神戸市-KOBE-


定例会見 2015年(平成27年)10月28日

最終更新日
2015年11月2日

発表項目

海外出張報告(メキシコシティ)
(1分49秒)

「都心三宮推進本部」の設置
(1分52秒)

神戸医療産業都市の海外向け発信
(2分58秒)

平成27年度神戸市文化賞・文化奨励賞・文化活動功労賞の
受賞者決定および贈呈式の開催
(4分01秒)

質疑

発表項目についての質疑応答

その他の質疑応答

発表項目

海外出張の報告(メキシコシティ)

久元市長:
 どうぞよろしくお願いします。今日、私からお話を申し上げたい案件は4件です。
 1件目は、10月14日から10月18日までメキシコに出張させていただきました。用務は、OECDからの招待です。「首長と閣僚の円卓会議」という会議がありまして、出席しました。テーマは、「大都市の世紀」というタイトルで、レジリエント(危機回復力に富む)で包摂的な都市の形成に向けた政策づくりについて議論しました。16カ国から閣僚が9名、首長、知事や市長が15名参加しまして、議論をさせていただきました。


 この会議に参加するとともに、山田駐メキシコ大使からメキシコの情勢についていろいろと説明していただきました。特に、メキシコは経済発展がこれから見込まれる国でありまして、特に太平洋側の港湾都市が発展しています。今後の神戸港とメキシコ港との航路の開設の可能性といったような事柄についても、大使と、それから大使館の国交省出身の幹部とも意見を交換しました。
この結果、すぐに航路開設の道筋がつくというわけではありませんが、これからみなと総局を中心に中南米諸国との航路開設に向けたリサーチというようなことにも取り組んでいきたいと思っています。

「都心三宮推進本部」の設置

久元市長:
 2番目は、庁内に都心三宮推進本部を設置します。9月に神戸の都心の未来の姿「将来ビジョン」、それから三宮周辺地区の「再整備基本構想」を策定しました。この両方のビジョン、構想をできるだけスピード感を持って具体化していくために、「都心三宮推進本部」を設置します。本部では、この施策の総合的な戦略を市役所が一体になって進めていこうということ、それから実施方針や実施工程、あるいはその進捗管理、こういうようなことを本部で調整します。本部長は市長、副本部長は副市長、そして本部員には市長室長、企画調整局長以下関係局長と中央区長が入ります。よくこういう本部は全局長で構成されるというものが多いわけですが、戦略的に物事を進めていくために関係局長に絞っています。


 そして、この推進本部は11月4日に第1回の会議を開きたいと考えています。推進本部の中には4つの部会−都心の戦略、都心のデザイン推進、都心の公共空間活用、新バスターミナルの整備−を設けまして、それぞれ部会で議論したものに対し必要に応じて本部会議を開催し、スピーディーに進めていきたいと考えています。

神戸医療産業都市の海外向け発信

久元市長:
 3点目が、神戸医療産業都市の海外への発信です。神戸医療産業都市の海外への発信は大変大きなテーマだと考えていまして、これまでも海外からのツアーを誘致したり、それから私もロンドンやサンフランシスコなどで医療産業都市の状況を発信してきました。現在、ポートアイランドには、310社・団体が進出をしています。


 そこで、この海外発信として、1つは駐日海外メディア特派員向けのプレスツアーを行います。10月29日の11時から17時半まで、スーパーコンピューター「京」、あるいは理化学のCDB、さらにはカナディアンアカデミー、資生堂、スペクトリスマルバーン日本事業本部などの視察を行って交流会を行いたいというように考えています。参加されますのは、駐日海外メディア特派員15社17名です。これが1つですね。


 もう一つは、英語版のフリーペーパーの発行を行います。私はかねてからこの多言語−特に英語−による医療産業都市の発信というものが大変重要ではないかと考えていましたので、こういうものをつくって海外に配布をしたいと考えています。海外から来日しているビジネスマンなどが手にとると考えられる首都圏のホテルや観光案内所などに置きたいと思っていますが、当然のことながらこのフリーペーパーは海外でも配布します。


 それからもう一つは、「MEDICA2015」、これは11月16日から19日までデュッセルドルフで開催されまして、前年度は66カ国、4,831社が出展し、来場者が約13万人という規模の大きな見本市です。この「MEDICA2015」に神戸医療産業都市のブースを設置しまして、医療産業都市のビジネス環境、あるいはiPS細胞を使った世界で初めての臨床研究、あるいは医療産業都市の最先端の取り組みなどを紹介します他、共同出展する企業の海外でのビジネス展開をサポートしたいと思っています。

平成27年度神戸市文化賞・文化奨励賞・文化活動功労賞の受賞者決定および贈呈式の開催

久元市長:
 4点目が、平成27年度の神戸市文化賞、文化奨励賞、文化活動功労賞の受賞者を決定しましたので、報告させていただきます。この賞は、昭和48年度(1973年)に開始した伝統ある賞です。


 1つは神戸市文化賞、これはスポーツを含む学術、芸術などの分野において、本市の発展に貢献し、その業績が顕著な個人・団体に贈呈します。2番目に神戸市文化奨励賞ですが、これは同じ分野で新進気鋭の方、その活動が特に将来において期待をされる個人・団体に贈呈します。3番目の神戸市文化活動功労賞は、社会部門−体育部門は含まないわけですが−この学術、芸術などにおいて、長年にわたりひたむきな努力を続け、活動と功績が顕著な個人・団体に贈っています。贈呈式は11月16日に行います。
 

 賞ですが、神戸市文化賞については賞状と銅鐸レリーフと30万円の賞金、それから神戸市文化奨励賞については賞状と賞金50万円、それから神戸市文化活動功労賞については賞状と10万円の賞金となっています。


 今年の文化賞については児童文学の岡田 淳さん、洋画の上前智祐さん、彫刻の新谷英子さん、声楽の田中潤子さん、文化振興の下村俊子さん。文化奨励賞については、アニメーションの和田淳さん、コントラバスの幣隆太朗さん、中国古筝(こそう)の−作曲もされます−伍芳さん、それから茅葺き屋根の葺き替えを手がけておられます相良育弥さん。文化活動功労賞については、洋画の東浦好洋さん、書のはま田宙子さん(「はま」はさんずいにうかんむりの中が"眉"の下に"ハ")、邦楽の上田親智井さん、ポピュラー音楽の発表の機会、演奏の機会を提供しておられます神戸チキンジョージ、それからジャズの西日本アマチュアビッグバンド連絡会です。


 今年のこの各賞の特徴ですが、多様な分野・領域から選定をさせていただいたことです。芸術作品の制作の分野に留まらず−例えば音楽の機会を提供する、それから茅葺きの葺き替えを行っておられる方ということで−神戸の地に根づいた、文化に根差した選定を行いました。北区は、神戸市内でも最も茅葺き民家が多い地域ですが、もう数百年も前からずっと続けられてきたそういう分野、それからジャズのように神戸に入ってきて根づいている文化、それからアニメーションのように日々神戸を舞台に進化している、そういう多様な文化領域に着目しまして、幅広く多様な活躍をされている皆さんに賞をお贈りするということで、こういう決定をさせていただいたわけです。

発表項目についての質疑応答

「都心三宮推進本部」の設置(テキスト版)

記者:
 設置期間などが書かれていませんが、いわゆる時限的な本部なのか、それとも恒常的な本部として置いていくのかと、どの辺りまでを目標にこの本部で推進していくのかという、その大体の見込みを教えてください。



久元市長:
 本部設置の考え方自身は、時限的なものだということになると思います。しかし、その時限的なものは、三宮の開発・都心の再生というのはかなり時間がかかると思いますから、やはり相当程度の期間設置をするというふうに見込んでいます。
三宮の再開発については−これはまだまだ明確なスケジュール感は持ち得ていませんが−大体30年ぐらいのスパンで考えていますが、この推進本部についてもある程度長い期間をかけて存続させ、推進していくつもりです。



記者:
 部会には、部会員として民間の事業者等は入る予定になりますか。



久元市長:
 これは庁内の本部ですから、民間から入るということは想定していません。これは、要するにビジョンとして決めたもの、構想として決めたものを神戸市が責任を持って推進していくために設置をするものなので、この本部には外部の方は入っていただくということは想定をしていません。
しかし、当然のことながら、この三宮の推進本部については民間事業者の皆さんとの調整が必要ですから、きちんと庁内で連絡調整を行って、そして責任を持って民間事業者の皆さんに、「あっちに行ったらこう言われ、こっちに行ったらこう言われ」ということがないようにしたいというような趣旨で設けています。

発表項目以外の質疑応答

神戸創生戦略について

記者:
 神戸市の地方創生案がまとめられて、明日国に提出されると思いますが、市長のアピールポイントを教えてください。



久元市長
 やはり神戸創生戦略では神戸が3年連続人口減少になっているということ、人口に関する有識者会議の検討、あるいは増田寛也さん(神戸市の顧問)のアドバイスなども踏まえまして、人口の見通しというものを立てました。そして、まず、人口の全体目標を立てた上で、年間1万2,000人の出生数を維持したいということ、それから若者の神戸市の転入を増やして、東京圏への転出超過−年間2,500人あるわけですが、−の解消を目標としています。
 そのためには、やはり安定した雇用、それから若い世代の結婚、出産、子育てをしやすいまちづくりということで、前者については、これはかなり政策の体系は多岐にわたるわけですが、特にほかの都市と差別化した、若者が魅力を感じるような起業、創業の支援、−スタートアップオフィスが、そのリーディング的な施策になると思いますが、−それから航空宇宙分野など神戸を支える次世代のリーディング産業の育成と、それから女性の結婚、出産、子育てとしては、県と連携をした出会い、結婚の促進と妊娠サポートなどの充実、特に多子世帯に対する経済的支援の拡充、こういうことを盛り込んでいます。特に、就業と、女性の活躍ということを念頭に置いた場合に、働き改革としてテレワークの推進、これをぜひ民間企業の皆さんとコラボレーションしながら、推進を図っていきたいと思っています。



記者:
 IT産業が、他の都市との差別化を図る産業として、一例として重点的に書かれていると思いますが、なぜそのITを重点的に育成されるという方針をとられたのか、理由を教えてください。



久元市長
 都市産業、産業振興の切り口として、神戸は日本を代表する都市ですから、都市産業を育成することが必要です。そして、都市産業を考えたときに、やはりこのIT産業というのはもう相当長い歴史があるわけですが、これからも例えばIoT等新しい分野への展開も見込まれますし、相当程度神戸ではIT産業の集積が行われています。
 それから、神戸には多数の大学でこのITを研究する研究者、それから学生の皆さんがいらっしゃいます。そういうシーズがあり、また将来このITを使った産業振興、それから人材育成、そしてITを使ったさまざまな、この文化面も含めた波及効果が見込まれるということで、やはりこのIT産業の育成と人材育成ということは、非常に重要な分野であり、また可能性が大きいと感じています。



記者:
 女性の活躍というところでテレワークを推進されるということでしたが、神戸市内の企業だけでなく、いわゆる他の都道府県の会社に勤めている方が、例えば神戸市に住みながら働くということも想定をされているのでしょうか。



久元市長:
 神戸で働いて、神戸に住んでおられる女性。特に神戸の場合には、働いておられる女性の方の割合が全国平均に比べて少ないわけです。これはあくまでも、−もうそういう選択をされないということであれば別ですが、−働きたいけれどもなかなかそういう環境が整っていないということなのであれば、環境を整えていきたい、その有力な方策がテレワークです。
 しかし、このテレワークも、神戸市内の企業からの仕事を在宅の女性が請け負う、あるいは神戸で勤めておられる方が在宅で仕事をするということだけではなくて、むしろIT、ネットを活用して、この神戸市域外、東京を含む企業からの仕事を在宅で行うと、こういうアプローチは十分成り立つと思いますし、先般も東京でそういう企業とのコラボレーションの発表もさせていただきました。できるだけ幅広い分野で、あるいは幅広い手法で女性の在宅テレワークを進めていきたいと今考えています。

旭化成建材による杭工事について

記者:
 まず、神戸市として現状で工事の情報をどのように把握されていらっしゃるかが1点と、今後の対応について、以上2点お聞かせください。



久元市長:
 まず、現状をどのように把握しているのかということですが、旭化成建材から、これは10月22日の記者会見で、同社が過去10年間に杭工事を行った実績の都道府県別、あるいは用途別の状況が報告されました。これが全国で3,040件あるわけですが、このうち神戸市は32件あります。この状況については、私どもも承知をしています。
 用途についてはまだ精査中ですが、現時点でこれをそのまま公表いたしますと、やはり所有者の方への不安、それから財産価値の下落というデメリットも予想がされますから、現時点における公表は行わないことにしています。これは、神戸市だけの判断ではなくて、多くの自治体がそういう判断をすると思います。
 もう一つは、神戸市が所有している公共建築物については15件把握をしています。この15件の工事の内容は、旭化成建材から発表があった内容と杭の工事のやり方が違います。前者(32件)は、既製コンクリート杭というやり方で、この既製コンクリート杭で行われた工事が、まさに横浜のマンションで問題になったタイプの杭です。神戸市の15件については、これは鋼を使った鋼管杭ということで、タイプが違います。これにつきましては、本市の技術職員が工事記録の内容を確認しまして現地調査を行い、傾斜、沈下等の不具合は生じていないことを確認しています。
今後、さらにこの件については、安全性をしっかりと精査をしていきたいと思っています。



 今後の対応ですが、後者については一応の対応は終えていると思いますが、前者につきましては今後国が、神戸市の32件を含む3,040件につきまして、旭化成側にデータの改ざんの有無の調査をして、11月13日までに国に報告するようにという指示をしています。そしてその中で、施工データの流用などが明らかになった工事については、国から特定行政庁−これは神戸の場合には神戸市ということになりますが、−に連絡があることになります。その後は、状況を見て判断をしたいと思いますが、建築基準法に則った法的な措置を講ずることになろうかと思います。



記者:
 3,040件中32件は神戸市内にあり、こちらには公共施設は含まれないという認識でいいでしょうか。



久元市長:
 そうです。32件は全部民間の建物です。

神戸国際フルートコンクールについて

記者:
 先日、補助金全額打ち切りの方針を決められましたが、その理由として市民への還元性が低いということが1つありました。財政を考える上でその観点はすごく大事だと思うんでいますが、これまで既に市税も投入されており、多くの演奏家も誇りに思ってプロフィールに刻まれており、春から市民の方も存続に向けて活動されている中で、全額打ち切りというのは少し乱暴な印象を受けます。段階的に減らすとか、他の事業もあわせて節約を考えて削減効果を生み出す方法は考えられなかったのでしょうか。



久元市長:
 質問がありましたので、少し説明をさせていただきたいと思いますが、このフルートコンクールへの対応は、フルートコンクールを廃止するということではありません。それは続けることが望ましいだろうとは思います。問題は、このコンクールに市民の税金を投入することが適当なのかどうかということです。
 前も説明したかもしれませんが、標準的、代表的な指標で言えば大幅に改善をしてきていまして、神戸市の財政状況は大体中の上ぐらいになっています。しかし、神戸市の財政状況は決して予断を許さないと考えています。1つは生活保護費がものすごく増えています。平成5年から平成26年は368億円が835億円と大幅に増えていますし、これは児童福祉についても、平成5年のこの20年余りに158億円が573億円に増えている。障害者福祉についても75億円から372億円に増えていますし、さらに増える。それから、保険会計、国保などへの支援も137億円から503億円に増えている。とにかく、社会保障経費は間違いなく増え続けています。
 そういうことを考えますと、やはりこれまでやってきたものについて税金を投入する優先順位をつけていかなければいけない。その優先順位のつけ方というのは、やはり市民福祉を向上させること。これは市民福祉を向上させるために、神戸市が絶対にやらなければいけない要素が強いのか弱いのかを考える。そうすると、やはり社会保障あるいは教育に関する事項、義務教育は子ども・子育て、障害者、高齢者福祉、医療・介護、こういうところに優先的に予算を配分しなければいけないだろうと思います。



 もう一つは、こういう義務的な要素については、そのサービスの受益者が特定をされるものと不特定のものがありますが、やはり税金を投入するのは1人では対応できないもの、不特定の市民が受益を受けるもの、道路、公園、ごみ処理、公衆衛生、公共交通、上下水道、消防・・・、こういうものがやはり優先順位としては高いわけです。
 そうじゃないもの、スポーツ、レクリエーション、文化、芸術が典型的なものになろうかと思いますが、ここに税金を投入することによって不特定多数の市民がそれによって受益を受ける、それがにぎわいの創出につながる、あるいはそういうことをやっていることが神戸への移住・定住につながる、あるいは都市産業の振興にもつながっていって、雇用・人口増につながるのかどうかという観点から、やはり市税の投入の考え方は整理しなければいけないのではないだろうか。そういう寄与が少ない事業は、これは税金ではなくて市民、企業、NPOの皆さんや多様な主体で負担をしていただくことがやはり必要なのではないかと思います。



 それともう一つは、神戸市の財政状況は全体として改善していますが、これは経常経費、つまり今年度消えていくお金。人件費、生活保護、あるいは子どもの医療費の助成、保育所の運営、学校の運営費、そういう今年消えていくお金というのは、現在の世代が負担をしなければいけません。道路をつくる、橋をつくる、トンネルをつくる、建物をつくるとかいうのは、建物をつくった後それが20年、30年使われますから、これは後世代が負担をしても構わない、だから借金をしてもいいということになります。しかし、今年度消えていくお金は、これは今の世代が負担をしないといけないのですが、現実には将来の世代の負担になっています。つまり、赤字地方債、そして地方交付税の将来負担、それから国庫支出金の赤字国債で埋めているもの、こういうような、今年度消えていくお金のために将来世代にツケ回しされているのが今の神戸市の財政状況であるわけです。
 そういうことを考えますと、このフルートコンクールを受ける参加者はほとんど市外です。そして、そこに1次審査で落ちた人はすぐに神戸を離れます。2次審査を落ちた人はすぐに神戸を離れます。そして、最終審査に合格をした方々についても、その活動の舞台はほとんどが神戸市外です。そういうことを考えたら、これに税金を投入することについては全く理由がないと私は思います。
 ですから、子育て支援、子どもの安全対策、いろいろやらなければいけないことがいっぱいある中で、フルートコンクールに市税を投入する、これは余裕がないのではなくて、結論は、市民の税金を投入する理由を見出しがたいというのが、私の現時点の考え方です。



記者:
 受益者の特定ができない、市民の中に受益者が少ないということですが、その神戸国際フルートコンクールが国際的に一定の評価を受けているわけで、世界の名だたる音楽家の音楽界の中で神戸の名がこのフルートコンクールによって浸透している点については、還元性は全くないとおっしゃるのでしょうか。



久元市長:
 神戸の名前が知られているということは一定あるかもしれませんが、神戸の名前が世界でどう知られているのかということについては、例えば神戸が国際的な港湾であること、それからよく聞くのは、神戸ビーフであるとか、いろんな要因で知られているわけです。5,000万円をかけて神戸の名前を知らせるために税金を投入するというだけの理由は見出しがたいだろうと思います。



記者:
 これは市が直営で始めた事業で、市民に浸透してこなかった、還元性が低かったというのは主催者の市の責任が大きいと思います。それを今頑張って市民の方が春から何とか広めようと思って活動を頑張っておられるわけですが、そこへの考慮は全くなかったのでしょうか。



久元市長:
 ですから、私は何もコンクールの存廃を問題にしているわけではありません。やりたい方がされたらいいということだと思います。
 そして、要するにこれはお金の話なんですよ。お金を投入する理由を見出しがたいということを申し上げているわけで、コンクールを存続させるということが、ぜひこれは市民としてやっていこうということであれば、大いに市民の盛り上がりに期待をして、その財源の負担も含めて、大いに市民や地域の皆さんが自らお考えいただくということが必要なのではないかと思います。



記者:
 市民が続けていくとなれば、一からお金をかき集めないといけないわけで、市が税金を使ってやるのとは全く違うと思いますが、それでも公費投入は一切しないということですか。



久元市長:
 しないという判断は、一方的にしているわけではなくて、先ほど申し上げましたような神戸市の財政状況とか、今後の社会保障費が増嵩するという中で、優先順位をつけていかなければいけないというとこですね。優先順位をつけていく考え方は、先ほど申し上げたとおりです。何も国際フルートコンクールを狙い撃ちにしているのではなくて、先ほど申し上げましたような定性的な考え方から言うと、そういう類のものは税金に頼るのではなくて、それが必要だと考えるような市民の皆さん、企業の皆さん、あるいはいろいろな団体、NPOの皆さんが十分議論をして、相談をして、財源の面でもしっかりと工面をして、工夫をしていただくということが必要なのではないかということを申し上げたわけです。



記者:
 今後、他の文化事業については、見直されるということになるのでしょうか。



久元市長:
 それはこういう考え方で、文化事業ということだけではなくて、要するに事務事業の見直しを私は市長就任してから行ってきました。その際に市役所の皆さんにもメールでお願いをしているのは、やっぱりやめる勇気を持つべきだろうと、新しいことにチャレンジをしてきているわけです。これは私が就任してからではなくて、例えばこの国際フルートコンクールも1985年からやっているわけですが、その後に、例えばビエンナーレも始まっている。ルミナリエも地震の後、続けられてきているわけですね。あるいは、ジャズフェスティバルみたいなものも起きてきている。いろんなイベントが加わってきている。そうすると、必要な財源を必ず投入しなければいけないような事業がどんどん増えていくとするならば、先ほど申し上げましたような考え方で、これはやめていく、あるいは税金の投入を減らしていくという分野がなければ、財政運営は持続性をもちません。ですから、これはそういうような考え方で、聖域を設けることなく事務事業の見直しを行っていきたいと思いますが、国際フルートコンクールについてはその典型でありまして、先ほど申し上げました理由から言えば、市民に対する福祉にはなっていない。それから、極めて特定の方だけが受益を受けている。その受益を受ける方々はほとんど市外であるということです。ですから、税金を投入するいかなる理由も見出しがたいと私は思います。



記者:
 これまで神戸市も主催者の中に名前を連ねてきたわけですけども、次回以降、、これまで主催者として関わってきた市が、今後コンクールにどういうふうに関わっていくのかどうかというお考えと、昨日の議会でも市民の方々に市としてもできることを検討していきたいということをおっしゃっていたと思いますが、例えばどういう手段なりメニューで、市という立場で関わっていくことができるのかどうか、もう少し詳しく教えてください。



久元市長:
 私は公費は投入はしないと。市民の皆さんの盛り上がりに期待をしたいということですから、そういう市民の皆さん、あるいはこれを推進されようとしている皆さんがどういう取り組みをこれからされようとしているのかということを具体的に提案いただいて、その上で私どもも相談に乗らせていただきたいと思います。例えば、私どもも協賛あるいは寄附をしていただけるような方を一緒に探すことができないだろうかとか、そういうことは支援としては挙げられるかと思います。
 要するに、これは金目の話をしているわけです。財源の話をしているわけですので、そういう点で一緒に汗を流すということはあり得るかもわかりません。ですから、そういうことを自分たちとしてはどう考えるのか、進めたいと思っておられる方についてはそういう御意見をいろいろと私どももお伺いするということで、公費の負担はしないつもりですが、玄関は広く開かれておりますので、遠慮なくお越しいただければと思います。
 それから、市が主催をしてきたということなので、唐突に負担をやめるのはおかしいのではないかということですが、その理屈が正しいのであれば、今までやってきたことは、去年やってきたことは今年もやらなきゃいけない。今年やってきたことは来年もやらなければいけないと思います。これは私の市政運営の考え方とは根本的に違います。それはやはりこれまで神戸市が取り組めなかった分野にも取り組んでいく。しかし同時に、これまで取り組んできた事業についても必要な見直しを行って、よく議論をして、そしてこの事業を廃止する、やめる。やめる勇気をやはり我々は持たなければ、先ほど申し上げましたようなこの財政状況で、持続的な財政運営を行っていくことはできないと私は思います。

憲法集会への後援について

記者:
 先ごろ、11月3日に憲法集会を企画した憲法集会実行委員会の方が協賛を市に申し込んだ際にその判断理由として、「総合的な判断」という回答がありました。その総合的判断というものは幾つかの要素があって総合した結果であるべきであって、総合的判断という回答がまかり通るというのが私には理解できないのですが、その点、総合的とはどういうものを判断してその結論に導けた、その要素というのはどんなものがあるのか、教えてください。



久元市長:
 この憲法集会かどうかはわかりませんが、憲法をテーマにした集会については、この記者会見の場でも議論になったことがありまして、それについては私もお答えをしたことがあります。(平成27年4月21日市長定例会見)ただ、11月3日の憲法集会については、私のところまで話が上がってきているかどうかはちょっと定かではありません。
 要するに、催し物の後援というのはたくさんあります。ですから、全て私のところまで上がってくるわけではありませんが、今の事柄については直接最近説明を受けたことはありません。
 ただ、その憲法集会というものが以前同じ団体が主催をして、そして申し出られたものであるかということについては、かつて説明をさせていただいたことがあります。説明を繰り返させていただきますと、そういう憲法の議論をするその催しが、例えば公の施設を使用したいというケース、このケースについては基本的には許可をすべきだと思います。それは、公の施設については地方自治法でその施設の利用については公正、平等でなければいけない、−正確な文言は少し忘れましたが、−それから不当な差別的な取り扱いをしてはならないということが書かれてありますから、そういう法的要請のもとに、その内容がどのようなものであるのかということに吟味を基本的にはすることなく、特段大きな支障が生ずるということがないのであれば、あるいは公序良俗に違反をするということでなければ、基本的にはこれは公の施設の利用を拒んではいけない、正当な理由がない限り拒んではいけないということになるかと思います。



 それから、後援というのは、そういう施設利用とは違います。後援というのは神戸市としてその催しの趣旨に賛同して、市民の皆さんに対して積極的に参加をしていただいたらいかがですかというメッセージを含むことになるわけです。ですから、そういう内容のものなのかどうかということについて、私どもはやはり判断をする必要があると思います。その判断は、施設の利用を認めるか認めないかということではなくて、そこは私どもがそういうメッセージを送ることが適当なのかどうかということについての幅広い判断の裁量の余地はあると思います。ですから、総合的な判断をしたということで担当部局は答えたのだろうと思います。



記者:
 その総合的判断という回答が、市として説明責任を果たしているのかどうかという点については、今まで後援を受けていた団体からすると、いわゆる行政事務の公平性というか継続性みたいな部分も損なわれているわけですし、その総合的判断というのが十分な説明だったのかという部分の是非はあると思いますが、その点、市長はどのようにお考えになりますか。



久元市長:
 今、公平性が損なわれているとおっしゃいましたが、それはどういう意味でしょう。



記者:
 前回は(市が)後援をしたけれども、今回はしていないという部分です。



久元市長:
 いつ後援をしたのですか。



記者:
 10年程前だったいう話ですが。



久元市長:
 それは10年ほど前と今回の後援とが同じものなのか違うものなのか、あるいはその主催団体も同じで内容が同じかどうかといった点について精査をしないと、同じ後援かどうかはわかりません。



記者:
 説明責任の問題で、総合的判断というのがふさわしい説明なのか、十分な説明だとお考えになるのでしょうか。



久元市長:
 文書で回答するわけですし、それからたくさんの後援の催しがあって回答する中で、一つ一つについてどこまで詳しい説明をするのかということについては、それは議論の余地はあるだろうと思います。
 しかし、先ほど申し上げましたように、例えば施設の利用を拒む場合には、これは法律上正当な理由がなければ拒んではいけないという規定があるにもかかわらず、それを使わせないということであれば、相当委曲を尽くした説明が必要だろうと思います。
 しかし、後援というものは、先ほども申し上げましたように、神戸市としてこれは市民の皆さんに対して非常にいい内容なので参加していただいたらいいのではないでしょうかという判断をしているものなんですね。そういうものを行うか行わないかということについて、私どもはそれは総合的な判断で後援をしないということは、文書による説明責任としては果たされていると思います。
 同時に、その文書による説明では納得できないということであれば、それは担当者との間で十分な意見交換をして、納得できる説明を求めていただいたらいいのではないかと思います。

1.17地下鉄臨時便の今年度の対応について

記者:
 今年は臨時便を出して多くの人が利用して喜びの声も大きかったと思いますが、来年の臨時便はもう出さないということを決められたということについての市長のお考えと、来年の1月17日は日曜日になるので、多くの人出も見込まれると思いますが、ほかに代替手段などを考えられることはあるのでしょうか。



久元市長:
 これは、私は交通局から相談を受けておりませんでした。新聞の記事で知りました。ただ、これは実際にこの運行便を、今年は震災20年ということで相当無理をして運行したのではないかと思いますし、そのことによって、やはりその後に続く車両の運行にかなり苦労したということなのではないかなと想像します。ですから、そういうことを勘案して交通局がそういう判断をしたと思います。ですから、車両運行の実態面に即した判断をしたのだろうと思います。



記者:
 代替手段等を講じられるとかということはありますか。



久元市長:
 交通局から特段の報告は受けておりませんので、今すぐお答えをする材料はありません。

政務活動費の問題

記者:
 市長として、市民の立場から、今回合意された再発防止策について感想があればお願いします。特に、政務活動費の減額とかには触れられてないと思いますが、そのあたりも含めてお願いします。



久元市長:
 再発防止策の合意事項については、昨日見せていただいたばかりです。とにかく政務活動費については、既に起きている問題について原因が何なのかということをしっかり究明していただきたいということと、それから不適正に使用された可能性が極めて高いということですから、未返還の政務活動費の返還を速やかに行っていただきたいというふうに考えておりますことと、それから再発防止策についてしっかりと措置を講じていただきたいということだと思います。
 それから、これまでの政務活動費の執行に比べれば、改善点があるということは事実だろうと、一歩進んでいるということは事実だろうと思いますが、これで尽くされているのかどうかということについては、政務活動費については市民からも非常に厳しい批判も浴びていますから、市民の皆さんの目から見てどうなのかという議論も行われた上で、万全の再発防止策を講じていただきたいと思います。