神戸市-KOBE-


定例会見 2015年(平成27年)4月21日

最終更新日
2015年4月24日

発表項目

保育所等利用待機児童数〜市内5区にて待機児童ゼロ〜
(2分37秒)

神戸市鳥獣相談ダイヤルの開設
(4分45秒)

文化財(建造物)に対する緊急的な防犯カメラ設置補助
(3分32秒)

質疑

発表項目についての質疑応答

その他の質疑応答

発表項目

保育所等利用待機児童数〜市内5区にて待機児童ゼロ〜

久元市長:
 よろしくお願いします。私からは3点お話をさせていただきたいと思います。
 1点目は、平成27年4月1日時点での保育所の待機児童数がまとまりましたので説明させていただきます。
 平成27年4月1日時点の待機児童数は13人ということで、1年前が123人でしたから、大幅に減少するということになりました。ゼロに近づいてきたわけです。区別の状況を見ますと、中央区、兵庫区、北区、長田区、垂水区でゼロになっています。



 このように、待機児童が相当少なくなりましたのは、保育定員を平成26年度は2,500人分の拡大を行い、更に27年度も約1,200人分と定員枠を大幅に拡大してきたことが大きな原因ではないかと思っています。



 この待機児童−どの範囲をカウントするのかにつきまして若干議論がありますが−13人の簡単な算出過程ですが、4月1日時点で入所希望があるが入所できていない児童は690人で、他の利用施設があるにも関わらず、もうぜひここに行きたいというような方は、待機児童とは言えないだろうということで除外をしています。また、4月1日に育休を取得されている方、入所できたら求職活動を開始される方につきましては、国の待機児童の考え方を踏まえて除外しています。
 この結果、待機児童が、13人になったということです。



 各自治体ともそうだと思いますが、子育てをしやすい環境をつくっていくことは大変重要ですので、引き続き施策の充実に努めていきたいと考えています。

神戸市鳥獣相談ダイヤルの開設

久元市長:
 2番目が、神戸市の「鳥獣相談ダイヤル」を4月27日に開設します。
 私は市長に就任してから、有害鳥獣対策に相当力を入れてきました。新しい施策の用意をしたり、予算も大幅に増額してきました。今回のダイヤルも有害鳥獣対策の一環です。



 通報件数から見ますと、有害鳥獣についてはイノシシ、それからアライグマと、これが多いですね。
 イノシシ、アライグマとも増加傾向にあります。現在この通報は市役所の開庁時間だけで受け付けていますから−イノシシは特に夜に出没しますから−通報されていない件数も多いと思うんですね。隠れているものもあるかもしれません。



 そこで、今回開設した「鳥獣相談ダイヤル」では、市役所の開庁時間だけではなく、年中無休で午前8時から午後9時まで受け付けるということにします。市民の方は通報しやすい状況が生まれますから、通報件数が増えることになりますし、その結果、市としても捕獲に力を入れていますので、捕獲しやすい情報を収集することができると思っています。



 具体的な鳥獣相談の流れですが、イノシシの場合には、出没情報とか庭や畑が荒らされたとかの被害がありますと、この鳥獣相談ダイヤルに電話をかけていただく。そうすると、相談ダイヤルの方で捕獲班−猟友会の皆さんにお願いをするということになりますが−に情報を提供して、速やかに捕獲への対応をしていただくことになります。



 それから、餌づけをしている人がいると−これは条例で禁止をしてるわけですが、残念ながらまだ餌づけをしている人がいると−いう情報がありますと、餌づけ行為をやめるように指導、勧告をします。先般改正された条例に基づきまして、それでもやめない方については氏名を公表します。



 それから人身事故−イノシシに襲われたとか怪我をしたという方−については、警備会社に緊急対応をお願いして、すぐに現場に急行して捕獲をするなり、非常に危険な場合にはその場で殺処分をするということになります。あわせて警察ルートでの対応ということもあります。



 アライグマの場合にも、このダイヤルに電話していただきますと、委託業者に捕獲依頼をします。
 それから、農業地域における農業被害については、(「鳥獣相談ダイヤル」から)農業振興センターに電話をしていただくことになりまして、猟友会に捕獲依頼をするということにさせていただきたいと思います。



 それ以外の鳥獣被害については、市として捕獲をするという対応をとっていませんので、これは被害防止策や注意点を伝えるし、希望される方については専門業者を紹介するということになります。



 電話は、078-333-4408。(電話番号の語呂を)「シシはこちらへ」って、ちょっと無理があるかな。
 「シシおはよう」の方がいいかもしれませんね。−すみません、余計なことを言いまして−どちらでもいいと思いますが、この電話番号にかけていただければと思います。

文化財(建造物)に対する緊急的な防犯カメラ設置補助

久元市長:
 次が、文化財建造物に対する緊急的な防犯カメラの設置につきまして、お話をさせていただきたいと思います。
 大変残念なことですが、全国の文化財あるいは文化財に指定されていない神社仏閣で、油と見られるような液体が撒かれている事件が多発しています。



 神戸市でも、東灘区の保久良神社でそういう事件が発生しました。大変残念なことだし、怒り、憤りを禁じ得ないと思います。
 これを完全に防ぐ方法は、なかなか難しいかもしれませんが、市としてはできることをしっかりとやっていかなければいけないと考えています。



 元々、去年の長田区における小学生児童の事件を踏まえて−その前からも防犯カメラの設置に力を入れてきましたが−緊急に補正対応もしましたし、27年度予算では大幅な事業拡大を行ったところです。
 そういうことに鑑みますと、この文化財につきましても、防犯カメラを設置するということが一定の効果があるのではないかと考えられます。



 神社仏閣の数は大変多いですから、全部というわけにいきません。
 そのうちの一部−対象数は国、県、市の指定文化財のうち建造物の41−になりますが、この指定文化財の建造物を対象に防犯カメラの設置を補助することにしたいと思います。



 上限は15万円、自立柱を設置した場合は25万円が上限ということで、1建造物について1カ所を補助することになります。
 これは、現在自治会やまちづくり協議会の地域団体への補助と基本的には同じです。所管は危機管理室でも対応します。



 保久良神社で事件が発生しましたので−緊急にこういう対応をしたいと−今日発表させていただくわけですが、募集内容の詳細は5月に発表させていただきたいと思っています。
 油が撒かれているものの中には、他の自治体の状況を見ますと文化財もかなりありますし、それ以外のものもあります。
 徹底的にこれを行ったから、事件が防げるというわけではありませんが、やはり非常に貴重な文化財については、少しでもあのような犯罪から文化財を守るための取り組みを自治体としてしっかりとやっていきたいと、こういうような動機で、今回このような対応をさせていただくということです。

発表項目についての質疑応答

保育所等利用待機児童数〜市内5区にて待機児童ゼロ〜(テキスト版)

記者:
 5区で待機児童ゼロということですが、全9区でゼロになる見通しがあるのかどうか。あるとすれば、それがいつくらいかを教えてください。



久元市長:
 これまでの考え方では、定員枠を拡大しますと潜在的な需要が掘り起こされると言われていますし、現にそういうことが起きています。
 例えば待機児童ゼロを高らかに宣言したが、結果的にその自治体にいたら入れるということで、新たにその自治体の中でも需要が掘り起こされたり、それから極端な場合には、隣接のところからわざわざ引っ越しをするというようなことも起きて、また待機児童がかなり増えたというケースもあります。
 ですから、13人ですから、もう間もなく解消できると断言できないと思うんです。今の予定では、潜在需要の掘り起こしということから見ますと、29年度中には待機児童は必ずゼロにしたいと考えていまして、市会でもそう答弁をしています。しかし、それ以前でも、できるだけ早く待機児童ゼロを達成していきたいと思っています。
 27年度予算では1,158人の定員増を予定していますから、待機児童ゼロになって欲しいと思いますが、必ず来年ゼロになるということは、他の都市の動向を見てもよくわかりません。
 いずれにしても、できるだけ早く待機児童をゼロにしたいと思っています。

神戸市鳥獣相談ダイヤルの開設(テキスト版)

記者:
 近年、相談件数が増加傾向にあるということですが、なかなか夜間つながらないとかというご意見が市民の方から多く寄せられていてこの設置に至ったのか等、背景を教えてください。



久元市長:
 電話が繋がらないというか、開庁時間ではない夜間、休日には通報先がないという苦情もありました。
 また、神戸市としても−現に被害も出ていますし、出没件数も大変増えていますから−市民の皆さんから情報をいただきたいという意図もあります。両方の動機で今回こういう通報窓口を4月27日から開設することにしました。



記者:
 この電話番号(333-4408)は、どこに繋がるんでしょうか。



久元市長:
 これは「総合コールセンター」と同じ事業者に繋がりますが、総合コールセンターは総合コールセンターの番号がありますね。
 そこで、「鳥獣相談ダイヤル」のオペレーターが対応することになります。つまり、総合コールセンターと同じ場所に鳥獣相談ダイヤル電話が引かれて置かれるということです。



記者:
 それは、コールセンターの中に、有害鳥獣に詳しい人がいるということでしょうか。



久元市長:
 多少は詳しいかもしれませんが、出没の情報を受け付けて、そして必要な情報を捕獲員、猟友会なりに連絡をするということです。
 したがって、受ける鳥獣相談ダイヤルのオペレーターは専門家ではありませんが、他のコールセンターの職員と同じように、かなり、神戸市のそれぞれの分野について研修をして、そして適切に市民の皆さんからの問い合わせに対応できるようにするということです。

文化財(建造物)に対する緊急的な防犯カメラ設置補助(テキスト版)

記者:
 補助対象41あるうち一部に防犯カメラの設置補助をするということですが、総額はいくらぐらいと考えているか教えてください。



久元市長:
 対象は41施設です。全部出てくるかどうかわかりません。文化財の所有者から出てくるかわかりませんが、全部出てきても対応できるような体制は整えたいと思います。
 その予算上の対応は、全部出てきても−(1件当たり)15万円、25万円の場合もあるかもしれませんが−600万円強でしょうか。それぐらいの額になりますから、今、危機管理室で持っている予算が5,000万円ぐらいです。その中で対応していくということが考えられます。
 全体として、5,000万円と今度新しく対象とする文化財の予算が足りなければ、その時には何らかの−例えば他の予算の流用をするとか、まず執行上の対応を考えて、それでも足りない場合には予備費の活用ということで−対応をしていきたい。
 いずれにしましても、この対象となる41施設全部出てきたとしても、神戸市としては対応できるようにしていきたいと考えています。



記者:
 この申請をできる人は、建造物の所有者だけに限られるんでしょうか。



久元市長:
 そうですね、所有者だけですね。建造物と所有者がこういう施設はほとんど一致していることが多いと思いますが、その建造物を所有している個人あるいは法人ということになります。



記者:
 市町村がこういう緊急的な防犯カメラの補助対策を取り組むというのは、全国的には珍しいことなんでしょうか。



久元市長:
 ちょっとこれはよくわかりませんが、少なくとも聞いたことはありませんね。



記者:
 全国初でいいんでしょうか。



久元市長:
 いや、初かどうかということはわかりません。



職員:
 初かどうか確認はとれていませんが、聞いたことはないというのはそのとおりです。

発表項目以外の質疑応答

憲法集会への後援について

記者:
 5月3日の憲法記念日が近づいてきましたが、改めて神戸市が護憲派の憲法集会を後援していないということについて−1回目断って、去年、2回目の11月も断って、今回3回目も断ったということなんですが−3回目の後援を断った理由について、市長のお考えを教えてください。



久元市長:
 憲法集会のために、公の施設を貸し出すことについては、そこでどのような主張をされるのかということについて問わないということだろうと思うんですね。差別的取り扱いをしてはいけないと、合理的な取り扱いをしなければいけないということが地方自治法上、書いてあるわけです。



 去年も一昨年も議論になったのは、神戸市として、その行事を後援するかどうかということなんですね。
 後援するというのは、市民の皆さんに対して後援をするので行っていただいたらいかがでしょうかというメッセージを出す。そういうものを後援するということだと思うんですね。これは、公の施設の使用を許可することと違って、それぞれの自治体にかなり幅広い判断の自由があると思うんですね。



 そういうことから言いますと、憲法のあり方という議論は−改正する内容についてはいろいろあると思いますが−憲法を改正すべきだという立場。それから憲法をあくまでも改正すべきではない−今の憲法はあくまでも守るべきだ−と主張されている、両方の立場があります。
 そういうことから考えますと、憲法に関する集会について、「この集会については行っていただいたらいかがでしょうか」というメッセージを出すことは、私は自治体としては慎重な判断が求められるのではないかと思います。



 もちろん、憲法を議論することが、全て慎重な判断が求められるというわけではないと思うんですね。
 例えば、全国の憲法学者の先生方、あるいは公法学会とか、そういう学術的な皆さんの、研究者が集まって研究集会、あるいは学会を開催することについては、場合によっては後援するということはあるかもしれません。
 しかし、そういう場合以外については、憲法について改正すべきだ、あるいは改正すべきでないというような議論が行われると思いますから−それをされることについては、表現の自由、あるいは自由な世界の話ですが−先ほど申し上げましたような、(市として)メッセージを出すことについては慎重でありたいと思います。



 それから、直接私どもが聞いているわけではありませんが、報道で知る限り、去年・一昨年主張されている団体の方は、要するに「神戸市がその憲法集会の後援をする義務がある」と、「後援をするのは、公務員が憲法の規定で憲法を遵守する義務があるので後援をする義務がある」という趣旨のことをおっしゃっておられますね。
 私は、この考え方とは相入れません。私どもは、私も含めて憲法を遵守する義務があると思いますが、だからといって、その規定に基づいて憲法を遵守することを主張する集会を後援しなければいけないということはないと思います。
 すなわち、そういう立場とは私どもは相入れないということです。





記者:
 1回目、この団体の後援を断った時に−神戸市は「政治的中立性」を後援要件の中に入れているということで−「政治的中立性」が保たれない。
 正確に言うと「昨今の社会情勢を鑑みて、憲法に関する集会そのものが政治的中立性を損なう可能性がある」と、そういう理由でお断りしたと思うんですが、2回目、3回目は基本的に、その通知には書かれておらず、担当部局に問い合わせると「総合的に判断した」という回答があり、この総合的な判断という中には、政治的中立性という、1回目に断った理由は入っているのか、そもそも1回目に断った理由と3回目に断った理由というのは全然全く違う理由なのか、基本的に同じなのかという点はいかがでしょうか。



久元市長:
 基本的な考え方は変わりませんが、ただ1回目に断った時に、私に相談はありませんでした。事務方の判断として断って、事後的に聞いたということです。事後的に聞きましたが、私は後援をお断りしたのは正しい判断だったと思います。
 しかし、「憲法を議論すること自身が政治的中立性を損なう」というような記述は誤解を与えると思いますね。憲法を議論することは結構なことなんですよ。
 ただ、憲法を議論するということは、必然的に、その政治的立場を表明するということに繋がるケースが多いでしょうね。だから、そのことはあり得ることです。憲法はそれ自体、政治論議ですから。



 しかし、その政治論議を議論する個々の集会について、例えばその集会によっては、憲法を改正すべきだという立場もあるでしょう。あるいはどのような憲法改正であっても、絶対にそれは反対なのであって、護憲をすべきだという立場もあるでしょう。
 その集会に神戸市が後援を出すことは、神戸市が特定の立場に立っているという誤解を与える恐れもあります。



 したがいまして、政治的中立性という言葉はなかなか使い方が難しいんですが、特定の立場に立つということに受け取られるような誤解は避けるべきではないかと思います。
 誤解がないように申し上げますが、私は憲法を議論するということは、否定するものではありませんし、むしろ大いに議論していただいたらいいと思います。ただ、繰り返しになりますが、学術的な立場で、あるいは憲法に関する研究者の皆さんが議論をするというような場合に、神戸市が後援をすることは全くないというわけではありません。



 冒頭申し上げましたように、憲法を議論する場合に、神戸市の施設の使用許可する、公の施設を使用するということについては、そこでどのような議論が行われるかということに関係なく、基本的には神戸市は施設を許可するという義務があると思います。
 それと違って、後援するかしないかということについては、自治体に幅広い裁量の余地があって、その裁量を行使する場合の基本的な考え方は、先ほどから申し上げているとおりです。





記者:
 すると、憲法を議論すること自体は後援を断った理由にはならないということですが、憲法学者の集会はよくて、この団体の後援を断った理由は、どの部分になるんでしょうか。



久元市長:
 それは、その内容によると思いますが、基本的に、憲法を議論する際には、改憲をすることが適当なのかどうか、あるいは護憲をすべきではないかという、通常はそういう議論が行われると思うんですね。
 そういう議論が通常は行われることが想定される、そういう恐れがある場合には、後援はやはり差し控えるべきではないかと思います。
 その時に、私どもはどんな議論が行われるかということはわかりませんよね。そういう内容を根掘り葉掘り聞くということ自身は適当なことではないと思うんですよ。
 言論・結社の自由が認められている我が国において、一応、その公権力の一翼を担う自治体が「憲法について何を議論するんですか、誰が出席をされるんですか」ということを根掘り葉掘り聞くということは適当ではないと思います。



 したがいまして、基本的に憲法に関する集会については−護憲なのか改憲なのかということが予想され、それは政治的立場の表明ということにもなるので−それを後援することは、神戸市が特定の立場に立つという誤解を与える恐れがある。そのことは、やはり自治体として適当ではないということだと思います。





記者:
 特定の立場に立つのはよくないということで、やはり政治的中立性と思うんですが、3月18日「非核神戸方式の40周年についての集い」に神戸市は後援していたと思いますが、その集いでは憲法9条を守り世界に広げようということをチラシにも明確にうたっているんですが、その集いとどう違うんでしょうか。



久元市長:
 私は−その後援については相談を受けていませんが−非核神戸方式について後援をしたというのは、市会の決議に基づいて神戸市もそれを遵守するという立場をとっているので、担当者が後援をするという判断をしたのだと思います。





記者:
 そうすると、議会の議決は−それ自体が結構政治的主張ではないかと思っていまして−政治的中立性には、当たらないような気がしますが、久元市長が考える政治的中立性というのはどのようなものか教えてください。



久元市長:
 先ほどからの質問に対して、私から政治的中立性という立場を使っていないということに、お気づきになられたと思いますが、政治的中立性というのは大変難しい言葉なんですよ。
 一番最初に、この後援について判断をした時に、政治的中立性という言葉を使っていました。その時に私は相談を受けたわけではありません。
 しかし、この政治的中立性ということは何なんだろう。自治体というのは、絶対的に政治的中立なのか。私は選挙で選ばれた人間で、政治的な存在です。私は政治的中立性ということを真正面から体現できているのかどうかということに自信がありません。
 しかし、事業を執行する際に、政治的中立性ということに気をかけながら仕事をしなければいけないということは事実なんですね。私は行政を公平に公正に誠実に執行しなければいけないという立場ですが、私は選挙によって選ばれている人間で、これは政治的な存在であるわけです。



 そのような市長というものが、政治的中立性を確保するにはどうしたらいいのかということについて、私自身、まだ自問自答している段階で、自分が政治的中立性を全く確保できているのかについては、正直自信がありません。ですから、自分から政治的中立性という言葉は使っていないんです。



 ただ、憲法について言うならば、憲法について議論するというのは、護憲なのか改憲なのかについての立場の議論というのが普通です。それに、どちらかというと護憲の立場に立って集会をする、改憲の立場に立って集会をするというのが普通予想される事態です。
 それは、根掘り葉掘り聞いて、絶対的に政治的中立性だということを確認して後援をするということはあり得ないわけではありませんが、通常はそんなことはすべきではありません。
 すべきではありませんが、その広く行われている集会の実態を見れば、護憲を進めたいという立場からの集会、あるいは改憲を進めたいという立場の集会が多いのが普通です。



 そういうことから言いますと、自治体がとるべき立場は、「その内容が全く政治的中立性が確保されているのかどうかということを根掘り葉掘り聞いて後援をする、しないか」ということではなくて、基本的には後援を差し控えるべきだということが自治体としてとるべき立場ではないかと私は考えます。しかし、絶対的にどんなものですら後援をしないということではなくて、例外的に先ほど申し上げたようなものは後援する余地はあるかもわかりません。





記者:
 非核神戸方式については、議会の議決があるので、市長として後援することが適切だったと思われますか。



久元市長:
 私は−この点については担当者から相談を受けていませんので、どういう理由で後援をしたのかということはわかりませんが−今の非核神戸方式の集会を後援したということであれば、それは神戸市会の決議に基づいて非核神戸方式を遵守し、その決議に基づいて行政を執行していますから、そういう立場から言うと、後援をしても差し支えないと担当者が判断したのではないかと想像します。





記者:
 市長としても、後援したことは適切であったと。



久元市長:
 相談を受けていないので、適切かどうかということについて確定的なお答えをする自信はありませんが、恐らく非核神戸方式ということから見れば、後援するということは適当ではなかったのかなと思います。





記者:
 もし改憲となって新憲法が制定された場合、その新憲法制定セレモニーですとか、新憲法を勉強しようという集会も盛んに開かれるようになると思いますが、そういったことも市として後援をしていかないということでしょうか。



久元市長:
 ですから、その後援をするかしないかは、一つ一つ判断をしていくわけですね。
 その一つ一つについて−何回も申し上げていますように−自治体として幅広い裁量があり、その時点でその内容を見て後援する、しないかということを決めていくということだと思います。

大阪都構想について

記者:
 4月27日に大阪都構想の住民投票が告示されますが、市長の大阪都構想に関する所見をお願いします。



久元市長:
 大阪市の問題ですから、違う自治体である神戸市の市長としての所見は申し上げるべきではないと思います。大阪市民が判断するということだと思います。
 同時に、私は長く地方自治制度に関わってきましたし、今度の大阪都構想の住民投票の根拠法となる「大都市地域における特別区の設置に関する法律」にも−これは議員提案で行われましたが−全く関わらなかったというわけではありません。
 そういうことから言いますと、「大阪市という日本を代表する都市の帰趨が住民投票によって決せられる」ということは大変意義が大きいと思います。



 翻って、都構想と言っているので、その1つのモデルが東京都ですが、東京都政は1943年に戦時下で行われました。
 非常に中央集権的な発想で行われたわけですが、今回は同じ都構想と名乗っていますが、住民が自らの自治体の帰趨を決めるということは、これは地方自治の世界において大変意義深いことだと思います。



 同時に、大阪については、戦後すぐに大阪府と大阪市の二重行政ということの議論が行われてきました。
 つまり、そのような弊害というものがかなり広く認識されてきたわけですね。これを解消する有力な選択肢の1つが大阪都構想だと思います。
 このことについて、大阪市民自身が自己決定をするということは大変意義深いことであり、その帰趨については、地方自治に長く携わった者としても、また近隣市の市長としても重大な関心を持って見守りたいと思います。

神戸国際フロンティアメディカルセンター(KIFMEC)での生体肝移植報道について

記者:
 KIFMECの件で、4人の方がお亡くなりになっているということが明らかになっていますが、その件に関して、どのようにお考えなのか教えてください。



久元市長:
 この点については、先般、保健福祉局長と保健所長が記者会見をさせていただきましたが、神戸市としての基本的な姿勢は、あの時に局長、保健所長から申し上げたとおりです。
 なお、付言をさせていただきますと、それから後の事態の推移については、報道で知る以上のことはありません。
 したがいまして、感想にとどまるということなのかもわかりませんが、やはり人命に関する事柄ですから、専門的な知見に基づいて慎重に対応していただくということがやはり求められるのではないだろうかということが1つ。



 それからもう1つは、いわゆる医療事故ではないと認識しています。他の病院では助かる見込みがないと言われた患者が、すがるような思いでKIFMECを訪ねて、そこで手術を受けられたという方が大半ですね。
 そして、その患者さんご自身や、あるいは家族の方からも特段異議申し立てといいますか、トラブルも起きていないと聞いていますので、やはりそういうことを踏まえて、今後、我が国で最高レベルの移植を専門とされる研究者や、あるいは医師の御意見を聞いて、適切に対応をしていただくことを期待したいと思います。



記者:
 医療産業都市を目指されてる神戸市としては、その一角の病院でこのような事実があることに対してはいかがですか。



久元市長:
 4人亡くなられたということの原因を−やはり先ほども申し上げましたが−専門的な知見を、病院の中でもこの倫理審査委員会という倫理委員会での議論も行われていますね。
 同時に、この専門的な機関である日本肝移植研究会からも意見が出されると聞いていますから、やはりそういう専門的な知見に基づいて慎重に対応されていくということではないかと思います。



記者:
 神戸市として、最初に報道があった当日に、適切な手順が聞き取り調査で踏まれていて問題ないと発表されたんですが、その後の報道などで、移植に関しての検査や検討が不十分だったり、人的なものが足りなかったりした可能性があるというところにおいて、保健所の調査自体に神戸市としては問題がなかったという認識なのか教えてください。



久元市長:
 保健所が確認しましたのは−KIFMECから聞き取りをしまして−全ての症例が移植学会の指針や、あるいは病院で定められた手続に則り実施されていることを確認したということだと思うんですね。
 しかし、同時に、こと人命に関わることですし、生体肝移植といういわば一番移植医療のフロンティアを走っている事例ですから、専門家の他のドクターや、あるいは研究者から見ればまた違う見方があるかもしれませんね。
 ですから、そのような見方もしっかり踏まえた上で、今後どうするのかということについては適切に対応していく必要があると思います。



 同時に−これは大変難しい問題なんですが−そうは言いましても、他の病院では全然受け付けてもらえないような方がKIFMECを頼って手術をされてるということも事実なんですね。
 そういう祈るような想いでここを訪ねておられる患者さんに対して、そして、最高レベルでの専門的な知見に基づいて手術が行われるということが必要だろうと思います。



記者:
 今回の事例は、KIFMEC側が研究機関に調査を依頼して、その結果、問題が発覚してきたと思いますが、そうすると、神戸市としては聞き取り調査をするだけで、内容の不備とかについて調査をするのは限界があると感じるんですがいかがでしょうか。



久元市長:
 神戸市が持っている医療法上の権限がどのようなものであるのかということをきちんと精査をして、神戸市としての権限を行使するということが必要だと思います。
 同時に、この日本肝移植研究会というのは−これは恐らく法律上の団体でもないでしょうが−専門医が集まられた団体でしょうから、そういう方々のご意見も聞きながら適切に判断をしていただくということだろうと思います。



記者:
 今日の神戸新聞に、KIFMEC問題について、中央市民病院から人を手当てするという説明がKIFMECの田中先生から市側にあったという報道がありましたが、それを市側としてどの程度把握しておられたか、また、どの程度コミットされているのか教えてください。



久元市長:
 その報道を今日見ましたので、保健福祉局の幹部を呼んで事実を確認しましたが、KIFMEC側からそのような話はなかったと聞いています。



記者:
 話がなかったというのは、要請がなかったということですか。



久元市長:
 ですから、報道されているような話−すなわち報道されているのは市民病院からの医師の派遣ということだったと思いますが−に関わるような話は全くなかったと聞いています。



記者:
 なるほど。じゃあ何らかの説明というのは別の形であったんですかね。



久元市長:
 それに関する話は一切なかったと聞いています。

全国学力テストの結果を高校入試の内申点評価基準に反映させる大阪府の方針について

記者:
 大阪で、高校入試に学力テストの結果を内申点に含める、含めないという議論があったと思いますが、どのように受けとめていますか、また、神戸市でもそのような予定はあるのかということを教えてください。



久元市長:
 この問題は府立高校の問題ですね。府立高校の入試に中学校の時の成績を内申も含めてどう使うのかという問題ですから、これは兵庫県の教育委員会、あるいは兵庫県にとって同じレベルで論じられるべき問題で、神戸市はそういう立場にはありませんから、なかなかコメントする立場にはないと思います。



 同時に、学力テストは、自治体が実施をしているわけですから、文部科学省が一律に判断を決めて、それに従いなさいということではなくて−自治体が学力テストを実施しているわけですから−学力テストの結果をどう使うのかということについては、それぞれの自治体の裁量というものがあってもいいのではないかなと思います。