神戸市-KOBE-


 

平成30年度予算案会見 2018年(平成30年)2月16日

最終更新日
2018年2月16日

発表項目

・平成30年度予算案
・輝く子どもたちの未来を創る
(14分42秒)

・健康・安全を守る
(10分10秒)

・街と地域を創る
・神戸経済を伸ばす
(12分31秒)

・陸・海・空の拠点を創る
・市政改革を進める
(6分44秒)

質疑

その1

その2

その3

発表項目についての質疑応答

その他の質疑応答

発表項目

平成30年度予算案/輝く子どもたちの未来を創る

久元市長:
 平成30年度の神戸市の当初予算につきまして、基本的な考え方を私からご説明申し上げたいと思います。
 平成29年度の2月補正予算につきましては、30年度の当初予算と一体のものとして計上、編成しましたので、これもあわせて説明させていただきたいと思います。
 


 まず、基本的な考え方ですけれども、今、神戸は新しいステージに立っていると思います。震災20年を経て、災害援護資金や新長田の再開発など、残された課題に道筋をつけることができています。そして、これまで取り組めなかった政策課題も前進しています。陸・海・空のインフラ整備、また、全ての世代を対象とした社会保障政策の厚みも増しています。安心・安全、環境、経済、芸術、スポーツなど、各分野でも新たな施策展開が始まっています。神戸をさらなる高みへ押し上げ、持続可能な大都市経営を行っていくということが今、神戸に求められている状況だと考えています。 平成30年度の当初予算におきましては、各分野における政策をバランスよく進めることが必要ですけれども、重要課題としては、やはり若者に選ばれるまちづくりという観点から、子育てしやすい環境の整備、教育施策の充実ということを1つの柱としています。もう1つの柱としては、神戸経済の安定した成長を目指すという観点から、中長期的な展望を踏まえながら、経済基盤となるインフラ整備とバランスのとれたまちづくりを推進し、域内経済の拡大と人口減少対策を強化していくということ、これが基本的な課題だと感じています。
 


 そこで、特にそのような基本的な観点から、予算編成で重視したポイントとして5点挙げたいと思います。1番目は、子育てしやすい環境の整備と教育施策の充実。2番目に、健康創造都市KOBE、高齢者・障害者施策などの総合的な推進。3番目は、バランスのとれたまちづくりを進めて、まち全体のにぎわいづくり、定住、移住を促進したいと考えております。4番目に、陸・海・空のインフラ整備と神戸経済の安定した成長、域内経済の拡大と市民所得の向上を図ることです。5番目に、市役所改革と申し上げていいと思いますが、現場対応力の強化、ICTなどを活用した働き方改革による市民サービスの向上を図っていきたいと考えています。
 


 予算の規模ですけれども、一般会計は7,785億円で、大体前年度と同程度の規模です。特別会計、企業会計を合わせた数字は、ご覧いただいている数字となります。
 6つの施策の柱に沿ってご説明を申し上げたいと思います。
 


 1点目は、子育てしやすい環境の整備と教育施策の充実です。
 待機児童の解消は、どこの自治体においても非常に大きな課題です。神戸市では、これまでも、この待機児童を解消するために保育定員の大幅な拡大を行ってきました。過去5年間で6,300人の定員を増やして、去年4月1日時点での待機児童数は93名となっています。この待機児童の解消をさらに進めます。
 


 その前提として、神戸市の25歳から44歳までの女性就業率は全国平均をかなり下回っています。他の政令指定都市に比べても低い状況にあります。全国平均の72.6%に対して神戸市は68.7%です。これが全国的に引き上がっていきますと、保育定員は他の都市よりも相対的に増やしていかなければいけないという状況にあります。現実に神戸市の女性就業率は全国との格差が縮まっています。ですから、保育需要の増大ということを踏まえながら定員の拡大を図っていかなければいけないというのが、神戸の今置かれている状況です。
 


 そこで、保育定員を大幅に拡大するために、30年度は、1,600人の定員を増やすほか、幼稚園における一時預かりの拡大、あるいは認定こども園への移行の促進などを行います。
 


 このように定員を拡大するだけでは、待機児童の解消はできません。全体的に人手不足の時代で、特に保育士については、給与が全職種に比べて低いという問題があります。これは全国的に見てもそうです。兵庫県は全国平均に比べて保育士の年収は若干高く、神戸市は兵庫県の平均よりも若干高いという状況にありますが、平均勤続年数は5.3年と、比較的短いのが現状で、できるだけ長く働いていただくという視点も重要です。
 


 そこで、保育人材を確保するために処遇を改善するということが求められてきました。この表は、保育士になっていただいてから各年ごとに、国と自治体、神戸市がどのように処遇改善を図ってきたのかということです。これは現行メニューですけれども、神戸市は従来から、勤続年数に応じて給与を上乗せするための補助金を単独で行ってきました。勤続年数に従ってこの補助金の額が増えるという仕組みになっています。
 


 一方、国につきましては、近年、一定の勤続年数に応じて給与を改善するための措置を講じており、かなりの額を上乗せするように見えますけれども、実際には一定の研修を受けた責任のある保育士を対象とした上乗せで、対象は、勤続7年以上の方については全体のおおむね3分の1程度、勤続3年以上の方については大体5分の1程度しか対象にはならないというのが国の制度の現状です。
 


 そこで昨年、まず神戸市で保育士になっていただく、そして、保育士になっていただいた方の早期離職を食いとめるということで、神戸市独自の緊急対策として、1年目が10万円、2年目が30万円の一時金を支給することにしました。これが現在の給与改善の施策の姿ということになっています。
 


 平成30年度におきましては、これに加えて、3年目から7年目の間が1つの谷間になっていますので、神戸市の独自の施策として、この3年目から7年目の保育士に対する定着一時金として最大年20万円を上乗せいたします。このうち、必ず一人一人の保育士に対して支給をする部分とそれぞれの園の判断によって別の保育士に回してもいいとしている部分があります。



 そして、昨年の緊急対策で講じた1年目と2年目の一時金については、新卒の方だけではなくて、保育士を辞められて、また復帰をする方についても対象にします。国の施策と相まって、神戸市内の保育所で働いておられる保育士の皆さんの処遇を改善しようということです。



 具体的には、定着一時金として、採用3年目から7年目の保育士さんに1年あたり20万円、5年で最大100万円を支給いたします。そして、新卒の保育士と常勤として復職する潜在保育士を対象とした一時給付金を2年で最大40万円支給します。そして、潜在保育士の方がパート職員として復職する場合には10万円支給をするというメニューを講じます。その他に、保育士の皆さんの宿舎借り上げ支援を拡充する、また、未就学児を持つ保育士に対する保育料助成制度を創設して実質無料化するという措置も講じます。



 これに要する予算として、平成30年度は、定員拡大のために前年を15億3,000万円程度上回る56億8,000万円、保育人材の確保につきましては、前年を8億3,000万円上回る14億4,000万円を計上します。



 このほかに、子育て環境の充実としては、学童保育の受け入れ体制の拡充、新長田にオープンした仕事と子育てを両立することができる支援拠点のさらなる整備、医療的ケアが必要な児童の保育所・幼稚園などへの受け入れ体制の確保、それから、学齢前の児童の遊びの地域拠点を整備するというイメージです。これはハーバーランドにあるこべっこランドの少しミニチュア版のようなもので、北区の岡場駅付近にオープンして、平成30年度はここ1カ所ですが、これを順次増やしていきたいと考えています。



 子育て環境の充実としては、今、ハーバーランドにある総合児童センターを地下鉄海岸線沿線の中部処理場跡に移転することとして、所要の予算を計上します。平成33年秋ごろの完成を予定しています。このほか、公園に魅力ある遊具を設置することや、都市公園条例を改正して保育所が設置できるようにします。それから、駐輪場に幅広駐輪エリアを設置し、子育てをしている方の少し幅が広い自転車を駐輪できるようにするという施策も講じます。



 子育て世帯の経済的負担を軽減するということも大事なテーマです。産婦健康診査費用を助成します。それから、小中学校の遠距離の通学者に対する助成について、今は半額なんですけれども、これを全額にします。また、北神急行については、高校生の通学定期が他の鉄道事業者に比べてやや割高になっていますので、神戸市が助成して、この通学定期の割引率を高めます。さらに、子育て世代の自転車駐輪場の料金減免、しあわせの村の駐車料金の無料化、それから、銭湯に親子連れで行ったときに子供さんは無料にするというような助成措置も講じます。



 学力向上としては、学ぶ力・生きる力向上支援員の配置拡充、それから、小学校の英語授業が開始されるということで、この拡充に伴う教員の充実と、外国人英語指導助手ALTの配置拡充、さらに、従来から進めてきた学校司書の配置拡充を行います。



 教員の多忙化対策は、総合教育会議でも議論をして一定の対応をすることとしましたが、平成30年度においても、教頭業務補助スタッフの配置を拡充する、また、部活動における外部人材を活用するという措置を講じます。
 このほか、スクールカウンセラー、スクールソーシャルワーカーの全区配置、小中学校、幼稚園のトイレの洋式化を平成33年度までに計画的に進めて、全学校園で整備をする予定です。



 療育体制・特別支援学校については、東部療育センターを整備するほか、児童養護施設入所児童に対する教育費の支援を充実します。

健康・安全を守る

久元市長:
 健康づくりとしては、やはりシニアの皆さんの健康のためには歯の健康ということが大変重要でして、オーラルフレイル対策、65歳の方に対する口腔機能のチェック、あるいはフレイルチェックの対象者の拡充、それから、国民健康保険加入の30歳に対する健康診査の実施などを行います。



 また、このほかに、ICTなどを活用した保健事業の推進、オープンしてかなりの年数になるしあわせの村の活性化に向けた検討を行うとともに、道路などへのベンチの設置も拡充して、シニアの世代の皆さんもできるだけまちを歩いていただきたいと考えています。



 認知症については、これまでもさまざまな方々に参画していただいた有識者会議などで議論をしてきましたけれども、議論の方向を踏まえて、認知症の人にやさしいまちづくり条例をこの2月議会に提案したいと考えています。基本的な方向性としては、できるだけ認知症の方を早期に発見して、早期介入ができるようにしようということ、それから、認知症の方が第三者に損害を与えたというような場合に、この損害賠償を市民全体で負担することができないか、そういう方向性をこの条例に書き込みたいと考えております。



 そして、具体的な施策としては、行方不明になられた方を、GPS端末機能等のICTを使って早期に発見することができるようにするということ、それから、認知症疾患医療センターについてはさらに拡充するという施策を予定しております。



 それから、フレイル改善型の通所サービスを実施して運動機能等を向上させます。るまた、訪問看護師等の方の安全を確保するためには、やはり1人で訪問すると危険な場合があるということが報告されていますので、2人体制にします。それから、特別養護老人ホームなどの施設に保育施設を充実するというような介護関係の施策も充実します。



 見守り体制を再構築していこうということで、要援護者支援センターを全区に配置するとともに、障害者支援センターを平成30年度は4区、平成31年度は3区設置します。それから、成年後見支援制度を充実させて、市長申し立てだけではなくて、本人申し立て、親族申し立てについても支援の対象にしていきます。また、民生委員の方への活動支援を充実させます。それから、ひとり暮らしの方が亡くなられて少額のお金が残された場合、この現金については、今、法令上の根拠がないままに自治体が保管をしているという状況にあります。これは本来、国が法律改正をして解決すべき問題ですけれども、なかなかそこまでいっておりませんので、これは全国でおそらく初めてになると思いますが、遺留金を適正に管理するための条例案を市会に提案します。



 障害者施策としては、市街地における障害者グループホームの整備を促進するため、補助率を引き上げるなどの措置を講じます。それから、いわゆる親亡き後対策と呼ばれるものとして、特別養護老人ホームへの障害者の方の入所促進等の措置を講じます。このほか、障害者の就労支援のための支援・訓練のシステム化、公共交通機関におけるバリアフリー化の推進を行います。



 医療の充実としては、どこの自治体とも共通ですが、国民健康保険の財政運営主体が市町村から都道府県に、神戸市から兵庫県に移管をすることになります。それに伴って標準的な保険料が設定されることになるわけですが、それぞれの自治体が設定している保険料との間の差がありまして、神戸市の場合には、これをそのまま標準保険料に移行しますと、所得階層によっては負担が急激に増えるということがあります。その激変緩和をするための措置を講じたいと思っております。



 救急搬送が大変増えており、去年の10月に♯7119という救急相談ダイヤルを設けました。一定の効果を上げておりますが、さらにこの救急搬送要請の適正化に向けた調査を行うことにしております。



 生活衛生関係では、銭湯を振興させていきたいということで、浴場の改修に対する助成を行います。また、斎場の利用をより便利なものにしていきます。それから、老朽化している舞子墓苑の納骨堂の再整備を検討したいと考えております。



 それから、暮らしの安全という面では、防犯カメラの設置を進めてきました。かなり台数が増えてきましたので、更新経費も新たに加えていきたいと考えています。(施設が直接整備する)防犯カメラについては、公立幼稚園、私立幼稚園、保育所、児童館、小学校、中学校でスタートさせまして、もう既に完了しているものもありますが、30年度にこれらの設置を全て完了することになります。また、地域における防犯カメラ(設置補助事業による設置)も、平成25年度までは119カ所しかなかったものが、毎年予算を拡充して、今年度末までで2,000カ所を超えるなど確実に増えてきております。今後はこの更新のための経費が必要となってきますので、これを新たに助成対象にしようということです。



 このほかに、ヒアリ対策、あるいはアライグマ対策、もちろんイノシシ対策の予算も十分に計上しております。



 経済的に学習が困難な子供たちへの学力向上の支援、あるいは、区役所につくっている「くらし支援窓口」におけるきめ細かな生活支援も引き続き行っていきます。



 エネルギーの分野では、ポートアイランドで行っている水素エネルギーの利用システム開発実証事業、を引き続き行うのと、水素サプライチェーンの構築実証事業を行っていきます。



 食品ロスにつきましても、市民運動としてこれを行っていきたいと考えております。
 神戸らしい町並み、あるいは景観の保全、自然共生社会の実現のためには、いろいろな政策を講じることにしておりますが、代表的なものとしましては、生物多様性の保全に関する条例が去年制定されました。これを確実に実施していくために、環境DNAという全く新しい方法でここに生息している動物の種類などを把握するという調査を行います。それから、神戸は全国の自治体の中で一番茅葺民家が残されている自治体ですから、茅葺民家を保存するためのいろいろな施策を講じてきました。茅場の育成のための助成ということも盛り込んでおります。



 災害に強いまちづくりということでは、去年は昭和42年大水害から50年、今年は阪神大水害から80年の年に当たります。六甲山エリアなどの道路防災対策を引き続き行ってまいります。津波対策については、1000年に1回のレベル2への津波対応を平成31年度に終えることにしておりましたが、1年前倒しをして平成30年度に完了させます。そして、水門、あるいは陸閘を遠隔操作で開け閉めするという措置も講じます。



 それから、消防団員の役割というのは大変大事です。使命感に基づいて行動していただいていることは当然ですけれども、やはりそれだけにおすがりするのではなくて、処遇という面でも見直していくことが必要です。震災で大きな被害を受けた神戸において日々日夜活動していただいている消防団員の皆さんの処遇を改善していこうということで、団長、分団長など、それぞれのレベルで、いずれも政令指定都市や東京都の最高水準まで引き上げるということで、消防団員の処遇を全国でトップクラスにしていくという予算を計上しました。

街と地域を創る/神戸経済を伸ばす

久元市長:
 それから、インフラ整備、まちづくりの関係です。
 やはり人口減少時代にコンパクトなまちづくりをしていかなければなりませんから、立地適正化計画の検討を開始いたします。
 


 市街地の西部地域を活性化するために、芸術祭を開催したいと思っております。また、兵庫運河周辺の整備・活性化、それから、戦前から残された貴重な伝統建築物である岡方倶楽部、旧駒ヶ林保育所は一部活用されてはいるわけですけれども、なかなか十分な改修もできていないので、この活用の検討調査に着手します。
 


 それから、市街地西部の活性化として、新長田の合同庁舎の整備や、海岸線の中学生以下無料化の社会実験は引き続き継続します。このエリアでアーティストやクリエーターなどが活動していただくための拠点に対する支援を行うことにしました。
 


 新長田の合同庁舎については、今、工事が進められており、来年の7月にオープンできるように整備を進めます。
 


 もう1つ、神戸市の大きな課題は、昭和30年代、40年代のころに整備された計画的開発団地です。これが大分年月がたってリノベーションが求められるということで、名谷エリアの活性化、それから、西神住宅団地などの地区センター、近隣センターのリニューアル、また、鶴甲などの団地の活性化・会館の整備というものも行います。 それから、空き家・空き地対策については、国に対しても必要な法整備を求めながら、最近では、所有者が行方不明の土地の問題については、私もいろいろな提言を行ってきました。国の制度なども活用して、神戸市でも空き家の活用促進、あるいは空き地の活用促進ということを行うとともに、老朽危険家屋については積極的に解体除去をするということに取り組み、支援を拡充するための予算を計上します。
 


 あとは、区役所の整備、西部地域の拠点施設の整備、新たなホール、新しい西図書館、それから湊川公園、北鈴蘭台、垂水中央東地区、さらにメトロこうべや合同庁舎の整備が進む新長田については駅前広場を再整備するという対策にもそれぞれ取り組んでいきたいと思っています。
 


 北区の新庁舎については、順調に工事が進んでおり、今年の9月には供用開始します。神戸電鉄の鈴蘭台の駅と直結する形になります。さらに来年度は、駅前の広場を整備して、幹線道路の整備に取りかかり、鈴蘭台の駅を中心とした人口の誘導ということをあわせて行っていきたいと考えています。
 兵庫区の新庁舎につきましては、来年の5月に供用開始します。
 


 北鈴蘭台の再開発事業については、これも駅前の広場を少し広げて、商業店舗と住宅の複合建築物として整備します。
 


 農村地域については、従来も取り組んできていますが、この地域への移住、定住を進め、道の駅「淡河」のリニューアル、あるいはお試し移住、農道の移管などの促進を行います。
 


 公共交通という面では、新たに組織としては企画調整局に公共交通を政策的に立案する新たな課を設置します。予算面では、70歳以上の方に年間4枚交付している神鉄シーパスワン5枚に拡充します。また、田園地域やニュータウンなどの地域コミュニティーの交通支援のため、コミュニティーバスの導入を支援する、(市営地下鉄西神・山手線と阪急電鉄神戸線の)相互直通運転を検討する、さらに幹線道路の整備、阪神電鉄の連続立体交差事業などの推進を行います。
 


 慢性的な渋滞対策としては、垂水区の小束山6丁目の交差点などがあり、これまでも対策は行ってきておりますが、まだ十分な効果が発現をしていませんので、その検討を行います。それから、ポートアイランドに神戸市内で初めてのラウンドアバウトを整備しましたが、2カ所目を30年度に整備したいと考えております。
 


 芸術・文化・スポーツですけれども、新しい文化ホールを三宮の駅前のバスターミナルにつくるということ、それから、2号館を建て替えて高層化をして、そこににぎわい拠点としてホールを新設するという構想を去年の11月に発表しました。その整備計画を策定します。
 


 一方で、現在の大倉山の文化ホールも、少なくともこのホールが完成するまでは使っていくということになりますが、老朽化が進んでおりますのと、トイレが非常に不足しており、また、和式のトイレが多いということで、2月の補正予算も合わせてトイレのリニューアルを行います。
 


 また、今年の夏にオープンする新開地の喜楽館の利用促進を支援するということ、それから、フルートコンクールは次回も開催するということにしておりますので、そのための基金の造成を行うとともに、去年初めて行いましたクロスメディアイベント「078」を今年も開催します。
 


 博物館のリニューアルを進めるとともに、博物館、美術館の入場料については、高校生は企画展も含めて無料とし、大学生は特別料金を設定します。
 


 ノエビアスタジアム神戸については、ハイブリッド芝の工事を進めておりますけれども、さらに機能の向上を進めるとともに、オリンピック・パラリンピックの関連事業、ラグビーワールドカップ2019、ワールドマスターズゲームズの神戸開催の準備経費を計上しております。
 


 それから、経済の活性化ということですけれども、当然のことながら、やはり神戸で、地元で就職をしていただく、また、中小企業に就職していただくために、採用力を強化するための支援を行います。
 


 神戸が大阪や福岡などに比べて集積が比較的薄いと考えられる都市型創造産業を集積するために、コーディネーターなどを新たに採用して、必要な調整を行ってもらいます。それから、事業承継を積極的に進めていくとともに、新たな中小企業販路開拓の支援なども行います。
 


 医療産業都市については、相当企業も集積をし、研究機関も充実をしてきている、新たな病院が開設をしたり、充実をしてきておりますが、この集積をどうシナジー効果として発現していくのかということが求められてきました。必要な準備を進めてきましたけれども、先端医療振興財団を拡充改組する形で、この4月に神戸医療産業推進機構を設立します。この医療産業都市が、みずから研究開発を支援したり、あるいは医療産業都市内の研究支援を行っていく、あるいは海外に神戸医療産業都市の存在を発信するというグローバルな対応を行っていくために必要な体制を構築するための予算を行います。医療産業都市がスタートをして20周年になりますので、記念事業を実施しますし、新たなレンタルラボの施設の整備の支援も行います。
 


 起業・創業に対する支援ということでは、新たに兵庫県と協調いたしまして、IT・コンテンツ産業のスタートアップ、イノベーション拠点の立地促進補助というものを創設します。これは都市型創造産業の集積ということとも関連するわけですが、神戸市内にこういう成長力のある若い世代が活躍できるような産業分野であるこの分野の人材の集積を図っていこうということです。従来から進めています500 Startupsのプログラムを引き続き実施しますし、次世代の産業として海洋産業の振興に向けた検討を引き続き行っていきます。
 


 それから、これは里山地域の振興という側面もあるわけですけれども、北区の淡河町等の一部に光回線が通っていないという状況にありましたので、神戸市の事業として光回線を整備する、そして、これによって、里山地域でこういうICTの起業にもつながっていってほしいと期待をしております。
 


 食都神戸については、引き続きローカルプログラム、グローバルプログラムという2本立てで推進をしていきますし、市場機能を強化するという観点から、本場の施設の再整備、あるいは老朽化した施設の設備の更新などを行います。
 


 去年、神戸観光局を新たに設置しましたので、神戸観光局が必要なミッションを果たしていただくための必要な予算を計上しております。また、客船誘致の強化、六甲山、摩耶山の活性化、須磨海づり公園の再整備の調査、須磨海岸の健全化、活性化に引き続き取り組んでいきます。
 


 須磨海岸は遠浅にしましたけれども、さらに、須磨海浜水族園を再整備いたします。あとは、トイレというのは非常に大事ですので、市内のさまざまな観光施設のトイレの環境整備、改修などを行っていきたいと考えています。

陸・海・空の拠点を創る/市政改革を進める

久元市長:
 陸海空の広域交通結節機能については、引き続き、国際コンテナ戦略港湾の推進、それから広域幹線道路の整備促進、神戸空港のコンセッション方式による運営の開始、こういうようなものが非常に大きなプロジェクトとして推進されるということになります。
 


 大阪湾岸道路については、いよいよ平成30年度から本格的に事業がスタートするということになります。大体おおむね10年で供用開始を目指したいと考えております。
 


 西バイパスについても、今の予算ですと大体400億円以上かかるものが、二、三年前は直轄事業で3億円、去年がたしか1億円だったわけで、このペースですと、これは100年も200年もかかりますから、有料道路を入れて整備をしていこうということで国と必要な調整を加速していきたいと思っています。
 


 次は、都心・三宮ですけれども、新バスターミナルの整備に向けた事業推進をするということで、再開発会社を立ち上げる、そして、南側駅前広場の再整備の検討、歩行者ネットワークの再編、建設が進む阪急のビルの周辺の北西エリアの検討を行っていきたいと考えています。このバスターミナルについては、再開発会社を立ち上げるために必要な出資などの予算を計上しており、平成37年度には1期の完成を目指してこの事業を進めていきたいと考えています。
 


 三宮再整備につきましては、いろいろな施設を順番に動かしていかなければいけませんが、中央区の総合庁舎は今の市役所の3号館に移転、新築するということにしておりますので、その基本設計を実施し、また、東遊園地の再整備に向けた基本設計、活性化を行います。また、都心機能の向上としては、ポートライナー輸送力増強策の検討、BRT、LRTの導入可能性を引き続き検討するということと、三宮プラッツをリニューアルして、にぎわい施設として活用していただきたいと考えています。
 


 それから、ウオーターフロントにつきましては、大分整備が少しずつ進んできましたけれども、平成30年度は中突堤周辺の地区、それから新港突堤の西地区、この辺の整備に取りかかっていきたいと考えております。神戸港振興協会は神戸観光局に統合してウォーターフロントエリアへの観光集客を強化したいと考えておりますし、税関前の交差点など、国道2号線で南北が分断されている箇所について、この分断感をどう緩和したらいいのかは、非常に難しい課題ですけれども、本格的に検討していきたいと考えております。京橋ランプ周辺道路の再整備につきましても、阪神高速道路株式会社と連携しながら、検討に入っていきます。
 


 西突堤の西地区のエリア、これがおおむね新港突堤の西エリアの基部につきましては、既に開発事業者も決定して、これから整備が進められることになります。その東側のエリアにつきまして、これから開発をしていくための検討に入っていくということです。
 


 最後の柱が、市政改革を進めるという見地で、現場対応力を強化して市民サービスを向上させるということです。
 親族が不幸にして亡くなられたときには非常にたくさんの手続が出てきます。これをしっかりと案内できるように体制を充実させます。
 


 区役所の総合窓口は東灘区でスタートして、去年は長田区にも総合窓口を設けましたが、これを北区役所、そして垂水区役所にも開設します。より便利でスピーディーな手続が行えるようにしたいと考えています。



 また、コールセンターの体制強化、時間外の特別窓口の拡充、それから、新たな情報提供を市民の皆さんからスマホでしていただきまして、できるだけ迅速な対応につなげていくという情報提供ツールを構築したいと考えております。
 


 それから、ICTを活用した業務革新ということで、WEB会議のシステム、グループウェアの導入、テレワークの推進などの対応を行って、働き方改革の視点も入れながらそのためのチームを設置して、市役所の業務改革を進めていきたいと考えております。また、官民一体型の新ビジネスを創設していく観点も入れた市役所改革というものを進めていきたいと考えています。
 


 そのためには必要な事務事業も見直していかなければなりません。46項目につきまして16億円の事業費を削減することができたと考えております。できるだけ役割を終えた仕事はやめる、また、仕事のやり方を変えるというふうに、既存の事業を圧縮しながら新たな事務事業を展開できる、そういう前提条件をつくっていきたいと考えています。

発表項目についての質疑応答

平成30年度予算案(テキスト版)

記者:
 非常に子育て支援に力を入れておられるというのが見てとれました。保育所確保ですとか待機児童解消に力点を置いたものになっているというのも象徴かと思いますが、ただ、近年、隣の明石市が、同様に子育て施策に注力しているというアピールをかなり強くしていまして、神戸市との比較の上でのPRというのをホームページ上でされたりですとか、かなり力を入れておられるところです。去年の緊急施策等からの継続にもなろうと思うんですが、現状、やはり西区、垂水区から移住している人がいるというのは事実としてあるとは思うんですが、今回の施策を皮切りに、今後の取り組みで若い人たちが明石市ではなく神戸市を選んでもらえるという転換になる自信といいますか、意気込みでも結構なんですが、その辺りの考え方をお伺いさせてください。



久元市長:
 やはりそれぞれの自治体が、お住まいになっておられる方に対する子育て支援施策を充実させていく、また、そういうことを充実させて、外から子育て世帯を呼び込むということは、それぞれやっていかなければいけないと思います。明石市は明石市の観点からやっておられるでしょうし、神戸市は神戸市でこれまでもやってきましたが、十分でないところを今回の予算でも計上しているということです。
 


 これらが本当に目に見える効果が発揮できるようにしていかなければいけないと考えておりまして、そのためには、子ども・子育ての予算だけではなくて、いろんな分野の子ども・子育てをしやすいような施策を組み合わせて、そして効果が発現できるようにしていかなければいけないと思っております。
 


 ただ、自治体同士が、子育て世帯を含めて、人口減少時代の中で住民を奪い合うというような構図は、あまり好ましいことではないのではないかと思います。それぞれの自治体がやるべきことをしっかりとやっていく、そして、政策の水準をできるだけ上げていくということにも留意をしながら、自治体はそれぞれの圏域を構成しているわけですから、都市の役割分担ということも踏まえながら、一体としての圏域発展にも貢献をしていくという視点も必要なのではないかと感じています。



記者:
 一体として圏域としての発展ということもあったと思うんですが、大阪への流出はもとより、東京への流出というのもあると思うんですが、転出超過というのがなかなかとまっていないというのが現状かと思います。当然、隣接地域との取り合いというよりも、東京、大阪からの大都市圏からの人口の取り入れというのは求められるところだと思うんですが、なかなか残念ながら歯どめがかかっていない状況かと思います。久元市長就任5年目ということで、2期目最初の予算にはなるわけなんですけども、改めてこの場で、何が要因と考えられるかという点と、常々これだという施策というのはなかなかないとは思うんですが、解消するための意気込みといいますか、考え方、スタンスなりをお伺いできたらと思います。



久元市長:
 神戸市の人口減少が続いている、それから、神戸市からの転出超過が東京や大阪、あるいは近隣都市にも一部見られるということ、これは事実ですね。この背景や要因についてはしっかりと分析をしなければいけませんが、現時点でその理由として考えられることについて少しお話をしたいと思います。
 


 やはり平成29年の住民基本台帳の人口調査の結果から見えてくるものは、東京一極集中がますます加速している、23区への集中が加速をしているということです。やはりそこが一番大きな根本的な問題なので、これは国に対してもいろんな提言を行ってきましたけれども、より本格的な東京一極集中をストップさせるための強力な政策展開を地方自治体がしっかりとスクラムを組んで国に求めていくということ、これがやはり重要なことではないかと思います。
 


 それともう1つ、一方で、地方都市の中で人口が増えている都市は、大阪市を含むそれぞれのブロックの中心都市です。福岡が一番人口増加が目立っていますけれども、大阪、福岡、札幌、その次に仙台とか広島とかになるわけです。それ以外の地方都市は人口減少が目立つようになっています。先般の調査でも、やはり残念ながら中心都市に近いところの都市の流出が引き続き進んでいる、あるいは拡大している。一番流出の幅が大きいのは北九州ですね。それから、堺あるいは神戸の流出が多くなっております。
 


 東京との関係で申しますと、実は、大阪や福岡からも相当程度の人口が東京に流出しています。しかし、大阪や福岡のような圏域の中心都市は、大阪や福岡から東京にかなり流出する一方で、それを上回る人口を圏域から集めているということ、特に福岡の場合には、北九州を含む、九州全域から人口を集めているということがはっきりしています。神戸はなかなかそういう位置関係にないということは非常に大きなネックであり、またハンディですけれども、そのことはそのこととして、神戸としてやれる人口減少対策ということはしっかりやっていかなければなりません。今回は、そういう観点から、平成30年度予算として必要なものは盛り込んだつもりですので、この盛り込んだ予算を市会で議決していただきまして、早期に執行していくということ、これが求められていると思います。
 


 もう少しだけ付言させていただきますと、震災から23年たちましたけれども、震災の影響というものはやはりボディーブローのようにきいているということを感じます。突然の震災への対応、また、震災からの復旧復興、その後に訪れた財政危機、これを克服するために非常に大きな努力が重ねられて、その間、ほかの都市が取り組むことができたまちづくりというものになかなか取り組むことができなかったということも挙げられると思います。それだけに、今まで取り組むことができなかったプロジェクトに今取り組むことができるようになったわけですから、とにかくスピードを上げ、スピード感をもって、この平成30年度予算に盛り込んだ必要な施策をとにかく進めていくということが私どもに課せられた、また、当然私に課せられた使命だと感じています。



記者:
 神戸空港が、3月末をもって、関西エアポート神戸に運営が引き継がれる予定になっております。そこで、当初の需要予測では2015年に434万人と示されているんですけれども、実際には遠く及んでいないという実態があります。厳しい言い方をしたら、この数字を達成していれば、また空港も違った展開があったのではないかとも言えるのかもしれません。この需要予測の乖離というものが何で起こったのかということを検証、総括されるような予定はありますでしょうか。



久元市長:
 今ご質問がありました需要予測というのは平成14年に行っています。これはその前の年に出た国土交通省の通知に基づいて行ったものです。いわば中長期的な視点で潜在的な需要を算出したということだと思います。その後、実際には、リーマンショックや、あるいは日本航空の撤退、あるいは保有機材が小型化をするというようなことがあって、こういう需要との乖離が起きていると思います。
 


 ただ、全体として見ますと、この神戸空港は、平成29年は旅客数が300万人を初めて突破し、旅客数も利用率も開港以来最高となっておりまして、神戸空港は幅広く利用されていると感じています。幅広くいうと、空港問題は1960年代から非常に長い経緯がある中で、神戸空港が開港して12年経ち、そして、4月から民間の運営会社による運営が始まるということですから、やはりこの機会を捉えて3空港一体運営を実施して、さらなる利活用を進めていくという、前向きモードで神戸空港の利活用を図っていくということが必要なのではないかと感じています。



記者:
 これから神戸空港の規制緩和というものが議論の俎上に上がると思うんですけれども、神戸市としては、その必要性というものをどのように説明される予定でしょうか。



久元市長:
 神戸空港は、24時間使える海上空港ですから、そのポテンシャルは非常に大きなものがあります。運用時間の延長や発着枠の拡大につきましては、例えば国会議員の皆様に対する国家予算要望などでも要望をしていくということですから、ぜひそういう方向を目指したいと思っております。
 


 同時に、その具体的な道筋といたしましては、どうしてこのコンセッションという道を選んだのかというと、3空港一体運営を図っていくということ、これがやはり利活用を拡大していくということにつながるということを考えて、非常に慎重な手続を踏みながらこれを実現したわけです。4月以降、この運営が開始され、関西エアポート、あるいは関西エアポート神戸株式会社が神戸空港を含む3空港をどう運用するのかということ、そういうようなビジネスの視点からの判断というものに注視をしながら、その上で神戸市として必要な対応を行っていくと考えております。



記者:
 ポートライナーの輸送力増強策の検討と、BRT、LRTの導入可能性の検討という予算がついていますけれども、神戸空港の今年の利用客数が300万人を達成する見込みで、利用客数をさらに伸ばすためには、輸送力増強というのが非常に大事だということで、おそらくこの輸送力増強策の検討というのが予算に上がっているんだと思います。ただ、もしホーム拡張や8両化をやるにしても、例えば土地をどうするのかとか、工事の年数がどのぐらいかかるのかとかいうことを考えると、一朝一夕にできるものではないのかなという気もするんですけれども、例えば短期的にはバスを中心にして、長期的にはポートライナーをもっと拡大するというように、どういうお考えで今回こういう予算を上げられたのかというのを教えてください。



久元市長:
 一朝一夕にできるものではないというのもそうかもしれませんが、やはりできるだけ早くポートライナーの8両化は実現をさせなければいけないと考えています。神戸空港の利活用ということは、もちろんおっしゃったとおりなんですけれども、現実に通勤時間帯の混雑というのはかなり限界になっています。車両を増備いたしまして、私もラッシュ時間帯に何回か見に行っておりますけれども、相当混雑をしておりまして、ダイヤもぎりぎりまで詰めています。ですから、これは、現状を改善するという観点と、それから、非常にこれはありがたいことですけれども、ポートアイランド内に企業も順調に進出をしている、学校の子供たちも増えている、それから、病院も、神戸アイセンターができたり、県立こども病院がオープンしたりということで、患者数も増えているということを考えれば、やはり8両化というのはできるだけ早く実現をさせなければいけない、そういうことで必要な検討経費も盛り込んでおりますので、平成30年度にはその検討を加速していきたいと思っております。
 


 その上で、確かにこれがすぐ来年、再来年実現できるというものではありませんから、その間のつなぎとして、混雑時間帯のバスを走らせることはもうやっているんですけれども、まだ十分利用されていません。これをどう利用していただくかということと、より輸送力があるBRT、連節バスを運行する実験もやっていますが、これも今年、また違う観点から行っていきたいと思っています。
やはりポートライナーの増強ということを基本に据えながら、その間をつなぐ短期の対応策と組み合わせて、神戸空港、あるいはポートアイランド内との交通手段、住民や来街者の皆さんの足の確保ということ、これを行っていかなければいけないと思っています。



記者:
 ポートライナーの増強、8両化の話なんですけれども、今後10年ぐらいでできる目標にするものなのか、5年ぐらいなのか、そのあたりもスケジュール感がもしわかれば教えてください。



久元市長:
 今まさにそれを今年度検討するので、明確なスケジュールはその検討の上でお示しをしたいと思いますが、10年もかかっていたら少なくともいけないと思います。もっとスピード感を持ってやらなければいけないと思います。



記者:
 働き方改革についてですけれども、今回、ICT環境の整備などを中心にして施策を打ち出されましたが、同時に、実際に活用される職員の方々の意識改革も必要になってくるかなと思います。その点も含めて、今後、働き方改革をどのようにして進めていきたいのか、基本的な方針についてお聞かせください。



久元市長:
 まず、働き方改革をやらなければいけないという意識を職員全員が共有するということが必要だと思います。神戸市の職員数は、平成7年、震災のときから20年の間に33%削減したわけです。これは全国平均の16%の2倍以上のペースで減らしてきました。その一方で、仕事はもちろんどんどん増えていますから、職員の1人当たりの負担が増えています。そこで、新しい働き方改革についてのさまざまな提案がさまざまな部局から提案されても、実際にそれをやらなければいけない職場からは、新しい仕事が持ち込まれたという反応になりまして、なかなか進まないということで、今までの仕事と同じやり方で仕事が日々進められているというのが多くの職場の実態なんですね。これは私のリーダーシップの不足ということが非常に大きな原因で、新年度は必要な体制もつくって、これを強力にやっていかなければいけないと思いますが、まずは、今のままでは市役所の仕事はもたないと、一人一人の職員も巨大な仕事に押し潰されてしまうということの認識をみんなが共有するということ、それが大事だと思います。
 


 その上で、具体的にどう業務を変えていくのかということの具体的な検討を組織横断的に行う。組織横断的に行うというのは、行財政局が音頭を取って、ICTをどう入れていくのかということ、業務改革を進めていく上でのツールというものを企画調整局が用意して、例えば人事評価などにもそれを反映させていくというような仕組み、そして、個別には、それぞれの業務については法令のルールがあり、その法令を実施するためのマニュアルがあり、それを前提とした情報システムなどがそれぞれ縦割りで導入されていますから、これを変えていかないといけないわけです。こういうふうに、それぞれの個別の行政分野、組織の改革対応と横断的な改革というものと組み合わせて業務改革をしていかなければいけません。かなりのスピード感を持って平成30年度は進めていかなければいけないと思っています。



記者:
 市営地下鉄と阪急電鉄の相互直通運転の検討なんですけれども、来年度の予算で1,000万円ほど予算がついておりますが、改めて今後のスケジュールを教えてください。



久元市長:
 前回質問されたときから新しくお答えをする材料は今のところはありません。今、担当者が少しレベルを上げて検討しているというところです。私自身は、これも平成30年度に検討を加速していきたいと思っておりますし、必要な組織の見直しも行って調整を進めていきたいと思っています。



記者:
 子育て支援と、もう一方の柱として経済基盤となるインフラ整備とありますけれども、IT産業ですとか次世代産業を支援するというソフト面での支援の仕方と、あと、さらに神戸空港ですとか、いろんなハード面での整備というのもあると思うんですけれども、それぞれ神戸が発展していくためにどんな視点で援助をしていく必要があるのか、改めて教えてください。



久元市長:
 やはり重要な視点というのは、1つは、神戸の大学や、神戸の専門学校や、あるいは神戸の高校で卒業をされて、そして神戸で就職をしたいと考えておられる若者がたくさんいるわけです。そういう方々が神戸で確実に就職をしていくための仕組み、一方で、中小企業を中心に、なかなか人が来てくれないという声もたくさんあるわけです。ですから、そういうようなマッチングのための取り組みも平成30年度に重視をしているところです。
 


 もう1つは、やはり神戸は日本を代表する都市ですし、アジアパシフィックエリアでも存在感のある都市としてあり続けてきました。今、グローバル社会では、都市間のすぐれた人材をどう獲得するかが、いわば都市間の競争の非常に重要な視点になっています。そういうことから言うと、域内に人材を定着させるということだけではなくて、神戸がそういうグローバルな人材が活躍する1つのステージになり、例えば神戸で起業した人材がグローバル世界の中で活躍をするという、いわば神戸からスタートをするような、そういう都市であるということも必要なのではないだろうかと思います。
 


 そういう観点から、例えば500スタートアップスなども、これは神戸で起業して、神戸でビジネスをしてもらえれば一番いいわけですけれども、決してそのことが目的ではないわけです。大いにグローバル世界で活躍をしていただくような、そういうスタートをするのが神戸である、神戸はスタートアップをする都市であるというような存在感というものをどう発揮していくのか、世界に向けて発信していくのか、そういうような両方の視点というものが要るのではないかと思います。そのためのハード、ソフトの施策をいかに組み合わせて、日本中、世界中からすぐれた人材を神戸に引っ張ってくるのかということ、これが非常に大事だと思いますし、神戸医療産業都市もそのための非常に大きな政策ツールになっていると思います。



記者:
 市営地下鉄と阪急線の相互乗り入れですとか、あと、ポートライナーの輸送力強化、あとはBRT、LRTの検討なんですけれども、神戸全体を見たときの都心へのアクセスというのを考えたときに、久元市長が今考えていらっしゃる現状の課題はどのようなものなのかということと、あと、人の流れを満たすためにどんな要素が今後神戸に必要とお考えか、お聞かせください。



久元市長:
 やはりまちを元気にする、まちのにぎわいを高める、来街者を増やす、究極的には神戸に移住をしていただく方を増やしていくというためには、公共交通と道路網というものを整備するということ、そして、公共交通について言うならば、それぞれの公共交通機関がうまくつながるということが非常に重要で、相互乗り入れもそのための重要な手段です。
 


 もう1つは、三宮の再開発のコンセプトとしても、三宮の6つの駅をあたかも1つの駅として使っていただけるような利便性の向上、これも大きなコンセプトになっているわけです。結局、つなぐということが非常に大事です。つなぐということは、駅とそれぞれの住んでおられるところ、あるいは目的地、買い物であればお店とか、それから、通院であれば病院とか、通学であれば学校とか、どうこれをつなぐのか、特にラストワンマイルをどう考えるのかという視点も大変重要です。そういうような公共交通網というものを鳥の目と虫の目とを組み合わせながらネットワーク化していくということ、これをぜひやりたかったわけですけれども、残念ながら、これはやむを得ない面もあるんですけれども、例えばコミュニティー交通を導入するということになると、八多でどうする、淡河でどうする、大沢でどうする、塩屋でどうするということになってしまいます。そこで、新しく企画調整局に交通政策課を設置して、とにかく、そういうような鳥の目と虫の目で人の動きというものの現状をビッグデータも活用しながらしっかりと把握して、そして、そのための最適な移動手段の組み合わせということを考えて、つなぐという最適の方法を考え、そのための政策を立案していく。そして、そういうようなトータルな目に基づいて、具体的な地域との取り組みは住宅都市局が従来どおり行っていく。こういうふうに体制を新年度はもう一度再構築したいと考えています。
 


 そして、実際に公共交通に乗っていただくための乗客の確保ということが非常に重要です。そのためには、やはり人口をしっかりと駅前の中心のところに張りつけていくということ、それから、来街者を増やすためには、魅力のある施設をできるだけ駅前近くにつくっていくということが重要です。人口を駅前に張りつけるということのために、例えば、先ほど鈴蘭台の駅前の話をしましたけれども、鈴蘭台の駅前も、駅ビルが建ちました、そして区役所ができました、神戸電鉄との行き来も便利になりますということだけでは不十分です。駅前を中心としたマンション開発ということを幹線道路の整備と組み合わせながら行っていく、北鈴蘭台については、これは駅前に新たな商業施設と組み合わさった民間のマンションを建設する、そういうような駅中心に人口を張りつけていくということを今まで取り組むことができなかったところも行っていくことが非常に大事です。
 


 明石市の人口が増えている大きな要因として、平成29年に明石の駅前に高層タワーマンションが建設され、この年に明石市の人口はかなり増えています。それから、大久保地区の再開発が行われたときにも明石の人口は増えています。明石の場合には、神戸の人口の大体5分の1ぐらいですから、そういう効果が率としては大きく出てくるわけですけれども、神戸の場合には、人口の母体が非常に大きいですから、その効果は、全体的な数字としては明石のようにはいかないかもしれないけれども、そういうことをしっかりとやっていかなければいけません。神戸は駅前にいわば大きな更地がない、もう既に相当開発が行われてきているエリアですから、この低密度の土地利用というものをどう高度化するかということも考えなければいけません。古くからまちが発展してきた神戸ですから、権利関係が非常に入り組んでいるということが従来のネックになったわけですけれども、そこをブレークスルーしていかなければ、また、特にそういう気概を持って、とにかく駅を中心とした開発をやっていこうという強い意欲と熱意と、そして具体的な手法を持たなければ、神戸の人口減少はとまらないと私は思います。都市計画部局はそういうような気概を持って取り組んでほしいということ、そして、そういう情報共有をしっかりやっていかなければいけないと思います。
 


 もう1つは、来街者を増やしていくためには、やはり人が集まるような施設をつくっていくということが重要です。三宮の駅前にバスターミナルの中にホールをつくる、2号館の跡にホールをつくることもそうですが、やはり緩やかに人口が減少している西神・山手線沿線への対応も必要です。そういう観点から、西神中央駅には、今の玉津から区役所を移転するということですが、それだけではなくて、人口規模のわりには狭く蔵書数も少ない西区の図書館を大幅に面積も拡充して新築する。それから、新たに芸術文化ホールもつくって、そこでいろんな催しが行われて、地域の皆さんも周辺の地域からもあるいは周辺の自治体からも来ていただく、こういうようなにぎわいづくりの拠点を政策的につくっていきます。公共交通網をどう整備するのかということと、人口を張りつけていくための駅前のマンション開発などの住宅開発と、それから、にぎわいをつくり出していくためのさまざまな施設ということ、こういうような政策を有機的に組み合わせて、そして、にぎわいづくり、元気づくり、定住人口の増加ということを目指していくということ、これが必要ではないかと感じています。



記者:
 神戸空港の3空港一体運営が、今後、利活用の道と先ほどおっしゃっていましたけれども、改めて4月からの3空港一体運営で期待することを教えてください。



久元市長:
 まず、関西エアポート神戸株式会社による運営で期待をすることは、やはり既に関空、伊丹の運営を経験されていますから、そのノウハウも生かしていただいて、乗客の利便性の向上を図っていただく。例えば、手荷物検査なども、より短時間でスピーディーに行えるような仕組みを導入していただきたい。これは実際にそういう提案もあります。それから、あと、ターミナルビルのにぎわいをつくっていただいて、全く新しい観点からの利用客に対するサービスを提供するということで、神戸空港そのものの魅力を高める、あるいは利便性を高める、そういうことをまず期待しております。
 


 それで、今までは運営をしている主体が違っていたので、この3つの空港というものがある意味で競合関係に立っていたという側面がありました。完全に競合していたわけではありませんけれども、そういう側面が拭えなかったわけです。今回は実質的に1つの運営主体になるわけですから、そういう競合関係というものが解消することになります。そうすると、この実質的に1つの運営主体が3つの空港というものをどううまく活用するかということが、関西全体の航空需要の拡大に貢献をするのか、ひいては運営会社のビジネスにつながるのかという観点から、神戸空港をどう運営するのかという判断をされるということになりますから、これについても期待をしたいと思います。



記者:
 観光についてお聞きしたいんですけれども、インバウンドの日本観光ブームがすごい過熱している日本全体で観光客が増えている中で、なかなか大阪と京都と比べると、神戸はちょっと水をあけられていると。そこで、観光から見た、例えば神戸空港とか公共交通施策の現状とこれからの課題とか、そのあたりをお聞かせください。



久元市長:
 観光客、特にインバウンド客が取り込めていないというのはそのとおりだと思います。これは幾つかの要因があるかと思うんですけれども、やはり大阪がものすごくにぎわっている、特にミナミがにぎわっている、これはやはり関空の存在が大きいと思います。関空から来られた外国人観光客が、大阪で、特にミナミで、あの独特の雰囲気の中でまち歩きを楽しんだり、飲食を楽しんだり、それからショッピングを楽しんだりという、そういうお客さんが多い。
 


 それから、京都は、やはり日本文化に対する憧れというんでしょうか、日本文化に触れる、江戸よりも前、物によってはそれよりもはるかに前から伝えられてきたさまざまな文化財や寺社仏閣、庭園、町家などに触れることができる。そういうものが神戸にはないわけです。京都は、豊臣秀吉のころから大きな地震はほとんどありませんし、神戸などほかの大都市とは全く様相が違うのは、空襲を受けていないということです。ですから、日本文化が保存、伝承されてきた、そして、それが新しい形で変容しているということ、これも京都の魅力だと思います。そういうものが神戸にはないわけです。
 


 そうすると、神戸の観光というものをどういうような視点からもう一度再構築するのかということが非常に大事だと思いますし、そのためには、やはり今まではどうしても行政と、狭い意味での観光に関連した業界の方々で観光客の誘致などを行ってきましたが、もっと幅広い見地からの観光誘致ということを考えていこうということで、神戸観光局が設立をされて、アシックスの尾山基さんがトップになられたわけです。神戸市としては、この神戸観光局で必要な対応が行えるような予算も計上しております。ぜひ、この神戸観光局を中心に、いろんな皆さんの知恵が結集されて、新たな観点からのインバウンド対策を含めた観光施策を展開したいと考えています。



記者:
 遺留金の取扱条例を制定されるということなんですけれども、これを制定することの意義と、あと、全国に先駆けてということなんですが、その辺の意気込みみたいなところを伺えればと思います。



久元市長:
 意気込みというほどのものでもないんですけれども、違法状態を解消したいということです。これは制度の矛盾もありまして、ひとり暮らしのお年寄りが現金を残され、身寄りもないような場合には家庭裁判所に対して相続財産管理人の申し立てをしなければいけないわけですが、そのために必要な裁判所に納付するお金が大体50万程度と言われています。もしも手元に50万以上のお金があるのであれば、公費の負担なくして申し立てができるわけですけれども、それ未満の者はそういうような手段をとることができませんので、税金を使ってもいいじゃないかという考え方があるかもしれませんが、やはり亡くなられた方の個人の財産を国庫に最終的には帰属させるために自治体のお金は使うべきではないということは常識的な判断だろうと思います。そうすると、申し立てをできないままに手元にお金が残るわけです。この手元に残るお金というのは、何の根拠もなく、ただ自治体が持っているということです。根拠がなく、これは公金とも言えないですが、事実上の公金です。それはどうすればいいのかということについて言うと、予算に計上してこれを歳計現金として取り扱うということは、自治体の所有権に属するものでなければ歳計現金として管理することができない、これは当然のことです。一方で、自治体の所有には属さないけれども持っているお金は歳計外現金と呼ぶんですが、歳計外現金として自治体が保管するためには、地方自治法上、法令上の根拠が要るということになっています。ただし、法令上の根拠はないわけです。これはぎりぎりのところの解釈ですけれども、やはり条例もこの法令上の根拠と解釈せざるを得ないだろうということで、今回、その根拠となる条例を提案させていただくことにしたわけです。
 


 もう1つの狙いは、こういう条例を制定するところまで自治体が追い込まれているということを国にも理解していただきたいということです。つまり、今の国の制度は非常に伝統的な家族観に支えられていて、必ず人間は親がいて、そしてその子供がいて、財産は子供に引き継ぐという、そういう伝統的な家族観に基づいてできています。ですから、その例外的な制度として相続財産管理人申立制度などがあるわけです。しかし、そうではなくて、ひとり暮らしの高齢者の方、あるいは、非常に残念なことですけれども、実際のお子さんがいても一切かかわりたくない、連絡をとりたくない、そういう方々もいらっしゃるわけです。そういう現実と自治体は向き合っているわけです。そういう方が亡くなると、最期をみとるのも自治体の職員、そして葬祭をするのも自治体の職員、実際に遺体を斎場で対応して最後まで付き添うのも自治体の職員です。こういう現実に対応した制度というものにぜひしていただきたいということを国に対してもやはり訴えていく、そういう1つの根拠にもしたいと思っています。
 


 これらの制度改正については、指定都市市長会でも、これは私が提案をいたしましたけれども、具体的な政策提言を国に対しても行っています。ぜひ、そういう制度改正を国に対しても強くアピールする1つのこれは契機になると、そういう思いも込めています。



記者:
 認知症の人にやさしいまちづくり条例の制定に伴う施策を展開しますということで予算がついているんですけれども、なぜ神戸がこういった取り組みをしていかなければいけないのか、現状の問題意識は神戸市としてどのようなものを持っているのかというのと、なぜ神戸市がこういった取り組みをしていくのかということについて教えてください。



久元市長:
 認知症の問題というのは、これは我が国が抱えている共通の問題です。神戸だけの問題ではありません。しかし、神戸は独自の取り組みをしたいと考えてきました。1つの大きな要因は神戸医療産業都市の存在です。神戸医療産業都市の医薬品の研究の中でも、認知症に対する予防、あるいは認知症への医薬品の開発というのは重要なテーマになっています。そして、認知症がどう進んでいるのかということについては、行政と大学、あるいは企業との間で共同研究も従来から行ってきました。まだそれは研究の途上ですから成果は出ておりませんが、そういうような医療産業都市という背景が1つです。
 


 もう1つは、一昨年、神戸でG7の保健大臣会合が開かれました。そして、神戸宣言も採択されたわけですが、この神戸宣言の中でも、認知症対策をやっていこうというようなことが盛り込まれておりまして、この神戸宣言を受けて、神戸としても認知症対策をやっていこうということはそのときに表明させていただきました。これは非常に専門的な分野ですし、また、いろんな分野の方々の参画が必要ですから、必要な検討組織もつくって検討を重ねてきています。特に、認知症の方が第三者に損害を与えた場合に、どういう場合に、どういう要件で、そして、どういう方法でこの損害をみんなで分かち合うのかということについては、法律の専門家の皆さんからの意見を聞いて、今、議論を進めています。まずは、そういう基本的な考え方の条例を制定して、あとの具体策はその後にできるだけ早く取りまとめていきたいと考えています。



記者:
 これは神戸にWHOの神戸センターがあるというところと、あとは、我が国として取り組まなければいけないんだけれども、神戸市としても独自にやっていくというところで、全国に対し、あるいは国際的に先進国で、こういった肉体の長寿化によって脳がついていけなくなって認知症ということになっていると思うんですけれども、同じように高齢化に直面している先進国であるとか、特に日本国内のほかの自治体に対してどう広がっていってほしいと考えていますでしょうか。



久元市長:
 先ほどの共同研究にはWHOの神戸センターの支援もいただいています。
どう広がっていってほしいかということについては、認知症への対応というのは決して一色ではなくて、まだ試行錯誤している、あるいは認知症の専門医も不足をしているという状況がありますから、その辺の状況というのは自治体によって違うと思いますので、神戸は神戸のやり方で検討を進めていきたいと思います。国が音頭を取って、国は認知症対策に非常に力を入れていただいておりますけれども、そういう国の取り組みとも連携をとりながら、それぞれの自治体で置かれている状況に応じた対応がとられていくということが望ましいのではないかと思います。例えば、認知症の方が損害を与えた場合には、民間の保険に自治体が加入をするという動きも一部始まっています。これも1つの考え方かもしれませんが、それでいいのかどうかという議論も神戸ではしていきたいと思います。



記者:
 地元中小企業の立場から立った今回の予算に関してなんですけれども、人材確保というのは、今後、企業の成長のボトルネックになるのかなと思っているんですけれども、これまでもこういう確保支援というのは行われてきて、他の自治体でも行われていると思うんですけれども、これまでの神戸市の施策の評価と今回力を入れたポイント、そして、中小企業の中でも、地場産業、伝統産業への支援というのはどういうところが今後大切になってくるかというところを伺えたらと思います。



久元市長:
 今は全国的に大変な人手不足ですから、人材の確保ということは非常に重要です。それは、それぞれの企業が、ぜひそこの企業、あるいはお店で働きたいというような労働条件なり、あるいは労働環境なり、そういうような改善を進めていくということはそれぞれの民間事業者の皆さんの責任で行っていただくということだと思います。行政、特に自治体としては、これをすべからく何らかの形で支援するということはなかなか難しいと思いますから、やはり神戸の産業特性ということに応じた面での人材育成につながるような分野、例えば、ものづくりでいいますと航空機産業の部品だとか、あるいはロボットだとか、あるいは、これからの分野ということになりますが、水素エネルギーだとか、そういうような分野での専門的な人材の育成が進むような支援ということを行ってきていますので、そういう形で進めていきたいと思います。
 


 あとは、これは従来からの考え方の延長線にもなるわけですが、やっぱり事業承継です。この事業承継を進めていくということをかなり悩んでおられる企業の方がいらっしゃいますから、スムーズな事業承継を進めるためには、国におきましても必要な税制改正なども行われており、国サイドでのさまざまな中小企業庁や経済産業局などの支援もありますから、そういうものと連携しながら神戸市としても事業承継に対する支援を行っていこうというのが新年度予算の1つの特徴です。

その他の質疑応答

神戸空港 開港12周年を迎えて

記者:
 神戸空港の件でお聞きしたいんですけれども、間もなく神戸空港が開港12年になります。先ほど市長がおっしゃったように、2017年でいうと利用客数が300万人を超していて、年度で考えても、おそらくかなり近い数字、もしくは超える可能性もあるという状況で、関西エアポート神戸に事業を引き継ぐことになりますけれども、改めて、こういう状況で引き継げることについての所感と、この12年の歩みについてのお考えを教えてください。



久元市長:
 正直、私も神戸市で仕事をするようになりましてから5年なんですけれども、子供のころから、あるいは神戸を離れていたときから、この神戸空港をめぐる議論、あるいはその動向についてはよく記憶に残っておりますし、あるいは注視をしてきました。非常にこれは長い経緯のある難しい問題でした。そういう中で、これは英断だったと思うんですけれども、ものすごく困難な中で、当時の宮崎辰雄市長が一旦は神戸沖の空港建設計画に対してノーという答えを出したというような経緯がある中で、今の神戸空港の建設を決断されて、当時の運輸大臣からは、紙を投げられたと言うとちょっと不正確になるかもしれませんが、けんもほろろの対応をされるような中で、粘り強く当時の運輸省と交渉されて、建設計画を樹立し、建設を実現したということが今の神戸空港のスタートになるわけです。
 


 そして、神戸空港については、市民の間でも賛否両論の意見がなおあったわけですけれども、関係者の努力によりまして、旅客数も順調に、特にこの近年回復をしてきた、それから、近年ではスカイマークの破綻があったわけですけれども、これもスカイマークの経営陣の皆さんの努力によって再建ができていると、そういうような状況の中で、この4月に神戸空港を関西エアポート神戸株式会社に引き継ぐことができるということについては感無量の思いがいたします。
 


 ただ、その感無量の思いに浸っているだけではいけないわけで、空港の運営というのは安全が第一ですから、これは、関係者、神戸市の関係当局がしっかりとした形で新会社に神戸空港の運用を引き継ぐことができるように万全の体制で臨むと、しっかりと引き継ぎ事務を行うということ、これが我々がやらなければいけないことだと思っています。そして、その上で、3空港一体運営が実現されることになるわけですから、一層の神戸空港の利活用が図られるように、着実にそういう取り組みを進めていくということ、これが非常に大事なのではないかと感じております。