神戸市-KOBE-


 

臨時会見 2018年(平成30年)3月27日

最終更新日
2018年3月30日

発表項目

神戸市と三田市の里山等自然環境の保全及び活用に係る連携・協力に関する協定の締結
(17分32秒)

質疑

発表項目

神戸市と三田市の里山等自然環境の保全及び活用に係る連携・協力に関する協定の締結

司会:
 ただいまより、神戸市と三田市の里山等自然環境の保全及び活用に係る連携・協力に関する記者会見を始めさせていただきます。
 本日の会見出席者は、森三田市長、久元神戸市長でございます。
 それでは、初めに、連携協定締結に当たりまして、久元神戸市長よりご挨拶申し上げます。



久元市長:
 今日は三田市と神戸市との連携協定の締結式を行うことになりました。ご参集いただきまして、ありがとうございます。今日は、三田市の森哲男市長にお越しをいただいています。森市長、どうもありがとうございます。



森市長:
 はい。



久元市長:
 私からこの連携協定を締結する趣旨と、これに至る経緯について簡単にお話を申し上げたいと思います。
 神戸市と三田市は隣接をしておりまして、神戸電鉄あるいは路線バスなどでつながって、人の往来も大変盛んです。そして、これまでも千苅貯水池の上流域につきましては、住民同士が協議会をつくって一緒にいろんな活動をやってきておりました。森市長とはしょっちゅうお会いをして、意見交換をする機会がこれまでもあったわけですけれども、いろいろとお話をする中で、神戸市も里山の保全と活用、そして、里山が存在する農村地域への人口定住を進めているところでして、三田市におかれましても、後ほどまた森市長からお話があろうかと思いますが、これは非常に貴重な皿池湿原があります。この保全にも取り組んでおられたり、また、里山の保全活用について非常に熱心に取り組んでおられると。田園文化都市という考え方でまちづくりを進めておられるとお聞きをしておりまして、やはり、両者で連携をしてお互いの知恵を持ち寄って、さらに行政同士、また、NPOやさまざまな市民同士の交流を行っていくとさらにお互いにメリットがあるのではないかと、こういうことで連携協定を締結させていただくということになったわけです。



 連携協定の内容はまた後ほど説明があろうかと思いますけれども、里山保全についてのそれぞれの知識、経験を共有していくということですが、特にやはり里山というのは手つかずの自然をそのまま保全をするというのではなくて、古くから人が手を入れながらこれをつくり上げてきたという側面があります。そういう活動が広がっていくということも非常に大事だと思いますから、さまざまな地域団体、自然保護、あるいは自然の活用をする、そういう団体の知識、経験というものを共有していくと、これが非常に大事ではないかと思っております。



 もう1つは、自然の世界と人間の生活とのバランスということを、これは長い間さまざまな知恵を積み重ねながら、私たちの祖先はそのバランスをとりながら経験を積み重ねてきたわけですけれど、最近それがやや崩れておりまして、そういう中でイノシシや鹿といった、有害鳥獣の被害が目立っているわけです。この点につきましては、三田市は県とも連携をしてさまざまな取り組みをしておられました。神戸市も遅まきながらこういう取り組みをしているわけですけれども、こういう有害鳥獣対策についても連携してやっていけたらと思っております。



 三田市とはこれまでも、例えば、神戸市民が三田市の図書館を使わせていただくというような形で大変お世話になっておりますし、いろんな取り組みをしているわけですけれども、今回は里山の保全ということに焦点を当てた連携協定を締結するということになりました。どうぞよろしくお願い申し上げます。



司会:
 続きまして、森三田市長よりご挨拶をいただきたいと存じます。



森市長:
 こんにちは、三田市長の森でございます。
 今日は、久元市長、お招きいただきまして、どうもありがとうございます。先ほども久元市長のほうからお話があったように、三田市は神戸市に隣接するということで、人の交流も当然ですし、いろんな形で職員同士の交流もさせていただいております。特に北区とは隣接をしまして、いわゆる里山、里地が同じような状況で市の中で息づいている町ではないかと思っております。



 特に今年は、三田市ができて60周年ということで、人間で言えば還暦ですので、そういう意味では第2の誕生ということで、市民を挙げてこれからの三田をどのようにしていくかということを昨年ぐらいから議論をさせていただいております。
 その中で、大きな三田市のキーワードとしまして、成熟したまちづくりをやろうと、そして、その中でもまちの再生というものを成熟したまちづくりにふさわしい形でしていこうではないかというようなことで、市役所をはじめ、いろんな方と議論をさせていただいています。その中で、やはり三田市の先祖が農業を通じて大事にしてきた里山というものが、特に三田の場合は、県立の有馬富士公園がありますので、一度は荒れ果てた有馬富士を、市民の方でもう一度つくり直したという里山を守っていく保全活動の歴史があります。



 そういう意味では、三田にとって里山というのは生産の拠点であるとともに、三田市民にとってのいろんな文化が根づくところではないかと。そういう三田市の財産をこれからどのように守っていくかだけではなくて、それを活かしたまちづくり、まちの再生をやろうと考えております。今回の神戸市との協定、久元市長のほうから何か里山を通じてというご提案をいただきました。そういうことで我々としても、神戸市、あるいは神戸市民の持っておられるノウハウをぜひ活かして、お互いに市の境界を越えて一緒になって里山の保全活用をしていきたいというふうに思っているところです。



 特に三田につきましては、昨年はため池をめぐりまして市民の関心も高くて、ため池の生物多様性について市民の注目がありますし、太陽光パネルの問題についてもいろいろ市民から議論が起こっています。また、三田市はこれから里山を保全活用していく上で、昨年に有識者の方々と懇話会をして幾つかの提言をいただきました。それを受けて、来年度、里山を保全活用する、そういう条例をつくっていきたいと思っています。そのためにも、広域的な神戸市との取り組みを一緒にやらせていただきたいと思っています。
 ほんとうに今日は、こういう神戸市との協定という貴重な機会をいただきまして、ありがとうございます。この場を借りて厚くお礼申し上げまして、挨拶とさせていただきます。



司会:
 続きまして、今回締結いたします協定の内容につきまして、ご説明申し上げます。



職員:
 神戸市と三田市は隣接をしておりまして、これまでも神戸市と隣接いたします7市1町で構成されます神戸隣接市・町長懇話会での活動等において連携を行っているところでございます。今回の連携協定は、神戸市と三田市が有する豊かな里山等自然環境の保全、活用についてそれぞれが実施をしております取り組みを連携協力して行うことにより、市域を越えた自然共生社会を形成し、より一層の保全活用を進め、自然からの恩恵を次世代へ引き継いでいくことを目的としております。



 まず、神戸市でございますけれども、神戸市は自然に恵まれた多様なエリアから成る大都市でありまして、三ノ宮のような都心部が存在する一方で、緑豊かな六甲山や青く広がります海など、自然がとても近くに感じられる都市でございます。また、北区、西区には都心部から車で30分の位置に里山地域が広がっております。神戸市では、それらの豊かな自然環境を保全する取り組みとして、市民団体、大学等との連携による希少種の保全やアカミミガメ等の外来種対策、また、それらの取り組みを発信し、参加促進を図るためのシンポジウムを開催しております。



 また、市民の皆様にも神戸市が有する豊かな自然を身近に感じてもらうため、小学校での出前授業として身近な生き物の観察を実施したり、市民を対象とした自然観察会を開催しているところでございます。豊かな自然環境を活用する取り組みといたしましては、食を軸とした新たな都市戦略として、食都神戸の構築を進めており、その一環として三ノ宮の東遊園地での地元農産物の販売や、それらを使用いたしました朝ごはんの提供を行うファーマーズマーケットを開催しております。また、神戸の農水産物の魅力を若者のアイデアと企業のノウハウを活用して発信していく、「KOBE“にさんがろく”PROJECT」も展開をしているところでございます。



 さらに、農村に暮らし環境のよさを享受しながら都市近郊の便利な生活を送る神戸里山暮らしを推進しており、人と自然の共生ゾーン条例に基づく里づくりの取り組みや、移住希望者と農村地域のマッチングを行う農村定住促進コーディネーターの配置、地域の課題への対応や将来像を取りまとめた里づくり計画に当たりまして、コンサルタントやアドバイザーを派遣いたします支援等を行っております。加えて、実際に農業を体験してもらうイベントも実施をしております。



 続きまして、三田市でございますけれども、三田市は、市街地と田園地域が近接いたしました田園文化都市という特徴的なまちづくりが進められてきた都市でありまして、魅力的な田園地域が広がるほか、ニュータウン周辺に共存する形でも里山が存在しております。



 また、生物多様性を育む貴重な生態系として県内有数の湿原であります皿池湿原を昨年7月に市の指定文化財に指定するなど、自然環境の保全に取り組んでおります。三田市では、その貴重な生態系であります皿池湿原において自然観察会を開催するほか、皿池湿原の守り人(もりびと)による保全活動が行われております。また、市民団体や人と自然の博物館等との連携による希少種の保全や、里山のまちとして里山景観の保全と利活用を推進し、学習会を開催するなど、市民と行政が一体となって自然環境の保全、活用を進めているところでございます。さらに、皿池湿原に限らず市内の生態系の調査を実施し、生物多様性戦略を今後策定していくほか、市の環境学習施設であります有馬富士自然学習センターを中心といたしまして、自然体験学習を実施しております。



 今回の協定では、先ほどご説明いたしましたような、お互いが実施しております里山等自然環境の保存、活用に係る取り組みについて、市域を超えた連携を行ってまいります。
 保全に関しては、各市で活動いたします保全団体・職員間の交流によるノウハウの共有や情報交換、市をまたいでの対応が必要な外来種や鳥獣被害の対策等、保全における管理体制強化を図ってまいります。また、活用に関しましては、既に各市で実施をしております自然環境学習や自然観察会を共同して実施するほか、里山を活かした共同での移住PR等、地域の魅力発信をともに行ってまいります。



 具体的な連携事業を数点挙げますと、神戸市が現在実施しておりますシンポジウムを共同で開催し、各市の生物多様性の保全に関する取り組みの報告や、お互いの市内で活動する保全団体の取り組みを紹介することにより、保全団体同士の情報共有、新たな活動地域の開拓につなげてまいります。
 また、お互いが有する生物多様性の異なるフィールドで自然観察会を実施することにより、さまざまな自然環境に触れ、学習のより一層の充実を図ってまいります。
 さらに、里山への移住促進PR等の協力として、神戸電鉄、あるいは福知山線沿線である両市が移住イベント等において連携することにより、互いの豊かな自然環境を効果的に発信し、里山地域への移住につなげてまいります。



 今回の連携協定締結を契機に、神戸市と三田市はさらなる連携の強化を図ってまいりたいと思います。
 説明は以上でございます。

質疑応答

神戸市と三田市の里山等自然環境の保全及び活用に係る連携・協力に関する協定の締結(テキスト版)

記者:
 里山なんですけども、人の手が入ってこそ、里山はやはり維持できるというところもあろうかと思いますので、移住促進を進めるということは非常にいいことだと思うんですが、それぞれの市で、やはり人口減少の問題、非常に難しい問題があろうかと思うんですが、今、それにどのようなご印象を持って立ち向かおうとされているのか、両市長のお考えを伺えればと思います。



森市長:
 三田市も、急激に人口が入った成長の時代もありましたが、2年前から減少しております。
 三田の場合は、都市部に近いところで農業などを営める里山があるということで、ニュータウンとか市街地を中心に、住まいのすぐ近くに緑豊かな自然があり、これは子供たちにとっても非常にすばらしい環境じゃないかと、ニュータウンに移られた方が異口同音に言われることなんですね。そういう意味では、、広い意味での教育環境の充実を図っていくということを、子育て世帯を中心にやっていく。
 それと、もう1つは、先ほども申し上げましたように、都市部に近いところに里山を活用した農地、農業の可能性が十分にあるということで、結構、空き家も出てきているんですが、そういうところに農業を志す方々にも来ていただきたい。また、今、三田市では、ニュータウンを中心に、ご両親の住まいに近いところに移られる方に対しての支援も行っています。もう1つは新規就農を目指される方への就農支援策についても、力を入れております。よろしくお願いいたします。



久元市長:
 神戸市の農村地域も人口が減少しているわけですが、特に人口を呼び込んでいく上で大事なことは、里山の自然環境、これは大きな魅力になっていますから、これをやっぱりしっかりと保全していくということが非常に重要だと思います。今回の連携協定が、保全、活用という意味でも効果があることをぜひ期待したいと思います。
 それで、しっかりと自然環境を保全するという前提に立って、農村地域は市街化調整区域ですから、市街化調整区域の建築規制というものを合理的なものにしていくということで、3回にわたって規制を緩和いたしました。これは、乱開発を防ぎながら既存の農村集落の中での建築を容易にしていくと。それから、既存の建物を転用する、例えば農家レストランにするとか、そういうような合理的な規制緩和をするということが非常に重要だというふうに思います。



 あとは、森市長がおっしゃったこととも通ずるわけですけれども、やはりここは農業が非常に大きな役割を果たしていますから、農業に新規参入する、営農指導をするという取り組みがもう1つの柱ですね。
 あとは、やはり農村地域は独特のコミュニティがありまして、外から来られた方との間でいい人間関係をつくっていくということが非常に大事ですから、そういう意味での橋渡しをする農村定住促進コーディネーター、こういうような役割を持つ方を配置して、マッチングをするという、こんな取り組みをしております。



記者:
 久元市長に伺いたいんですけれども、先ほど森市長のほうから、「久元市長のほうから今回の協定を呼びかけられた」というお話を伺ったんですけれども、特に三田市のノウハウとかで期待されている部分というと、どこになるんでしょうか。



久元市長:
 これはいつでしたかね、森市長がどこかでお話をされているときに、三田に皿池湿原がある、この皿池湿原を保全するための取り組みを進めておられますというお話をされていたのを聞いたわけです。
 実は、私は皿池湿原という存在を知らなかったので、そういうすばらしい湿原がある三田市との間で、同じような自然環境を共有している両市で連携、協力するということが非常に有効なのではないかということで、私のほうから三田市のほうに今回の提案をさせていただきました。



 やはり期待をすることは、相当、この里山の保全、活用について進めてきておられますから、その経験をぜひ共有をしたいということ。行政同士の経験の共有ですね。あとは、それぞれに自然環境の保全あるいは活用、それから、希少生物種の保護とか、あるいは外来生物の駆除と、こういうことに活動している団体があるわけですけれども、その活動のフィールドを広げていくということが非常に大きな課題なんですね。両者が連携をして活動の領域を広げていくということは、これは活動している皆さんにとっても非常にメリットがあるし、里山の保全、活用にもつながっていくということがあります。



 もう1つは、さっきも申し上げましたけれども、有害鳥獣対策ですね。鹿やイノシシは市境も何もありませんから、広域に移動するわけで、その点についての情報の共有あるいは連携、そして、駆除対策をそれぞれ、神戸市は神戸市でやっておりますが、県との連携も大事だと思いますが、有害鳥獣対策について、より効果的に講じていくと、この辺が期待をしたいというふうに思います。