神戸市-KOBE-


 

定例会見 2017年(平成29年)1月25日

最終更新日
2017年1月30日

発表項目

神戸開港150年記念事業 神戸国際港湾会議の開催
(5分22秒)

「アカデミーバー」壁画を初公開
(4分15秒)

認知症の人にやさしいまちづくりの推進について
(10分29秒)

質疑

発表項目についての質疑応答

その他の質疑応答

発表項目

神戸開港150年記念事業 神戸国際港湾会議の開催

久元市長:
 よろしくお願いいたします。今日、私からお話をする案件は3件です。
 1件目は、神戸開港150年記念事業の一環としまして、神戸国際港湾会議を開催します。この会議は、150年記念事業の最初の基幹事業として、2月13日、14日の2日間、神戸国際会議場と神戸ポートピアホテルで開催をするものです。神戸港は、震災で非常に大きな被害をこうむったわけですが、復旧復興に向けた取り組みを進め、その後、さまざまなポートセールスなども行った結果、コンテナ取扱量は震災前の水準に戻りつつあります。このようなこれまでの取り組みを踏まえまして、さらに、この開港150年の年に、神戸港の国際的な地位の向上と港勢の拡大に向けまして国際会議を開催するものです。



 国際会議では、神戸港の姉妹港・友好港をはじめ、ヨーロッパや経済成長著しいアジア各国から、26の港の港湾管理者の方々にお集まりをいただきます。姉妹港・友好港でありますシアトル港、ロッテルダム港、天津港、それから、アジアの諸港としましては、中国の上海(シャンハイ)港、大連(ダイレン)港、韓国の仁川(インチョン)港、済州(チェジュ)港、台湾の高雄(カオシュン)港、基隆(キールン)港、その他、タイ、ベトナム、ミャンマー、シンガポール、フィリピン、カンボジア、バングラデシュ、マレーシア、インドネシア、スリランカ、これらの港の港湾管理者が参加します。また、ヨーロッパからは、フランスのマルセイユ港、それからドイツのハンブルク港の港湾管理者が参加をします。



 この会議では、「グローバル社会における港の発展と未来」、こういうテーマで、それぞれの港の現状や抱えている課題などを共有する予定です。プログラムは、まず、この国際会議の全体総括をお願いしております黒田勝彦神戸大学名誉教授から基調講演をいただきまして、各参加港の皆さんは3つの分科会に分かれて議論をしていただきます。分科会Aではクルーズの展望、分科会Bではアジア物流の展望、分科会Cでは港湾管理における環境政策について協議をいただきます。



 1日目の夜には懇親会を予定しておりまして、神戸を中心に海運業界の企業、関連団体の皆様にもこの国際会議への参加をご案内しております。アジア方面に進出を検討している企業にとりましては、よいビジネスマッチングの機会ではないかと考えております。



 2日目、14日の午前中に、姉妹港・友好港提携50周年記念セミナーを開催します。姉妹港でありますシアトル港、ロッテルダム港、友好港の天津港に加えまして、ヨーロッパからマルセイユ港とハンブルク港、そして神戸港を交え、それぞれの港のウォーターフロントの再開発の取り組みを報告していただくことになっています。



 今回の国際会議を通じまして、神戸港としましては、さらなる物流の今後の展開をにらんで、東南アジアの港を中心に、今後の連携強化に向けた覚書を締結したいと考えております。生産拠点は、日本から中国、中国からベトナムやインドネシア、フィリピンというふうに、物流拠点は南下してきております。当然のことながら、生産拠点がそういうふうに変わっていけば物流も変わっていきます。航路のあり方もそのような変化に応じて見直しが迫られることになります。どういう動きが今後出てくるのかということを、この会議などでもさまざまな角度から検討しまして、将来に対する布石を打つということが重要だと考えております。そういう意味で、さまざまな協議を行い、個別の港との間の覚書の締結に結びつくことができればと考えております。

「アカデミーバー」壁画を初公開

久元市長:
 2点目が、アカデミーバーの壁画を公開します。このアカデミーバーというのは、中央区の布引町2丁目−ちょうど加納町の3丁目の交差点の山手幹線に沿った少し東側になるわけですが、−にアカデミーバーという老舗バーがありました。このバーの店内に画家の小磯良平氏など文化人16名が寄せ書きをした壁画がありまして、これが昨年の2月に神戸市に寄贈されました。寄贈を受けた神戸市としましては、半年にわたりまして保存・修復作業を行い、これが完了しましたので、現在、神戸ゆかりの美術館で「神戸ゆかりの芸術家たち−素描コレクション展−」という展覧会が開かれておりますが、この後期展示として2月1日から公開をしたいと考えております。



 このアカデミーバーというのは何なのか、(資料を示しながら)2ページ目の下に解体される前のアカデミーバーの写真をつけておりますが、これは1922年、大正11年に創業しました。このバーはもともと灘区にあったようですが、それから三宮に移り、三宮から加納町3丁目のところに移ったということです。



 この壁画は、ここのバーの常連さんでありました小磯良平、田村孝之介、小松益喜など16名の芸術家が順次描いたものです。この解体に伴いまして寄贈を受けた神戸市としましては、店主の杉本紀夫氏からの依頼を受けて専門業者が切り取りをしたものを、修復してきました。これが完成しまして、神戸ゆかりの美術館「神戸ゆかりの芸術家たち−素描コレクション展−」の後期展示で公開をするということにします。



 いろいろな絵がこの壁画の中に描かれているわけですが、それぞれの絵、それぞれの部分を誰が描いたのかということはわかっています。アカデミーバーが解体されるということになったのは残念なことではありましたけれども、こういう形で神戸の芸術の歴史の一断面が将来に向かって残されるということになったわけです。



 この壁画、修復が終わりました。この壁画につきましては、できるだけこれから長くこの美術館で公開展示をして、たくさんの皆さんにご覧をいただきたいというふうに考えております。このチラシの中にも後期−2月1日から3月26日なんですが、−「バー『アカデミー』壁画保存修復後 初公開」ということを記してありまして、たくさんの市民の皆さんあるいは来街者の皆さんにご覧をいただければと思っております。

認知症の人にやさしいまちづくりの推進について

 3番目が、認知症の人にやさしいまちづくりの推進という観点から、認知症の人にやさしいまちづくり条例につきまして検討を進めたいというふうに考えております。



 去年の9月にG7保健大臣会合がありまして、神戸宣言が行われました。この神戸宣言が行われた後、神戸市としましては、保健大臣会合の成果を踏まえて神戸市としても健康づくりに向けた独自の取り扱い、取り組みを行っていきたいと。その1つとして、この認知症にやさしいまちづくりをしていきたいと。具体的には認知症の予防のための研究ですね、これを神戸大学やWHOと一緒に行っていきたいと、こういうことをお話ししました。



 もう1つは、認知症の方が家族が目を離したすきに電車にひかれて亡くなられたと、遺族の方に鉄道事業者から多額の損害賠償があったという最高裁の判決などにも触れまして、こういう場合の被害についてはやはり家族の方だけにこれを負担していただくのではなくて、社会全体でこれを分かち合うということが必要なのではないかということを申し上げました。



 以後、これを検討してきたわけですけれども、やはりこの点については条例という形できちっと理念、考え方、あるいはやろうとしている認知症に対する取り組みを包括的に記しまして明確にするということが適当ではないかというふうに考えたわけです。そこで、今回、予算の内容の発表に先立ちまして、こういう条例の考え方につきましてお話をさせていただきたいということで用意をさせていただきました。



 仮称ですけれども、認知症の人にやさしいまちづくり条例というものの制定を考えたいと思っております。目的としましては、この基本理念として、誰もが認知症になり得ることを踏まえ、認知症の人の意思が尊重され、地域の力を豊かにすることによって、住みなれた地域で自分らしく暮らし続けることができるまちづくりを目指すということを記しております。認知症というのは特別の人に起こる特別の病気ではなくて、老化に伴い誰もが認知症になるという可能性があると。そういうことを踏まえますと、この認知症の人に対しては地域全体で支えていくという、そういうような仕組みが必要であるということを書いております。



 そのために必要な具体的な取り組みとしましては、やはり予防をしっかりとしていくと。そして、認知症にかかっていると考えられる方に対しては早期に介入をしていくということで、認知症に対する医療・介護の体制の整備をする、イノベーションの協業、神戸医療産業都市との連携を踏まえた情報発信という、これが1つのカテゴリーです。



 もう1つは、先ほど申し上げました事故に対する救済ということで、認知症高齢者の方が起こした事故に関する事故救済制度を創設するということをうたってあります。そして、大きな社会問題になっております自動車運転免許証の返納推進をするということをこの条例の中で記しています。



 もう1つの柱は地域での治療・介護ということで、認知症初期集中支援チームを全市に設置しまして、認知症の方が気軽に集うことができるような認知症カフェづくりを推進するということですね。それから、福祉サービス利用援助事業の身近な相談窓口を開設するということです。そして、地域の力を豊かにということで、地域全体で認知症の方を支え合うための取り組み、中学校区での徘回模擬訓練を実施する、あるいは、啓発活動、支え合い活動、学習の推進をする、地域に根差した介護予防事業の推進をするということです。



 もう1つは、こういうような検討を行っていく上で、有識者会議を設置します。この条例の中身も議論をしていただく。そして、この条例が制定されたときに具体的な施策を推進していくための検討も行っていただく。そういう目的のために有識者会議を設置するということで、これは認知症全般を検討する会議の本体と、それから、事故救済制度についてはこの下に部会を設けて行い、具体的に行っていきたいと考えておりまして、会議メンバーとしては、認知症や医療現場にかかわる医療関係者、介護保険に関連する方々、支援団体などの福祉関係者、あるいは福祉分野や法学分野の学識経験者、弁護士、地域団体の方々など十数名を予定しております。



 有識者会議につきましては、年度末ぎりぎりになりますが3月に設置をしたいと考えております。そして、条例につきましては、できれば早ければ年内、遅くとも年度内に制定をしたいと考えております。



 この認知症の検討、特に事故救済制度について、9月以降、さまざまな関係の方々から意見を聞きながら検討を行ってきました。それを踏まえまして、この条例案を市長提案でこの2月に提案するという選択肢もなかったわけではありません。しかし、この認知症については、やはり大変大きな社会問題でありますから、提案をして、それに対する審議をしていただくという形で議会でご論議いただくよりは、こういう骨子をお示ししまして、神戸市会でもまた別の観点から、つまりこういう骨子以外にもこういう検討も要るのではないだろうかとか、こういうことはこれでは不十分じゃないだろうかと、さまざまな議論をいただくということ、これがまずは有益ではないだろうか、これを2月市会で十分議論をしていただく。私たちはこの骨子案を市会に示して、市会でもさまざまにご論議をいただくということ、そういうことを踏まえて条例の具体化を行って、市長として条例の提案をしてきたいということが1つです。



 もう1つは、そのために専門的見地からの検討ということもやはり要るのではないだろうかということで、この有識者会議というものを設置するという必要性を感じたからです。



 どうしてそう考えたのかということについて少し敷衍(ふえん:詳しく説明すること)をさせていただきますと、実は、この事故救済制度については国のほうでも検討が行われてきました。そして、この検討について、昨年の12月に一定の方向性が出ております。それは認知症高齢者等にやさしい地域づくりに係る関係省庁連絡会議での方向性ですが、ここでは、直ちに新たな制度的な対応を行うことは難しく、今後の実態を注視しながら必要に応じて検討していく、こういう方針が示されているわけです。国がそういう方針を示しておりますので、すぐにこの制度を神戸市として創設するということについては、今少し専門的見地からの検討が要るのではないかと考えたわけです。



 この連絡会議では、認知症の方に限らず、責任能力と賠償責任に関する法制上の課題も含めた議論が必要ではないか。その範囲、財源、モラルハザードへの対応も含め、幅広い議論が必要ではないか。それから、認知症に関する事故は一定件数発生しているけれども、高額になる事案はそう多くないのではないか。あるいは、民間保険の開発が進められているのではないか。そういう理由を挙げて、直ちに国として制度的な対応を行っていくことは難しいという判断が示されているわけです。



 これに対しまして神戸市は、やはり神戸市としての対応が要るのではないかということですから、こういう見解も踏まえた上でこの制度の創設の可否、創設をするとすれば、その制度の具体的な内容をどうしていくのかということについて、やはり具体的な検討が要るのではないかと、こういうことで有識者会議の設置を行い、ここで具体的な検討を行っていただき、それに基づきまして条例の立案をして、提案にこぎつけていきたいと考えたところです。
 私からは以上です。どうぞよろしくお願いを申し上げます。

発表項目についての質疑応答

神戸開港150年記念事業 神戸国際港湾会議の開催(テキスト版)

記者:
 生産拠点が今どんどん南下していて、新しい航路のあり方というのもというお話でしたけれども、市長として、神戸港としてどんな役割を今後の航路で担っていってほしいというふうにお考えですか。



久元市長:
 神戸港は、かつては、コンテナの時代とばら積み荷の時代と少し港の位置づけは違うかもしれませんが、貨物取扱高で世界で2番目、3番目であったと。現在はこれが50番代くらいですよね。やはり、神戸港のこの位置づけをさらに引き上げていく、世界の港湾における神戸港の位置というものをこれから引き上げていくということが大事だというふうに考えております。
 これからの北米航路等を模索しながら、神戸港の今の立ち位置ということを考えれば、アジア諸港との間での連携強化ということがやはり重要であり、それが現実的ではないかというふうに考えているわけです。
 ですから、今回も、アジア諸港、中国、韓国、台湾だけではなくて、東南アジアあるいは南アジアの国々からも参加していただいて、アジアの港湾との連携を強化していくということ、これが、やはりこれからの神戸港の港勢を高めていくということから見れば、大事なことではないかというふうに考えています。



記者:
 例えば香港ですとかシンガポールの港がどんどん地位を上げていっている中で、神戸港としては、他港にない強みというのがどんなところにポテンシャルがあるというふうにお考えでいらっしゃいますか。



久元市長:
 日本は世界第3位の経済大国ですから、やはり日本経済の力ですよね。日本経済のグローバル経済における位置づけというもの、これがやはり神戸港の背後にはあるわけですね。そして、特に西日本における拠点港としての位置づけがあって、神戸港の背後には、1つの国にも匹敵する経済圏というものが、関西圏、関西経済も存在しているし、そして、神戸港は西日本からもたくさんの荷物を集めています。そういうような後背地(港湾や都市などの経済圏に含まれる背後の地域)における後背経済圏の大きさというものは、やはり神戸港としては大変大きいのではないかというふうに思います。



記者:
 このプログラムの最後に、共同宣言の発表というのがあるんですけれども、これは、どういった方向性、内容を目指していかれるんでしょうか。



久元市長:
 これは、まだこれから、実際に会議が始まる前に水面下での交渉をいろいろしながら、実際に共同宣言までいくのかどうかということを今交渉しているところですから、具体的な共同宣言の内容についてはまだ申し上げられる段階にはありませんが、いずれにしても、通常は、港の連携強化のあり方ということが中心になってくるというふうに思います。
 それから、これは共通してアジアの港について言えることですけれども、やはり、環境政策というんでしょうかね、港湾と、それから船舶の環境面での対応ということは、日本の技術は大変進んでいます。そういう面での協力ということもこの中に入れるということはあり得るかもわかりません。



記者:
 この会議の中で、例えば物流の発注サイド、いわゆる荷主側の意見というのを取り入れるプログラムというのは何か用意されているんですか。



職員:
 今回の会議は港湾管理者による会議ということになっておりますので、報告であったりプレゼンテーション自体は、その港湾管理者、各国の各港の代表の方がなさいます。ただ、神戸を中心に港運とか港湾とか企業の方々にもご案内を流しておりますので、その方が会場で聞かれて、後ほど個人的に質問をしたりとか、そういう機会はあるとは思います。

「アカデミーバー」壁画を初公開(テキスト版)

記者:
 3月26日までの公開となっているんですが、それ以降はこの壁はどうされる予定でいるんでしょうか。



久元市長:
 この壁は神戸ゆかりの美術館で保管しまして、その後もできるだけ展示をしたいというふうに思っております。今の想定では、1年のうち半分ぐらいですかね、半年ぐらいの期間は展示をするというふうにしたいと考えています。

認知症の人にやさしいまちづくりの推進について(テキスト版)

記者:
 昨年の9月の記者会見で、市長は事故救済の具体的制度設計のことについて、1つは強制保険の形、もう1つは、市が補助金とか支援金とかお金を出すという2つの案があって、保険のほうはちょっと法改正とかもあるのでなかなかしんどいんじゃないかという説明をされていましたけれども、今回また改めて有識者会議で制度設計をどれぐらいしたらいいかということを協議するということなんですが、市が一定何らかのお金を出すというアイデアのほうを軸に考えるということですか、それともゼロからもう一度検討されるということなんでしょうか。



久元市長:
 制度設計としましては、やはり一からしっかりと考えていかないといけないと思います。つまり、どういう事項を対象にするのかということ、それから、どういう方を対象にするのかということと、これを救済する仕組みですね。そこが今ご質問がありましたように、共済制度のようなもの、あるいは保険のようなもの、あるいは公費でこれを賄うというもの、いろいろとあろうと思いますけれども、そういう制度の仕組みと負担のあり方、それから、給付金額をどれぐらいにするのかということ、それから、救済の対象にするかしないかという判定の方法と手続をどうするのかと。こういうことについて検討する必要があると考えておりまして、これらについて、私どもももちろん十分検討した上でこの有識者会議に臨みたいと思いますが、専門家の方々によく議論をしていただきたいと考えているところです。



記者:
 先ほど市長方から、去年の12月、国の関係省庁会議で早急な制度化というのは見送ったという話がありましたけれども、民間の保険があるとか、そう高額でないとか、いろいろ理由があるとは思うんですが、国は見送ったわけですよね。それでもやはりこれは必要だと、何らかの形でつくらなければならないという、事故救済制度についてつくらなければならないという市長の考え方を教えてください。



久元市長:
 繰り返しになりますが、これまで私たちは認知症に関する専門家の医学者の先生をはじめ、いろいろとご意見もお伺いをしてきました。保健大臣会合に前後して、その前だったと思いますけれども、さまざまなフォーラムや、あるいは講演会なども開いて理解を深めてきました。それは、やはり認知症というのは誰でもなる事象でありまして、そういうことで認知症になった方が第三者に被害、損害を与えるということは現実に起こっているし、これからも高齢化社会の中で認知症患者が増えていく可能性もあるとするならば、やはりそれへの対応ということは考えなければいけないのではないかなと私たちは考えているわけです。
 ですから、国は、いわば制度化というものを見送った。諦めたというふうに言ってもいいかもしれませんが、神戸市としては、これはやはり諦めるべきではないのではないかというふうに、今、考えているということです。



記者:
 国の方向性等々いろいろお話がある中、他都市でも前例のない公的な保障制度ということで、進めていくのはかなり難しいんじゃないかなと想像しているんですけれども、今回、かなり国との調整も難しいのかもしれないと思うんですけれども、何かそれ以外に特別な動きをされたりもしますでしょうか。



久元市長:
 国と協議とか調整とかということ、つまり、国の承認あるいは了解を得られなければできないというものでもないというふうに思うんですね。これは別に法令上の制約がすぐには思い浮かばないですね、国の法令上の制約があるということは。いずれにしても、そこはよく研究しなければいけないと思いますが、これまでの検討の中では、神戸市が単独の施策としてこういうような制度をつくるということは可能だというふうに考えています。
 あとは、先ほども申し上げましたけれども、この制度の具体的な内容をどうするのかということですね。国はこれを諦めたということですが、神戸市としては、これはやはり地域社会の中で求められる制度ではないかなというふうに考えておりますから、とにかくこれを実現する方向で市会でも議論をしていただく、そして、有識者会議でも議論していただいて、条例案の成案をできるだけ早く用意して、あわせまして、必要な具体的な施策を具体化するということにしたいというふうに考えております。



記者:
 事故救済制度の検討については具体的にはこれから有識者会議でされるということですけれども、少なくとも、これまで市のほうで検討されてきて、これぐらいの範囲だったら対象者をこれぐらいにして、例えばケースだと、交通事故、いわゆる公共交通機関による事故であるとか、人によるけがとか、いろいろあると思いますけど、けがのケースであるとか給付金の金額であるとか、これぐらいの案だったらできるんじゃないかという考え方というのは今のところお持ちなんでしょうか。



久元市長:
 内部で検討しまして、とりあえずの案は作成しました。しかし、やはりこれは非常に大きな問題であるということ、他方面から関心も大変高いということ、そして、国の検討方向ではこれは難しいということを考えれば、一応の考え方の整理は内部的にはしましたけれども、それをすぐ今、発表し、そういう方向で条例の制定に向けて条例を提案−条例を提案するということは、あわせて事故救済制度の内容も提案しなければ、これはとても説明責任を果たせませんから、−するところまでの熟度は高まっていないということでご理解いただきたいと思います。



記者:
 例えば認知症の方が、公共交通機関による電車の事故に遭った場合の遅延損害金は、少なくとも市費であるとか給付金で支払いたいという考え方は強くお持ちなわけですか。



久元市長:
 持っております。要するに、鉄道事業者からの損害賠償に対する家族の負担をどう軽減するのかということですね。それは対象に加えたいというふうに考えております。



記者:
 民間の保険だと、例えば個人責任賠償保険であるとか、あと、最近では、今年1月ぐらいから遅延損害金に関する保険も一部の民間で進んでいるところもありますけれども、いわゆる民間の事業に対する圧迫になってしまう懸念というのは民間からあるかもしれませんけれども、そういうことに関してはどういったお考えをお持ちでしょうか。



久元市長:
 損害賠償保険の関係者からも意見を聞いておりますが、こういう、神戸市が制度を創設するということについて、否定的な意見は現時点では聞いていないというふうに承知をしています。
 ただ、同時に、民間の保険との関係ですね、民間保険に加入されている方が保険金が支払われる場合に、この公的事故救済制度をつくったときには、それとの関係をどうするのかというのは、当然、制度の仕組み方としては念頭に置いておかなければいけないと思います。



記者:
 市独自の部分として一番大きいのは事故救済制度だと思うんですけども、これは、骨子の中には特に制度については触れないで、救済制度だけをつくるという目標だけ骨子として挙げて、内容については有識者会議と、市会との検討などの中で決めていくという形でよろしいでしょうか。



久元市長:
 有識者会議では、この条例の中身も検討してもらいます。ですから、有識者会議の議論を踏まえて条例でどう書き込むのかということはあるわけですね。つまり、抽象的に書くだけではなくて、有識者会議の議論を踏まえて、事故救済制度の考え方なり、あるいは制度の概要のようなものを書き込むということはあり得ると思います。
 ただ、どうしても条例の性格上、先ほど申し上げましたように、事故の対象とか、対象とする方の範囲とか、認定方法とか、給付金額とか、そういうものは条例で書くのは多分難しいと思いますね。そこは、別に規則に委ねるか、あるいは、市長の判断、市長の権限に委ねるかということになるのではないかと思います。



記者:
 この有識者会議の中で事故救済制度自身も決めてもらうという形になるということですか。



久元市長:
 会議の中で、本体の会議をつくって、その下に部会をつくりますから、この部会の中で検討を行ってもらうということになります。
 その部会の検討を踏まえて、どこまで条例で書くか。まず、制度の内容をどうするのかということを議論していただくと同時に、制度の内容が大体こういう方向でいいのではないかということになれば、そういうような制度の内容を踏まえて、条例で具体的にどういうふうに規定するのかという作業がその後に続くことになるというふうに思います。

その他の質疑応答

安倍総理の施政方針演説

記者:
 安倍総理の施政方針演説の中で、水素エネルギーの推進がありましたけれども、市長はブログに書かれていらっしゃいましたが、やっぱり神戸は水素による電力供給というのが初めてということで、日本の中での神戸のプレゼンス(存在感)というのを、水素推進の中でどういうふうに上げていかれたいとお考えでいらっしゃいますか。



久元市長:
 プレゼンスを上げるということは大事ですけれども、それ自体を自己目的化するのではなくて、やはり、やるべきことをきちんとやっていくということだと思うんですね。
 総理の施政方針演説の中で、神戸で初めての水素発電事業が行われることに触れていただきましたし、それから、初めての液化水素運搬船による水素サプライチェーンの構築ということが触れられておりました。これは、まさに神戸が進めている事業ですね。これを着実に軌道に載せていくということ、これをとにかくしっかりと仕事をしていくということに尽きるというふうに思います。そのことが、結果的に水素エネルギーの利活用における神戸のプレゼンスを上げていくということになると思うんですね。
 やはり、水素社会の実現のためにはサプライチェーンの構築ということが大変重要で、水素エネルギーの生産については幾つかの方法があるわけですが、大量に純度の高い液化水素の生産ということは、神戸がオーストラリアの褐炭(かったん)由来の液化水素運搬船によるものが非常に有望だということになって、国からも全面的に支援をしてもらっていますから、これをしっかり進めていくということだと思います。
 それから、しっかりとこれを、水素の利活用を市民レベルでも企業レベルでも進めていくということが重要ですから、今年の3月に神戸で初めての商用水素ステーションが兵庫区の七宮町に開設されます。そういう形で、FCV(燃料電池自動車)の普及のための助成制度も設けているところですから、できるだけ裾野も広げていくというようなことが大事ではないかなというふうに思っています。