートしたいと考えております。



 具体的には、北神急行を利用する高校生の皆さんは約1,000人いらっしゃいますが、正規運賃から助成額を差し引いた金額で定期券を発売していただきます。助成額は、1カ月定期が1,500円、3カ月定期が5,000円、6カ月定期が1万円、それぞれ、こういう助成を神戸市が単独で行うということです。今年の9月以降の通学定期を対象といたしまして、8月18日から購入することができるようにいたします。この制度の実施によりまして、例えば、かなり高額の定期代を払っておられるご家庭の幾ばくかの負担軽減になるのではないかというふうに考えております。

全国初となる茅葺民家活用ガイドライン「こうべ茅葺トリセツ」の作成

久元市長:
 全国で初めて、茅葺民家を活用するためのガイドライン、「こうべ茅葺トリセツ」という冊子を作成いたしました。



 この茅葺民家は神戸の生活文化を物語る貴重な文化遺産です。農村景観を形成する大変重要な要素であると考えていました。現在、神戸市内には茅葺民家は約800棟存在しておりまして、大都市の中でも最も多く残されております。そして、北区、西区に大部分が存在をしているわけですが、30年間で約3割減少いたしました。ぜひこの文化遺産である茅葺民家を保存する取り組み、そして、活用していただく取り組みを進めていきたいと考えております。



 平成27年度に行った茅葺民家の所有者の方へのアンケートでは、茅葺民家に対する愛着は、やはり高いと考えられます。住み続けたいと思っておられる方が大部分でありますが、一方で、カフェやショップなどの住宅以外の用途にも活用したいというニーズが1割程度あります。こういうニーズはこれから大きくなっていくのではないかというふうに考えられます。そういう意味で、茅葺民家を活用するための支援が必要です。



 どういうような課題があるのかということですけれども、やっぱり規制がそれぞれの法令に基づいてありますので、どういう規制があるのかということがわからない、それから、住宅として活用するよりも、カフェとかレストランなどで活用する場合には防火・避難に関する規制が厳しいので、どういう改修をどの程度すればいいのかということがなかなかわからない、それから、安全確保のための手続がなかなかわからない、こういうようなことがあって、なかなか活用に踏み切れない事情がありました。



 そこで、この茅葺民家を活用する際の法規制をわかりやすく伝えていくために、庁内で若手職員による調査研究チームを立ち上げまして、いろいろと検討し、今回、この「こうべ茅葺トリセツ」を作成したわけです。



 主な構成は、どういう使い方ができるのかというイメージをそれぞれお示しいたしまして、それに、それぞれの活用イメージごとの法規制への適合性ということ、この適合性をチェックするためのポイント、それから、必要な手続を1冊に収録するというふうにしております。法規制の内容といたしましては、立地規制などの敷地の内容や、避難の安全性、いろり・かまどなど火を使う部屋の安全性、シックハウス対策、消防設備などについて、活用イメージごとに対応すべきことを掲載しております。これは、できるだけイメージが湧きやすいような構成に工夫いたしました。法規制への適合状況についても簡単にセルフチェックをしていただけるような工夫しております。できるだけカラフルな、イメージが湧くような、わかりやすい図などを用いて、写真も多用し、とにかくわかりやすい内容のトリセツというものをつくりましたので、ぜひこれをたくさんの皆さんに活用していただきまして、茅葺民家の保全・活用につなげていければと考えております。

質疑応答2

神戸市いじめ問題再調査委員会 設置および開催について(質疑応答)

記者:
 神戸市のいじめ問題再調査委員会のことについてなんですが、議事の中に、ご遺族の意見陳述という予定が入っておりまして、教育委員会の第三者委員会のほうでされた議事というか、進め方とは随分違うなというふうにも思うんですけれども、このあたり、市長の思いがありましたらお聞かせいただきたいと思います。



久元市長:
 このいじめの問題は教育委員会が適切に対応する必要があるわけですが、この教育委員会の調査委員会は、スタート時点で必ずしもご遺族の信頼を得るような形でスタートしなかったし、それに対する、社会に対する説明も十分ではなかったということが当初からあったわけです。そして、現実に調査委員会に対するさまざまなご遺族の意見も出され、さらにその後にメモの隠蔽なども起きたということで、これは非常に残念なことですけれども、やはり教育委員会の調査委員会では、極めて不十分であると。市長として独立した再調査委員会を立ち上げなければいけないと考えたところです。



 そして、少し時間がかかりましたけれども、再調査委員会を立ち上げるに当たっては、やはりご遺族のご意向ということをしっかりと踏まえる必要があるということで、こども家庭局のほうで随分何回もご遺族、あるいは弁護士の先生と協議を重ねてきて、今回、少し時間はかかりましたけれども、再調査委員会の立ち上げと、7月16日に予定されている第1回の会合を開くことができたと考えております。



記者:
 結論というか、報告書を出すめどについて、今の時点ではまだ始まってもいない段階で恐縮なんですが、スケジュール的なものがもしあれば教えていただきたいと思います。



久元市長:
 本来5月中にスタートをさせたいと思っておりましたので、7月16日ということで少し遅れましたけれども、できることならば、当初、想定をしておりました年内に再調査委員会としての結論を出していただいて、終えることができればありがたいと思っています。



記者:
 先ほど目的の中で、「市教委の対応に問題がなかったかということも検討する」、「市教委の組織風土であったり、組織改革とかは市教委が責任を持って」ということをおっしゃっておられたと思うんですが、こちらの再調査委員会のほうではどういったような内容になると考えておられますでしょうか。



久元市長:
 再調査委員会の目的は、今回の事案に関していじめがあったのかなかったのかということ。それから、いじめと自死との関係をどう考えたらいいのかということですね。これはやはり、いじめについて、これは学校現場で起きた事柄ですから、今回の一連の事案についての学校現場の対応と教育委員会の対応がどうだったのかということ、これが再調査委員会の調査の対象になるわけです。その限りにおいて、教育委員会の仕事の仕方ということが問われるということになります。



 ですから、教育委員会の組織や人事、あるいは仕事の仕方については、これは教育委員会自身が改革をする。その改革をしていく中で有識者の意見も聞かれるという場面もあると思いますが、それは教育委員会の責任でやってもらう。今回の事案に関する部分という限りにおいて、教育委員会や学校現場のあり方が問われてくるということだとご理解をいただければと思います。

北神急行電鉄を利用する高校生を対象に通学費助成制度を開始します(質疑応答)

記者:
 北神急行の運賃に関して、あの谷上プロジェクトも、三宮から十数分で行けるという谷上の立地に注目した取り組みだったかと思うんですけれども、あの段階でも、初乗り運賃の高さ、行って帰ってきたら1,000円を超えるところは1つネックだったかなと思うんですが、この北神急行の初乗り運賃を引き下げる余地についてはどのようにお考えでしょうか。



久元市長:
 北神急行の運賃が高いことはおっしゃるとおりなんですね。それは、下げることができれば一番いいわけですけれども、既に兵庫県と神戸市とを合わせて、両方、1億3,500万円ずつ、毎年、2億7,000万円の公費、税金を投入して、運賃を下げているということです。高いことはそうなんですけれども、相当税金を投入して下げていますから、これ以上、下げるということは、公費の投入以外ないと思いますから、それは難しいと思います。



 やはり、なかなかこれは難しい面もありますが、いい循環をつくっていくということ。谷上プロジェクトもそうだと思うんですね、いい循環をどうつくっていくのか。谷上は、ちょっと今、運賃が高いけれども、谷上を選んでいただいた若手の経営者の皆さん、ITやベンチャーをやっている皆さんが現実におられるわけです。谷上の立地特性に着目して立地していただいた。やはり、こういう動きが広がることによって、今、残念ながら乗客数は減少していますけれども、これに少しでも歯どめをかける。そして、非常に高い通学費も、こういう助成をすることによって、沿線人口、特に若い世代の人口の維持も図っていくことによって、少しでもいい循環をつくっていくことが求められるのではないかなというふうに思います。

その他の質疑応答

須磨多聞線(質疑応答)

記者:
 先日、建設局のほうから測量の方針が資料で配付された、須磨多聞線のことについてお伺いさせてください。2年前に同じように測量の方針を示されたんですけども、自治会からの反対があって、定例会見の場で市長のほうから「測量はしない」ということをおっしゃられたかと思います。2年間のうちでどういう状況が変わったと市長としてご判断されたのか、そこをまず聞かせてください。



久元市長:
 この須磨多聞線については、地元自治会が強く反対をしてこられました。これについては、2年少し前になろうかと思いますが、やはり「すぐには測量はしない」ということを申し上げました。その理由として、より住民の皆さんに説明をして理解を深めていく必要があるということと、やはり、それまでの説明のやり方と同じやり方では住民の皆さんの理解はなかなか得られないということで、別の方法を考える必要があると。もう少し工夫をした住民理解の方法を考えなければいけないと申し上げたわけです。



 そういうような方針に沿いまして、その後、いろんな説明を行ってきました。平成28年度はかなり少人数の皆さんを集めた説明会を開く、平成29年度はバーチャルリアリティーを使った体験相談会を行って、沿道のかなり広いエリアの方々からも意見を聞くような会の開催をしてきました。



 そういうようなことで、さまざまな手法、つまり、それまで以前の手法とは違うやり方で説明会を行い、また、さまざまな規模の説明会を行う中で、域外の方ではなくて、沿道の住民の皆さんからは早期の整備を行うべきだという意見も出てきています。もちろん、強硬に反対されている方の意見は依然として変わっていないわけですが、そういう早期整備を求める意見も出てきているということですね。



 そこで、測量というものは一体何なのかというと、測量してすぐに道路の建設に入っていくというものではありません。測量をした結果、この須磨多聞線の詳細設計を行うということが目的です。そして、詳細設計を行った上でその内容を住民の皆さんに説明をするということ、それが目的で測量をするわけですから、測量を踏まえた詳細設計を丁寧に説明して、理解をしていただく努力をするということが必要だと考えています。そういうような測量をする段階にやはりもうそろそろ至ったのではないかというのが、この2年間の変化です。



記者:
 やはりまた地元の自治会から抗議文という形で、さっきもおっしゃられた強硬な反対意見というのが表明されたわけなんですけども、それについて2年前のように延期とされるのか、どう対応をされるのかお伺いさせてください。



久元市長:
 大変これは残念なんですけれども、抗議文を提出された自治会の皆さんは、私どもがどのような会合を開こうとしても、あるいは開いても、出ていただけませんかというお願いをしても、一切出席を拒んでおられます。やはりこのことは大変残念だというふうに思います。その一方で、早期整備を求める声も出てきているわけですから、これはやはり、もう一切の話し合いには応じないというような方々の声だけを聞いてこの問題に対処することはできないというふうに思います。これは、測量して道路にすぐに着工するということではありません。今、抗議文を提出されている方々を含めて、測量して詳細設計を行い、これをきちんと説明して理解を求める努力をしたいということです。



記者:
 今回の災害で、業者さん等の都合で予定が変わってくるということはあると思うんですけども、住民の反応を受けて事業の予定を変えられることは今のところないということでしょうか。



久元市長:
 まず、測量するということについては、とにかくいきなり突然測量するということはいたしません。やはり、測量をするということをきちんとお知らせして測量に入りたいというふうに思っております。住民の皆さんの理解を求めて、この須磨多聞線の整備を進めるということに変わりはありません。その一環として測量に着手するということになります。

新開地の賑わいづくり(質疑応答)

記者:
 今日、喜楽館がオープンしました。市長も出席されていたと思うんですが、一方で、昔は新開地が神戸の中心地と言われてきていた中で、再開発は三宮で進めますと。その2つの位置づけというか、どういうふうに考えられていて、どのように互いに発展していくというような、そういう構想とかお考えがあったら教えていただければと思います。



久元市長:
 やはり今は三宮が神戸の玄関だというふうに思います。これは、中には三宮が神戸の玄関だというふうに思いたくない方々もひょっとしたらいらっしゃるかもしれません。しかし、やはり常識的には、三宮には6つの駅がありますし、バス路線も集中していると。三宮が神戸の玄関口としてふさわしい姿に、よりよいものにしていくということ、これはやはり必要なことだというふうに思います。



 同時に、神戸は市域が広いですから、バランスのとれた町の整備をしていかなければなりません。そういう意味からいいますと、神戸の西部でいうと、新開地というものもこれから神戸の魅力を高めていく非常に重要なスポットになってくると思いますね。



 かつては、やはり新開地という存在は、庶民の娯楽の場所として日本を代表する繁華街であったわけですね。戦前は「東の浅草、西の新開地」と言われて、聚楽館をはじめ、たくさんの演芸場や映画館とかいろんな劇場もあって、にぎわっていました。



 そういう歴史があるわけですけれども、三宮のほうに人が行くようになったということも一因ではありますが、残念ながら、一時、正直、さびれている時期もありました。それが、ここ10年以上前からでしょうか、相当変わってきていると。やっぱり地元の皆さんが新開地を活性化しようということ、NPOの皆さんや商店街の皆さん、たくさんの方が中心になって、新開地をもっとにぎわいのある活気のある町にしていこうという取り組みが始まって、外国人の皆さんもかなり新開地を歩くようになっています。新しいお店もかなり増えていますね。



 こういうふうに新開地が変わりつつある中で、今回、喜楽館がオープンしたということは、非常にこれは、新開地のにぎわいづくり、活性化に弾みがつくことになると思います。ですから、三宮とはかなり個性の違う魅力を発揮する、かつての歴史や伝統ということを踏まえながら、新しい時代にふさわしい繁華街としてこれからさらに発展していってほしいというふうに思います。



 つまり、性格が違うにぎわいの拠点として大きなポテンシャルを持っているし、大きな蓄積もあるし、今回、喜楽館がこれに加わったことによって、新しい時代にふさわしいにぎわいの町としてこれが発展していく大きな可能性を、新しい形で手に入れることができたのではないかというのが感想です。

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