神戸市-KOBE-


 

平成29年度予算案会見 2017年(平成29年)2月16日

最終更新日
2017年2月16日

発表項目

平成29年度予算案 輝ける未来創造都市の実現に向けて
(7分47秒)

・安心して子育て・教育ができる街の実現
・市民が地域とつながり福祉と医療をはじめ安心してくらせる街の実現
(10分57秒)

・世界に誇れる夢のある街の実現
(9分23秒)

・市民が元気で働けるにぎわいのある街の実現
・本物の市政改革をすすめ新しい地方自治がはじまる街の実現
(10分17秒)

質疑

発表項目についての質疑応答

その他の質疑応答

発表項目

平成29年度予算案 輝ける未来創造都市の実現に向けて

久元市長:
 よろしくお願いいたします。
 平成29年度の神戸市当初予算案がまとまりましたので、概略を私から説明させていただきます。



 まず、予算編成の基本的な考え方ですが、おかげさまで、震災から神戸は復興することができました。震災への対応、そして、神戸のまちの復興、その後の財政危機を乗り越えるという大きな3つの試練があったわけですが、いずれも克服をすることができたと考えています。



 財政状況につきましては、非常に危機的な状況にあったわけですけれども、財政再建の努力が実を結びまして、財政対応力は回復をしてきました。
 平成27年度決算の実質公債費比率は7.9%、平成27年度決算の将来負担比率は80.2%という水準にまでなっておりまして、この両方ともが神戸よりも良好であるという団体は4団体です。ですから、神戸は20ある政令指定都市の中では上位から5番目ぐらいのところまで財政対応力が回復してきたと申し上げていいと思います。



 また、震災で残された課題があったわけですが、災害援護資金の償還免除、あるいは新長田の再開発地区における県・市の新長田合同庁舎の整備など、一定の目途をつけることができてきていると考えております。
 そういう中で、これまで取り組むことができなかったプロジェクト、例えば大阪湾岸道路の西伸部の事業着手、神戸空港のコンセッション、都心三宮の再整備などについて取りかかることができました。



 平成29年度は神戸開港150年という年ですので、改めて、これらの取り組みをさらに前に進め、新たな挑戦を本格的に始動させなければならない年であると考えております。そして、昨年、策定をしました神戸2020ビジョンのテーマであります「若者に選ばれるまち、誰もが活躍するまち」を目指した施策を積極的に展開する、こういう考え方で予算を編成いたしました。



 特に重視をしたポイントですけれども、若者に選ばれるまちということですから、やはり子育て・教育環境の充実ということ、これに特に力を入れました。待機児童の解消、出産・子育ての経済的負担の軽減、教員の多忙化対策などです。



 2番目が、昨年9月にG7保健大臣会合が開催されましたので、その神戸宣言なども加えながら、市民ぐるみでの健康づくり、高齢者の認知症対策、地域包括ケアの推進、障害者の社会参加の促進などが2番目の柱です。



 3番目がまちづくりですが、若者の定住・移住を促進する受け皿となるような、魅力をアップするようなまちづくり、また、地域課題に対応したまちづくりを推進していきたいと考えております。



 4番目に、神戸は陸・海・空の交通の要衝として発展をしてきました。開港150年の年ですから、こういう広域交通結節機能をより強化して都心の再生にも結びつける、バランスのよい地域づくりにも結びつける、あわせて、医療産業都市などの神戸を発展させるためのプロジェクトを推進するというのが4番目の柱です。



 5番目は、現下の経済状況に対応した経済振興対策ですけれども、雇用のミスマッチの解消、革新的起業・創業支援など、神戸経済の活性化と雇用の創出を図るというのが5番目です。



 6番目が、これらの政策を強力に展開していくためには市役所の対応能力を向上させていかなければなりません。市役所改革をさらに進めていく必要があります。事務事業の見直し、現場力の強化、県・市協調・連携の強化などによって市民サービスを向上させる、そのための行政組織の強化ということにも取り組んでいきたいと考えております。



 予算規模ですが、一般会計が7,812億円、特別会計、企業会計、それぞれ合わせまして合計1兆8,097億円程度の予算規模ということになります。この中で、特に一般会計が539億円の増加、7.4%の伸び率を示しておりますが、この大きな要因は、4月から国の制度が変わりまして、県費負担教職員制度が全面的に兵庫県から神戸市に移される、移管されるということになります。これに伴いまして、教員の人件費が神戸市の予算に移ってくるということになりますので、これが大きな要因です。



 あわせまして、以前から、いわゆるオーバーナイトについて、不適切な財政運営ではないかという指摘をいただいてきました。これは、年度末に一旦、貸付金が神戸市の財政に戻ってきまして、新年度に貸し付けるということで、実質的には長期の貸付金を単年度で転がしていくというやり方です。



 私は、市長に就任しましたときから、これは不適切ではないかと考えまして、新規のこういう対応はやめていたのですけれども、まだ残っているものがありました。平成29年度におきまして、これを全面的に解消します。神戸すまいまちづくり公社の学校先行建設、それから、神戸国際観光コンベンション協会に関するアマゾン館などの建てかえ施工、それから、神戸みのりの公社のワイン事業、この大きく3つに分けられるわけですけれども、これを全て解消します。
 民間の金融機関からの借り入れに切りかえるというのが主な解消手法でありまして、これによりまして184億4,600万円の、このあまり適切ではないと考えられてきた短期貸し付け、いわゆるオーバーナイトについては完全に解消します。



 そこで、これまでの5つの施策の柱もあるわけですけれども、先ほど申し上げました重点的な項目に従いまして、順次、全て説明はなかなかし切れませんけれども、重要なものにつきましてご説明を申し上げます。

安心して子育て・教育ができる街の実現・市民が地域とつながり福祉と医療をはじめ安心してくらせる街の実現

久元市長:
 最初に、仕事と子育ての両立支援です。



 潜在的な保育需要を踏まえた保育待機児童の解消のために、約1,200人分の受け入れ枠を拡大します。新たな保育人材の確保のために、国制度による保育士の処遇改善、宿舎借上げ支援に加えまして、これまで行ってきた神戸市単独の処遇改善の措置も継続します。さらに、病児保育につきましては2カ所を拡充しまして、新規開設前後の賃料補助を創設します。



 次に、子育て世帯の経済的負担の軽減としましては、こども医療費助成を拡充しまして、所得制限を中学3年生まで完全に撤廃します。これによりまして、対象者約2万5,000人が増えるということになります。所要額は通年ベースで約6億円を要しますが、こういう拡充をします。



 あわせまして、妊婦健康診査助成の上限を12万円にまで拡大をします。これは政令市でトップ水準ということになります。あわせて、特定不妊治療費の助成につきましては、年収約1,000万円(所得730万円)で区切りまして上限額の拡大をします。
 3歳未満児の最高階層保育料を軽減するとともに、住宅に困窮するひとり親子育て世代に対する家賃補助制度を創設します。月額1万5,000円、最長6年間助成をいたします。



 児童・生徒の通学援助を拡充するとともに、地下鉄U-15(アンダー15)定期券を発売しまして、通学要件を撤廃し、例えば塾に行くとか習い事に行く場合も対象とします。また、地下鉄海岸線につきましては、中学生以下を全て無料にするという社会実験を行います。



 教員の多忙化対策につきましては、教育大綱の中でも非常に重要なテーマとして取り上げてきました。幾つかの方策の方向性につきましても、この大綱の中で記されているわけですが、具体的な予算の裏づけをします。1つは、総務・学習支援担当教員を50校に配置する、多忙をきわめる教頭の業務補助スタッフを、大規模校を中心に配置し、あわせて教頭の処遇改善も行います。管理職手当の増額などを中心に待遇を改善します。中学校の部活動の外部指導員につきましても配置を拡充します。
 児童・生徒の学力向上、学びの環境整備としましては、学習支援ツールの配置を拡充し、学校司書の配置も拡充をします。スクールソーシャルワーカーにつきましても増員をします。



 療育体制、特別支援教育の充実につきましては、こども家庭センターにつきまして、相談室などの増設を行います。あわせて、現在、ハーバーランドにあるこども家庭センターにつきましては、やはり拡充強化をする必要があるということで、再整備に向けた基本計画を策定します。
 小中学校の医療的ケアが必要な子供たちに対する看護師の派遣につきましては、週1日を週5日に大幅に拡充します。
 それから、児童養護施設の居住環境を改善し、あわせて、ふるさと納税を活用した支援の強化を行います。



 2番目の柱が、健康創造都市KOBEの推進です。



 健康づくりにつきましてはさまざまな施策が行われているわけですが、市民ぐるみで健康づくりを推進していこうと、大所高所から異なる職種、あるいは立場の皆さんが一堂に会して、そういう健康づくりのために議論をし、行動に移していくため、健康創造都市KOBE推進会議を設置します。あわせまして、民間からの提言も踏まえまして、民間企業であっても、また公務職場にあっても、健康で働き続けることができるような空間というものはどういうものなのか、どのようにつくっていくのかという健康オフィス神戸事業を推進します。



 昨年11月に施行されました歯科口腔保健推進条例を実施していくために、口腔保健支援センターの設置、口腔がん検診の実施支援などを行います。
 特定健診とあわせ65歳の市民を対象としたフレイル健診を実施します。



 認知症対策につきましては、先般、記者会見でご説明を申し上げましたけれども、認知症を幅広くカバーし、推進をするための条例の制定を考えておりまして、骨子を市会にお示しし、議会で議論をしていただいて、できれば年内に条例を制定することができるように検討を進めていきたいと考えております。具体的な施策としましては、徘徊模擬訓練の全区展開、医療介護サポートセンターを全区に配置する、また、認知症初期集中支援チームにつきましても全区配置をするという対応を行っていきます。



 介護につきましては、新たに介護保険総合事業を開始します。介護保険制度の制度改正ということになりますが、これを確実に実施していくための地域拠点型介護予防事業などを推進します。



 医療の関係では、安心して急病になったときにすぐに救急車を呼ぶという前に相談を受けられる短縮ダイヤル、救急安心センター#7119を設置します。秋ごろの開設を目指して準備を進めます。



 地域医療の関係では、西神戸医療センターを市民病院機構に移管しまして、地方交付税措置も活用した病院経営の改善にもつなげていくということ、それから、地域医療と先端医療の受診体制を強化するために、先端医療センター病院を中央市民病院に統合を行います。また、神戸アイセンター病院を開設するとともに、医療扶助、医療費の適正化、特にレセプト点検の強化を行いまして、医療費が適正な水準になるように対応をします。



 障害者の社会参加の促進につきましては、自動車燃料費助成、タクシー利用の助成を重度精神障害者にまで拡大します。就労支援、あるいは介護現場における障害者雇用の促進、市役所、外郭団体の障害者の雇用を促進するためのしごとサポーターによる雇用の促進、精神障害者支援を拡充するために継続支援員の全区配置などを行います。これは、措置入院から退院をした患者さんに対する継続的な支援、退院後もしっかりと通院治療が行われるようにするための支援、見守り、そのための体制を神戸市として独自に整備するというものです。



 また、要援護者の見守り体制としましては、要援護者支援センターを設置しまして、地域見守り台帳の整備などを行います。それから、在宅福祉センターを機能転換しまして、障害者の見守り機能、あるいは短期入所機能も付加した拠点にします。民生委員の活動につきましては、実費弁償額を増額しまして、日ごろのご苦労に少しでもお応えができればと考えております。



 人と猫との共生に関する条例がこの4月から施行されます。繁殖制限対策などに対する支援を行うための予算を計上します。



 それから、墓地のありようがかなり変わってきております。墓地に求められる機能というものが多様化をしてきているということです。そこで、合葬墓を備えた新しい形式の墓地、これを鵯越墓園に整備することとしまして、所要の予算を計上します。



 防災・減災対策につきましては、新しい危機管理情報システムを構築するとともに、要援護者施設に対する防災行政無線ラジオ型受信機の整備を行います。また、土砂災害対策としまして、レッドゾーン区域住民の移転・改修支援を県・市で、国制度に上乗せして行います。



 津波対策につきましては、既にレベル1の対策は27年度に終了しておりまして、レベル2の対策と強化を引き続き行います。
 航空機動隊ヘリポートにつきましては、空港島に移転をするとともに、消防団員の処遇につきましては、出動手当支給額を増額します。

世界に誇れる夢のある街の実現

久元市長:
 次の柱が、定住・移住の促進など、まちづくりの関係です。



 神戸で少しでも若者に働いてもらう、そこで定住・移住をしてもらうという、そういう政策に寄与するために奨学金制度を2種類、創設します。1つは、若手の起業家、地元企業就職者の奨学金返還を補助するという仕組み、最大50万円で3年間助成します。
 それから、次は県・市の協調事業ですけれども、若手社員の奨学金返済の負担軽減に企業が取り組む場合に最大限年6万円支援をしようとするものです。これも3年間行います。



 それから、新たな施策としまして、新婚・子育て世帯に対する特別市営住宅の家賃の軽減を行うとともに、学生向け特定目的の市営住宅の設置などを行って、市営住宅についてももっと学生の皆さんに住んでいただけるようにいたします。



 次が市街地西部の活性化です。
 地下鉄海岸線の中学生以下の無料化社会実験は、子育て世代をこのエリアに呼び込んでいく一助にしたいというふうに考えております。
 兵庫運河の周辺整備につきましては、従来から必要性が指摘をされてきました。今年の6月にイオンが、この中央市場跡地に出店します。これとあわせまして、この周辺を整備しまして、イオンモール側の親水護岸の整備をする。あるいは、夜間照明の整備などを行うということで、この兵庫運河がさらににぎわいをもたらすことができるような対応をしてまいります。



 計画的開発団地のリノベーションとしましては、西神住宅団地、名谷団地の近隣センターをリニューアルするとともに、名谷駅周辺における都市機能の再配置につきまして本格的な検討に着手します。



 既成市街地の活性化に向けた環境整備としましては、兵庫区役所の庁舎の整備を進め、平成31年4月ごろに開設。北区庁舎につきましては既に工事を進めておりますが、来年の9月ごろに開設。あわせまして、新しい西区の庁舎につきましては、西神中央駅前の移転が決まっておりますので、この基本設計に着手をします。あわせて西区の図書館につきましては、非常に狭隘(きょうあい:せまいこと)であるという指摘をいただいてきましたので、これを大幅に拡充するための検討を行います。



 農村地域の持続的な発展を行うために農村環境の整備を行います。農道を道路にする、この移管の加速を行います。
 また、地域農業を支える担い手の育成確保としまして、若手農業者グループへの先進栽培技術などの調査・研究活動の助成を行います。
 現在、農業振興センターは西区に1カ所あるわけですけれども、これを西区と北区、1カ所ずつ配置をするということで、西農業振興センターと北農業振興センターを新設します。この里山の地域の1つの魅力としまして、多様な生物、生態系が保全をされているということが挙げられますので、これを積極的に保全していくための条例の制定に向けた検討を行います。



 それから次が、都心三宮の整備とウオーターフロント地区の魅力の向上です。
 どういう整備の方向性にするのかということにつきましては既に公表しておりますが、その具体化に向けた予算ということになります。新しいバスターミナル整備に向けた基本計画を策定する、えきまち空間の基本計画を策定する、それから、三宮の再整備に当たっては、一つ一つの行政施設を丁寧に動かしていかなければなりませんから、中央区役所、勤労会館、三宮図書館、この移転先につきまして、年内をめどに方向性を出したいと思っております。また、本庁舎2号館、3号館の建てかえにつきましても本格的な検討を行います。



 都心部の道路空間をリデザインについて、既に一部パークレットの実験などを行っておりますが、三宮プラッツの改修や、あるいは加納町3丁目の交差点のリデザインなどについて推進を行います。
 あと、三宮クロススクエアの実現に向けた調査・検討、それから、平成33年に竣工する阪急ビルを想定しまして、ここの中に知的交流拠点を整備すると。ここで企業、大学のネットワークづくりを行います。
 東遊園地につきましては、芝生化の社会実験を行ってきましたけれども、本格的な活性化、再整備基本計画を策定しまして整備に乗り出していきます。
 新神戸と北野の間の回遊性をさらに向上させていくための検討に着手します。ウォーターフロント地区につきましては、三宮とメリケンパーク、三宮と神戸空港との間のBRT(連節バス)を運行する社会実験を行います。



 中突堤地区の活性化につきましては、既にメリケンパークの整備が行われているところですけれども、さらに海洋博物館を公設化しましてリニューアルするなどの整備を進め、魅力の向上につなげていきたいと考えております。
 陸・海・空の広域交通機能の強化としましては、大阪湾岸道路の事業が本格化しますので、それに必要な予算を計上します。国際コンテナ戦略港湾の推進、神戸空港コンセッション事業の推進につきましては、既にお話を申し上げている方向性で具体化のための予算を計上しております。



 新たに大阪湾ベイエリア連携調査費を計上することにしました。大阪では夢洲におきまして万博誘致などの動きが本格化しております。政府も全面的にこれを支援すると。関西の経済界を挙げて、この万博の誘致に向けた取り組みが始まっておりますので、この経済効果を神戸にどう取り組んでいくのか、そして、神戸経済圏の活性化につなげていくのかということにつきまして連携の調査を行います。



 神戸開港150年事業につきましては、既に申し上げているところでありますが、超大型客船入港に向けた施設整備につきましても、オアシス・オブ・ザ・シーズに対応するための整備を行っていきます。



 医療産業都市につきましては、クラスター全体のマネジメント機能を担う新たな推進体制を構築します。相当、企業の集積、研究機関の集積も進んだわけですけれども、この全体のシナジー効果をさらに発揮させるためには、やはり司令塔となる組織が必要であるという判断に立ったものです。神戸アイセンターがいよいよ今年の10月に開設されます。基礎研究から臨床応用、リハビリまで一貫して対応できるような施設として整備をします。海外患者を受け入れるワンストップ窓口としてコーディネーターを配置します。
 国のポスト京、スーパーコンピューター京の後継機の予算が順調に計上されておりますので、これに対応しまして、県・市共同でこのポスト京を使った研究開発を支援するという予算をこれから8年間計上します。



 再生可能エネルギーなどにつきましては、水素スマートシティ神戸構想を推進するということを引き続き行いまして、水素エネルギー利用システムの開発実証事業、水素サプライチェーンの構築実証事業につきまして必要な予算を計上します。
 バイオコークス化実証実験につきましては、大学、民間企業などと連携して行うことにしております。

市民が元気で働けるにぎわいのある街の実現・本物の市政改革をすすめ新しい地方自治がはじまる街の実現

久元市長:
 次の柱が、市内企業の活性化と雇用環境の充実です。



 雇用のミスマッチをどう解消するかとともに専門人材を育成することが求められております。市内中小企業の採用力を強化するための人材獲得支援、あるいは若年の求職者向けの中小企業情報の提供などを行います。また、成長産業の人材を確保するために、神戸高専において新たな教育プロフラムの実施を行います。



 中小企業の事業の新展開としましては、神戸ものづくりIoTプラットフォームを構築しまして、つながる工場のための基盤システムの設計というものに取りかかっていきます。金融機関と連携し、出張型の中小企業成長支援などを行いますとともに、中小企業制度融資につきましては、県・市の二重行政を排除するために県に融資制度を一元化します。



 神戸シューズにつきましては、ブランド化を推進するためのブランディング専門家派遣事業などを行いますとともに、真珠の街・神戸の発信、灘の酒のPRを行います。



 起業支援、創業支援については、ここ近年取り組んできたところですが、サンフランシスコの「500 Startups」につきましては、このアクセラレーションプログラムを神戸で本格展開していただくことになり、プログラム期間も6週間から2カ月半に延長します。さらに、創造的人材育成のプログラムの実施、あるいはICT分野におけるアフリカ成長地域との経済交流を行います。



 また、エンタープライズゾーン条例につきましては、戦略産業の特例軽減を3年延長するということにします。一方で、一定の重点化も図りたいと考えております。



 神戸観光につきましては、全体の観光振興を行う神戸DMO(Destination Management Organization:地域の「稼ぐ力」を引き出すとともに地域への誇りと愛着を醸成する「観光地経営」の視点に立った観光地域づくりの舵取り役として、多様な関係者と協同しながら、明確なコンセプトに基づいた観光地域づくりを実現するための戦略を策定するとともに、戦略を着実に実施するための調整機能を備えた法人)を発足させたいと考えております。神戸市の観光関連部局と観光コンベンション協会を再編し、民間企業も参画をした観光推進組織を設立したいと考えております。また、西日本各都市と連携をした連携プロモーションなどを行います。



 有馬温泉につきましては、新しい泉源を確保するということで、新泉源の掘削を行います。新神戸駅から布引の滝への案内サイン、歩道の整備や北野異人館共通パスの試験導入、シティー・ループのICカード対応への支援といったことを行います。



 須磨海岸につきましては、遠浅化を進めておりますが、あわせて、須磨海岸がより健全な形でにぎわうことができるような対応、また、須磨海岸の再整備とともに民間活力を生かした須磨海浜水族園の再整備を行います。



 六甲山の活性化につきましては、県と市で共同してこの山上の施設を全て調査して、どのような施設が遊休状態になっているのかということの把握ができております。29年度は、この遊休施設の有効活用が図られるように、解体補助、植栽補助、にぎわい創出事業補助、通信環境の整備、こういう取り組みに対する補助を行うことにしております。



 再度公園の活用としまして、外国人墓地にもっと皆さんが訪れていただくことができるように、死者の尊厳を汚すことがないように留意しながら来訪者の増加につながるような施設整備を行うことを考えております。



 食都神戸2020につきましては、かなりいろいろな取り組みが充実をしてきました。フルーツ・フラワーパーク大沢、この整備が行われますので、道の駅ですけれども、ここでの情報発信を行う。ファーマーズマーケットにつきましては、東遊園地の芝生化とあわせて昨年も実施をしたわけですけれども、引き続き、年間30回開催をしたいと考えております。本場の整備、それから、東部市場の再編、新たな事業化につきましても検討に着手をします。



 芸術文化の関係では、港都KOBE芸術祭、それから、神戸フルート音楽祭につきましては必要な予算を計上しておりますし、民間の皆さんが主体となってCOMIN′KOBE(カミングコウベ)をさらに拡充した新たなクロスメディアイベント「078(ゼロナナハチ)」の開催が計画をされておりますので、神戸市としても必要な支援を行っていきたいと考えております。いわゆる繁昌亭と呼ばれておりました新開地の演芸場につきましては、県と協調をして必要な支援を行います。また、老朽化が進んでいる大倉山の文化ホールにつきましても、そのあり方について検討に着手をしたいと考えております。



 スポーツの振興につきましては、ノエビアスタジアムのハイブリッド芝を敷設すると。それから、東京オリンピック・パラリンピック関連としまして、ホストタウン関連事業の実施をする。ラグビーワールドカップ、関西ワールドマスターズゲームズの開催に向けた準備も行います。



 それから、地域公共交通の関係では、地域交通網形成計画を策定し推進するということと、地域コミュニティ交通を支援するということで、北区の八多町のコミュニティバス、これを本格運行ができるような補助制度を創出します。垂水区の塩屋におけるコミュニティバスにつきましても、本格運用に対する支援を行います。また、LRT、BRTの関係につきましては、まず平成29年度におきましては、先ほど申し上げましたようなBRT連節バスを三宮と神戸空港などとの間で行います。



 昨年、まやビューライン、六甲有馬ロープウェーにつきまして無料化の実験を行いました。かなりたくさんの皆さんが乗車をしていただきました。それを踏まえまして、今年も平日5日間程度、社会実験を行いたいと考えております。今回は大人1日500円をいただくという形で実施をしたいと考えております。



 最後の柱が市役所改革の関係ですけれども、現場力を強化するという見地から、兵庫区、北区の庁舎整備、新西区庁舎の基本設計を行います。また、北区役所の現在岡場にある北神出張所につきましては、北区役所の中の保健福祉部門も取り込む形で支所化を実現したいと考えております。大半のサービスは、わざわざ鈴蘭台に行かなくても、この岡場の北神支所で行えるようにしたいと考えております。



 農業振興の拠点であります農業振興センターは、現在西区にあるわけですけれども、北区からは非常に不便ですので、今の農業振興センターを西農業振興センターと位置づけ、新たに北農業振興センターを設置いたします。体制につきましても大幅に拡充します。



 東灘区でモデル実施をしております総合窓口の運営につきましては、引き続き実施を行います。さらに、新長田合同庁舎の整備など、あるいは新開地演芸場、六甲山の活性化、こういった取り組みにつきましては、県・市協調による成果でありまして、これをさらに前に進め、市民サービスの向上につなげていきたいと考えております。



 さらに、この市役所改革を進める上で、仕事のあり方を高度化させる。特にICTを活用して、より費用対効果が上がるような仕事のやり方にしていかなければなりません。そのための業務革新を行うための予算、それから、多様なワークスタイルの推進、−いわば働き改革と申し上げてもいいかもしれませんが−在宅勤務を確実に行うことができるようなタブレット端末の機能の拡充を行いまして、自宅にいても職場でいるのとそんなに違わないような環境で仕事が行えるように、イントラネットの閲覧やウェブ会議などを行えるようにしたいと考えております。あわせて、看護大学の独法化に向けた準備を進めます。
 こういう形で市役所の行政改革をしっかりと整備をし、行政サービスの水準の向上につなげていきたいというふうに考えております。



 こういう予算編成に当たりましては、既に説明をさせていただいているかと思いますが、必要な事務事業の見直しを行いました。67項目、17億円の事業費の削減効果があったというふうに考えております。
 私からは以上です。どうぞよろしくお願いを申し上げます。

発表項目についての質疑応答

平成29年度当初予算案  輝ける未来創造都市の実現に向けて(テキスト版)

記者:
 予算全般のことでお伺いしたいんですけれども、今回投資的経費が前年度に比べてまた増額されていて、その中でも単独のものもかなり増えているかなという印象を受けたんですけれども、市長のこの29年度、新年度予算案に関する率直な評価をお聞かせいただけないでしょうか。



久元市長:
 自分でつくったので評価というのもなかなか難しいんですけれども、かなりいろいろな政策を盛り込むことができたのではないかというふうに思っております。



 考え方としましては、やはり去年2020ビジョンをつくって、人口減少対策をやっていこうということ。それから、若者に選ばれるまち、誰もが活躍できるまちにしていこうということですから、やはり考え方としては、若者に選ばれるまちであるということのためには神戸で子育てがしやすい環境にしていくということ、これが非常に重要だと考えてきましたし、教育大綱なども制定して大きな方向性を出してきましたから、それを肉づけする、具体化するための予算についてはかなり盛り込むことができたのではないかと考えています。



 それから、やはり神戸に住んでもらう、移り住んでもらうためには、神戸が魅力のある都市でなければいけませんから、大きなプロジェクトを推進するということも当然ですけれども、それぞれの地域がバランスよく、そして魅力のある地域として発展できるような整備をしていく必要があります。そのための予算も、先ほどご指摘がありましたような投資的経費に含まれるわけですが、これもいろいろなものを盛り込むことができたのではないかと思っております。



 あとは、目には見えないけれども安心して暮らしていくための地道な身の回りの住環境の整備、あるいは、まちの中の環境整備、これは非常に重要です。例えば街路灯も切れているとか、あるいは街路灯が不足をしているためにまちが暗いという話も時々聞きます。そのための予算も増額をしています。(街路灯増設予算については,平成28年度2月補正予算で措置)
 それから、防犯カメラについては、私が市長になりまして大幅に増額しましたけれども、29年度予算についても必要な額を提供しております。



 あと、高齢社会ですから、高齢者の皆さんも含めて安心してまちを歩く、楽しんでもらうということのためには、もっともっと休むことができるようなベンチも大事ですね。まちの歩道のベンチ、それからバスの停留所のベンチ。これは市営バスだけではなくて、民間のバスについても一定の支援をするという予算も組んでおります。



 こういう形で、大きなプロジェクトの推進ときめ細かなまちづくり、この両方に配慮しながら内容を積み上げていきますと、やはり前年度を上回る投資的経費の水準を確保することができたというふうに考えております。



記者:
 具体的な事業の中身になるんですけれども、若者に選ばれるまちとして奨学金返済支援制度の新設があったかと思いますが、これは職員の横断的な、局をまたいだプロジェクトチームによってできた成果物だということでした。市長は最強の職員集団をというお話をよくされており、その1つのカリキュラムかなというふうに捉えておりますけれども、そのあたりに関して市長の評価をお聞かせいただけないでしょうか。



久元市長:
 プロジェクトチームを幾つか立ち上げていろんな具体化を進めてきましたけれども、特に若者に選ばれるためのプロジェクトチームの皆さんは非常によく取り組んでいただいたというふうに思っています。現状がどうなっているのかということをきちんと客観的に分析をして、何が必要なのかということを出してくれました。それを予算化したということですから、これからもそういう職場横断的なプロジェクトチーム、特に若手の皆さんの参画を得て、具体的な施策の実現、予算化につなげていくような取り組みということをこれからもやっていきたいと思いますし、職員の皆さんの参画や頑張りにぜひ期待をしたいと思っています。



記者:
 少し厳し目のことをお聞きしますが、三宮の再整備は3年前の市長選でもかなり議論されたところですし、非常に注目が高い分野だと思うんですけども、市長が就任して3年になられて始動ということが、3年たってようやく始動なのかというふうな受けとめ方もあろうかなと思います。このスピード感について批判というか、そういう声があることについてどういうふうにお考えなのか、お聞かせください。



久元市長:
 先ほど始動というふうに申し上げましたのは三宮のことではなくて、これまで新しいことに着手をしてきた、さらにその新しいものも取り組みながら、本格的な神戸のさらなる発展に向けた取り組みを始動させていきたいというふうに申し上げたつもりです。



 それから、三宮の再開発については、スピード感に欠けるのではないかという指摘は私も聞いています。それは、ある意味で初めから覚悟をしていたところです。というのは、三宮の再開発はこれまでそういう声は上がっていた、話としてはあったけれども、市政としては取り込むことができてこなかったんですよね。これを取り上げて進めることにしました。しかし、そう簡単ではないというふうに思っていたことも事実です。



 これは三宮の再整備基本構想をつくったときも記者会見で申し上げていたと思うんですが、梅田のように広大な未利用地があるまちと違いまして、神戸の三宮にはほとんど空き地がありません。ですから、これを一つ一つ動かしていかなければいけないということなんですけれども、先ほど申し上げましたいろいろな施設を動かすのも、いろんな議論をしてきましたけれども、やっぱり正直いろんな意見があります。ですから、これをできるだけ早く、今年度、それから来年度前半ぐらいには大きな方向性を出して、それぞれのところの移転場所を決めていきたいというふうに思っております。



 そういうご批判があるということはよく理解をしますし、むしろこれを早くやるようにという激励の言葉として私は受けとめて、さらにスピード感を持って前に進めていきたいと思っています。



記者:
 3年前の選挙で公約として打ち出していた中で、こども医療費助成を段階的にゼロにするということを訴えておられたかと思います。これまで段階的に対応してこられた中で、この1期目の最後の予算において、ゼロではなく、所得制限撤廃ということで拡充をなされたわけですが、ゼロではない。検討会なども開催をされて、その中の意見も踏まえられたのだと思いますが、やはり選挙時に有権者に訴えた中で当選してこられているので、何らかの説明が必要かなと思うんですが、今回ゼロにしなかった理由というのを教えてください。



久元市長:
 そのとおりだと思います。公約の実施状況については、きちんと説明をしていかなければいけないと思います。
 公約はもちろんこれは最大限実施をしていく、実現をしていくということに全身全霊を傾けるわけですが、どのような候補者も実際に当選をして、100%実施できるということはあまりないのではないだろうかと思います。実現できないものもある。あるいは、お約束はしなかったけれども、新しい観点から取り上げるものもある。それは、やはり知事や市長に就任してきて初めてわかる事柄もあるわけですから、一般論としては実現できないものもあるということは、それはどういう自治体にあってもあるのかなと思います。



 それでこの問題について、改めて、どうしてこういう予算計上にしたのかということを少しお話をしたいと思うんですけれども、(画面を示しながら)こども医療費については、相当拡充をしてきました。私の予算編成は今回で4回目になるわけですが、26年度で3歳から中学生までの外来一部負担金の上限、−これは3歳から小学3年までが800円、小学4年から中学3年までが2割だったわけですけれども、−これを1回500円に減らしました。それから、27年度は1歳児、2歳児、−これは無料なんですけれども、−この所得制限を撤廃しました。28年度は、未就学児までの所得制限を撤廃しまして、3歳から中学生までの外来負担金の上限を400円に縮減をしました。これで毎年かなりの財源を投入してきました。そして今回、これを全部撤廃しますと6億の財源が必要になりますが、やはり子育ての負担軽減というのは、所得の多寡にかかわらず支援をしていくという考え方に立って、あまねく支援をしていくという考え方に立って所得制限を撤廃したわけです。過去4年間に16億5,000万あまりの財源を投入しております。



 それで、経済的負担につきましては、神戸市の一般財源と県の支出金も加えまして、50億近い財源を既に投入しております。さらにこれに20億要るんですね、完全に無料にするということは。この20億を投入するということがいいのかどうかということです。20億というものをさらにつぎ込んで無料にするのがいいのかということを考えたときに、やはり子供に対する支援というのは、こども医療費の助成だけではなくて、やはり女性が妊娠をし、出産をし、そして乳幼児を育て、そして保育所や幼稚園に入れ、小学生、中学生と子供が成長していく。その成長過程に応じて、やはり切れ目なく支援をしていくということが必要ではないだろうか。さまざまな施策をとってきたわけですけれども、そういうようなものを充実させていくということを考えたときに、ここに財源を集中的にするのではなくて、やはりもっと違う、求められていることがあるのではないだろうかと考えました。



 例えば、特定不妊治療費の助成、これは全ての方々がこういう不妊治療が必要になるわけではありませんが、やはり不妊治療を受けて子供を育てたいという方はたくさんいらっしゃいます。そういう方に対して上乗せをしていく。年収約1,000万円(所得730万円)未満の方の一部の治療については5万円を上乗せして20万円まで助成をする。それから、国制度では対象外となっている年収約1,000万円(所得730万円)以上の方については、現行の国制度の助成額の半額を上限に助成をするとしました。これは、拡充施策ですね。



 それから、もう1つ、妊婦健康診査助成は今9万8,000円なんですけれども、これも12万円の助成をする。やはり、妊婦の方の健康を守っていくということは大変大事ですから、これも12万円にしまして、政令市トップクラスの水準になります。
 それから、もう1つは、1番所得が高い層の保育料を引き下げる。高いといいましても、むちゃくちゃ富裕層ではありませんから、やはり保育料負担というものも一定の水準にあるでしょうから、そういうような方々に対する対応をする。



 それから、ひとり親世帯については、所得水準が残念ながら低い、そういう方に対する支援というもの、住宅に対する支援を最大6年間するというようなことをしました。あとは、子供さんの就学費の助成も拡大をすると。そして、海岸線の無料化なども実施をするということで、この限られた財源を医療費の無料化につぎ込むよりも、先ほど申し上げましたこれらの施策というものを切れ目なく、子供の成長過程に行っていく、こういうメニューを充実させるほうが限られた財源の有効な活用としてはすぐれていると、市民ニーズに合っていると考えたわけです。



 もう1つ、無料にするということがほんとうにいいのかどうかという議論があります。子育ての有識者会議でもいろんな観点から検討をいただきましたが、有識者会議での提言では、これまでの神戸市が行ってきた拡充施策は低負担でわかりやすく、長期的に受診が必要な場合にも配慮がなされているということと、それから、これまで一部負担金を無料化した市においては、当初の想定を上回る受診件数や助成額の増加が続いていると。将来にわたって持続可能な制度としていくためには、一定の負担を残すべきではないかという提言もいただきました。



 それから、一昨年の12月に、指定都市市長会において国への提言がまとめられており、ここでは、こども医療費助成については、限られた財源の中で持続可能な制度とするためには、利用者の自己負担を求めることにより適正な利用を担保すべきだと提言がなされております。現実にこの指定都市市長会の提言の後、指定都市の中で今まで無料にしていた子どもたちを有料にするという動き、あるいは一部負担金の額を増額する動きもあります。やはり、日本の社会保障全体が持続可能であるためには、医療費の増嵩(ぞうすう:分量・金額などがふえること)をどう抑えていくのかというのは大変大事な課題です。こういうことを考えたときに、神戸市が今の所得制限を全て撤廃しまして、1回400円を払っていただければ受診できる。2回目400円を払っていただければ受診できる、3回目以降は無料になるというものが、いろいろな今の社会保障の市の持続可能性とか、過大な負担を市民の皆さんに求めているのだろうかということを考えたときには、完全に無料化するのではなくて、このぐらいの負担はお願いできないだろうかというのが今回の予算案の考え方です。



記者:
 冒頭にも説明あったと思うんですけれども、若者に選ばれるまちにしたいということでしたけれども、これは、やっぱり神戸市の人口が減ってきているということを考えてご発言されたと思うんですけれども、現状、神戸市の人口が、なぜ、どういう理由で減ってきているのかという点と、今回、予算編成の中で、そのため、この辺に配慮して、この辺に投資をして、より人を定住・移住させたいとお考えになられたのかというのをお聞かせください。



久元市長:
 神戸市の人口が減少している理由というのは、なかなか1つの理由から説明するのは難しいと思うんですけれども、1つは、全国的な人口の動向から説明されると思います。この5年間、平成22年から27年の間の国勢調査で人口が増えているのは東京23区が突出をしています。東京圏に属する指定都市は全て人口が増えています。特に川崎の人口がかなり伸びておりますし、横浜、さいたま、千葉も伸びています。もう1つ人口が伸びているのが、地方のブロック圏の中心都市です。特に福岡については、九州のほとんどの地域が人口が減少する中で、突出して人口が増えています。九州の中で福岡の一極集中が起こっているわけですね。あとは、いわゆる札仙広福と言われる、札幌、仙台、広島、福岡などのブロック圏の比較的中枢都市と言われている都市が人口が増えています。それ以外の都市は人口が減っていますが、そこの中に神戸と堺が含まれます。大阪は人口が増えておりますけれども、大阪府全体は人口がマイナスになっている。京都はほとんど横ばいですね。堺は人口が減っています。つまり、大きな人口動向からいうと、東京23区を中心とする東京圏に対するものすごい人口の一極集中と、圏域のブロック都市への人口集中ということの中から神戸は外れているということです。これは全国的な傾向と符合しているという面があると思います。



 もう1つは、神戸の人口が減っている要因は、自然増減と社会増減に人口動向は大きくいって2つに分けられるんですけれども、社会増減は都市によって若干のプラスマイナスがありますが、大きく減っているのは、大きくというふうには言えないかもしれませんが、自然減が一定規模あり、それが年々拡大しているというのが神戸の人口減少を説明する大きな要因だろうと思います。



 ですから、この人口減少対策というのは2つの観点から考えなければいけないので、どうやったら子供が神戸で生まれるようにするのかということ。ですから、この子供、子育てに対する対応が大変重要である。先ほど申し上げましたように、女性が妊娠、実は結婚していただくということが重要なんですけれども、結婚をし、妊娠をし、出産をするという切れ目のない支援を行っていくということがやはり非常に大切であるのと、それから、社会増減をできるだけプラスにし、これをより大きくしていくためには、神戸全体が魅力のある都市でなければいけない。わくわくするようなまちでなければいけない。そのためには、ありとあらゆることを考えないといけないんですけれども、例えば神戸で起業する、ビジネスを起こすということ、それから、住居もちゃんと確保するような対策。これも、若年世代も所得の多寡がありますから、所得水準の低い方々についても安心して住めるような対策も、いろいろと難しいところはありますけれども、やっていくと。そのための予算を、完全ではないかもしれませんが、できる限り盛り込むようにしたということです。



記者:
 陸・海・空の広域交通結節機能の強化なんですけれども、例えば、フライ・アンド・クルーズなど、以前おっしゃられていましたけれども、機能の強化でどんな相乗効果というのを今後出していかれたいとお考えですか。



久元市長:
 相乗効果というのは、陸・海・空の相乗効果という意味ですか。



記者:
 結節機能を強化するということなので、陸・海・空を織りまぜて何か今後の都市構造というのを考えていらっしゃるのかなと思ったんですけれども。



久元市長:
 例えば神戸空港の利便性をこれから高めていくためには、コンセッションの手続もしなければいけませんが、しかし、同時に神戸空港の利便性を高めるためには、神戸空港へのアクセスということも考えなければなりません。そういう意味からいうと、大阪湾岸道路を着実に整備していく、それから、神戸西バイパスも整備をしていくということが、とりもなおさずそういうことにもつながる、これは1つの例だと思うんですね。
 それから、港と空港との連携ということからいうと、これは、例えば、フライ・アンド・クルーズと言ってもいいんでしょうか、神戸空港に飛行機で来ていただいた方がクルーズに乗るとか、そういうような対応、結びつきも必要かもしれません。



 それから、大阪湾ベイエリアの調査は、海路で大阪と結ぶというような方向性が模索できないかということです。今、神戸空港と関空との間にベイ・シャトルが走っていますが、これは30分で結ばれています。これに加えて、大阪湾、別の海路というものもできないか。これはまだまだ構想の段階ですけれども、そういう可能性も、こういう大阪ベイエリア調査の中で模索をしていきたいということです。



記者:
 医療産業都市に関してなんですが、今後は連携のために指令塔の役割が必要であると先ほどおっしゃられていましたけれども、市長がアジアナンバーワンの医療クラスターにしていきたいと以前おっしゃられていましたが、具体的に例えばどんな連携というのが今後必要になっていくとお考えでしょうか。



久元市長:
 今、どうして330社余りの医療関連企業、あるいは研究所が立地しているのかというと、理化学研究所や大学との間の連携ということが神戸で実現できるから立地しているわけです。ですから、そういう意味での個々の連携ということは既に行われているわけですけれども、この効果をもっと、シナジー効果として全面展開するということができないだろうか。そういうようなことを、個々にやっておられるのはそれはそれでいいわけですけれども、もうちょっと全体をコーディネートするような組織というものがあれば、新たな連携の可能性ということが生まれるかもしれない。それが1つです。



 それから、もう1つは、海外に対する発信というものがまだ十分ではないのではないかと考えています。つまり、医療産業都市の、理化学研究所は理化学研究所で海外の研究機関との連携というのが日常的に行われていて、海外の研究者もしょっちゅう理化学研究所のCDBに来られていますね。学会も行われています。私も時々、オープニングの挨拶ぐらいしかしませんが、医学関係の国際学会はポートアイランドの中でもよく行われています。そういうものをもっと連携すると同時に、この医療産業都市の取り組み全体を海外に向かっていろいろな形で発信していく。そのためには今の組織体制ではやっぱり無理だと思います。この体制を強化して、中での調整をやると同時に、トータルな医療産業都市の取り組みというものを海外に発信していく、そういうような取り組みを行うための機構というものが必要で、ぜひこれを平成29年度につくり上げていきたいと考えているわけです。



記者:
 若者に選ばれるまちの話に戻ってしまうんですけれども、子育て支援、教育支援、福祉の点を前面に押し出されたと思いますが、若者が外に出ていく理由として、仕事がないというのも重要な点だと思います。そのあたりについて、神戸市が来年度の予算で特に取り組まれた点、何か押し出せるものがありましたら教えてください。



久元市長:
 1つは、「500 startups」のように起業するという取り組みは、これまで28年度からスタートさせましたけれども、これを、例えば「500 startups」も、より期間を長くして全面展開をするということですね。
 こういう起業への取り組みというものが、これは全体の人数もそんなに多くありません。しかし、これはネットで検索してもらってもすぐわかりますが、神戸で取り組みをしているというのは、相当これは海外でも知られるようになっています。神戸は起業ができるまち、若者が新しいアイデアを出してそれをビジネスにすることができるというイメージ、これを広く定着をさせたい。そういうことで、そういう分野においても神戸のブランド化を図りたいということ、これが1つの方策です。



 しかし、これは、全体の数からいえば、そんなに数多くはないんですね。そういう中で、神戸のたくさんの大学や高専、短大などを卒業した若者たちが神戸でどうやって就職するのかということは、なかなかこれはそう簡単ではありませんが、そういう中で、東京の企業を目指すのではなくて、やはり神戸で就職したいという若者もいるんですね。一方で、当然、神戸の企業は、大企業、中小企業はもちろんですけれども、ぜひ神戸で卒業した学生を採りたい。これはマッチングが求められてきたわけです。



 ところが、大変愕然としたのは、大学生の100人の皆さんとの間でのディスカッションの機会がありました。ものすごい雨が、豪雨の日になって、それでも、83人かな、学生の皆さんが来て、自由にディスカッションする機会があったんですが、同じことを言うんですよ、大学生の皆さんが。「神戸の企業に就職したいと思っているけれども、情報がない、知る機会がない」。大変愕然としました。届いていないんですよね、情報が。神戸の中小企業は、なかなか学生の皆さんに届いていない。
 そのために何をしたらいいのかということ、これは先ほどの若者のグループの間でも議論になったんですけれども、もう一度やっぱり丁寧に神戸の中小企業の魅力みたいなものを伝える必要がある、説明会もきちんとやる必要があるというようなことで、先ほども紹介しましたような、地道な予算になりますけれども、これもきちんと盛り込む。



 それから、これは予算だけの問題ではなくて、こんなことをやっています、あんなことをやっていますということだけではなくて、やはり、何かいろんなことをやっているけれども、学生になかなか届いていないということを関係者がしっかりと認識をして、とにかくあらゆるやれることをやっていくということが求められるのではないかなと思います。



記者:
 今、届いていないというお言葉がありましたけれども、切れ目ない子育て支援というのも、なかなかわかりにくいというか、届きにくいものだと思います。目玉という点でバーンと押し出されていない以上は届きにくいものだと思いますが、どのように、今後、神戸が若者に選ばれていくためにアピールしたいと思っているのか、改めてお願いします。



久元市長:
 まず、子ども・子育て支援については、いろんなことをやっているんですが、届いていないと。
 それで、今回、ママフレというサイトがあって、これは子育てに対する総合サイトなんですけれども、今までは行政目線でサイトを構築していたんですよね。神戸は何局の何課がこんなことをやっています、何係はこんなことをやっています、区役所はこんなことをやっています、こども家庭センターはこんなことをやっていますという、行政目線、サプライサイドに立った情報提供だったんです。これも、サービスの受け手、市民目線、子育て中のお母さんやお父さんの目線で全面的に構築するとどういうことになるのか。例えば、「妊娠をしているとき」のタブを押したら妊娠中に受けられるサービスが出てくる、ゼロ歳のときのタブ、「ゼロ歳」を押したらゼロ歳で受けられるサービスが出てくると、こういうふうに受け手サイドで全面構築をすることにしました。



 地道なようですけれども、そういうような形で、情報を検索しやすくする、見やすくするという努力も非常に大事だというふうに思いますね。

その他の質疑応答

神戸空港 開港11周年を迎えて

記者:
 神戸空港が間もなく開港11年となりますけれども、今年度の4月から12月の実績から同ペースでいくと、多分、260万人ぐらいの利用者が出ると思うんです。開港3年目と同水準ぐらいで、大分復活しているというような状況にあるんですが、それについての市長の見解と所感をお願いします。



久元市長:
 おかげさまで、関係者が大変努力をしていただいて、神戸空港に就航している航空各社の皆さんの努力などによりまして、数値は去年の2月から今年の1月までで約267万人と。これ、前年同期比でいいますと9%の伸びになっていますから、わりあいに順調に直近の神戸空港の利用客は推移しているのではないかというふうに思っています。
 さらに、加えて今年の7月にはスカイマークの仙台線が就航することになります。これは一昨年の10月に休止をしていたんですけれども、これが復活をするということになって、これで、神戸空港の発着枠の上限、1日30往復の運航体制となるということで、引き続きこの利活用につながるように我々も努力をしていきたいと思っております。例えば、就航している各都市との間での観光キャンペーンみたいなものもまだまだ取り組む余地があるのではないか。これも、やっていることはやっているんですけれども、さらに強化をしていきたいというふうに思っております。



 当然のことながら、神戸空港が関西全体の航空需要の受け皿となっていくためには、コンセッションの手続を着実に進めるということが必要ですから、これも怠りなく着実に前に進めていきたいというふうに思っています。



記者:
 今年7月に仙台線が就航します。30便枠がちょうどまさに埋まってしまうというお話がありましたけれども、それと、一方でコンセッションの手続も進んでいまして、それはあくまでも30便が前提ということで話が進んでいます。コンセッションの手続を通じて優先交渉権者が今年8月に決まって、コンセッション後、上限30便ということなので、例えば、今の便の席数から考えて、もし利用率が8割だとしても多分300万人ぐらいだと思うんですよ。ただ、開港当時、目標はたしか400万人とかいう数字が上がっていたと思うんですけども、これ以上伸ばすためは、やはり、この発着枠をどうするのかとか、コンセッション以後どうするのかというような戦略というのは考えないといけないと思うんですが、そのあたり、どう考えられているんでしょうか。



久元市長:
 結局、3空港を一体運用するということが神戸空港の利活用につながっていくというふうに思われますので、やはりコンセッションの手続を進めていくということ。そして、コンセッションの手続を進めていくということについて、関西全体の理解を得ていく努力を引き続き行っていくということが大事ではないかなというふうに考えております。そして、そういうような手続の先に、神戸空港のさらなる利活用の拡大というような可能性を見出していきたいというふうに思っています。