神戸市-KOBE-


 

臨時会見 2018年(平成30年)2月21日

最終更新日
2018年2月26日

発表項目

神戸市とコニカミノルタ株式会社との神戸市内の中小企業等の振興に関する連携協定の締結
(17分34秒)

質疑

発表項目

神戸市とコニカミノルタ株式会社との神戸市内の中小企業等の振興に関する連携協定の締結

司会:
 それでは、定刻になりましたので、神戸市とコニカミノルタ株式会社との生産性の向上を目指した神戸市内の中小企業等の振興に関する連携協定締結に関する記者会見を始めます。
 私は、経済観光局経済部工業課長の檀特でございます。よろしくお願いいたします。
 会見出席者は、コニカミノルタ株式会社代表執行役社長兼CEO、山名昌衛様、久元神戸市長です。
 それでは、久元市長、連携協定締結に当たり、挨拶をお願いいたします。



久元市長:
 お集まりいただきまして、ありがとうございます。
 今日は、コニカミノルタ株式会社の代表執行役社長兼CEOの山名昌衛さんにお越しいただいております。山名社長、ありがとうございます。



 コニカミノルタさんは、神戸市西区の西神工業団地に大規模な工場、生産拠点を持っておられまして、約700名の皆さんがここで働いておられます。またその内容は山名社長からもお話があろうかと思いますが、ノートパソコンや携帯電話、液晶テレビのフィルムを中心に生産しておられます。そういうご縁で、このほどコニカミノルタさんから、神戸市の中小企業に対していろいろな技術支援をしていただけるということになりまして、今日、連携協定を締結させていただくということになりました。



 ご承知のとおり、今、人手不足が大きな問題になっています。私も神戸市内の中小企業のいろんな皆さんとお話をする機会があるわけですけれども、とにかく人手不足というお話をしょっちゅう聞きます。これにはいろんな対応をしていく必要があるわけですけれども、やはり、長年培ってきた中小企業の皆さんのいわば職人芸的な技術を非常に大切にしながら、一方でこれをどう継承していくかということと、やはり、生産性をどう向上させていくのかということが非常に大事な課題です。
 この生産性の向上ということから見れば、今進んでいる、特にIoTを中心とするテクノロジーの進化も中小企業の皆さんに取り入れていただくということが非常に大事な課題です。コニカミノルタさんは、この分野では非常に最先端の技術あるいは経験を持っておられまして、そのような技術を活用して中小企業を支援していこうということで今回の連携協定になったわけです。



 具体的には、航空機部品につきましては神戸市も力を入れて、数年前から研究会もつくられているわけですけれども、去年コニカミノルタさんより提案をいただき、また、航空機部品産業のトップの皆さんとの意見交換も通じて、いろいろな課題を抽出し、今年から実証実験もスタートさせるという運びになりました。
 また、コニカミノルタさんは、環境の面でも非常に進んだ取り組みをしておられまして、CO2の削減という面でも神戸市の中小企業を支援していただくということになっております。



 山名社長に心から感謝を申し上げまして、冒頭のご挨拶とさせていただきます。ありがとうございました。



司会:
 続きまして、コニカミノルタ株式会社代表執行役社長兼CEO、山名昌衛様より、連携協定締結に当たってのご挨拶をお願いいたします。



山名社長:
 ただいま紹介にあずかりましたコニカミノルタの山名と申します。本日はありがとうございます。
 コニカミノルタといいますと、これは、今から140年前に小西六写真というコニカ、約90年前に創業したミノルタカメラ、この2つの会社が、2003年、15年前に経営統合しましてコニカミノルタとなりました。



 コニカミノルタというか会社は、その後、2006年に、創業のカメラ・写真からは撤退しておりまして、現在は、デジタル複合機という情報機器の事業や、印刷をデジタル化したり、パッケージ、ラベル、テキスタイルを、従来型のアナログではなく、デジタルでつくり上げる商業・産業デジタル印刷という事業、それと、エックス線のデジタル化、超音波事業、こういった画像の診断というものをITを使ってやるというヘルスケア領域、それと、産業用光学の領域、計測の機器、光・色をはかる計測機器とか、市長からも紹介があった西神で8つの工場で展開している液晶テレビ、あるいはノートパソコン用の位相差フィルムなど、海外ではなかなかまねができない、日本の生産技術の大変大切な分野を日本でやっているという会社です。
 売り上げは約1兆円の会社でありまして、8割は海外150カ国で、4万4、5千人の従業員とともに、約200万企業のお客様に当社の商品、商材をご愛用いただいているという状況です。



 当社としましては、これからの時代、画像、動画、人の動き、あるいはデータ、こういったものをデジタル処理していくところに強みを結集しております。動画とか画像、データがデジタル処理できますと、ディープラーニングという最新の解析技術が取り込めるわけです。それをすることによって、当社にとってお客様に重要な、製造業の現場ですと人手不足、技術の継承、あるいは品質、ロスの撲滅、あるいは工場と工場がつながって、いろんな物の動き、人の動き、工場全体の状況を可視化することによる、工場をまたがっての効果出し、こういった新たな価値が提供できます。
 病院・介護の世界においても、ワークフローを変えることによって、やっぱり医療に従事される方そのものの人手不足とか生産性、あるいはお医者様の意思決定の支援とか、今のデジタル時代というのは、IoTの形にしていろんなデータを解析することによって、今のような効率化、生産性、人手不足問題、品質の問題、ワークフロー改善と、いろんな世の中で、それぞれの分野で課題を解決し、お役に立てるということで、当社はグループを挙げてこの分野を強化しております。



 もう1点、市長の紹介にもありましたが、社会的持続可能な世の中のためには、企業がやはり環境に対してしっかりと対応すること。これはCO2の削減ということも大きなところがありますが、当社は、工場の環境対応を超えて、やはり商品、あるいは多くの我々に関係する中小企業を含める会社様に、当社の持っている環境技術を全て開示して、一緒になってつながって、環境課題解決をしていこうという活動をここ数年行っています。
 この環境というのは、実は、CO2を減らすだけじゃなく、投下資源が削減されるわけですから、会社様にとっては、環境活動されるということは、結果的に投入資源の削減で、経済的にも価値が上がるということで、今はやっぱり環境を自らのこととして捉えていこうという動きが広がってきております。この領域においても、しっかりノウハウを一緒に継承して、一緒になってやっていきたいと思います。



 最後に、このようなIoTとか環境をベースに、当社にとって工場立地ということで非常に歴史的にもかかわりの深い神戸市とともに、神戸市の産業振興、中小企業の課題解決に真剣に覚悟を決めて取り組みます。このことによって、自治体と企業が一体となるわけですけれども、産業、中小企業が強くなることが目的です。この目的によって神戸モデルが立派に結実して、神戸ブランドとして全国に発信できるところまで責任を持って突き詰めてやっていきますから、お集まりの皆様にもよろしくご協力、ご支援を賜りたいと思います。
 簡単ではございますが、私からの挨拶とさせていただきます。神戸市長、本当にありがとうございます。



司会:
 それでは、続きまして、今回締結する協定の内容について、ご説明いたします。



職員:
 今回の協定の背景ですけれども、今、山名社長あるいは久元市長からお話のありましたように、生産性の向上というのがキーワードになっております。持続的な経済成長のために、やはりこれから生産性の向上というのは必須だと考えております。一方で、やはり中小企業の分野につきましてはまだまだ課題があります。今回、デジタル化を進めるということが鍵になっておりますけれども、これは、人の経験と勘で対応した企業のアナログプロセスを、デジタルデータに基づいて生産性を高めて付加価値を創出するといったことを背景として考えておるところです。



 今回の連携協定の狙いですけれども、まず1つ目としましては、市内に生産拠点を置くコニカミノルタ社と連携協力して、神戸の中小企業の振興に取り組むことにより、中小企業の生産性の向上を目指すということです。特に中小製造業が抱えております労働力の減少ですとか技能の継承、あるいは環境への対応といった社会課題を連携して解決していくということです。それが神戸モデルとして全国に発信していきたいということになっております。



 今回の協定のメリットですけれども、神戸市としては、コニカミノルタ社も、経営資源、人材、情報ネットワーク等を活用しながら、市内の中小企業のIoTを活用した生産性の向上、あるいは人材育成支援等を効率的に推進していきたいということです。一方、コニカミノルタ社としましては、生産拠点のある神戸地域において、自社の技術等を提供することを通じて、中小企業の経済活動に貢献していただくとともに、中小企業の現場の課題でやニーズを把握しながら、新たなサービス開発にもつなげていきたいということでございます。



 今回の協力して取り組む事柄ですけれども、大きく1点目としましては、航空機クラスター研究会への導入支援です。昨年の10月からコニカミノルタ社の技術アドバイザーチームがクラスター研究会の会員企業のトップインタビューを行いながら、製造現場の課題の抽出と目指すべき姿の整理を行ってきたところです。それを踏まえて、生産能力の向上など、目指す姿の実現に向けて、テーマを設定し、今後、実証実験を行いながら発信していきたいと考えております。



 具体的な取り組みとして、例示をしていますけれども、現場の課題等を分析し、このIoTの導入により解決につなげます。例えば、人の行動の分析と、工場の設備の稼働状況を組み合わせていって、どのような課題が出てくるのかといったようなことをデータ化していきたいと考えております。
 こういったことを進めていくことで、例えば、無駄を省くというようなことも出てくると思いますし、一体的に取り組むことで生産性が高まるのではないかというふうに考えております。



 それから、2点目は、コニカミノルタ社の環境経営に関する知見を生かした省エネ対策支援です。具体的には、環境経営とか省エネ対策に関するセミナー、あるいは教材等の提供等を行っていただきたいと思っております。
 コニカミノルタ社については、製品ライフサイクル全体で環境負荷の低減を目指しており、企画・開発、あるいは、調達、生産、販売サービス、回収リサイクルの各段階において、事業課題と環境課題の解決を目標に設定し、環境と本業を一体化した活動を進めているところです。こういった社内に蓄積したノウハウを、神戸の中小企業に提供いただくということでございます。



 それ以外にも、コニカミノルタ社のさまざまな機器あるいは知見、そういったものを神戸の市内企業に提供いただくということを通じて、少しでも産業振興につなげていけたらというふうに考えております。

質疑応答

神戸市とコニカミノルタ株式会社との神戸市内の中小企業等の振興に関する連携協定の締結(テキスト版)

記者:
 山名社長に伺います。まず、今回の協力なんですけれども、先ほどメリットとして、中小企業の現場課題とかニーズを通じてというところがあるとおっしゃられたんですが、そもそもこの協力自体が社会貢献のCSR的な目的でやられるのか、本当に何か今後の事業化を見据えてやられる狙いなのか、そのあたりをまず伺えますでしょうか。



山名社長:
 社会貢献としてだけやるということは考えていません。まず、IoTを使った工場での生産性あるいは品質ということは、当社の国内外の幾つかの工場で、過去3年間、かなり実証をずっと進めてきて、みずから効果があることが確信されました。



 次に、当社のビジネスとしては、我々のサプライヤー様にその技術を教えることで、サプライヤー様と当社の間をつなげていこうという活動にもう既に入っています。せっかく当社のそういう活動を、事業としてもサプライヤー様を含めて広げていくわけですから、神戸市は、直接、当社のサプライヤー様ではありませんけれども、この航空機クラスターを機に、神戸市の中堅・中小(企業)の方にも同じ課題がありますので、その課題の解決にお役立てるということについては積極的に取り組んでいきたいというふうに思います。



 ですから、結果としてビジネスでまたお受けすることが広がっていというくことは当然あろうかと思いますけれども、神戸市においては、まず、効果が出るような実証実験をきちんと始めてみるということが、今回の連携協定の中身であります。



記者:
 神戸市では特に工場周辺の企業でサプライヤーさんが特にいらっしゃるわけではないと考えていいんですか。



山名社長:
 当社はいろんな活動をしていますから関連のサプライヤー様もいらっしゃいますけれども、そもそもの発想が、当社のサプライヤー様から始めるのではなくて、神戸のクラスターの成果出しに当社の持っているものをご活用いただけるんじゃないかと、この実証実験をすることで当社も得ることがたくさんありますから、サプライヤー様の延長線上の発想ではなく神戸市とともにこの活動をしたいということであります。



記者:
 工場のIoT化の動きなんですけど、現在、自社で終えてサプライヤーに広げていくというところで、今後、社外にそのシステムをパッケージとして販売をしていくような、事業化をしていくような動きがあるのかどうかというところを伺えますか。



山名社長:
 これは、結論から言うと、あります。当社の国内外の実践の中で、海外ではマレーシアの工場は、今、完全なデジタル工場なんですね。こういう力を、今、海外にもいろいろ注目をいただいていて、今年から、デジタルマニュファクチャリング事業というのを当社がドイツで開始することを決めて活動を始めまして、ドイツの当社のお客様には製造業のお客様もたくさんいらっしゃいます。そのドイツの製造業のデジタルマニュファクチャリング上の課題は、ビジネスとして一緒になってやっていくということはやろうということで、海外においてはそういうことも考えております。
 国内においては、事業化というよりも、まず神戸市との間で実践実験を始めるというのが今の段階であります。



記者:
 先ほど、そこの分野に強みを結集していくという話をされましたけれども、そういう分野は今後の成長分野としてかなり期待されている部分はあるんでしょうか。



山名社長:
 今おっしゃるとおりに、今後の製造業というのは、当社ですと、デジタル複合機とか、デジタル印刷機とか、画像診断装置(病院用)というふうに、当然、製造業ですから商品はつくり続けます。ただ、グローバルな競争の中で、商品の競争力だけではなくて、その商品はデジタル商品で、ネットワーク商品ですから、ネットワークを介してその商品を通じて吸い取れる画像のデータか動画とか、これをどう現場のお困り事に生かすかということに、製造業が自らの力、能力を高めていくと、日本の製造業は今後も付加価値がつくんですね。その力がないと、商品競争になると、グローバルに、安い価格、新興国との競争で、日本の製造業は大変厳しい状況に今後も置かれるだろうと。



 だから、製造業の付加価値の中で、データを活用した事業化というのは、これは違う意味では製造業のサービス化と言われていますね。アメリカのGE社ですとか、幾つかそういう実例がありますけれども、日本の製造業も、サービス化という意味は、データどりを付加価値に変えていくのが大切です。コニカミノルタはまさしくそれをやろうとしているということです。



記者:
 ドイツだとインダストリー4.0の動きなんかがあって、ちょっと先行していると思います。そこで、ドイツをまずということですか。



山名社長:
 当社の持っている技術を、ドイツの我々の販売会社、製造会社もありますけれども、そこに結集することと、お国を挙げてインダストリー4.0の動きがありますから、こういう最新の技術を、ドイツの製造業の、今、国も一体となって入れていくという流れに合った形で当社のビジネスがそこにあるということですね。



記者:
 山名社長に伺いたいのが、いろんな産業セクターがある中で、なぜ神戸の航空機産業に目をつけられたのか。例えば、まだ現時点でいくと、自動車産業とか、ほか、純粋にITであるとか、神戸の伝統的な産業であると造船とか製鉄といろいろある中で、なぜ航空機産業なのかということを社長に伺いたいというふうに思います。



山名社長:
 当社のIoTの技術というもので、自動車産業さんからも、いろんな産業さんからも、自治体ではなく企業からいろんなお声がかかって一緒にやれることがあったりと、そういう活動は当然ありますね。
 でも、今回は、当社は、経営の哲学といいますか、フィロソフィーとして、広くステークホルダーの中で、やっぱり地域社会に対してコニカミノルタは貢献するというのを持っているんですね。自治体、地域社会を通じて当社も発展すると同時に、社会にも、持続可能な社会という意味で、人材問題とか環境問題、ここにきちんとそういう価値を提供できる会社であるべしというのは会社の考えにあるわけですね。その中で、当社にとっては神戸市が非常にかかわりも深いし、神戸市と一緒にやれるということに意義を見出したという背景であり、その神戸市の具体的な活動に航空機クラスターがあって、やっぱり航空機産業が、今後、日本の強い産業になっていただきたいという思いもあるし、航空機産業の部品であるからこそ、究極のデジタル化、品質、これが必要であると、こういう経緯でございます。



記者:
 市長に対する質問なんですけれども、ぜひ神戸でやりたいという社長の思いがあると思うんですけども、これを具体的に、今後いかに、まずは航空機産業だとは思うんですけれども、神戸の持続的成長にどうつなげていくかということをお考えなんでしょうか。



久元市長:
 コニカミノルタさんから昨年の8月に、航空機産業に対して、先ほど社長からありましたような実証実験をやってみようと、その前段階の課題整理から始まったわけですが、そういう提案をいただきまして、これは私どもといたしましても大変歓迎するという気持ちで対応させていただいてきました。次世代の産業の1つが航空機産業なんですね。研究会をつくって、神戸市も経済観光局を中心に対応してきているわけですけれども、これがさらに具体的に前に進む1つの契機になるというふうに感じたわけです。そして、航空機産業に対して具体的な展開があるわけですが、やはり、IoTを導入する可能性というのはほかの産業分野にも当然想定されるわけですから、これを広げていく可能性というものも感じています。



 それから、これはコニカミノルタさんとまだ具体的な相談に入っているわけではありませんけれども、ヘルスケアの分野でもかなり知見を有しておられますから、神戸の医療産業都市の今後の展開、特に医療産業都市のシナジー効果を発揮していこうということで、この4月から機構も設置しますけれども、こういう分野への導入可能性というのも、これは何の打ち合わせもないわけですが、今日、横でお話を聞いておりまして、そういう可能性もあるのではないかなというふうに感じた次第です。