神戸市-KOBE-


 

定例会見 2018年(平成30年)1月12日

最終更新日
2018年1月17日

発表項目

神戸医療産業都市20周年記念ロゴマークの決定
(4分35秒)

“都市型創造産業”の集積に向けた取り組みが始まります
(10分37秒)

シンガポールにおいて神戸産品のテストマーケティングを開始します
(3分57秒)

質疑

その他の質疑応答

発表項目

神戸医療産業都市20周年記念ロゴマークの決定

久元市長:
 よろしくお願いいたします。私からお話を申し上げたい案件は3件です。
 まず最初に、神戸医療産業都市20周年の記念ロゴマークを決定いたしましたので、紹介をさせていただきます。
 うしろのパネルにあるのがこのロゴです。
 


 少し、医療産業都市の歩みを振り返ってみたいと思うんですけれども、医療産業都市は、震災の3年後の1998年に、当時、中央市民病院の院長をされていた井村裕夫先生を座長とする神戸医療産業都市構想懇談会で検討が開始されました。その後、さまざまな検討やプランニングを行い、2003年には理化学研究所や先端医療センターが開業いたしました。国からの特区の指定、また、スーパーコンピューター「京」の立地もあり、企業集積も進展をしていきました。2014年にはiPS細胞を使用した世界初の臨床研究を実施し、去年の12月には眼科領域における基礎研究からリハビリまでを一体的に行う全国初めての眼科専門施設である神戸アイセンターを開設いたしました。そして、この4月には、中核機関であります先端医療振興財団を発展的に改組し、医療産業都市全体のマネジメントを担う新たな推進組織、神戸医療産業都市推進機構を設立する予定です。これまでの取り組みの結果、344社の進出企業・団体が集積する国内最大級のバイオメディカルクラスターとして発展しております。
 


 この医療産業都市は、大きく言いまして3つのクラスターが組み合わさって形成されていると我々は考えております。まず、バイオクラスターですけれども、これは先端医療技術の実用化、産業化に取り組み、さまざまな研究開発機関や企業が立地しております。それから、メディカルクラスターですが、これは中央市民病院を核といたしまして、合計で1,500床を擁する高度専門病院群が集積をしております。最後に、シミュレーションクラスターですけれども、これはスーパーコンピューター「京」を中心に計算科学関連の大学などが進出しております。現在、ポスト「京」を開発する作業が進展しております。これらの3つのクラスターが相互に連携し合うことでイノベーションの創出を促進したいと考えております。
 


 そこで、今年はこの医療産業都市構想がスタートいたしまして20年の年になります。さまざまな記念事業も予定しておりますけれども、統一したロゴをつくりたいということで検討を進めてきました。
 


 ロゴの作成に当たりましては、神戸芸術工科大学のかわいひろゆき教授に協力していただき、4つのデザインに対して市民や進出企業・団体の皆様に投票を実施していただきました。昨年の10月から11月の2カ月にわたる投票の結果、約1,200票が投じられ、このロゴが決定されました。今後、20周年記念事業をはじめとしたさまざまなイベント、あるいはポスターや看板などの広告媒体で活用していきたいと考えております。
 これが1点目です。

“都市型創造産業”の集積に向けた取り組みが始まります

 2点目が、これは新たな産業政策ということになりますが、都市型創造産業をぜひ集積させていきたい、こういう取り組みを今年、スタートしたいと考えております。
 


 都市型創造産業というのは一体どういうものなのかということなんですけれども、これは明確な定義があるわけではありませんが、やはり大都市の産業が発展していくためには創造力、創造性を持った人材を集めていく。そういう人々がお互いにコミュニケーションを交わし、ビジネスをマッチングさせ、そして、全体としてのクリエイティビティー、創造性を発揮していき、こういう集積が集積を呼ぶ。その集積のキーワードとなるのが、やはり創造性ということではないかと考えられております。
 


 そこで、この都市型創造産業というものをぜひ集積させていきたいと考えているわけですけれども、都市型創造産業というものが、具体的にどういう業種なのかということについては、これはなかなか明確な範囲というものは決めがたいわけですけれども、便宜上、大阪市の統計上の8業種の分類を借用させていただきました。
 


 1つは印刷業です。印刷・製本・製版といった分野です。これは比較的昔からあるものです。もう1つは情報サービスです。ソフトウェア開発、それから情報処理・提供サービス。これも、1995年がインターネット元年ということでしたけれども、それ以前からあった分野です。もう1つは、神戸は残念ながら震災がありまして、取り組みがおくれたということがありますが、まさにこのインターネット元年の1995年から(始まった)、インターネット付随サービス業。ウェブサービス、サイト運営、ウェブコンテンツの提供、セキュリティーサービス、こういうようなサービスです。あと、映像・音声・文字あるいは情報制作。新聞、出版、テレビなどがこれに当たります。あとは、服飾デザイン、工業デザイン、インテリアデザイン、商業デザイン、サイン、クラフト等、こういうようなデザインの分野。もう1つは広告です。広告代理店あるいはインターネット広告、屋外広告といったものも入ります。あとは、土木・建築のサービスですが、設計や、あるいは建設コンサルタントというような分野。最後が写真ですね、商業写真、宣伝写真、出版写真、広告写真、芸術写真。
 


 こういうような業種というものは、非常にそれぞれの中身は多様で、そして、互いに関連をしているわけですね。取引関係、あるいはアイデアをお互いに持ち寄り、あるいは競争をすると。こういう意味で、非常に相互に密接に関連をしているということが特徴として言えます。もちろん、ネット上でさまざまなやりとりを行うわけですけれども、やはりフェイス・トゥ・フェイスで額を突き合わせてさまざまな議論をしたり、提案をお互いに出し合ったりすることが重要です。ですから、こういうような創造産業というものは、大都市に集中・集積するという傾向が見られます。つまり、大都市と産業集積ということをこれから高めていくというためには、やはりこの都市型創造産業の集積を図っていくということが重要であると考えられます。
 


 一見しておわかりするように、特化係数というのは何を示しているのかというと、それぞれの地域、神戸なら神戸の付加価値構成比、これを日本全体の付加価値構成比で割ったものですね。この係数が高いほど、この分野については全国に比べて集積をしているということになります。この集積特化係数を見ると、この8業種については東京都特別区部が圧倒的に集中をしているということがわかります。それから、大変残念なことに、神戸市は全国平均をいずれも下回っており、大阪市、福岡市にもかなり遅れをとっているということがわかります。神戸はもちろん強みがありまして、ものづくりという面では、この両都市に比べて、特に福岡市に比べてかなり強みもあるわけですけれども、大都市に特有のこの創造産業というものの集積が薄いということは、これはやはり神戸の産業の1つの弱みであるというふうに考えられるわけです。
 


 実際に、この結果、サービス取引というものがどういうふうになっているのかというと、神戸市では、このサービス産業に対する需要というのが1兆721億になるわけですが、市内で生産できるものは7,580億ということで、流出超過ということになっているわけです。そういうものを外部から購入しているわけですから、神戸市の資金が3,141億円、域外に流出をしているということになるわけです。これに対しまして、福岡市は、市内の生産額は市内の需要の1兆4,588億を上回る1兆8,448億円ということで、域外から輸入しているものと域外に輸出されているものの差し引きでいうと、3,861億円のサービス、この資金を外部からこの産業が得ているということになるわけですね。こういうことを考えれば、この都市型創造産業というものを集積させていくということは非常に大事であって、こういう神戸の産業構造の弱点というものを、やはり我々は真正面から見据えて、これに対して取り組みを始めなければいけないのではないかというふうに考えたわけです。
 


 そこで、これは、今まであまりこういう問題意識というのはなかったわけですので、いわば手探りで始めるということになりますが、具体的には2つのイベントを行いたいというふうに考えています。
 


 1つは、実際の都市型創造産業を担うクリエイター側の皆さん、もう1つは、そういうようなサービスを活用しながら事業を進めようとする経営者の皆さんが、さまざまな意見やアイデアを出していただく、そういうような2つのミーティングというものをやっていきたいと思っています。
 


 1つ目は、この「Creators Reunion KOBE」というイベントです。これは、都市型創造産業を実際に担っているクリエイター側からの意見を聞く、これを東京の渋谷で行いたいと思っています。実際に神戸出身で東京で活躍をされている編集者の佐渡島庸平さん、それから、神戸出身のクリエイティブビジネスを手がける小泉寛明さんを中心にトークセッションを開催したいということ。モデレーターは、民間人材ですけれども、神戸市役所の山阪佳彦クリエイティブディレクターになってもらいます。
 


 もう1つのイベントは、神戸で開催をする神戸地域経済フォーラムですね。これは神戸創生会議の一環として行いたいと考えていますが、実際にクリエイティブビジネスを展開してもらう経営者や企業人に集まっていただき、どんなビジネス展開が考えられるのかということを議論していただきたいと考えております。これは2月と3月に1回ずつ開きたいと考えております。
 


 これをキックオフといたしまして、都市型創造産業集積のためにどんなことをすればいいのか、神戸市としても、どういうような産業政策を展開すれば都市型創造産業の集積を行っていくことができるのかということを考えるきっかけにしたいと考えています。

シンガポールにおいて神戸産品のテストマーケティングを開始します

 3点目が、シンガポールで神戸産品のテストマーケティングをスタートさせたいと考えております。
 これまでも、神戸市では、新たな都市戦略であります「食都神戸2020」構想を展開してきました。東南アジア市場における神戸産品の販路開拓、拡大を進めてきました。その一環といたしまして、神戸産品のテストマーケティング、期間限定アンテナショップをシンガポールで実施をしたいと考えております。
 


 平成27年度に食都神戸海外展開促進協議会を設立いたしました。この協議会が中心になりまして、神戸産の農水産物など神戸産品の海外展開に取り組んでおります。香港フードエキスポに3年度連続して出展しましたし、香港、シンガポールにおける神戸産品の個別商談会も27年度、28年度に実施いたしました。さらにフランス、アメリカでのPRや商談なども平成28年度に行いました。
 


 シンガポールは輸出時の検疫の障害も少なく、障壁も少ないと、富裕層も多いということで、輸出しやすい環境が整っております。経済発展が顕著なマレーシアや東南アジア各国と近接をしているシンガポールをいわばゲートウエーとして、東南アジア地域への販路拡大も見込まれます。
 


 そういうことで、今年の1月16日から2月14日の約一月、シンガポール内のスーパーマーケットなど4店舗で神戸産品のPRを行いたいと考えております。



 1つは、フィッシュマートさくらやの3店舗、それから「JAPAN RAIL CAFE」、ここでPRを行います。神戸食のプロモーション、シンガポールのレストランで飲食店、食品会社など、あるいはメディアの関係者の100名程度を招いて神戸産の食材を使用した料理を提供し、食都神戸のプロモーションを兼ねた個別商談会を開催したいと思っております。これは1月31日に楽市オーチャード店で、もう1回は2月1日に「JAPAN RAIL CAFE」で行います。
 


 レストランでのプロモーションとあわせまして、通常の仕入れによる神戸産の食材を利用したメニューを展開しまして、神戸産品の継続的な取引にもつなげていきたいと考えております。
 


 どういう商品を出展するのかということは、約90点でありまして、神戸からの出品事業者と出品物、74品ですね。ごらんいただいているように神戸での産品、代表的な産品ですね。もう1つは、現地からの参画企業5社が各社4品程度の出品を予定しております。



 こういう形でシンガポールにおけるマーケティングを行い、継続的な取引、販路の拡大につなげていきたいと考えております。
 私からは以上です。

質疑応答

神戸医療産業都市20周年記念ロゴマークの決定(テキスト版)

記者:
 医療産業都市の次の20年に向けて数値的な目標といいますか、集積企業数は今344ですけれども、この数の目標や、雇用者数、あるいは何らかの経済効果であるとか、生み出される富など、何か数値的な目標などを今お持ちでしたらお伺いをしたいんですが。



久元市長:
 最近はあまり申し上げていないんですけれども、目標、数とかというのはたしか以前はあったように思いますね。



職員:
 経済効果で申し上げますと、平成32年度で2,280億円、平成37年度で3,072億円の経済効果というところが一応推計としては出されておりますけど、明確にこれを目標という形では申し上げておりません。



記者:
 このままいけばこうなるだろうという推計であって、ここに到達したいという意味ではないということでしょうか。



職員:
 そうですね。予測という形で出しております。



記者:
 市長の頭の中にも特にその数値的な目標みたいなものというのはイメージはありますか。



久元市長:
 特にあるわけではありません。



記者:
 わかりました。ありがとうございます。



記者:
 医療産業都市でロゴに込めた思い、特にその「さらなる飛躍へ」と書いてあるので、改めてここへの思いを、さらなる飛躍というのはどういうことを思い描いたらいいのかということを教えてください。



久元市長:
 さらなる飛躍ということなんですが、これは4月に設立をする機構のミッションとも関連いたします。相当集積が進みましたが、どうシナジー効果につなげていくのか、これが非常に大事ではないかなと思います。このシナジー効果を発揮させて、既存の産業への波及効果というものも狙っていく。それから、ここで生み出される研究成果というものが、神戸発で国内、あるいは、できれば海外のさまざまな地域での、健康あるいは健康寿命を延ばしていくということにつなげて、貢献をしていくということ。これがやはり非常に大事なことではないかと思います。

“都市型創造産業”の集積に向けた取り組みが始まります(テキスト版)

記者:
 都市型創造産業に関して2点お伺いしたいんですが、1点目が、神戸市は今までも、例えば1973年にファッション都市宣言をされたりですとか、ユネスコのデザイン都市に選ばれたりして、クリエイターの集積というのは以前から意識はされていたかと思うんですが、これまであまり集積が進まなかった理由というのを市長はどのようにごらんになっていらっしゃるのかというのがまず1点目です。
 


 2点目が、今回はイベントですけれども、今後の関連企業の誘致ですとか育成に向けて、例えば将来的に医療産業都市のような、ああいう集積地みたいなものをイメージされていらっしゃるのか、今後の将来描いていらっしゃるイメージ像を教えていただければと思います。



久元市長:
 2つとも難しい質問ですね。確かにファッション都市宣言をし、ファッション産業集積をしてきた。また、デザイン都市も宣言をしてきたということだと思うんですけれども、特にデザイン都市宣言というもの、あるいはデザイン都市の取り組みというものが、経済活性化策あるいは産業振興策ということと十分結びつけて展開をさせることができなかったのではないかというふうに思います。
 


 それと、もう1つは、今おっしゃいましたファッションやデザインにいたしましても、今日、都市型創造産業という言葉で考え方を提示させていただいたわけですけれども、それに含まれることは間違いありませんが、ファッションの取り組みあるいはデザインの取り組みをしてから、この創造産業というのは全く新しい形での展開が見られるようになっていると。神戸市の産業施策は、そういう新たなトレンドというものを十分把握し、あるいはそれに対して対応できてこなかったと。それが1つ大きいのではないかというふうに思います。
 


 もう1つは、これは人口とも関連しますが、こういう都市型創造産業は集積が集積を生むというところがあると思うんですよね。先ほどもお示しをしました8つの分野が絶対正しいということではなくて抜けている分野もあると思うんですが、こういう分野は東京が圧倒的に強いわけですね。東京に既に集積をしているところにさらに若手のそういうクリエイターが集まってくる。集まってくるからさらに集積を呼ぶという傾向が見られます。
 


 そういう意味から言うと、人口もそうですけれども、ブロック圏に(都市型創造産業が)集中をすると。福岡もそうです。大阪もそうです。関西圏の中心都市である大阪、九州圏の中心都市である福岡にやはり集中をしている。おそらく、十分データは検証しておりませんが、ほかの九州の大都市というのはそういうようなところが弱いのではないかなと思いますね。そういう全国的な傾向の問題と、それから、神戸としての取り組みの不足ということが相まって、全国的なレベルの集積よりも低いレベルにとどまっていると、自信を持ってお答えできているわけではありませんが、とりあえずはそういうふうに考えています。
 


 それから、2番目に、これをどういうふうにやっていくのかということ。このイベントはまさにキックオフですから、これをきっかけにスタートさせるということになります。しかし、それを前提にしてお答えを申し上げますと、こういう都市型創造産業というのは1人でやっている人もいるし、本当に数人でやっている人もあり得るし、そういう何百人とか、ましてやものづくりの大企業のような何千人という企業ではないわけですよね。また、さまざまな業種がたくさんあるわけですから、まさに大都市の中のさまざまなエリア、あるいは新しいビルの中に入居することもあるでしょうが、比較的古いビルの中にも、まず狭い部屋を借りて、そこからスタートして、そしてビジネスを展開し、成功している方々もいらっしゃいますね。狭いところからスタートして、より広げて、新しいビルに入居するという方もいらっしゃいます。ですから、医療産業都市のような特定の場所を用意して、そこに誘導していくというようなアプローチとはおそらく違う誘導策というものが求められるのではないかと思います。その答えは今、私の頭の中には、申しわけありませんがまだあるわけではありません。



記者:
 創造的な人材というんですか、クリエイティブ人材を集めるということはあくまで手段ではないかなと思います。そういった人たちが集まって、説明の中に大都市の産業を発展させるとおっしゃられたと思うんですけども、具体的にどういったのを最終的な目的として置かれているのか。例えば、神戸らしいデザインというのを何か確立するために、そういうクリエイターの人たちを集積してもらうとか、そのあたりというのはどういったお考えなのか教えてください。



久元市長:
 ちょっとお考えと違う面があるかもしれませんが、私はやはり創造的な人材を集めるということはそれ自身が大きな、最終的なゴールと言い切るつもりはありませんが、非常に大きな目標ではないかなと思います。今、アジアの地域あるいはアジアパシフィック地域での大都市が目指しているものは、これは全ての都市が同じ表現を使うかどうかはわかりませんが、いかに優れた人材を引っ張ってくるのか、集めてくるのかということにしのぎを削っているのが今のグローバル社会ではないかなと思うんですね。そういうような大きな文脈の中で、この都市型創造産業というものを、これも1つの大きな内実を成すと思います。
 


 ですから、こういうような分野の創造的な人材を神戸に集めていくということがやはり都市の活力を生む、それから新たなビジネスのチャンスの拡大を生む、それから町のにぎわいも生む、神戸の雰囲気というものをより未来志向で明るいものしていくということにもつながると思います。



記者:
 都市型創造産業の集積の件で、今回、1月に東京でクリエイター向けの集まりを持って、2月に今度は神戸で経済人の会合をなされる。今後は東京と神戸と両方でずっと続けていくというイメージなのか、それとも1回目はとりあえず東京で、その後はどっちかというと神戸を中心でやっていこうという感じなのか、そのあたりの今後の展開というところを教えてください。



久元市長:
 まず、とりあえずキックオフとしてこの2つのイベントをやるわけですが、その後は未定です。そこから何らかの気づきとか、知恵というものが得られれば、今度はイベントではなくて違う新しいアプローチというものが、それが今何なのかということはまだありませんけれども、生まれるかもわかりません。あるいはもっと違うメンバーを集めた議論をしてみるということが有益であれば、そういうこともあるかもしれませんね。すぐに政策に結びつくものがあれば、そういうことはぜひ具体化をしていきたいと思います。
 


今、新年度予算を編成中ですので、この分野についても必要な予算を盛り込んでいきたいと。きょうはまだお話はできませんけれども、この分野の予算も平成30年度予算には計上していきたいと思っています。



記者:
 市域外に3,000億円以上が流出しているという今の時点での計算なんですが、これをいつの時点までに、どれぐらいまで流入超、外貨を獲得できるようにするのか、もし市長の想定があれば教えてください。
 あともう1点、これまで神戸市がいろいろ物づくりの企業に投資をされてきたかと思うんですが、今回、創造産業に対する新しい取り組みは、これはこれまでの都市からの転換点なのか、あるいはこれまでの既存の産業と両輪でやっていくのか、どういうイメージをお持ちなのか教えてください。


久元市長:
 まず、一番最後のご質問で申し上げれば、産業政策を大きく転換するということではなくて、また、両輪という意味でもなくて、やはりものづくり産業は神戸の非常に大きな強みですから、同時にこの都市型創造産業というカテゴリーを考えたときに、明らかにこれは神戸の弱みであり、大都市としての産業としてこの分野はやはり弱点であるということを真正面で見据えてこの分野に力を入れていきたいということです。今までの取り組みに加えて、これをやっていくということですね。
 


 それから、もう1つは、神戸の既存の産業、ものづくり産業、そして、大企業に連なるさまざまなものづくりのエリアの産業ですとか、あるいは食品産業というのも神戸の大きな産業分野であると思いますけれども、こういう分野の産業が高度化していくためには、やはりクリエイティブな発想というものが当然必要です。もちろんそれはそれぞれの企業がそういう点を意識していろんな経営戦略を展開されていると思いますが、神戸にこういうような都市型創造産業がより集積をしていくということが、既存のものづくり産業にもよい影響を与えていくのではないかと思っています。



 数字的な目標設定については今、これも相当程度流出をしているわけですから、まず、こういう発想で神戸の産業を眺めたことは、少なくとも神戸市政ではなかったので、正直すぐに、これをいつまでに解消していくのかということについての答えは今持ち合わせていません。

シンガポールにおいて神戸産品のテストマーケティングを開始します(テキスト版)

記者:
 シンガポールにおいてテストマーケティングを開始するということで、非常にすばらしい取り組みだなと思うんですけれども、受け入れる香港とかシンガポールの方々からすれば、日本の各県の知事であるとか、こういう産品を持っていらっしゃるところの行政トップがトップセールスをかなり展開をいろいろ既にしているところで、なぜあえて神戸なんだというのをさらに強くプッシュしていかないと買ってもらえないのかな、継続につながらないのかなと思っているんですけど、改めてこういった取り組みを進めるに当たって、さらにもうワンプッシュするために何か考えていらっしゃることがあれば教えてください。



久元市長:
 まずはシンガポールでこういうテストマーケティングをやるのは初めてですから、まずこれをやった上で、その上、その成果なり、あるいは課題というものを見た上で次の手を考えたいと思います。
 


 おっしゃるように、既にこれは全く目新しい話ではないわけです。むしろ神戸はおくれているし、ほかの自治体もシンガポールでは既にたくさん行われています。ですから、これは神戸としても非常に全国的に見ても新しい取り組みであると申し上げるつもりは全くありません。そこまで胸を張ってやれる話ではないということは率直に申し上げたいと思います。しかし、神戸の産品は、やはりいろんな意味で優位性というものがあることも事実で、海外展開を図っていこうというさらなるアプローチだとご理解をいただければと思います。



記者:
 シンガポールでのテストマーケティングなんですけれども、この事業が平成27年度からされているということで、シンガポールに限らず、これまで3年間の実績、うまくいったことと手こずっていることなどがあれば教えていただけたらと思います。



久元市長:
 まず、これまでどれぐらいの実績が上がっているのかということで、おそらくは、このシンガポールの平成27年度のこれまでの取り組みでどれぐらいの実績が上がったのかということだと思いますが、これは極めて少額にとどまっていると。個別の商談会ですけれども、極めて少額にとどまっているということは事実です。シンガポールも含めて、先ほど申し上げました海外展開促進協議会の構成員の輸出実績、これは平成27年度が約500万円、こういう取り組みを進めました結果、平成28年度は約1,600万円ということで、とりあえずはこれを1億円に拡大するということが目標です。ですから、神戸全体のその経済規模からいえば、極めて微々たるものだということは事実です。
 


 しかし、これを進めることによって、このグローバル展開というのはやはり今後の経済規模の拡大につながる可能性を秘めているということですから、ぜひこういう取り組みを進めると。あとは、こういう取り組みを進めることによって、経済界の皆さん、それから、農業の生産者の皆さん、水産もそうですけれども、それと、行政の関係者がビジネスの最先端の動きを肌身に感じて、このビジネス展開のありようということを意識するという、これも非常に大事ではないかと思います。

その他の質疑応答

神戸港のコンテナ取扱量

記者:
 神戸港の年間コンテナ取扱量の関係なんですけれども、2017年の取扱量、まだ確定の数字は出ていないと思うんですけれども、見込みとしておそらく震災前の最高の94年の292万TEUを超えるのではないかというような見通しになったと思われるんですけれども、そのあたりのちょっとまず事実関係の確認と、それと、震災から23年がたって、ようやく震災前の水準を超すことになったということについての所感をお願いします。



久元市長:
 まず、コンテナ貨物取扱量ですが、震災前の水準とほぼ同程度だということが言えると思います。最終的な数字をまだみなと総局から報告は受けておりませんが、超えるということはおそらくなく、ほぼ同程度ではないかなと思っています。しかし、ほぼ同程度の水準まで来たということは、非常にこれは神戸港の港勢、港の勢いがここ数年回復をしてきたということで、関係者の皆様方の努力ということに感謝をしたいと思います。
 


 やはり、神戸港はこれまで国際コンテナ戦略港湾として集貨・創貨・競争力の強化ということに取り組んできましたので、特にこの集貨の効果、これまで西日本の港から釜山に流れていた貨物もかなり神戸に取り戻せているということ、これが成果を生んでいると思います。
 


 今後の課題としては、これはこれまでも申し上げてきたところですが、東南アジアの港から、特に北米航路の貨物が香港、シンガポールなどの経由、大規模港湾からの経由がかなりの部分を占めている。神戸がそれを取り込めていないということですから、これをどう取り込んでいくか、これは非常に難しい課題ですけれども、これを官民挙げて全力でやっていくと。そういうような目的も持ちながら、去年は開港150年記念事業として神戸国際港湾会議というものを行いまして、東南アジアの諸港との間でもいろいろな議論もしました。そういう成果を今後ぜひ生かしていけるように、その分野の努力をしっかりと行っていきたいと思います。



記者:
 去年、2017年に関して言うと、ほぼ同程度の水準になったということなんですが、市長の今の見方でいうと、今後もコンテナ取扱量が伸びる傾向にあるかということと、今後、新たな人工港をつくって、そこにコンテナなどもまた建設する予定もありますから、どのぐらいの取扱量を目標に今後やっていくか、その辺を教えてください。



久元市長:
 先ほどからも、将来どれぐらいを目標にするのかとかいう数値目標のお話が多いんですけれども、私は、具体的な数値目標を立てるということについては、わりあいに各分野について慎重に考えたいと思っています。
 


 今後の見通しを立ててそれに向かって努力していくという姿勢は、ある意味、必要なのかもしれませんが、とにかく、今やらなければいけないことをしっかりとやっていくと。特に神戸港の港勢の回復ということは、何か目が覚めるようなすばらしいアイデアが突然浮かんで、突然それが実現していこうというふうになるわけではないと思うんですね。やはり客観的な、例えば国際的な船社の再編成とかの動きもしっかりにらみながら、また、パナマ運河が拡幅されてしばらくたちますけれども、船舶の大型化とかの情勢をにらみながら、これまでの既定の方針に基づく集貨・創貨・競争力の強化という政策を、国の支援をしっかり受けて着実に進めていくこと、これが基本ではないかと思います。

神戸空港の利用者数

記者:
 神戸空港の利用者数が、昨年、300万人を超えて過去最高になったようなんですけれども、受けとめと、今後への期待、なかなかこちらは話すのは難しいところかもしれませんが、お願いします。



久元市長:
 これももう2年以上前になるんでしょうか、スカイマークが破綻したときは、「神戸空港に暗雲が垂れ込めている」とか「神戸空港 廃港も視野に」とか、そんな見出しも躍ったことを思い起こしますと、非常に感慨深いものがあります。やはり、スカイマークの経営陣の皆様方の会社再生への努力、そして、そのほかに就航していただいている航空各社の皆様方の搭乗者増に対する努力に改めて感謝したいと思います。
 


 これも既に何回も申し上げているところですが、やはり、この4月から関西エアポート神戸株式会社が神戸空港を管理していただくことになりますので、もちろんしっかりとした引き継ぎをしまして、そして、民間会社としての発想を取り入れながらターミナルを管理していただくと。それから、手荷物の検査などについてもスマートレーンの導入も含めてサービスを大幅に改善していただくということ、これが神戸空港のさらなる利用者の拡大にもつながっていくのではないかと思います。そのためには、やはり機材を大型化していくということも重要ですから、この辺についての検討もお願いしたいと思います。



記者:
 その機材の大型化というのは、例えばスカイマークなんかは検討しているという話が既にあるということなんですか。



久元市長:
 いや、搭乗率はかなり上限まで来ているわけですね。ですから、今後搭乗者数をさらに増やしていくということは、搭乗率を上げていくことだけでは限界があるわけですね。機材の大型化もそのためには必要になってくるということを申し上げているわけです。



記者:
 わかりました。

慰霊と復興のモニュメントモニュメントへの落書き

記者:
 震災に関連した質問を1つさせていただきたいんですが、昨年末、中央区の震災モニュメントに落書きされたような事案があったりとか、神戸市内において震災を経験されていない方々が4割を超えると言われている中、モニュメントであったりとか、いわゆる震災遺構と呼ばれるようなものを形に残していくことが曲がり角に来ているんじゃないかというような意見も聞かれます。
 


 市長が、今こういった形で残っているものをどのようにお考えでいらっしゃるのか。それと、残していくことへの意義を、改めてこのタイミングで市長のお言葉でお聞かせいただければと思います。



久元市長:
 まず、震災のモニュメントに落書きがあったということは、極めて憤りを禁じ得ないことです。こんなことは断じて許してはならないと思います。
 


 しかし、このことと、震災を知らない世代が増えている、半数を超えているわけですけれども、これを結びつけるという議論には全く賛成できません。つまり、あれは、誰がどういうつもりでああいう落書きをされたのかがわからないわけですよね。ああいう落書き、あるいは建物とか記念碑を傷つけるという行為は、残念ながら時々起こります。例えば神社に油を塗るとかは同じ類いの事件かもしれません。要するに、震災のモニュメントであれ、神社であれ、どの建物であれ、何でもよかったのかもしれませんね。その意図、誰がどういうつもりでやったのかわかりませんから、これと結びつけることは全く不適当だと思います。
 


 そのことと切り離して、やはり震災を知らない世代が増えている。神戸市の職員も、54%が職員としての震災を知らない世代が占められるようになりました。神戸市内で4,571名の方々が亡くなった非常に大きな災害ですから、そのときの記憶、そのときにどう対応したのか、そして、そこから得られた知識や経験とか思いというもの、これはそれぞれの分野で、壊滅的な被害を受けて再建を果たした企業もあります。献身的にそのときに活動し、その後も継続的に活動しているさまざまな団体もあります。行政は行政でさまざまな記憶の継承の努力をしております。こういうことをやはり地道に続けていくことが非常に大事ではないかなと。
 


 これはやはり、ある意味で神戸のアイデンティティーでもあるわけです。震災から23年になろうとしていますが、市民が、企業が、あるいは行政が、いろんな意見の違い、考え方の違い、利害の違いを乗り越えてみんなで町を復興させてきたということは、神戸のアイデンティティーでもあるので、こういうアイデンティティーをしっかりと大事にしていくことが大事ですね。
 


 もう1つは、こういうことをしっかり対応していくことが、災害に強いまちづくり。地震はいつ来るかわかりません。それ以外の災害も予想されます。災害に強いまちづくりということにつながっていくと思います。