神戸市-KOBE-


定例会見 2015年(平成27年)5月13日

最終更新日
2015年5月18日

発表項目

第45回神戸まつりの開催
(1分07秒)

災害援護資金貸付金の返済免除対象者の拡大
(12分38秒)

質疑

発表項目についての質疑応答

その他の質疑応答

発表項目

第45回神戸まつりの開催

久元市長:
 私からお話を申し上げたい件は2件です。
 最初に、「第45回神戸まつり」が15日(金)から3日間開催します。15日(金)は文化ホールで合唱フェスティバルを開催し、16日(土)は各区のまつり、そして17日(日)は、メインフェスティバルを開催します。



 今年は、例年のサンバあるいはマーチング、和太鼓に加えて、東灘区の御影地区のだんじり、そして神戸と東北の中高生による合同ジャズバンド、あるいは東日本大震災の被災者の皆さんにもおまつりパレードに参加していただきます。
 たくさんの皆さんに、神戸まつりに参加をしていただきたいと思っています。

災害援護資金貸付金の返済免除対象者の拡大

久元市長:
 2件目は、災害援護資金貸付金につきまして、新たな方針を決定しましたので、少し説明をさせていただきたいと思います。
 阪神・淡路大震災の災害援護資金貸付金については、これまで免除要件が狭すぎるのではないかということで、国の方に要請を行ってきました。先般は、西村康稔内閣府副大臣にも直接、詳しく私も御説明を申し上げました。



 そこで、内閣府から4月22日に新しい法定免除の要件の方針−要件を実際に拡大していただいたということですが−が示されたわけです。私どもとしましては、免除要件の拡大をお願いしてきましたので、こういう方針を国が示していただいたということについては、大変ありがたく感じているところです。



 そこで、この新しい免除の適用に当たりましては、自治体の判断がかなり幅広く認められることになりましたので、神戸市として新たにこの免除をする場合の考え方につきまして、御説明をさせていただきたいと思っています。
 結論から申しますと、借受人と保証人の皆さんの資力を確認することが必要になってきますので、現在行っている償還請求を一時見合わせる、「償還保留」という措置をとります。
 そして、償還中の借受人と保証人の方々に対しまして、この制度を説明すると同時に、償還請求を保留するという案内を行います。そして、その上で資力の状況調査をすることになります。



 いつからこの保留をするかということですが、口座振替分につきましては、今年の6月1日に引き落とす分から1年間保留します。
 すなわち、今年の5月分から来年の4月分までということです。納付書分につきましても同じ取り扱いをします。対象となるのは、現在、少額償還中の借受人と保証人の皆さん、合計8,200人です。



 今後の進め方ですが、今月末までに、これらの案内文書を郵送しまして、6月中旬から11月末までに、借受人と保証人の皆さんの資力状況調査を実施します。そして、免除の可否に関する決定通知は、返済期限から10年を経過した方から順次行うということにします。県とも相談をしました判定式ができています。所得と資産、そこから負債と生活費を除いた額が月額償還相当額を下回っている場合は、返済できる見込みがないと判断します。上回っている場合については、返済できる見込みがあるということになります。



 これまでの経緯につきましては、平成7年5月から貸し付けを実施しまして、平成12年5月から償還がスタートしました。そして、10年という返済期限が到来しましたのが平成17年5月です。
 ここで返済期限が到来したわけですが、償還の状況に鑑みまして、償還期限を5年間延長すると、そして更に3年間延長する、更に再々延長を3年しまして、今日に至っているということです。そしてこの間、少額で償還をされる方がいらっしゃいまして、完済をされた方もいらっしゃいます。



 現在の償還状況について、既に償還が終わっている皆さんは2万3,494人、578億円余りが貸し付けされましたが、完済されています。償還免除された方は−これは借受人が死亡、あるいは重度障害に陥られた方ですが−2,077人、51億8,900万円を償還免除しました。
 したがいまして、現在、6,101人の方が未償還となっていまして−146億5,600万円貸し付けをし−96億9,300万円が債務として残っているということです。このうち、回収不能と考えられる方が717人、回収困難であると考えられる方が485人、猶予中が444人いらっしゃいまして、少額で償還されている皆さんが4,455人−うち、保証人の方が715人−65億7,600万円あるということですね。



 これはこの場(平成27年1月27日定例会見)でも申し上げたところですが、この少額償還者の皆さんは、大変、高齢化が進んでいると。そして、本人の年間所得は平均90万円ぐらいということで、大変所得水準の低い方々が多いと。そして完済までの期間、今のままでいきますと、全体で55年かかると。そして、1,000円前後返済をされている皆さんもいらっしゃるわけですが、これらの方々は167年かかるというような状況になるわけです。さらに、この少額償還者以外の保証人の皆さんの生活実態は必ずしも明らかではありません。



 そこで、今回の通知では、従来の死亡または重度障害に加えまして、破産、民事再生中の方、それから生活保護者、さらに少額償還者につきましても、自治体の判断で免除できるということになりました。
 この通知文を詳しく申し上げますと、「当初の償還期限から10年を経過した後において、なお、債務者が無資力又はこれに近い状態にあり、かつ債務者が現に償還できていない状態となった場合、債務者の収入の状況や年齢、家族の状況等に鑑み、当該債務者が将来にわたっても債務を弁済することができることとなる見込みがないと、実施市町村において客観的に判断できる場合には免除することができる」とされたわけです。



 すなわち、客観的に判断するためには、先ほどの判定式を適用する必要があるわけですが、神戸市としては、被災者の生活再建を最優先にしまして、今回示された国の新法定免除制度を最大限に活用して、速やかに免除事務を進めたいと思っています。
 −これは説明が繰り返しになりますが−少額償還者は、支払期限内弁済を完了できない事情がある方でして、国の通知で言う、債務者が現に償還できる見込みがないと考えられる可能性が高いわけですから、一旦請求を見合わせ、資力調査を実施するということにしたいと考えています。



 なお、この算定に当たっては、生活費(及び負債)については、単に現在の生活費だけではなくて、将来必要となる生活費、あるいは将来生活をしていくために必要となる負債の状況がどうであるのかにつきましても調査しまして、そのような部分についても客観的に可能性があるという判断ができる場合には、現在抱えている負債や現在かかっている生活費の実額だけではなくて、将来必要となる負債、あるいは将来必要となる生活費も、この負債や生活費の中にも含めるというような運用を行っていきたいと考えています。
 今後、まず、借受人の資産、負債の状況を調査しまして、完済、弁済できる見込みがないと判断される場合には、保証人の資力状況も調査したいと考えています。
 そして、保証人についても、弁済できる見込みがないと判断される場合には、償還を免除すると、このような対応を行いたいと考えています。



 この災害援護貸付資金につきましては、大変長い経緯があります。今年は阪神・淡路大震災から20年が経つ中で、なお少額償還を続けておられる方がいらっしゃるわけですが−先ほど申し上げましたような、低所得である、高齢者が大変多いということから考えますと−私としましては、この問題について、先ほどから御説明しましたようなスケジュールで事務を進め、今年度中には最終的な解決を図りたいと考えています。
 そして、借受人と保証人の皆さんが、前を向いて、未来に向かって生活をしていくことができるような方向を見出していきたいと考えています。
 また−当然、法律に基づく義務はやらなければいけないと、これは自治体の責務として当然ですが−この災害援護資金貸付金の事務には、職員30人を張りつけて行っています。
 嘱託や派遣職員含めてですが、この人件費が(年間)1億5,000万円に上っています。この問題につきまして、今年度中に最終的な解決を図り、これらの人員、そして予算を、災害援護資金貸付金ではなくて、神戸市が未来に向かって行っていかなければならない課題に振り向けることができるような、そういうような対応をしたいという思いもあるわけでございます。
 そういうことで、災害援護資金貸付金につきましては、この方針を借受人、保証人の皆さんに速やかにお伝えし、資力調査に入っていきたいと考えています。

発表項目についての質疑応答

第45回神戸まつりの開催(テキスト版)

記者:
 東北の学生さんが一緒にジャズバンドを組まれて出るという話がありましたが、神戸まつりの出場としては初めてという理解でよろしいですか。



職員:
 神戸まつりの出場としては初めてです。ただし、「神戸JAZZ」(イベント)が昨年10月に行われまして、この場所にお越しになって、神戸市内の原田中学校と一緒に防災トークサミット、それから翌日のコンサートなどに一緒に出た御縁のある学校になります。



記者:
 そういった東北のお子さんと神戸で一緒にやる意義を教えてください。



久元市長:
 東日本大震災が発生してから、神戸は市民の皆さんも職員の皆さんも−神戸で阪神・淡路大震災が起こった、そういう経験あるいは思いを持って−東日本大震災の被災地にいろんな応援をしてきました。
 それが、少しずつ被災地が−まだまだ大変な状況ですが−落ちつく中で、東北の被災地からかなりの皆さんが神戸に来て、また、神戸の中高生も含めた子ども達も、あるいは市民の皆さんも東北に行って交流が進んでいるということ。
 これはいろんな分野で−スポーツの分野でも、それから文化の分野でも、あるいは市民活動の分野でも−いろんな形で行われていますが、年に1回の神戸で一番大きなお祭りで、神戸と東北の交流が行われるというのは、これまで行われてきた交流を象徴するものではないだろうか、1つの「東北と神戸の幅広い交流のシンボル」となるのではないかと考えています。

災害援護資金貸付金の返済免除対象者の拡大(テキスト版)

記者:
 今年度中に最終的な解決をということでしたが、これは、資力調査と判定式に当てはめて、返済の見込みについて全員分の判断をするという理解でよろしいですか。



久元市長:
 今年度中に全て作業が終えるかどうかは、まだ見込みがありませんが、全体としての大きな方向性については、この問題についての最終的な解決ということを見出していきたいと思っています。



記者:
 実際にこれから資力調査をしないとわからない部分が大きいと思うんですが、この判定式で考えた場合に、8,200人の方のどのぐらいが救済される見込みでしょうか。



久元市長:
 それはまさにおっしゃいましたように、一人一人調査をした上で判断をするということになると思います。しかし、先ほど申し上げましたような考え方−(算定における負債及び生活費に)現在の負債だけではなくて、将来に必要となるような負債、あるいは将来の生活費を含めるということ−を考えました時に、そして、現在の所得水準等がかなり低いということを考えれば、この8,200人の内のかなりの皆さんが免除事由に当たる可能性が高いのではないかと考えています。
 これは、誤解のないように申し上げますが、初めからそういう予見を持って調査するということではありません。きちんと資産を調査して、そして、きちんと聞き取りをして客観的に判断をするということです。



記者:
 この償還事務には30人が関わっているということでしたが、この体制について拡大ということはなく、従来の体制で対応されるということでよろしかったですか。



久元市長:
 現在の体制で対応できますか。



職員:
 はい、対応できます。



記者:
 この内閣府の通知を読ませていただいて、少額償還者の方で−月3,000円とか5,000円とか返されてる方で−経済的に苦しくなったとか、子どもの面倒みないといけなくなったとか、そういう理由で、状況の変化があった場合に免除対象になるという読み方をしていたんですが、神戸市の考え方は、(月額償還額を)返せていないという状態自体が、その借受人が現に償還できない状態にある可能性が高いという考え方だと思われますが、そういった判断は、内閣府の方と協議されて、実際にそういう判断もできますよという言質をとられたりしているんですか。



久元市長:
 今の御質問は、少額償還をしていれば、返せる見込みがないと神戸市が判断している、というようにおっしゃいましたが、それは違います。現在償還をされている方−返済期限はもう10年前に来ているわけですから、後は、延長をして、再延長をして、再々延長をして償還されている方−は少額償還者の方々なんです。
 少額償還者の方について、初めから返済の見込みがないと考えているのではなくて、客観的に判断できるということが求められましたから、それは、兵庫県が中心になって、このような判定式で各自治体は判断しましょうということが示された。
 私たちは、県の方針に従いながら事務を進めたいと思っているわけです。そして、そのために具体的な調査をするということなので、1件1件あるいは1人1人について調査した上で判断をします。
 しかし、現実に高齢者の方が多い。それから、所得水準を見ても年間平均所得が90万円ぐらいの方であると。そして、将来新たな稼得手段というのでしょうか、財産が急に入ってくるわけでもない。あるいは、新しい就職先が見つかって、生活の糧を得ることができる可能性というのは、必ずしも高くない方が多いということを考えれば、先ほども御説明しましたように、免除になる方はかなり出てくるだろうと推測、予測しています。
 しかし、初めからそういう予見を持って作業するということではなくて、1人1人についてしっかりと調査をしていこうということです。



記者:
 内閣府の方の通知では、現在返してらっしゃる方は、直ちに免除の対象になるわけではなくて、さらに経済的に困窮するような状況があった場合に免除の対象になりますよ、と私は読み取っていたんですが、状況の変化がないままに、要するに今回徴収を一時的にとめて調査をされて、判定式に当てはめて、対象になるかならないかというのを判断していくことだと思うんですが、それが内閣府の通知と合致すると考えていいのか、また、この通知に対して別に問題はないという考えでよろしかったですか。



久元市長:
 必ず将来、今よりも生活状況が悪化しなければ免除の対象にしてはいけないと、通知のどこに書いてありますか。そうは思えないですね。先ほど申しましたような文言に尽きるわけです。
 つまり、将来償還できる見込みがないということについて、一定の要件が示されていますが、これらの要件はかなり抽象的なものです。客観的に判断できるための判定式というものを兵庫県が中心になって、私どもも参画してつくった。そして、できた判定式を具体的に運用するのは、それぞれの基礎自治体である市町の判断です。これを運用するに当たって、私たちは客観的に資産の調査が必要なのであろうと判断しました。
 そして、償還と併せて資力調査するということではなくて、一旦償還の保留をして、その上でしっかりと対応したいということ。そして、その結果、できるだけ今年度中に大きな解決の方向性を見出していきたいということなんです。
 私は、西村副大臣に「この問題については自治体の判断を優先させてください、自治体で客観的に判断できるようにしてください」というように申し上げました。それが自治体としての本来の私たちの責務です。
 一々「通知が出ましたが、これで大丈夫でしょうか」「こういう場合には駄目なんでしょうか」という言質をとるというような仕事の仕方を私はしたくはありません。



記者:
 先ほど8,200人の内、かなりの方は償還免除の可能性があるという話もありましたが、少額償還をされてる方4,455人のうち、大体8割ぐらいが生活保護水準ぐらいで生活されているということを以前からお聞きしていたんですが−そういった方は今回の判定式で、返済できる見込みなしという判断になり得るのかなと思いますが−8割以上の方は返済できる見込みなしという考え方でよろしいですか。



久元市長:
 繰り返し申し上げていますが、かなりの方が初めから免除をされるであろうという予見のもとに資力調査をするわけではありません。客観的にしっかりと聞き取って、そして調査をした上で判断をしたいと思っていますが、あくまでも予測で言うと、かなりの方が免除という結果になるのではないだろうかと見込んでいます。ただ、何割ということを今から申し上げるべきではないと思います。

発表項目以外の質疑応答

神戸市議の「選挙時期と公職任期のずれ」について

記者:
 震災特例の議員の任期の問題で、元選挙部長もお務めになられた市長にぜひお伺いしたいんですが、4月の選挙で当選された新市議の方で任期がまだ始まってない方がいらっしゃいますが、この2カ月のずれが適切なものかどうかも含めた評価と、もし是正するならばどんな形ですべきかも御所見あればお願いします。



久元市長:
 一般論として申しますと、選挙の時期と公職の任期は全く一致する必要もないわけですが、通常は選挙の後に任期が始まると。そしてこの任期は、できるだけ近接している方が望ましいとされていると思います。
 一般的にはそうだろうと思うんですが、阪神・淡路大震災は突然の災害でしたので、特例ができて、選挙の時期も任期の始期もずれたと。そして、選挙の時期は統一地方選挙に戻ったことになってるわけですね。
 このずれについて、私が総務省の選挙部長の時に、一部の国会議員の先生方から「これは余り適当ではないのではないだろうか」という御意見をいただいたことがあります。ただ、それは政党として正式の申し入れではなかったんですね。何人かの国会議員の先生方からでした。
 ただ、国会議員の先生方からのお話でしたので、まずは地元の意向はどうなのかということについて、非公式に関係自治体の動きを聞いたことがありましたが、そういう動きはないということでした。
 その後も−私が選挙部長をしていたのは、かなり前の話ですが−表立った見直しの動きはないと見ています。つまりこの問題は−一般論として言うと−選挙の時期と任期の始期というものは近接している方がいい。それはあるんですが−経緯がある話ですから−やはり兵庫県会あるいは神戸市会を中心に、関係自治体の議員の皆さんでしっかりと議論をしていただくということが必要なのではないだろうかと思います。

神戸国際フロンティアメディカルセンター(KIFMEC)での生体肝移植報道について

記者:
 KIFMECの問題で、神戸市としては、保健所として安全な医療行為が行われるように指導監督する立場と、医療産業都市の様々な最先端の医療を実践していく場への期待という2つの面があると思いますが−報告書もまとまって、昨日見解書も送られたという発表がありましたが−今回の問題について、市として今後どのように対応していくのか教えてください。



久元市長:
 私どもは、医療法に基づいて神戸市内の病院が適切な医療を提供していく、そういう医療の確保を図っていく立場にあるわけです。具体的には、医療法に基づく様々な権限がありまして、立入検査などの規定もあります。
 KIFMECについては、日本肝移植研究会の指摘なども行われていまして、移植に関する専門家の医師の先生方からはいろんな見解も示されています。それに対して、KIFMECの田中先生からは、意見の表明も行われています。
 そういう非常に高度な分野に関する部分ですから、そこは専門家の先生方の間でしっかりと議論が行われることが必要ですが、やはりそういう議論が行われているということに鑑みますと−神戸市が医療産業都市を推進している、していないということに関わらず−私たちはやはり医療法に基づく神戸市としての任務をしっかりと果たす必要があるのではないかと考えています。そこで、まだ具体的な日時は未定ですが、医療法に基づく立入検査を近々行いたいと思っています。
 先ほど2つの立場があるとおっしゃられましたが、この2つの立場が混交することがあっては絶対にいけないと思います。この医療法に基づく権限については、国の方針に従いまして厳正に行使をするということが必要ではないかと思っています。



記者:
 KIFMEC側から要望があれば、人的な支援を含めて市民病院との連携強化を検討するという報道がありましたが−報道によれば−副院長先生もおやめになられたということで、今後も含め人的体制がKIFMECは大変な状況だと思いますが、現時点で御検討されていることはありますか。



久元市長:
 KIFMEC側から神戸市に対して何か人的な面で支援して欲しいというような申し出はありません。やはり民間病院ですので、そのような体制についてはしっかりと病院の責任で行っていただきたいと思っています。
 なお、今後−まだ日時は未定ですが−神戸市として立入検査を行う場合には、この医療提供体制、医師の配置の状況といったような事柄についても立入検査の対象にはなります。



記者:
 改めてですが、医療産業都市におけるKIFMECに期待される役割、意義をお聞かせください。



久元市長:
 KIFMECは、神戸市の医療産業都市のメディカルクラスターに進出している病院で、生体肝移植も行う消化器疾患の専門病院として整備をされたということですので、その役割については引き続き期待をしているところです。
 意義については、生体肝移植は大変難しい医療技術を要する分野であり−こういう表現が適当であるかどうかわかりませんが−患者さんの中には、最後の砦ということで駆け込むようにKIFMECで手術を受けられた方もいらっしゃるわけですね。
 そういう事情があるわけですが、別の専門医の先生方からは、いろいろな御意見もいただいている。そして、日本肝移植研究会の調査報告書も出されているということから見ますと、私どもは医療法に基づく権限はしっかりと行使したいと思いますが、それを超える専門的な領域というものがあることも間違いないわけですね。
 この点については、しっかりとKIFMEC側もいろいろな情報の提供をしていただいて、専門医の先生方の意見も聞きながら、安心して医療行為が行われているということを、法律に求められる部分を超える部分もあるかと思いますが、そういう部分についてはしっかりと説明責任を果たしていかれることを期待したいと思っています。



記者:
 その点で言いますと、KIFMEC側と日本肝移植研究会の報告書の見解は大きくずれていますが、なるべく研究会の意見に沿って改善をして欲しいという御意向でしょうか。



久元市長:
 いえ、そうではありません。私はこの分野の専門家ではありませんから、私の立場は、市長として医療法に基づく権限はしっかりと行使しなければいけない。
 しかし、生体肝移植という分野は、いわば医療の最前線を走っているようなところがあるわけですね。田中先生はこの分野の第一人者と言ってもいい専門家でいらっしゃるわけです。同時に、他の専門医の先生方からは、日本肝移植研究会の報告書でも様々な意見が出されている。それに対して、田中先生もそれに対する意見をおっしゃっておられる。
 こういう議論をしっかりと行っていただいて−KIFMECは医療産業都市の中の、先ほど申し上げましたような役割を果たしている病院ですから−来られる患者の皆さん、あるいは幅広く医療の世界の中で安心して医療行為が行われる病院であるということについての説明責任をしっかりと果たしていただくことを期待したいという趣旨です。

大阪都構想について

記者:
 今週末、大阪で大阪都をめぐる住民投票がありますが、今後議論が進むであろう道州制の議論についてどういった影響が出てくるか、また、もし影響が予想されるのであればどういう考え方が出てくるかなど、市長のお考えを教えてください。



久元市長:
 まず、今回の住民投票で問われるものは、大阪市を廃止して、5つの特別区を設置するということですね。そして、今大阪市が担っている事務の一定部分を大阪府に移管すると。更に、大阪府に移管することにならないようなもので、特別区が所管することも適当ではないものについては、一部事務組合を設置することになると。それが今回の住民投票で問われている1つの骨子ではないかと思います。
 そのことが道州制の議論にどのように関わってくるのか、ちょっと私自身、予測はつきません。ただ、全体として道州制の議論は、ここのところやや低調になっているということは確かではないかと思いますから−やはり道州制は国・地方に通ずる大きな制度改革になりますので−今回の住民投票が成立して、大阪において制度改革が行われるということは、それがすぐに道州制の議論に直結するとは思いませんが、我が国の内政の統治機構のあり方、更には、地方自治制度のあり方の根幹的な部分についても、議論がもう一回出てくるというような可能性は否定できないのではないかと思います。



記者:
 以前の会見でも久元市長から、今回の住民投票は、地方自治のあり方として意義深いものだというお話もあったんですが、その後、住民投票の選挙戦が進んでくる中で−橋下市長の信任投票のような意味合いが出てきたり、分割したときの大阪市の財政の数値を総務大臣からお墨つきをもらっているというように橋下市長が説明したが、総務大臣は手続として問題がないだけで財政状況のことまでオーケーだなんて言っていないというようなことが国会で話されたり−ヒートアップする中で、先日の意義深いという評価が、現在も変わらないのか、また違う御所見をお持ちになったりするのかを聞かせてください。



久元市長:
 まず、従来から住民投票は幅広く行われてきたわけですが、これらは住民の意見を参考にするという意味での、いわば諮問的住民投票と言われるものなんですね。
 今回の住民投票は「大都市地域における特別区の設置に関する法律」に基づいて行われる拘束力のある住民投票、すなわち、住民投票の結果が法的効力を持つという意味での拘束型の住民投票であるわけです。
 大阪市というこの自治体を根本的にどうするのか。廃止をするのか、存置をするのか。そして廃止をした後どうするのかということについて、住民投票で決められるということは、これは地方自治という観点から見て意義深いというように申し上げたわけです。
 今おっしゃった事柄については、これはもう大阪の問題ですから、よその自治体の関係者があれこれ言うべきことではないと思います。制度論として、今回、住民投票が行われることは大変意義深いと思います。
 なお、付言するなら、東京府東京市が廃止されて東京都ができたときは、これは戦時下の防空体制をつくるという非常に中央集権的な発想の下に、そして中央集権的な手法で東京都が誕生しました。今回は全く違う形で、住民自身が自治体の根本的なあり方を自ら決めるということは意義深いということを申し上げているわけです。

神戸国際フルートコンクールへの今後の支援見直しについて

記者:
 神戸国際フルートコンクールの存廃問題ですが、市民に余り認知されていないとして、廃止も含めた見直しを検討しているということですが、一部の市民の間から署名運動などの動きも出ている中で、このコンクールの今後のあり方について、どのように考えておられますか。



久元市長:
 何かこの国際フルートコンクールを狙い撃ちにして廃止をする、というように受けとめておられる方がいらっしゃるとしたら、それは誤解なんですね。これは予算発表の時にも申し上げましたが、新規の事業が求められ予算計上する。そして既存の事業も予算が増える。社会保障経費などは自然に増加していくという傾向があるわけです。
 神戸市は、財政の格付がワンランク上がるということで、財政状況は改善してきていますが、そうはいいましても、引き続き増大する財政需要に対応していくためには、やはり財政健全化努力を行っていかなければいけない。
 そうすると、新しい仕事がどんどん増えていくとするなら−これは私が市長に就任した時から申し上げていますが−これまでやってきたものを見直していくことが不可欠なんですね。やめる勇気が必要だということなんですね。
 そういうことから、見直しの項目として−これはフルートコンクールだけではなくて−たくさんの、これまでの事務事業について見直しをすべきなのではないかということを申し上げたわけです。そしてそれは一部、平成27年度予算でも見直したもの、廃止をしたもの、縮小したものもある。今後、来年度以降の1つの例がフルートコンクールなんですね。ですから、これはまだ何も方針は決まっていません。
 ただ、見直しの考え方として申し上げるならば、神戸市が絶対に対応しなければいけない課題−例えば土砂災害対策とか、南海トラフ地震対策とか、災害対応、それから子ども・子育て支援、あるいは高齢者の福祉、それから、学力の向上などとした教育環境の整備−はかなり優先度が高いと思うんですね。
 そういう分野に比べまして「芸術文化の部分というものは優先度が落ちる」とは言いませんが、それを担うのが全て行政だけでいいのだろうかと。やはり市民の皆さんの盛り上がり、神戸の芸術文化、神戸の文化をどのように高めていこうとするのかという、そういう盛り上がりが、非常に大事なのではないだろうかと。その上で、私たちはそういう盛り上がりに呼応して、神戸市としても行政支援をしていくということが必要なのではないだろうかと考えているわけです。
 そういう意味から言うと−少なくともこの財政当局の見方としては−国際フルートコンクールについては、なかなか市民への浸透度も十分ではないのではないだろうか。あるいは、市民的な広がりというものも十分ではないのではないだろうか、というような指摘をしているわけですね。私は、それはそのとおりではないかなという気がしています。
 同時に、やはりこの国際フルートコンクールをどんどん市民の側で盛り上げていこうという議論が起きているということは、私はありがたいことだと思います。しかし問題は、ただ存続を願うとか、そういうような評論家的な言い方ではなくて、自分たちでこれを支えていくんだというような機運が、やっぱり盛り上がって欲しいなと思います。
 そして、やはり財政的な見地からの指摘なので、このフルートコンクールの財源、資金をどのようにして調達をしていこうとするのかについて議論をしていただきたいということを希望します。