神戸市-KOBE-


定例会見 2015年(平成27年)3月23日

最終更新日
2015年3月27日

発表項目

エンタープライズプロモーションビューロー・分譲面積が過去最高に
(1分43秒)

教育委員会制度改革への対応
(1分34秒)

都心の未来の姿(将来ビジョン)・基本的な考え方
(17分15秒)

質疑

発表項目についての質疑応答

その他の質疑応答

発表項目

エンタープライズプロモーションビューロー・分譲面積が過去最高に

久元市長:
 よろしくお願いします。私から3点、今日はお話させていただきたいと思います。
 最初は、東洋水産株式会社が神戸テクノ・ロジスティックパークに新しい工場を建設していただくことになりました。「神戸テクノ・ロジスティックパーク」は、配付しています資料の3枚目にありますが、神戸電鉄粟生線の木津駅の南側に広がる産業団地です。このほど、(資料を示しながら)この下の地図の赤い部分を東洋水産株式会社に取得していただくことになりました。敷地面積が6万2,500平方メートルで、平成28年8月をめざして工事が進められることになります。



 この結果、2ページをご覧いただきますと、平成26年度の土地売却面積が合計30.8ヘクタールになりまして、神戸エンタープライズプロモーションビューロー−企業誘致を積極的に進めるために設けているビューロー(組織)ですけれども−平成17年度にビューローを発足させて以来、おかげさまで過去最高になりました。引き続き、産業団地への製造業・物流業の集積、本社機能の移転・拡充を図っていきたいと考えています。

教育委員会制度改革への対応

久元市長:
 2つ目は、既にご案内のところかと思いますが、4月から「教育委員会制度」が大きく変わることになります。「地方教育行政の組織及び運営に関する法律」が改正されまして、改正法が4月1日から施行されることになります。法律改正の趣旨は、「地方教育行政における責任の明確化」、「迅速な危機管理体制の構築」、「首長との連携の強化」が眼目になっています。非常に大きな議論を経て、制度改革が行われました。



 既に、新しい制度のもとで、先ほどの法改正の趣旨を実現していくための大きな方策が「新しい教育長」を設置するということになりますが、この新しい制度での教育長に雪村新之助氏を任命することとさせていただきまして、3月17日に議会の同意もいただきました。
 そういうことで、新しく「総合教育会議」も設置され、市長が教育の振興に関する大綱を制定することになります。新しい制度のもとで、神戸の教育をしっかりと運営していくための取り組みを行っていきたいと思っています。

都心の未来の姿(将来ビジョン)・基本的な考え方

久元市長:
 3番目が、「神戸の都心の未来の姿(将来ビジョン)」の基本的な考え方につきまして取りまとめましたので、最初に資料をご覧いただきたいと思います。
 これまで神戸の都心のビジョンの基本的なあり方につきまして議論を進めてきました。震災から20年を経過して、神戸は新たなステージを迎えており、これからは、神戸の強み、神戸らしさを前面に押し出したまちづくりを推進していく必要があります。



 「ワクワク感と心地よさを兼ね備えた魅力あるまち」、「世界に貢献できるまち」となるよう、めざすべき都心の将来像を示すことを目的として、戦略を持って取り組みを進めていきたいと思っています。これまで、「『未来の姿』検討委員会」、あるいは「神戸の未来のまちづくり300人会議」などで、都心の将来像に関する意見を数多くいただいてきました。



 今回の基本的な考え方では「3つの柱」を打ち出しています。1つは「心地よいデザイン」、2つ目は「出会い、イノベーション、そして文化」、3番目は「しなやかで強いインフラ」です。これら「3つの柱」を都心の将来像として、それを実現していくために、都心に備える「8つの軸」を掲げています。
また、将来ビジョンを策定するにとどまることなく、神戸の魅力をさらに知ってもらうために、広くプロモーションを実施していきたいと思っています。



 それぞれ、文章にして書いてあるわけですけれども、なかなか、わかりにくいですので、「イメージパース」を使って説明させていただきますので、ご覧いただきたいと思います。
都心の「将来ビジョン」は、人を中心としたまちづくりをめざしたいということです。 「住む人」、「訪れる人」、「働く人」、それぞれの視点でお示しして、最後にインフラについてもお話したいと思っています。



 まず、「神戸に住んでいる人」を想定したまちづくりの視点です。私たちは、都心に神戸らしい景観をつくり込んでいきたい。人を主役にして、「歩いて楽しいまち」を実現していきたいと考えています。
 (画面を示しながら)例えばこのパースのように、都心の主要な歩行者ルートに神戸らしいたたずまいとデザインが感じられる、歩く人の目線での景観を創造していきたいと思います。



 もう1つのイメージは、次のパースですけれども、車道と歩道の幅を変えていく。「道路空間のリ・デザイン」という取り組みを行いまして、ベンチやカフェなどが備わった歩行者優先の心地よい空間にしていきたい、高質な空間を楽しみながら神戸らしいショッピングやグルメを楽しんでいただく、そのような都心をめざしたいと考えています。



 次の視点は「にぎわいの拠点」ということで、まちの多くの人々が集まる、心地よいにぎわい拠点をまちなかにつくり出して、上質なライフスタイルが送れるまちをめざしていきたいと考えています。
 もう1つのイメージは、神戸にふさわしいスポットとして、例えば、「世界で最も美しい書店」を都心に誘致することができないかという取り組みを既に始めています。神戸には港町としての歴史と文化があります。これらを生かして、知的で趣のある空間で、仕事帰りなどに少し立ち寄って、静かに上質な時間を過ごせるような場をイメージしています。



 次は、フラワーロードでの「光のミュージアム」という取り組みです。山や海から見た夜景も有名ですけれども、こういう通りを都心に生み出して、そして、まちなかでも美しい夜景を見ることができ、落ちついた神戸らしい雰囲気を、カップルや観光客の皆さんに楽しんでいただきたいと考えています。
 もちろん、港町としての夜景をさらに美しくしていくということも考えています。水際をライトアップし、港の形が美しく見えるようにしたり、造船工場のクレーンをライトアップしたりして、これまで以上に魅力を追加していくことも考えていきたいと思っています。



 この景観を考えるときには、神戸らしい、海と山に囲まれた美しいまちを守っていくという視点が重要です。その上で、「建物の高さのあり方をどうするのか」ということは大変大事な要素だと思います。
 この点につきましては、フォーラムや検討委員会でも様々な意見が出されました。50年後、100年後を見据えて、今は都心の大部分を占める商業地域には高さ規制がありませんが、新たに高さ規制の導入も含めて、景観維持のための規制・誘導を行っていきたいと考えています。



 今までが、「住む人」の視線ですけれども、ここからは「神戸を訪れる人々」に対する視点からのイメージをお示ししたいと思います。
 まず、神戸に着かれた方が到着される玄関口でのおもてなしです。これは、先月(平成27年2月25日)記者発表をさせていただきましたパースですけれども、新幹線での玄関口にあたる新神戸駅を、神戸を印象づける明るく美しい空間にリニューアルします。これは既に計画を作って、粛々と進めていきますが、これにとどまらず、歩行者が移動しやすくなるような工夫も、工事に手戻りにならない形で行っていきたいと思っています。



 新幹線だけではなくて、海の玄関口である「ポートターミナル」につきましても、港町神戸を感じさせる空間にリニューアルします。これはまもなく完成します。海の玄関のリニューアル、そして大型客船が停泊できる場所を増やして、今まで以上に大型客船の誘致を行い、たくさんの外国人観光客に神戸に来ていただきたいと思っています。
 駅や港など、神戸の玄関口を心地よいものにして、神戸を訪れた誰もが、着いた瞬間に神戸を感じられるような、ワクワクした場所にしていきたいと考えています。



 最大の玄関口である三宮駅周辺については、「三宮構想会議」をつくって議論を進めていますので、説明は別途の機会に譲らせていただきたいと思います。
 (画面を示しながら)その上での話なのですけれども、このJR三ノ宮駅、特に東口につきましては、たたずまいや、駅前としての機能がかなり時代遅れになっています。このJR三ノ宮駅東側、このあたりに新しい鉄道の玄関口として、新しい改札口をつくる。そして、都心の東エリアの活性化を担うことができる重要な拠点にしていきたいと思っています。



 新たな魅力スポットや新しいビジネスが生み出される起爆剤として、ぜひ、JR三ノ宮駅の新しい東口の改札口の設置に努力していきたいと思っています。そして、その周辺には、バスの玄関口として、「新たなバスターミナル」などの整備を考えたいと思います。三宮駅周辺には中長距離バスの発着場がたくさん集まっているわけですけれども、もっとわかりやすく使いやすいものにすることが不可欠ですので、「新しいバスターミナル」をぜひこの近辺に整備していきたいと思っています。



 そして、神戸を訪れた方が迷うことなく神戸を満喫していただけるように、「インフォメーションセンターの再整備」を検討したいと思っています。わかりやすく使いやすい情報がすぐ得られるインフォメーションセンターの整備をするとともに、案内サインやWi-Fi環境(インターネットが使える環境)の充実にも取り組みます。



 次に、「働く人」の視点です。神戸での新しいビジネスを創造する拠点として都心を考えていきたいということです。都心の便利な場所に、ビジネスを新しく始めようとする方々を支援する、あるいは投資家が集まる仕掛けを備えた、人とアイデアが集まる場を設けることを考えます。



 もう1つは、「東遊園地のイメージ」です。東遊園地のように、都心にある公園をもっとたくさんの皆さんが楽しく利活用することができる、ここでパソコンを持ち込んで仕事をしたり、家族や仲間と遊んだり本を読んだりと、緑に囲まれた空間で自由に楽しみ、交流できる場所にできないかを考えていきたいと思います。



 それから、都心で働くという視点を考えたときに、居住との関係をどうするのかということは大変重要なテーマです。これからの都心は、商業・業務に加えまして、都心居住、ぜひ都心に住みたいというニーズが増えてきています。都心を楽しみ、にぎわいが創出されることにつながる面もあるわけですけれども、居住に偏り過ぎますと、都心としての機能や魅力が損なわれる恐れが出てきます。また、都心の高層マンションにつきましても、様々な議論が出されました。



 神戸らしさを維持する都心居住のあり方を議論していく上では、基本的な考え方では、都心の業務を中心としたエリアではマンションの建設を抑制する、つまり、都心居住を抑制することが、都心のにぎわいづくりにとっては必要なのではないだろうかと。そして、その周辺には、商業・業務とともに、住宅−マンションが中心になると思いますが−マンションが共存するエリアを作っていくということで、「商業・業務機能と都心居住とを一定の考え方で分離する」という考え方を打ち出しています。ぜひ、この点につきましても議論をしていただきたいと思っています。



 これまで、「住む人」、「訪れる人」、「働く人」の視線で都心の将来像をお示ししてきました。そういうライフスタイルを支える大事な都市基盤が「都心のインフラ」です。
 まず、都心の交通ですけれども、人中心のまちにしていくためには、都心が歩行者と公共交通を優先した空間になることが求められます。魅力的なエリアへ快適に移動していただけるように、都心の交通体系を見直したり、交通手段の充実を図っていくことが必要です。



 最優先としては、歩いて楽しむことが大事ではないだろうかと。例えば、最近人が増えていますハーバーランドと神戸駅、あるいは元町商店街のルートを整備しまして、楽しみながら回遊していただくことが考えられます。
 その取り組みの−いわば第1段階になるわけですが−神戸駅とハーバーランドをつなぐ「DUO KOBE(デュオこうべ)」の地下街をリニューアルします。こういう取り組みを計画的に行っていくことになります。



 神戸は坂のまちです。新神戸駅と周辺地区をつなぐルート、それから、山手幹線を渡るルートがあるわけですが、現在は決して歩きやすいものにはなっていないと感じています。こういう坂の多い神戸のまちを気軽に巡りやすくしていくことが必要です。その一例としては、先ほどの「新神戸駅と北野地区をつなぐ遊歩道」も都心の再生のあり方として考えてみたいと。遊歩道を作ると、新神戸と北野が、今と比べまして、ぐっと身近に感じられるのではないだろうかと思います。こういう視点で、他のルートにつきましても、歩行者目線に立って検討していきたいと思っています。



 もちろん、歩くルートの整備だけではなくて、ビジネスやデイユース(日帰り観光客)を考えて、回遊性が高い便利な交通体系を考える必要があります。かねてから申し上げていますように、回遊性を向上させる新たな交通手段として、LRT、BRTの導入の可能性を検討していきたいと考えています。



 また、この交通の料金を考える上では、「一定のエリア内において均一料金にする」ということが考えられます。例えば、安い料金で乗り放題となる「ゾーン内均一料金」の制度を導入するということがあり得るのではないでしょうか。それと同時に、こういう交通手段を構築していくためには、料金だけでは採算がとれない可能性があります。市税をどこまで投入するのかという議論があわせて不可欠になってくるであろうと思います。事業の採算性だけではなくて、様々な角度から検討していきたいと思っています。



 そして、最後になりますが、「都心のエネルギーシステム」、分散型電源として水素エネルギーを導入するということを検討していきたいと思います。サンチカなどの地下空間を利用して、周辺のビルを電線と熱導管でつないで、電気と熱の相互融通を行っていくと。そういうことで普段は環境にやさしく、また非常時におきましてもエネルギーの確保ができて、安心して活動を行ってもらえるインフラを作っていくということです。



 幾つかのイメージパースでお話しましたけれども、これからの神戸の都心は「住む人」、「訪れる人」、「働く人」が本当に心地よく楽しめるライフスタイルが実現するまちをめざしてまちづくりを進めていきたいと考えています。「何か神戸がおもしろそう」だと感じていただいて、神戸に興味を持ち、また、神戸に携わる皆さんが神戸を誇りに思うまちにしていきたいと思っています。



 今回、発表させていただきました都心の「将来ビジョン」の基本的な考え方は、今申し上げたとおりです。ぜひ、基本的な考え方につきまして、別途お配りしています資料の方法で市民の皆さんのご意見をお伺いしていきたいと思っています。そして、そのようなご意見を伺いながら、平成27年度の上半期中にこの「都心の『未来の姿』(将来ビジョン)」を策定していきたいと思っています。
 ぜひ、前向きに神戸をよくするためのご意見をいただければありがたいと思っていますので、どうぞよろしくお願いします。
 私からの説明は3点です。以上です。

発表項目についての質疑応答

エンタープライズプロモーションビューロー・分譲面積が過去最高に(テキスト版)

記者:
 東洋水産の新工場建設の件で、今年度、分譲面積が過去最高になったということなんですが、それを達成した背景にはどういう要因が考えられるんでしょうか。



久元市長:
 1つは、「高速道路ネットワークに近い」と。「神戸テクノ・ロジスティックパーク」−他の産業団地もそうですけれども−アクセスがいいということが1つ挙げられます。それから、こういう食品関連、あるいは物流に対する用地需要が旺盛であることが背景にあると思います。
 エンタープライズゾーン条例による優遇措置など−自治体間の一種の競争になっていますから−神戸としての企業誘致の手段をとってきたということが挙げられると思います。それから、ビューローの職員の努力も、当然のことながら、あったと思います。一生懸命、企業誘致を職員にはやっていただいたと思っています。

都心の未来の姿(将来ビジョン)・基本的な考え方(テキスト版)

記者:
 都心の将来ビジョンのことで伺いたいんですが、世界で最も美しい書店を誘致するというのは、具体的にどんなものを想定されていて、今、既に取り組みを始めているということでしたが、今、どういう段階にあるのかということを教えてください。加えてなぜ、書店なんでしょうか。



久元市長:
 まず、なぜ書店なのかということですけれども、「都市のにぎわい」、あるいは「都市の元気」は「都市の文化」と密接に結びついているのではないかと思います。そういう意味でこの都市の文化の中で、書店が果たす役割は私は大きいのではないかと思います。
 例えば、東京などでも、全体としては書店は減っているんですけれども、相当大型書店がそれぞれのターミナル駅にもたくさんありますし、また、神保町を中心とした書店街は、今でも健在です。



 しかし、これに対しまして神戸では、昔からある書店が次々に姿を消していきました。とりわけ、私が副市長に就任してから老舗の書店でありました海文堂が閉店になったということは、大変寂しい事柄でした。
 私はぜひ、この海文堂そのものの復活ということではないんですけれども、元町の商店街に1軒も書店がなくなったということは、神戸の都市文化を考えると、少し寂しいことなのではないだろうか。そして、そのことを寂しいと思っておられる市民の皆様がたくさんおられるのであろうかということで、何とか市も何らかの関与をした上で、元町地域に書店を設置することができないかということを模索してきました。しかし、なかなかまだいい知恵が見つかっていません。ただ、決して諦めているわけではないんですね。



 そういうことからいいますと、まだ具体的に誰というお話はできないんですけれども、世界で一番美しい書店というコンセプト(構想)があるし、そういうことができないかということを模索しているグループがありまして、水面下で相談を始めています。まだこれは具体的に発表できる段階ではないんですけれども、外部からそういう書店を誘致するということができないかということを今模索している段階です。



記者:
 資料12ページ目のパースで、三宮駅周辺については、別の機会でご説明するということになっているんですけども、市民から意見募集するにあたって、三宮周辺は一番関心が高いと思うんですけども、意見募集にあたって、これまででどういうところまで話が進んでいて、別の機会というのはいつぐらいになるのかというのを教えてください。



久元市長:
 三宮構想会議を先般開催しまして、三宮駅前の具体的なプランをお示しいたしました。特に、駅前広場をどうするのかということについて、かなり意見が出されたようです。その上で、三宮の構想についての基本的な考え方を、これは新年度に入ってからになると思いますけれども、できるだけ早くお示ししたいと思っています。
 この都心、そして三宮の取り組みについては、前からもお話しましたように、三宮だけでは都心のプランはできないんですね。ある程度広くエリアをとって、全体のイメージをつくり上げていく中で、三宮をどうするのかということを考えることが重要な視点だと考えてきました。



 そういう意味からいいますと、本当はセットでお示しすべきだったのかもしれませんが、まず全体のイメージについてご意見をいただくと。その意見の中に、三宮についての意見を出していただいても構いません。これまでの検討経過については詳しくホームページなどでもお示ししていますから、出していただいても結構だと思います。



記者:
 都心の「将来ビジョン」の基本的な考え方が、こういった形ででまとまったんですけれども、市長の率直な受けとめをお聞かせください。この辺のことを盛り込みたかったなとかがあれば教えてください。



久元市長:
 これは検討委員会で議論してきて、神戸市としてまとめたものです。ですから、これは検討委員会でいろんな意見も出されましたし、フォーラムを行ったり、300人会議をやって、神戸市としての考え方を打ち出したものです。ですから、今まで出された意見、その中で完全に意見の一致を見ていないものもあるんですけれども、私どもの考え方で一定の方向を打ち出したものがあります。
 例えば、その中で2つ例を挙げますと、1つは、「商業・業務機能と居住機能」をどう考えるのかと。これは、都心居住に対するニーズが大変高くなっていて、そういうニーズに応えるべきなのではないか、つまり、積極的にマンションを都心にも建設すべきではないかという意見もありました。



 これに対しまして、まちの元気、にぎわいということを考えれば、都心の、特に神戸の将来像を考えたときに、商業・業務施設が駅の中心にあるほうがいいという考え方もあったわけです。この基本的な考え方では後者の考え方をとっています。そういう点につきましても市民の皆さんのご意見をいただければと思います。
 それから、もう1つは、神戸らしさについてはいろんなところで意見が出されました。「神戸らしさというのは一体何なのか」というのは非常に難しい議論なんですね。「旧居留地区」を神戸らしいと思う方もたくさんいらっしゃるし、「北野」などの山手地区、「御影」とか「岡本」といった地域、それから、私は生まれ育ちました「新開地」の近辺が神戸らしいと個人的には思っているんですけれども、それぞれの立場によって違います。



 しかし、そういうイメージの違いを超えて、神戸らしさが何となく失われているのではないかというのが、神戸のまちが何となく、例えば「東京や大阪や他の都市と似てきている」、「神戸らしさが失われている」と感じている人が結構おられたんですね。その1つの原因が、神戸に次々に高層マンションが建って、だんだん海から山が見えにくくなってきていることによって神戸らしさが失われていると感じていらっしゃる方が多かったんですね。



 現在、商業地域につきましては高さ制限がありません。これについて盛り込むべきではないかという考え方を今回お示しさせていただきました。これについても、経済の活性化、それから、これから都市の時代になってくると、日本の大都市だけではなくて、海外の都市を見ても、中心部の高層化がものすごく進んできています。そういうことから考えたときに、建物の高さ規制を導入するということについては多分いろんな議論があると思うんですが、こういう点についても、我々は我々なりの考え方をお示しさせていただきましたので、この点について議論していただきたいと思います。



 あと、盛り込みたかったことというのは、庁内的にはもう少し議論したらあるかもしれませんけれども、今、私どもが検討してきて、様々に議論する中でご意見をいただいたものを、集大成したつもりです。



記者:
 この将来ビジョン、基本的な考え方が、いろいろ意見もありながら決まったということですが、その未来というのは何年先ぐらい先までに描き出した神戸をつくっていけるのか、いきたいのかというのを教えてください。



久元市長:
 (将来ビジョンが)決まったわけではないんです。これは、今まで検討した、議論に基づいて基本的な考え方をお示しして、それをもとに様々に議論するということになりますね。その上で将来ビジョンを決めることになります。
 しかし、この将来ビジョンでもって全部、細大漏らさず神戸のまちづくりが決まるわけではありません。例えば、先ほどの「商業・業務機能」と「都心の居住機能」を変えるには、都市計画法上の用途地域を変更する必要がありますし、高さ制限を盛り込むにも手続が必要です。



 そのためには都市計画法に基づく都市計画審議会に意見を聞いたりして都市計画を決めていくというプロセスが必要になりますから、将来ビジョンで全てそれに基づいて自動的にまちづくりが進むわけではありません。



 どれぐらいをイメージしているのかということは、なかなか難しいんですけれども、将来ビジョンを作る段階で検討させていただきたいので、今すぐお答えできませんが、イメージとしては、「将来的な神戸のイメージは大体こういう方向をめざしましょう」ということをお示しした上で、できるだけ短期間にできるもの、例えば、「3年後にできるもの」、「5年後にできるもの」、「10年後にできるもの」で年限を示して、短期、中期、長期というスパン(期間)を示して、できれば将来ビジョンでお示しすることをめざしたいと思います。



記者:
 18ページの居住を抑制するエリアと、商業・業務・住宅共存のエリアというところなんですけれども、この地図を見ると、抑制するエリアは旧居留地区とか東遊園地のあたりとかも入ってくるのかなと。このあたりでは、既に高層マンションも建ち始めているような気がします。どういう視点から具体的な区割りを決められたんでしょうか。



久元市長:
 これを何か虫眼鏡で拡大して、「ここは入っているな」と見てほしくないんです。これは、大体、イメージとして、三宮の近辺と、フラワーロードの西側の旧居留地区というイメージです。ここは、もともと商業活動あるいはビジネスの集積が相当ある地域だったわけです。そこで、今はそういう制限がないので高層マンションがかなり建ち始めているけれども、これからは、高層マンションをさらにここにつくってもらって都心居住をするのではなくて、商業・業務を中心にこのエリアを考えていくべきではないだろうかという考え方です。



 神戸の元気、にぎわいをつくっていくためには、神戸の三宮とか元町とか、神戸から大阪に仕事をするという方のニーズに市政として応えていかなければならないことは当然ですけれども、それ一辺倒ではなくて、むしろ「神戸にショッピングに来てもらう」、「神戸にグルメを楽しみに来てもらう」、「神戸にアートシーンを楽しみに来てもらう」ということが、神戸が魅力ある都市として発展していくためには必要なことではないだろうかと。



 そういうことを考えると、このエリアは、商業・業務機能を中心に考えるべきではないだろうかという考え方をお示ししたということです。

発表項目以外の質疑応答

未来都市創造に関する特別委員会からの提言書について

記者:
 報告事項と重複しますが、市議会でも三宮を中心に未来の姿について話し合われて、提言をまとめられたところだと思います。それはどう反映される可能性があるんでしょうか。



久元市長:
 実は、特別委員会の提言は、明日、私に提出されるということですので、よく考え方をお聞きしていきたいと思います。その上で、市会が委員会としてまとめた考え方をよくお聞きした上で、まさに今日、市民の皆さんからもご意見をお聞きするということですから、市会のその提言をしっかりと読ませていただいて、来年度前半につくる将来ビジョンの中に反映させていく努力をさせていただきたいと思います。