神戸市-KOBE-


 

定例会見 2018年(平成30年)4月12日

最終更新日
2018年4月17日

発表項目

兵庫県・神戸市が一体となって中小企業の「IoT・AI・ロボット」導入を支援します
(8分15秒)

神戸市で一歩踏み込んだ「食品ロス実態調査」を実施しました(結果報告)
(10分40秒)

質疑

その他の質疑応答

発表項目

兵庫県・神戸市が一体となって中小企業の「IoT・AI・ロボット」導入を支援します

久元市長:
 今日、私がお話を申し上げたい案件は2件です。
 1件目は、兵庫県と神戸市が県市協調で一体となり、中小企業へのIoT、AI、ロボットの導入を支援するということで、中小企業の人手不足対策、生産性向上の取り組みを始めることになりましたので、ご説明をしたいと思います。
 これは県市協調事業ですので、今日は兵庫県から産業労働部、竹村英樹産業振興局長に出席していただいております。
 


 中小企業へこれら(IoT・AI・ロボット)の導入を支援していくことは産業振興策として非常に重要なテーマだと考えております。当然のことながら、我が国の総人口は減少し、高齢化率は上昇し、生産年齢人口は減少しております。趨勢としてはそういう傾向を間違いなく辿るわけですが、現実にも既に中小企業の生産現場では人手不足が深刻化しております。生産性を向上させていくという対策が喫緊の課題となっております。
 


 このことにはいろんなアプローチが要るわけですが、その解決策の1つがIoT・AI・ロボット技術を活用していくということだと思われます。その効果として、省人化ができる、いわゆる3Kの作業から解放される、また、熟練者不足への対応にもなる、さらには、現場の作業の効率化、品質の安定、ひいては経営の改善にもつながるということが見込まれます。
 


 なかなかこれが進んでいないというのが実情ですけれども、進まない理由としては、やはり導入の手法や効果がわからない、導入コストがどれぐらいかかるのかということもなかなか見えにくい。また、これを進めていく上での社内の人材不足、あるいは相談をどこにしたらいいのかということに関する情報が不足しているということが指摘されてきました。
 


 こういう課題に対応するために、今回、兵庫県との連携事業で導入相談窓口を設置いたします。この導入相談窓口は、ポートアイランドの神戸商工会議所会館の中にある、公益財団法人新産業創造研究機構、NIROの中に開設いたします。
 


 具体的には、専門家を現地に派遣して、課題の抽出から導入まで、それぞれのステージ、課題に応じたいわゆる伴走型の支援を行っていきたいと考えております。具体的な事例も紹介するセミナーを開催したいと思っておりますし、また、支援の方策としては、今年度、兵庫県が創設した「兵庫県IoT・AI・ロボット導入補助金」など、補助金制度の紹介や申請支援も行いたいと考えております。県市一体となりました支援メニューを用意するということにいたしました。
 


 まだまだ普及していないわけですけれども、既に(ロボット技術等を)導入して効果が上がっている事業を1つご紹介したいと思いますけれども、これは油圧機器製品の外観検査です。
 


 今ご覧いただいている会社では、油圧機器製品の外観検査を、これまで人の目で行っておりました。これを実際、一人一人の社員の皆さんがやっていたわけですけれども、この外観検査のプロセスをロボットに置きかえて自動化するということにいたしました。また、この検査は全て人の判断、個々の社員が見て、一定の基準に合っているのかどうかということを判断してやってきたわけですが、これをAI技術に置きかえて自動化するということにいたしました。製品に傷があるかどうかといった点検をAIソフトで合否を判定するということにしましたが、なかなかAIでは判断がつかないものは社員、検査員が判断をするということになるわけです。しかし、実際に社員が判断するようなものは、その結果をまたAIがディープラーニングして、一定の分類ができるものについては、今度はAIが自動的に合否を判断するというフィードバックをすることになります。これにより、相当程度の改善が行われており、労働生産性は10倍に向上したと言われております。このロボット、AIについては経済産業省の補助事業にも採択されております。
 


 もう1つの事例は神戸市内の婦人靴のメーカーの事例です。これはまだこれから行おうとするものですが、婦人靴の製造過程を自動化するという技術支援です。具体的には、靴の本体と靴底を接着するためにのりを塗るわけですが、のりを塗布する作業をロボット化するというものです。これにより、あまり良好でない環境の作業から解放され、生産性の向上が見込まれるということになります。初期の段階では神戸市の助成制度を活用して、実際にこれを事業化するに当たっては、国の補助制度を申請して、これを31年度から稼働させていきたいと予定しております。
こういうような取り組みが中小企業の中でどんどん広がっていくように相談窓口を設置するということです。

神戸市で一歩踏み込んだ「食品ロス実態調査」を実施しました(結果報告)

 2点目が食品ロスの取り組みです。
 食品ロスは非常に大きな社会問題になっておりまして、これをできるだけ削減していくというのは大きな、我が国全体の社会的な要請であると言えます。
 いろいろな取り組みが既に行われているわけですけれども、まず、一体、食品ロスの実態というのが今どうなっているのかということを明らかにすることが必要なのではないかと神戸市は考えました。そこで、食品ロスというものの家庭における実態調査を行いました。
 


 まず、食品ロスというのがどういう状況になっているのかというと、国の調査では、我が国全体の食品ロスは年間約621万トンと考えられており、事業系、家庭系それぞれ数字があるわけですが、これは世界の食料援助の2倍近い量になっています。ものすごい食品の廃棄が行われています。
 


 神戸市でも、家庭から排出する燃えるごみのうち、生ごみの約2割が食品ロスであると推定されておりまして、市民一人当たりに換算しますと年間12キログラム、1日大体33グラムくらいで、年間では1万2,000円分の食品ロスが発生しているという状況になっております。
 


 全国のこれまでの調査しては農林水産省が実施した調査がありました。これは1週間分の調査で、食品別の食品ロスの量とか割合、世帯構成員別の食品ロスの量と割合、それから、食事管理者の年齢階層別の食品ロス率という基本的な情報があったわけです。
 


 ただ、これだけでは食品ロスを具体的にどう減らしていくのかという方策を考える上ではデータ的には不十分ではないかと神戸市では考えまして、それで、この食品ロスにかかわるさまざまな分野の有識者の皆さんからアドバイスをいただきながら有識者会議を設置し、神戸市の独自の調査を実施しました。
 


 神戸市の独自の調査では、約700世帯の市民モニターの皆さんに、日々の食事と、食事のときに発生する、あるいは食事を準備するときに発生する食品ロスというものがどういうものなのかということを調べてもらう、書きとめてもらう、こういう取り組みをいたしました。つまり、「食品ロス・ダイアリー」というものを用意して、情報を書き込んでもらうことにしたわけです。具体的には、手つかずの食品をそのまま捨てる、あるいは食べ残した食品を捨てる、そのたびに、この種類とか量とか、あるいはこれを廃棄した理由、あるいは保存方法、こういうものを日記の形式で書き込んでもらうという取り組みを行ったわけです。
 


 この調査は、平成28年の冬と平成29年の夏に、それぞれ4週間かけて行いました。ここから、これまで見えてこなかった食品ロスの実態と、その背景というものが、全てではありませんが、おぼろげながら浮き上がってきました。つまり、かなりの皆さんが、やっぱり食品ロスというのはもったいない、食べられる食品を捨てるのはもったいない、できるだけ食品ロスはないようにしようという意識をかなり持っておられます。そして、まず意識として、食品ロスをよくやっていると自分で意識をされている方、たまに捨てるというふうに思っておられる方、あるいは、ほとんどそんなことはしない、全く捨てないというような方がいらっしゃるわけですけれども、そういうような方に食品ロス・ダイアリーを書いてもらうと、ほとんど、あるいは全くしないと考えておられる方も、実は月に平均3回から4回ぐらい食品ロスをしているということが記録をつけることによって明らかになったわけです。こういう記録をつけることによって、食品廃棄の件数も減少するという結果になりました。
 


 もう1つは、手つかずの食品の種類です。農林水産省の調査ではここまでわからなかったわけですが、半分近くを占める生鮮野菜について、夏と冬を通じて廃棄が多い品目は、キュウリ、レタス、キャベツなどが多いということが明らかになりました。
 


 捨てる理由は、品質が劣化をしたというようなこと、それから、これを減らすためには、やはり冷蔵庫の整理をするということと、冷蔵庫にどんな野菜が入っているのかということを確認するということ、それから、賞味期限、消費期限を早目に確認するということ、これが有効であるという意見が多かったわけです。
 


 世帯構成別で見ると、子供がいる世帯といない世帯とを比べると、手つかずの食品を捨てる場合、あるいは食べ残したものを捨てる場合の両方で、子供がいる世帯のほうが廃棄をする回数が多いということがわかりました。それから、世帯構成別では、1人1日当たり食べ残した重量が一番多いのは単身高齢者世帯であるということがわかりました。
 


 こういうような傾向が明らかになるということは、これに対する対応はどういうところに焦点を絞っていけばいいのかということが見えてくるわけです。やはり単身高齢者世帯は、つくり過ぎ、あるいは量が多いということで食べ残しが他の世帯よりも多いということがうかがえることになります。
 


 ここから見えてくるものを踏まえながら食品ロスの取り組みということを行っていかなければなりません。こういうデータをもとに、神戸市としてもこれから食品ロス削減のための取り組みを行っていきたいと思っており、有識者会議で検討もいただいております。改めて、この有識者会議の皆さんからのお考えを聞かせていただいたり、また、提言などもいただいて、神戸市としてこれにどういう対応をしたらいいのかということを考えていきたいと思っております。
 


 例えば、既に小売店でフードドライブの取り組みが行われています。フードドライブは、まだ食べられる手つかずの食品を小売店に持ち寄って、これを回収して、必要とされるご家庭などに、あるいは施設などに届けるという取り組みです。こういう取り組みをさらに広げていくことができないか。また、野菜も保存方法をちょっと工夫するだけで保存期間が長くなるということがわかっています。野菜を販売するときに一工夫するというようなことを例えばイラストや写真などでお知らせするという取り組みも考えられるかと思っております。
 


 まずは、こういう実態を市民の皆さんによくお伝えして、市民の皆さんにもぜひ考えていただく、そして、既にフードドライブなどの取り組みを行っておられる事業者の皆さんに、この取り組みをどう広げていったらいいのか、そして、それに行政がどう関わっていったらいいのかをこれから考えていきたいと思っております。
 私からは以上です。

質疑応答

兵庫県・神戸市が一体となって中小企業の「IoT・AI・ロボット」導入を支援します(テキスト版)

記者:
 AIやロボットの導入に関する総合窓口を設置したということなんですけれども、今回、市長として改めてどんな効果を期待されているのかということをもうちょっと具体的にお伺いしたいのと、先ほど紹介されていた具体例があったと思うんですが、実際に県内でどのくらいの企業が導入したかという数とかがわかれば、教えていただきたいです。



久元市長:
 まず、何を期待しているのかというのは、やはり何といっても、それぞれの中小企業の置かれている業種とか業態とか、提供するサービスや販売している商品の種類にもよると思うんですけれども、やはりもっとAI、IoT、ロボットの取り組みを広げていくということが不可欠ではないかということです。全くそれを必要としない、あるいは導入すべきでない分野というものもひょっとしたらあるかもわかりません。あくまでも受け継いだ手づくりの技術をそのまま守りたいというふうに思っておられる経営者の皆さんもいらっしゃると思いますから、そういう方は今回の導入事業の対象外です。


 
 しかし、総じて、やはりさっき申し上げましたように、人口構成というものが大きく変わっている、そして深刻な人手不足というものが起こっていると、これに対する対応というのはいろんなことを考えていかなければなりませんが、その有力な解決方法がこのAI、IoT、ロボットの導入だということです。



 そして、大企業の場合にはそれがかなり進んでいますけれども、中小企業の場合には、さっき申し上げましたような状況にあるというふうに思いますから、この支援によって、人手不足の解消、生産性の向上、そして労働環境の改善ということにつなげていただいて、そして、それが個々の企業の経営の改善につながっていくという、こういうことを目指したいというふうに考えております。
 それから、全体の数字というのは、わからないというのが答えです。



記者:
 基本的な確認になるかと思うんですが、基本的にはこれはNIROの職員さんが相談に当たるということで、実際何人体制ぐらいでやっていくのか、また、この相談窓口というのを置くのは全国的に見ると珍しいほうなのか、積極的に取り組んでいるほうなのかということを教えていただけると助かります。



兵庫県職員:
 全国的に申しますと、各都道府県単位のセンターではこのような窓口があるところもございます。ただ、県市協調でということになるとおそらくこれは初めての事例ではないかと考えています。



 また、スタッフなんですけれども、NIROの企業OBですね、実際、実務面に精通された方数名と、あと、外部のITベンダーなどの現役の企業の方ですね。こういった方たちに研修を実施しまして、その方たちを登録制にします。ご相談の中身に応じまして企業様に派遣するという体制でやっていきたいと考えております。



記者:
 県市協調となると初めてじゃないかということで、改めて兵庫県と神戸市でタッグしてなるようになった経緯といいますか、教えていただけますか。



久元市長:
 県市協調事業というのはいろんなものを進めてきました。1つずつ例を挙げれば切りがないんですけれども、例えば新長田の合同庁舎は、どちらかと言いますとこれは井戸知事と私との間でそういうレベルでやっていこうという話をしましたし、六甲山の再生委員会をこの前スタートさせましたけれども、これも知事と私との間で直接、とにかく今のままではだめですねという話でスタートさせましたが、この今回のIoT・AI・ロボット導入支援事業はそういうレベルではなくて、今日ご出席の竹村局長と、それから私どものほうの経済観光局の局長や部長や、檀特課長などのレベルでかなり相談をして積み上げてくれたというのが経緯だというふうに承知しております。
 さらに今年度から、神戸市の職員が竹村局長のところでお世話になるんですね。よろしくお願いします。
 


 また、私が市長になりましたときは県と市の職員の交流というのは全然なかったんですけれども、これをスタートさせまして、当初1人だったんですが、これが2人になって、こういう形でこの産業振興のレベルでも県市協調が非常に職員のレベルでも進んでいて、そして、日々相談をしながら今回の連携事業を練り上げていただいたと思っております。



記者:
 県市協調のところで、今回のケースに関しては県内全域でこの補助が適用、サービスが受けられるということに尽きるんでしょうか。その県市協調が今回持つ意味ということを改めてお聞きしたいということと、もう1つは、メニューであるロボット、IoT、AI。ロボットは具体例を教えていただいているのでわかりやすいんですけれども、IoTとかAIがどういうふうに人手不足を解消して生産性の向上につながるのか、中小企業の方たちが、じゃ、私はAI、私はIoTということを念頭に置きながら申し込めるような何か具体的な事例などを伺えたらと思います。



久元市長:
 まず、県と市の役割分担ですけれども、相談は幅広く応じます。そして、その後の支援について、兵庫県と神戸市はそれぞれ補助制度を持っておりまして、神戸市では、設備投資に対して支援をするという助成制度をつくっております。特に戦略産業であります航空・宇宙、医療・健康・福祉、農業・食糧、環境・エネルギー、この4分野については助成割合をかさ上げするという措置も講じて、神戸市の産業政策の視点を反映させる制度にしているわけです。一方で、兵庫県の補助制度は、県内企業を対象にするということで、そこは神戸市の中では県市協調事業としてやるわけですけれども、兵庫県は県内企業全体を対象とした施策を展開されるというふうに理解をしております。
 ちょっと補足をしていただければ。



兵庫県職員:
 市長からご説明がありましたように、相談窓口はNIROで県内全体の企業をお受けするということです。それで、補助のほうも県の補助金を使いますから、神戸市の企業さんも県内企業さんもこれは等しくお受けをいただくということで、その主たる役割を相談窓口のほうは市が中心になってNIROに、補助のほうは県が中心になって設置をするということで、全体として県市で協調して組み合わせて全体をパッケージにしているということでございます。

神戸市で一歩踏み込んだ「食品ロス実態調査」を実施しました(結果報告)(テキスト版)

記者:
 最後におっしゃっていたように行政としてどういうふうにかかわっていくのかというところで、先ほど課題とか、あるいは既におっしゃっている進行している取り組みをご紹介いただいたんですけれども、具体的には神戸市としてどういうふうに取り込むかというのはお考えの中にどのような具体策がありますでしょうか。



久元市長:
 この食品ロスのために神戸市として取り組みを計画としてつくるというのは1つの方法としてはあるかもしれませんが、やはり私はそういうような方策ではなくて、まず実態を明らかにする。そして、これにかかわる有識者会議の皆さんからのご提言をしっかりいただく。そして、実現可能な取り組みをみんなで考えていただくということ。そして、既に行われている取り組みを広げていくということ。このことが非常に大事ではないかというふうに考えております。
 


 例えば、さっきも申し上げましたけれども、フードドライブの取り組みというのは神戸では大変進んでいます。ダイエーさんが市内2店舗でモデル実施をされましたけれども、現状では市内の5店舗、全国40店舗で実施をしておられます。コープこうべさんは市内3店舗でモデル実施をスタートしましたけれども、現在は市内の35店舗でこれが広がっています。これをどんどん広げていくということが必要だというふうに思います。
 


 この取り組みを民間の事業者の皆さんに呼びかけるということは行政としてやらなければいけないということですが、ただ呼びかけるのだけではなくて、もっとこれを効果的に進める方法がないか、これは我々も考えるし、事業者の皆さんにも考えていただいて、そして、一緒に考えて広げていくという取り組みが重要だというふうに思います。行政がこういう方策を考えてやりましょうということではなくて、やっぱりさまざまな知恵を持ち寄って、たくさんの皆さん、市民の皆さんも含めて消費者の皆さんを巻き込んで大きな市民運動にしていくということが大事ではないかなというふうに思います。



記者:
 食品ロス・ダイアリーというのが全国初だということなんですが、これはこの今回の実態調査のためにつくったというより、今回の調査で週を追うごとに廃棄が減少していっている、記録することで減らしているという効果もあったということなんですけど、これは継続的に何らかの形で食品ロス・ダイアリーというのを活用していくというものなんでしょうか。ちょっとその辺の考え方を教えてください。



久元市長:
 まず、この食品ロス・ダイアリーは、実態を調べるためにいろんな皆さんの意見を聞いてつくったものです。しかし、これが今回の調査でも、先ほどご覧いただきましたようにこれをつけることによって捨てているという意識がなかった方も実は捨てているということわかったので、記録することに意味があるということはわかりました。ただ、これをつけるのはかなり大変ですよね。ですから、神戸市としてぜひこれをつけてくださいというところまで自信を持って言えるのかどうかというのは、ちょっと今そこまでの自信はありませんね。いろんな方のご意見を聞いて、ただ、つけていただくことには大変意味があると思いますから、いろんな皆さんに紹介をしていきたいというふうに思います。

その他の質疑応答

人口減少問題

記者:
 人口減とか労働者の不足に関連するかもしれないんですけど、国立社会保障・人口問題研究所から先日新たな推計が出たのはご存じかと思うんですけども、その中で大規模な100万人以上の政令市の中では神戸市の減少率というのがわりと大きな数字が出たと思うんですけども、まずその受けとめをお聞かせいただきたいなと思うんですが。



久元市長:
 これは、人口減少の話はこれまでもご質問いただいたこととほぼ同じになるわけですけれども、ここかなり長い間起きている我が国全体の人口移動の特徴は、圧倒的に東京23区への人口の集中です。そして、23区の近辺にある大都市の人口が増加をしている。典型的には川崎市ですね。それから横浜、さいたま市、千葉市などがこれに続くと思いますけれども、そういう首都圏エリアですね。
 


 もう1つは、札仙広福と言われるように、それぞれのブロックの中心都市に人口が集中をしているという傾向にあります。特に福岡市の伸び率が極めて高いものになっています。これは九州中から人口を集めているということで、福岡市以外の九州の大都市はかなり人口の減少が目立っています。特に北九州市の社会減は、全体のボリュームとしては全国の自治体の中でもトップになっている。ものすごく近いにもかかわらず、片方は減少が目立っている、片方にものすごく人口が集中しているというのが全国の人口動向の特徴ですね。神戸はそのどちらにも位置していないということです。これが一番大きいと思います。
 


 同時に、神戸特有の状況というのは、神戸は戦争で焼け野が原になりまして、20年代から30年代にかけてものすごい勢いで住宅が建てられました。神戸は可住地面積が非常に少なかったので、山裾、あるいは山の上まで無秩序に住宅が建てられたのが昭和20年代から30年代にかけてです。これは、昭和40年代の半ばに都市計画法に基づく線引きが行われて、無秩序な開発が抑制されるまで続きました。そういうところは非常に道が狭いとか、居住環境が必ずしもよくないところであったわけです。こういうところからの人口流出がかなり目立つようになってきています。これは神戸の1つの特徴ではないかと思います。
 


 この話を説明すれば、ほかにもいっぱい要因はあるんですが、つまるところ、全国的な人口移動の傾向と、神戸市の特有の状況とが合わさって神戸市の人口減少を招いている。このトレンドがこのまま続けば、神戸市の人口減少が加速していくと受けとめております。このことに対しましては、2020ビジョンでもありますように、急激な人口減少をできるだけ食いとめる、若者に選ばれるまち、誰もが活躍できるまちを目指していくというのが2020ビジョンの基本的な考え方です。
 


 そのためには、やはり都市の魅力というものを高めていかなくてはならない。かつてのように工業団地をつくって、水と労働力があればいいという時代ではありませんから、あらゆる面でその都市の魅力ということを高めていく努力をしていくということが、人口減少を少しでも食いとめるということにつながると思いますし、そういう政策を全力で推進していくということが大事だと思っています。

JRの停車駅について

記者:
 阪急の地下鉄への乗り入れの検討が始まるというのと合わせて、やっぱり市西部とか北部での人口減というのが特に顕著であると思うんですけども、その中で、例えばJRの新快速の停車駅をもう少し西のほうで1カ所増やしてくれとかという働きかけですとか、そういったことというのはお考えとしてあったりしますか。



久元市長:
 新快速については、実際問題、非常に現実性が薄いと思うので、働きかけはしておりませんが、強力に働きかけをしているのは新長田への快速の停車です。これは、相当強力に私もJR西日本の歴代社長にもお願いをしてきました。公共交通の利便性を高めるということは非常に大事なことで、JR、それから山陽電車、地下鉄西神・山手線、海岸線の利便性をいかに高めていくのかというのは非常に大事なことだと思っています。

垂水区中学3年生の自殺案件

記者:
 垂水の自殺案件で、その後の市長部局としての調査のお考えの進捗状況を伺えればと思います。



久元市長:
 垂水の市立中学生の自殺案件につきましては、第三者委員会の調査報告書が出され、これに対するご遺族の方からの所見が提出された後、4月3日に市長に対して再調査をするように申し入れがありました。この点については、どう判断するのか、今、検討中です。
 


 申し入れの内容が個々の調査報告書の内容に対する具体的な指摘になっていますから、それに対する判断については少し時間をいただきたいと思います。またこれは、調査手法でありますとか、あるいは法律的な判断も含みますので、私が判断をする上での参考として、法律の専門家からの意見を聞きまして、そんなに遅くない時期に再調査をするか、しないか、これの判断をしていきたいと思っています。



記者:
 遅くない時期というのは何か具体的に時間がかかるということの一方で、何か目途的なものは今、ぼんやりとはお持ちなんでしょうか。



久元市長:
 ぼんやりと申し上げますと、遅くとも3カ月以内、3カ月を超えない時期にその判断をしたいと思っております。



記者:
 ということは、4月3日に出されたので、夏、8月になる前ぐらいまでにはというようなイメージですか。



久元市長:
 そうですね、遅くとも7月には入らないような時期に判断をしていきたいと思っています。



記者:
 ご遺族が、直接、市長に面会したいと申し入れたとお話を聞きまして、面会に応じる方針があるのかどうかについてお伺いしたいです。



久元市長:
 ご遺族の方が第三者委員会の調査報告書に対して具体的に疑問点を提起されているわけですから、これは、おっしゃっていることはかなりはっきりしています。それをどう考えるのかということについて、さっきも申し上げましたけれども、専門家のご意見を聞いて、再調査をするかどうかということの判断、これが、今、私が求められているところです。ここははっきりしておりますので、そういうような、専門家の皆さんのご意見を聞いたり、あるいは再調査をするかしないかということの判断をするということ、これがまず大事ではないかというふうに考えております。
 ですから、今すぐ具体的に会う予定があるというわけではありません。

神戸空港への期待

記者:
 神戸空港の件なんですけども、昨日過去最高の307万人と発表されましたけども、搭乗率も過去最高ということで、市長としての受けとめと、今後の展望・期待を一言お願いします。



久元市長:
 神戸空港につきましては、去年も搭乗者数、搭乗率とも非常に順調な数字になっておりまして、その後もその傾向が続いています。やはり神戸空港に対する利用者の評価というものが、非常に好ましいものである、高い評価をいただいているということが、こういう結果につながっていると思います。



 やはり神戸空港をさらに利活用していくためには、より神戸空港の利活用を図っていくという見地から、コンセッションの手続を進めてきまして。これもいろんな経緯がありましたが、この4月1日から関西エアポート神戸株式会社が運営をすることになりまして、先般、これは会社主催のレセプションでしたけれども、政・財・官界から、1,000人をかなり超える、そうそうたる皆様方にお越しをいただいて、神戸空港がたくさんの皆様方からの祝福を受けながらスタートできたということを大変喜ばしく、ありがたく感じております。



 新たな運営会社による神戸空港の運営は、利用客の皆さんに対するサービスの向上が期待できますし、また、ターミナルビルについても新たな店舗とか、あるいはいろいろなサービスを導入することによって、ターミナルビルそのものがにぎわいを創出する施設になるということもぜひ期待をしていきたいと思います。



 また、関西エアポート神戸株式会社からの提案の中には、就航航空会社各社に対する機材の大型化ということも盛り込まれておりますから、これが実現されればさらなる利用客増にもつなげていくことができるので、そのような取り組みにも期待をしていきたいと思っております。また、空港の設置者は神戸市ですから、神戸市としても設置者としてやれることをしっかりとやっていくと、そういうふうに考えております。

西宮市長選挙に関して

記者:
 西宮の市長選挙が今週末、多くの候補者で争われておりまして、話題を呼んでおりますが、西宮といいましたら、政務活動費の県議であったり、あるいは前市長の暴言の問題であったりと、ちょっとあまりよろしくない話題が先行しておりまして、個々の施策といいますよりも、どちらかというと資質の問題が問われているのではないかと思うんです。非常に厳しい目が市民から向けられている中ではありますが、神戸市の市長をされている久元さんとして、あるべき首長の姿といいましょうか、あるいは今、市民からどのようなところが問われているのかとか、お考えになっていることを教えていただけますでしょうか。



久元市長:
 なかなか難しいんですけれども、やはり、選ぶ側の市民の立場からいえば、これは西宮ということではなくて、神戸でもどこでも当てはまるわけですが、やはり基礎自治体である市のサービスというのは市民生活の相当広範囲な部分をカバーしているということだと思いますから、やはり自分の目でしっかりと、候補者の中からこの人は託せるという市長をしっかりと吟味し、考えていただいて、市長を選んでいただくということ、これが大事ではないかなというふうに思います。
 


 具体的な資質について言うと、やはり、その市のために全力を捧げるという決意と、そして能力を持っているということに尽きるというふうに思いますが、ただ、この能力については、首長に求められる能力というのは非常に幅があるというふうに思います。ですから、一概にこの分野についての能力が必要だというのはなかなか言いがたいと思うんですね。実務的な能力も問われると思いますが、あるいは発信力とか、市民の皆さんに正確に伝え、そして市民の皆さんの力を結集していく能力というものも必要でしょう。



 いろんな能力があると思いますが、しかし、それぞれ人間によって、持っている能力とか、あるいはそれをどう発揮できるのかということは、それぞれの候補者というか、市長がどういう経歴をたどってきたのかということによっても違うと思うんですね。そこはなかなか言いがたいところがあると思うので、やはり一人一人の有権者の皆さんがしっかり目を見開いて、自分の責任で選ぶと。その選んだ結果というものが、その後の市民生活、あるいは市のイメージにも影響してくると。このことを教えたのが、今回の西宮市長選挙が行われることになった1つの経緯だと思いますから、その辺のところをよく考えていただいて、しっかりとした市長を選んでいただくということが求められるのではないかというふうに思います。

認知症に対する取り組み

記者:
 認知症カフェについてなんですが、国も新オレンジプランで、今年度中に全ての市町村とかに認知症カフェを設けてそういうサポートをしていくべきだというような方針も示しておるんですけれども、神戸市では事故救済制度が今議論されていますし、今後、認知症カフェとかそういう取り組みに対して、神戸市としてどういうふうにそういう認知症の方とか家族をサポートしていきたいとお考えなのか、教えてください。



久元市長:
 まず、認知症の疑いとか問題行動がある方がいらっしゃった場合に、ご家族の方、あるいは、ひとり暮らしの方もいらっしゃいますから、ご家族の方が気軽に相談ができるような体制ということが非常に重要だというふうに思います。
 


 これは、あんしんすこやかセンターがそういう役割を担うわけですが、さらに、より専門的な見地からの支援をしていくという組織としては、認知症初期集中支援チームというものを、29年度に全区で設置をしています。これは専門家をご自宅に派遣をしてさまざまな相談に乗るということで、やはり寄り添う形で支援をすると。これは大体6カ月ぐらい支援をするわけですが、そういう形で医療と介護のサービスをつないでいくというような、置かれている状況は違うと思いますけれども、やはりそういう専門性の高い支援をするということが非常に大事なことではないかというふうに思っております。
 


 それから、やはり認知症は専門的な知見がドクターの先生方の中にも必要とされるわけで、認知症サポート医を養成するということ、この方がさっき申し上げたようなチームのリーダーになると、こういう取り組みを進めていますし、こういう取り組みをしていきたいというふうに思います。
 


 あとは、そういうような専門的な支援とともに、認知症の方々に対するやっぱり地域の優しい目というのが必要だと思うんですね。こういうような認知症に対して理解のある方を増やしていく取り組みとしては、認知症サポーター養成講座で増やしていこうということで、これまで講座を開催してきました。幸い、先月までの間に9万4,000人の方がこういう研修を受けられて、認知症サポーターとして登録をされております。
 


 こういう地道な取り組みということも必要だと思いますし、そして、さらに加えて、万が一、認知症の方が第三者に損害を与えた場合に、この損害を家族の方だけに負わせるのではなくて、社会全体で支え合う。そのために、今回、事故救済制度を条例の中に盛り込み、これからその具体的な制度設計を行うと、こういうふうにしているわけです。
 


 神戸市は、国の政策の方向性ということも十分踏まえながら、神戸市のこれまで積み上げてきた取り組みをさらに充実させて、できるだけ早期に具体化させる努力をしていきたいというふうに思います。

コンテナ貨物取扱量

記者:
 コンテナの取り扱い量についてなんですけれども、神戸港が、去年、291万6,588個ということで、暫定の2位だったわけですけれども、横浜港がこれを上回る293万個を扱ったというのが3月に数字として出てきました。2位だったのが3位転落という言い方をするとちょっとよくないですけれども、神戸港が伸ばしている中でさらに横浜港も伸ばされたということで、神戸港を西日本の拠点港にしていこうという取り組みをこれまでもされてきたと思うんですが、国内の小さなコップの中の争いではなくて、東アジアの中のハブの港としての立場を取り戻していくために、今後どういうことをやっていくのかということを改めて伺いたいと思います。



久元市長:
 これは一喜一憂することはないと思うんですよね。実は私は去年の暮れに、覚えておられると思うんですが、過去最高にはならないのではないかということを申し上げたことがあるんです。ところが、いや、実は過去最高になりましたという報告をその後受けて、実は、横浜が上になりましたというお話は初めてここで聞きましたけれども、要するに、似たようなものですよね。まあ、写真判定みたいなものですよ。
 


 ですから、別にそこは、2位か3位かというのにはそんなにこだわることはないと思います。横浜と神戸は私どもが子供のころから日本を代表する2つの港で、切磋琢磨してきましたから、今後はそれぞれのありようでお互いに頑張っていくということが大事なのではないかというふうに思います。
 


 その上で、神戸港のハブ港としての取り組みですが、やはり、これまで西日本の各諸港から神戸に集まってきている荷物、釜山に今まで流れていたものを神戸にどう取り込んでいくのか、こういう取り組みは従来からやってきて、それがかなり成果を上げていますから、この地道な取り組みを阪神国際港湾株式会社と一緒にやっていくということ、これが1つです。
 


 もう1つは、これはやや難度が高い取り組みということになりますが、東南アジアの諸港から、東南アジアの基幹港を経て、例えばシンガポールだとか香港だとか、そういうところから北米などに流れている荷物を神戸港がどういうふうにして神戸港のほうに誘導していくのかということ、これが非常に大事です。
 


 幸い、これは去年、神戸開港150年記念事業として国際港湾の都市の会議をやりました。そこで個別にMOUを結んだり、いろんな人的関係もできていて、今年、改めてそういう会議も開きたいと思っておりまして、東南アジアの各諸港を中心にさらに連携を強めて、神戸港がそういう役割を担っていくと。これはどちらかといいますとソフトのほうの取り組みということになりますが、これを行っていくことが大事だというふうに思います。