神戸市-KOBE-


定例会見 2014年(平成26年)2月18日

最終更新日
2014年2月18日

発表項目

平成26年度当初予算案(その1)
(5分09秒) 





 



平成26年度当初予算案(その2)
(11分04秒) 











 

平成26年度当初予算案(その3)
(9分23秒) 











 

平成26年度当初予算案(その4)
(13分28秒) 











 

質疑

発表項目についての質疑応答

その他の質疑応答

発表項目

平成26年度当初予算案(その1)

久元市長:
 1.「神戸の元気創造予算」の編成
平成26年度の神戸市の当初予算案をまとめましたので、今日は基本的な考え方なり内容についてまず私から説明させていただきます。



 2ページをごらんいただければと思いますが、平成26年度の神戸市の予算は、「神戸の元気創造予算」、こういう基本的な考え方で編成させていただきました。



 今、神戸市を取り巻く状況というのは、人口が減少する時代に入ってきている。そして、市民の皆さんの価値観やライフスタイルも大きく変化しています。その一方で、大幅な税収が見込めない、そういう中にあって社会保障関係経費も増大してきています。大阪などとの都市間競争の中に神戸はさらされています。目の前の課題はたくさんありますが、神戸市が必要な政策を展開していく上で前提となるのは「財政対応力」です。神戸市の財政対応力がなければ政策課題に向かっていくことはできません。



 そういう意味から言いますと、神戸市では矢田前市長のもとで断固たる決意のもとで行財政改革が進められてきました。幾つかの主要な財政指標で見ますと、神戸市は20の政令市のなかで「中の上位ぐらい」のところまで財政対応力が回復してきました。私たちは今、「将来に向かっての可能性を手にすることができている」と思います。この可能性をどう生かして、ばらまきに陥ることなく政策展開をしていくのか、そこが求められる。



 私の就任最初の予算は、そういう財政対応力を生かして、神戸を安定した成長軌道に乗せていくための端緒となる予算を編成する、その責務が私にはあると考えてきました。



 そこで、予算編成に当たり、初めから要求枠を設けて制限するのではなく、シーリング(予算を要求する際の上限額)を撤廃して必要なものは各局に要求してもらうと。こういう予算編成を行うことを1つの基本に据え、そして、さまざまな政策課題は組織の垣根を越えて横たわっていますから、横断的な政策課題について複合的な視点に立って予算を編成するということ。そして、目の前に消費税率の引き上げが迫ってきていますので、この引き上げ後の神戸経済の底上げと好循環を実現していく、そういうことを課題認識しながら編成させていただきました。



 3ページをごらんいただきますと、「神戸の元気創造予算」の基本的な編成の考え方と特徴です。
 1つは、将来の神戸を見据えたまちづくりをどうしていくのかということです。三宮の周辺、都心・ウォーターフロント、これらの都心の再生は大変重要な課題ですし、ニュータウンがオールドタウン化しており、団地の計画的なリノベーションが求められています。市街地西部の活性化なども課題です。そういう神戸のまちづくりをしっかりと行っていく。その上で、特に重点を置いて編成しましたのは総合交通体系の整備です。総合交通体系の整備に力点を置きながらまちづくりを行っていくということが1つの特徴です。



 2番目に、25年度の補正予算につきましても、今日後ほど説明させていただきますが、この補正予算と一体となった切れ目のない経済対策を行っていくということが2番目の柱です。



 3番目は、市民の皆さんの福祉を向上させていく。これは大変重要な課題ですが、都市間競争の中にあって、外部からすぐれた人材や企業を神戸に呼び込んでいくという上でも、安心できるくらしづくりを実現させていくことは大変重要な課題であると考えています。



 4番目に、聖域なき行財政改革を実行していく。行財政改革を引き続き実行しながら、財政対応力をさらに高め、翌年度以降の持続的な神戸市の安定した市政運営を行っていきたいという願いが込められています。
 



2.施策の柱
 4ページをごらんいただきますと、施策の大きな柱「市民が元気で働けるにぎわいのある街の実現」をはじめ、5本の柱は、私が昨年就任しましたときに施策の基本的な方針として発表しました柱ですが、この5本の柱に沿って予算を編成しました。順次、この柱に沿ってご説明します。

平成26年度当初予算案(その2)

久元市長:
 3.主要重点事業
(1)市民が元気で働けるにぎわいのある街の実現
 5ページをごらんいただきます。
 初めに、「神戸経済の活性化」です。外から企業誘致を積極的に行っていくためには、他の都市の動向も考えながら必要な優遇策などを講じていかなければなりません。エンタープライズゾーン条例を改正して優遇措置を拡大します。これまで3年間、10分の5の税の減免を行ってきましたが、これを5年間で10分の9に拡大します。そして、雇用を創出するような企業に対しましては、新たに補助限度額、投資額の3%以内で上限額5億円、こういう促進助成を創設します。



 外部から企業を呼び込んでくると同時に、神戸の中にある商業集積をしっかり守っていくことが重要です。商店街の小売市場の活性化につきましては、就任後すぐに専任の部長クラスを設置して商店街・小売の活性化に取り組んでいますが、26年度予算においては、「地域商業活性化支援事業」という制度を創設して、3年計画型と単年度型、2つのタイプを設け、3年計画型については4分の3まで補助率を拡大して商店街に対する助成を強化します。



 もう1つ、神戸の産業の大きな特徴は、消費地に近い農業地域があるということです。農漁業の振興が大変重要な課題です。その拠点として設けられたのが、北区大沢にあるフルーツ・フラワーパークですが、フルーツ・フラワーパークについては、第三セクターが運営していたホテルの、民間ホテルへの売却が実現できました。これと併設する形で、新たな都市型農業を創造する拠点−関連する企業とコラボレーションで必要な拠点−を整備します。



 6ページをごらんいただきたいと思います。
 「全ての人に優しい交通網の整備」です。神戸の原点、また強みは何だろうかと考えますと、それはやはり「交通の要衝である」ということだと思います。古くから港が発達してきた、そして明治の早い時期に鉄道が敷設された、さらに高速道路、新幹線、神戸空港など、陸・海・空の交通の拠点であることは神戸の大きな強みです。これをさらに利便性のよいものにしていく必要がありますし、また、このような主要な交通網と結節する形で市内の交通網を整備し、市民の皆さんの足をしっかりと確保していく必要があります。



 こういう観点での交通網の整備は、私の任期中に必ず毎年新しい施策を展開しながら計画的に進めていきたいと思っていますが、端緒となる平成26年度予算におきましては、まず既存の交通ネットワークの維持に力を入れます。



 北神急行電鉄への支援は、兵庫県と協調して、現行運賃水準の確保を目的とした施設更新費、修繕費に対して補助を継続します。これにより、本来430円の運賃が350円−消費税が上乗せになりますので360円になりますが−この運賃水準を確保します。神戸市北部における神戸電鉄の役割は大変重要です。粟生線については乗客の減少が続いていますが、何とか粟生線を守るために、周辺自治体と十分協調しながら利用促進を支援します。



 また、乗客の増を図っていくために、シニア層を対象とした新たな利用促進策を検討します。神戸電鉄に敬老パスを適用したのと同じ効果があるような運賃引き下げが実現できるよう、必要な調整を神戸電鉄と行い、調査を行います。調査を行った上で、平成27年4月からシニア層に対する運賃引き下げを実現したいと考えています。



 また、神戸市の北部−北区のさらに北部−になりますが、バスの減便などが続いています。地域の住民の皆様が自主的に運行しているバスに対して、運行補助の制度を創設します。



 将来を見据えた新たな交通手段の検討は、大変重要な課題です。LRT(Light Rail Transit:次世代軌道系交通システム)、そしてBRT(Bus Rapid Transit:バス高速輸送システム)の導入ができないか、そしてワンウエイ型(複数の駐車場で貸出返却が可能な)カーシェアリングの実現ができないか、その実現可能性について検討します。いろいろな課題があろうかと思いますが、何とか市内全域を対象にしてこれに協力してくれる事業者を公募し−初めから机の上でプランを描くのではなくて−事業者の協力を得ながら、LRT、BRTの実現、導入可能性を探る、そのような調査を行います。



 ちょっと説明が後先になりましたけれども、ポートアイランドへのアクセス向上は、医療産業都市を展開していく上での重要な課題です。朝のラッシュ時のポートライナー混雑緩和のために、車両編成を増強するとともに、混雑時間帯に(社会実験としての)バスの運行を神戸駅、三宮駅から行います。



 7ページをごらんいただきたいと思います。
 ニュータウンが、既にオールドタウン化しています。民間に分譲された住宅ですので、神戸市が自前でリニューアルなどを行っていくことについては、限界があります。地域住民の皆さんへのアンケートを行いながら、また、アドバイザー派遣などの対応を行いたいと思っています。神戸市が自分でやれることについては責任を持って対応したいと思っていまして、近隣センター(開発団地内の住民利便施設・小規模商店の集積地)のリニューアルや大規模な市営住宅の再編を、民間活力の導入、PFIを活用したリニューアルを行います。桜の宮、東多聞台において、大規模な市営団地のリニューアルを行います。



 市街地の西部地域、地下鉄海岸線沿線が中心になりますが、これらの地域については、正直言いまして、なかなか人口増、乗客増につながるような対応は、まだ見出せていません。幅広く沿線住民の皆さん、民間事業者の皆さん、まちづくりの専門家の皆さんと職員が一緒に入ったプロジェクトチームを設置して、新たな知恵を探ります。



 また、この地域のプロジェクト事業への提案を募集して、実現可能性調査などに対して、最大限100万円の支援を行います。



 新長田の「くにづかリボーンプロジェクト」については引き続き実施します。また、新たに、地下鉄海岸線「1キロきっぷ」実証実験を行い、1キロ未満の1駅については100円−消費税が上乗せされますので110円−で乗れる。このような実証実験を行って、その結果、乗客増につながるかどうか検討を行って、実現可能性が高ければ、これをルール化するような取り組みを行っていきたいと思います。



 観光交流の面では、引き続き様々な広報活動や観光客誘致を行いますけれども、特に26年度においては、外国人観光客の利便性を高めるために、市内のWi-Fiアクセスポイント(無線でインターネット等のネットワークに接続する拠点)3,000カ所を目標に、整備に必要な予算を計上します。コンベンションセンターについては、引き続き再整備の調査、検討を行います。



 8ページをごらんいただければと思います。
 景気対策のところです。必要な公共投資を行っていく。このことは神戸経済の下支えにもつながると考えられますので、これまでも必要な事業費を確保してきました。平成26年度においては、この後説明します平成25年度の補正予算と、そして当初予算と合わせて648億円の投資的経費(「市民のくらしに身近な投資」)の事業量を確保します。これは、24年度の補正予算、25年度の当初予算と合わせた813億円から見れば減っていますけれども、それ以前の数字をごらんいただきますと、かなり高い水準の事業費を確保しています。これをできるだけ平準化しながら執行し、市内の景気の下支えを行いたいと思います。



 その内容については、この(資料の)左に書いていますように、施設の老朽化への対応、これは大変重要な課題です。必要な維持補修を行いながら、施設の長寿命化を行っていく。道路、橋梁、市営住宅、学校、社会福祉施設、港湾、上下水道、これらの長寿命化に重点的に配分したいと考えています。当然のことながら、高潮対策などの防災対策にも力を注ぎます。

平成26年度当初予算案(その3)

久元市長:
 (2)世界に誇れる夢のある街の実現
 9ページをごらんいただきたいと思います。
 2番目の柱です。都心の再生が大変重要ですが、その中でも、特にその中心になるのが「三宮周辺地区の再整備」です。三宮を含む都心の再生については、「神戸未来都市創造プロジェクト」を推進するためのプランを策定することにして、先般、検討委員会を設置することを発表しました。これに続いて、三宮の検討委員会のチームも発足させます。そして、この両方の検討委員会で検討を行い、できるだけ早く、三宮は具体的な整備計画を、そして三宮を含む都心の地域については、ハード・ソフト両面にわたる再生プランを策定して、市民の皆さんに神戸市としての考え方を提案したいと考えています。



 同時に、プランをつくるまでは何もしないということではなくて、並行して必要な整備を進めます。JR貨物神戸港駅跡地の緑道整備、あるいは新港第1、第3突堤周辺地区の整備、ハーバーランド地区のリニューアルの整備については、整備が後戻りにならないように留意しながら、先行して必要な工事を進めます。



 医療産業都市については、再生医療が大変進展していることは広く報道されているとおりです。神戸市としては、仮称ですけれども、「神戸アイセンター」−網膜についての研究からリハビリまでを一貫して行う施設ですけれども−これの調査、検討を行います。



 また、創薬を実現するための新たな研究体制を整備するために必要な研究拠点の整備を行います。あわせて、外国からの研究所や企業の誘致を含めますと、英語を含む多言語の戦略的な広報を行っていくことも求められていますので、そのための予算の計上をしています。



 10ページをごらんいただきたいと思います。
 国際コンテナ戦略港湾の推進です。神戸港への集荷を促進していく必要があります。新たなトランシップ貨物(外国貿易における積替貨物)の誘致のための必要な支援事業を展開します。



 高規格コンテナターミナルの整備としては、国費の確保を図りながら、水深をさらに掘り下げる工事などを行っていきます。



 今回の補正予算を見ても、国費では全国の枠の中で、神戸港に対して相当程度の配分が行われています。国と十分な連絡、協調を行いながら、神戸港における国際コンテナ戦略港湾の取り組みの推進を図っていきますし、また、必要な集荷についても努力したいと思っています。



 神戸は環境面でもさまざまな先進的な取り組みが行われてきました。先般は下水処理場における取り組みを紹介させていただきましたが、それ以外にも、平成26年度予算においてはスマートハウス(家庭内のエネルギー消費を最適に制御できる住宅)の普及、エネファーム(家庭用燃料電池によるエネルギー供給システム)の設置補助の拡大、燃料電池車の普及・促進、エネルギーセンター(ある地域におけるエネルギー消費全体をコントロールする拠点)の導入検討などを行います。
 



(3)安心して子育て・教育ができる街の実現
 3番目の柱が「子育て・教育の関連」の事業です。
 11ページをごらんいただければと思います。
 乳幼児・こども医療費の負担軽減についてです。このことについては、私は通院の無料化を段階的かつ速やかに実施したいという考え方を表明してきました。そのステップとして、外来の自己負担金の軽減策を拡充します。現在は、3歳から小学3年生まで、1日1医療機関ごとに800円を上限とする負担金を払っていただいています。2回まで払っていただき、3回目以降は、同じ医療機関については無料になるということです。1医療機関については800円の2回分、1,600円負担していただいています。そして、小学校4年生から中学校3年生までは2割負担をしていただいています。



 これを小学校4年生から中学校3年生まで含めて、1日500円を上限とする制度に統一します。800円を500円に引き下げるとともに、小学校4年生から中学校3年生までの2割負担をそれ以下の年齢層と同じにするということです。負担の低額化を図ります。これにより、2割負担ですと、かなり医療費が、場合によっては自己負担が高額になる場合がありますが−基本的には1医療機関、毎月1,000円に抑えられることになります。



 保育所の待機児童の解消はこれまでも行ってきましたが、26年度予算において保育枠約1,400人分の拡大を行います。保育所の整備で940人分、小規模保育事業の拡充で450人分を行います。平成24年度(正しくは平成25年度です)における待機児童が337人ですので、この早期解消を目指します。新たなこのような措置により、需要が喚起されることは従来から指摘されていますので、これにより待機児童ゼロが必ず実現されるわけではありませんが、その方向に向けて大きく踏み出すことができるのではないかと考えています。



 特別支援学校の整備については、垂水(養護学校)と青陽西養護学校を統合するとともに、県立の高等特別支援学校を農業公園内に設置します。また、東部地域においてかなり児童・生徒が増えていますので、仮設校舎をつくるといった対応を行います。



 それから、発達障害児などの相談が大変増えていますので、こども家庭センターの中に専任の相談検査チームを設けて、できるだけ待ち時間がない形で相談に応じることができる体制を強化します。



 12ページをごらんいただきますと、教育です。
 学力の向上が、市民の皆さん、保護者の皆さんからも大変期待が大きいところですので、教員と連携した複数指導、少人数指導によりきめ細かな学力向上対策を行います。そのためには、学力がどれぐらい定着しているのかをきちんと調査することが大変重要ですので、平成26年度においては、新たに小学校5年生と中学校2年生全員を対象に調査を行います。国は小学校6年生と中学校3年生を行っていますので、さらに拡充されます。平成27年度においては、これに加えて、小学校4年生と中学校1年生の学力定着度の調査を行いたいと考えており、これにより、小学校4年生から中学校3年生まで、小学校高学年と中学生全員の学力調査を行うことができるようになります。



 いじめ・不登校対策については、スクールソーシャルワーカーの配置やスクールカウンセラーの配置拡充を行います。



 学校現場における先生方、教員の皆さんが大変忙しいということが従来から問題になっています。できるだけ事務仕事から解放されて、子どもたち一人一人と向き合う時間をつくる、そして、教える力を向上させていく、そういう点に精力を傾けることができるような対策が必要です。



 神戸市情報教育基盤サービスは大変使い勝手が悪いシステムになっているようですが−これはKIIFと呼ばれるシステムですけども−この端末を更新して、配置対象も、幼稚園、特別支援学校に拡大します。そのほか、校務支援システムや学校徴収金管理システムを構築して、効率的に必要なお金を集めることができるようにします。
 

平成26年度当初予算案(その4)

久元市長:
(4)市民が地域とつながり福祉と医療をはじめ安心してくらせる街の実現
 13ページですが、福祉と医療の関係です。
 高齢者の住まい、まだバリアフリーになっていない家庭がかなりたくさんあり、そのためにいろいろな事故などが起こっています。要支援・要介護認定を受けていない高齢者の単身家庭、ま、高齢世帯を対象に、手すりあるいは段差解消を対象とした新たな支援制度を創設します。

 

 それから、障害者の就労支援については、法定雇用率が引き上げられたということにも対応して、障害者が安定して多数雇用される特例子会社に対する支援を創設します。

 

 それから、重症心身障害者への対応については短期入所施設を新たに整備します。

 

 救急医療対策としては、休日急病診療所を増設するとともに、救急患者の振り分け機能を持つ休日急病電話(相談)センターを設置します。

 

 市民病院については、一部、狭隘化が指摘されてきました。中央市民病院については南館の増築を行います。(中央市民病院について、)全体の事業費は大体16億ぐらいになりますが、平成28年度に供用開始ができるように作業を進めます。西市民病院については東館を増設します。8億円ぐらいの事業費になりますが、内視鏡センターの拡充などを行います。

 

 14ページをごらんいただきたいと思います。
 阪神・淡路大震災から来年で20年になります。震災20年を継承・発信していくために、防災教育の推進や大学生による震災学習を通じた震災情報の継承と防災・減災の発信を行います。

 

 やはりメーンとなるのは、「1.17のつどい」、「ルミナリエの開催」と思います。この事柄については予算から離れますが、この内容をどうしていくのかについて、新年度、市民の皆さんからさまざまなご意見を聞きながら、そのあり方を検討していきたいと考えています。

 

 また、震災の経験を踏まえて、神戸は、東日本大震災を初め、様々な地域に支援を行ってきました。「貢献する都市としての神戸」を発信していくために、震災復興交流セミナーや、あるいは市民メッセージの発信などを行っていきたいと思います。

 

 津波対策については、これはハード・ソフト両面にわたる対策が必要です。ハードにつきましては、海岸保全施設の耐震、あるいは津波に耐えられるような防潮堤の強化といった対応を行い、海抜表示板を設置する。その一方で、ソフト面につきましては、防災福祉コミュニティごとの避難計画の策定などが進められていますので、さらに訓練などを進め、防災対応力が地域単位で向上されるように対応していきたいと思っています。

 

 それから、先ほど投資のところで申し上げましたけれども、道路・橋梁の長寿命化については、必要な対応を行っていきます。

 


(5)本物の市政改革をすすめ新しい地方自治がはじまる街の実現
 5番目の柱が「市政改革について」です。市政改革については、できるだけ効率的な行政サービスを市民の皆さんの意見を酌み上げながら提供するために、市役所を改革していくという取り組みです。

 

 1つは、税・社会保障共通番号(社会保障・税番号)制度がもう実現に向けて準備段階に入っています。来年の10月には、国民一人一人にこの番号が附番されることになっています。これを活用して、どうすれば市役所の中で番号をキーとして情報を共有し、行政サービスの効率化を行って、市民サービスの向上を行っていくかが課題になりますので、必要な予算措置を行います。

 

 市民サービスを向上させるためには、市民の皆さんに身近な区役所の機能の充実・強化が重要です。北区役所については、鈴蘭台の駅前で再整備を進め、28年度に移転が完了できるように作業を進めます。兵庫区役所については、庁舎のあり方について一定の方向が出されましたので、26年度に必要な予算を計上し、平成30年度に庁舎が移転できるように、そして消防署についても、平成32年度に移転が完了するように作業を進めます。また、西区については、人口25万人の大変大きな区ですけれども、区役所が地下鉄から離れたところに今あります。何とか地下鉄の沿線、具体的には西神中央駅前に区役所の分庁舎を設置して、必要な手続きは、今後、分庁舎で行えるようにしたいと考えており、26年度については、このための大きな調査、検討を行います。

 

 市民の皆さんのご意見をしっかりとお聞きして、そして市政の情報を発信していく取り組みは重要です。広報官による情報発信の強化を行う一方で、市長また副市長や幹部職員と市民の皆さんとの直接対話の機会を拡大するために、「対話フォーラム」を市内各地で行いたいと考えています。また、若者の皆さんの意見、特に大学生の皆さんの間で、この前の市長選挙に対しても、投票率を向上させるなど、意欲的な取り組みが見られましたので、彼ら以外の大学生の皆さんも含めて、市政に対する意見をお聞かせいただく。いろいろな形での意見交換を行うために、大学生の皆さんとの円卓会議を開催します。

 

 また、できるだけ幅広い広聴手法を展開していくことが重要ですので、インターネット上のモニター制度を27年度から動かすことができるように、26年度にはこの「ネットモニター制度」のシステム構築を行います。

 

 市役所改革を行っていく上で、市役所の中の人材の育成は大変重要な課題です。国際的視野に立った政策形成・人材育成ができるようなプログラムを職員研修所において行います。また、若手職員向けの政策形成研修や女性の職員の活躍ができるようなワークショップ、さらに、自主的な研究に対する支援制度も創設します。

 

 また、重要な課題については、市民の皆さんと職員とが1つのプロジェクトチームをつくって、あたっていくことが有効な対応方策ではないかと考えています。先ほど、市街地西部地域の活性化について、プロジェクトを設けるという話をしましたが、これ以外にも、例えば、北区・西区の耕作放棄地をどう有効活用するのか。また、神戸市でも広がっている空き家対策について、現状を把握するとともに、どういう対応が必要か。また、法制度の改正ということも含めた政策立案や、政策展開も含めた対応を市民の皆さんや職員が一緒に検討していく、そういうようなプロジェクトチームを設けて、これからも、いろいろな政策課題に応じて、順次プロジェクトチームをつくって政策提言を行っていただきたいと思っています。

 


4.聖域なき行財政改革の推進
 これら様々な政策を展開していくためには、神戸市においては、引き続き、聖域なき行財政改革を推進していくことが必要です。

 

 16ページをごらんいただきますと、平成26年度においては、さらに331人の職員を削減します。平成7年度、地震が起きた年には2万1,728人の職員がいましたが、26年度の削減により、神戸市の職員は1万5,000人を割り込んで、1万4,810人になります。約3割の職員が削減をされたことになるわけです。このように、職員が削減されることは、1人当たりの仕事量が増えることも意味しますので、できるだけ効率的に仕事を行って、そして職員の士気を高めて、−仕事人という表現が適当かどうかわかりませんが−チーム力を高めて、結果として神戸市役所の行政対応力を高めていくことが不可欠になろうかと思います。そういう意味からも、職員の人材育成、職員の皆さんの意向や、そして職員の皆さんの思いをしっかりと受けとめて対応していくことが重要であると痛感しているところです。

 

 外郭団体については、これは、行革ビジョン(神戸市行財政改革2015)では平成27年度までに10団体以上の削減が目標でしたが、これは既に達成されています。平成26年度においては、フルーツ・フラワーパークを運営していた「株式会社神戸ワイン」、これを削減します。誤解のないように申し上げますが、(飲み物の)神戸ワインは「みのりの公社」がつくっていますので、神戸ワインがなくなるわけではありませんので、そこはよろしくお願いします。外郭団体についても、(市からの)派遣職員はさらに削減します。

 


5.予算提案額の概要
 内容についてずっと説明してきましたけれども、全体の規模がどうなるのかについて、17ページをごらんいただきたいと思います。

 

 平成26年度の一般会計の予算額は7,071億円で、前年度比30億円の減、0.4%の減となっています。特別会計と企業会計は1兆575億円で、594億円の増、全体で6%の増と。合わせて1兆7,646億円、3.3%の増となっています。

 

 これが神戸市会に提案する予算の数字ということになるわけですが、実質的な予算規模ということで見ますと、一般会計の中には中小企業融資が含まれています。この中小企業融資は、神戸市から金融機関に対して預託を年度の初めにしまして、そこで資金を運用していただく。年度末にこれを回収ということで、金利の軽減を行っているわけですけれども、これはいわば見かけ上、予算規模が膨らんでいることになります。中小企業融資については、実行ベースを勘案して、融資規模を減らすことにしていますので、26年度はこの融資額が減ることになります。したがいまして、この中小企業融資額を除いた額は6,934億円、これが実質的な予算規模になろうかと思います。これでいいますと1.5%のプラスになります。

 

 一方で、企業会計については、国の制度変更で地方公営企業会計のルールが変更になり、その制度変更によって予算増になった部分があります。これは政策的な変更あるいは神戸市の事業量の増ということではありませんので、そういう制度変更の部分を除きますと、逆に、企業会計については、特別会計も合わせると1兆91億円で減になります。特別会計、企業会計を合わせますと1.1%の増で伸び率は低くなります。合わせますと1兆7,025億円、前年度比1.3%というのが実質的な神戸市の予算規模、平成26年度の当初予算の規模になろうかと思っています。

 

 私からは以上ですけれども、この具体的な内容については、この後、行財政局長、また、それぞれの局ごとに順次説明をさせていただきますので、よろしくお願いします。

発表項目についての質疑応答

平成26年度当初予算案

 記者:
 まず、予算のほうで最初に市長からも説明があったんですけれども−「神戸の元気創造予算」ということで今回の予算に名前がついているんですが−まず、繰り返しになるかもしれないんですが、現在の財政状況への評価と今年度予算の特徴を端的に述べると何か、教えてください。
 



久元市長:
 財政状況については、矢田前市長が就任されたときは財政再建団体への転落が予想されるぐらい厳しかったわけです。その後、行財政改革が進められて、先ほども申し上げましたが、20ある政令市の中では中程度か、あるいは中の上ぐらいの水準まで回復できたと考えています。例えば実質公債費比率で見ますと、政令市の平均が11.5%ですが、神戸市は10.9%ということで8位ですね。かなり改善が進められたと思っています。



 しかし、こうして私どもは財政再建団体への転落の危機を解消することができたという意味で、将来に向けての可能性を、ものすごく厳しかった時期に比べれば手にすることができたわけですが、これから大幅な税収増が見込めるわけではありません。また、元気にするために様々な芽出しができるような予算−仕掛けも盛り込んでいますけれども−それが確実に花開くというわけでもありません。従いまして、神戸市を取り巻く財政状況は引き続き厳しいであろうと思っています。



 従いまして、庁内で必要な予算は要求してもらう。そして、それに対して財政当局はプロの目で査定をするということで、侃々諤々(かんかんがくがく:盛んに、の意味)の議論をしてこれからも予算を編成するなど、政策展開を取捨選択して行っていくことが必要であろうかと思っています。



 先ほど申し上げたところで、特徴と言いますと、まず、予算編成の基本的な姿勢については、これは2ページに掲げました(配布資料の)丸1、丸2、丸3、これが基本的な姿勢だと受け取っていただければと思います。



 また、具体的な内容についての特徴は3ページにあります丸1から丸4まで、これに重点を置いて私としては編成させていただいたつもりです。
 



記者:
 先ほどいくつかの政策について説明があったんですけれども、主要重点事業の説明があったんですが、たくさんある中で特に市長が独自色を出した施策、重点的に取り組んだ施策があったら、2つ・3つ取り上げていただきたいのと、その理由を教えていただけたらと思います。
 



久元市長:
 私が−これは就任のときにも申し上げましたけれども−地方自治体は非常に幅広い分野の仕事を担当していますから、ここにだけ力を入れるとか、ここを特にやるということはあまり適当ではないと思っています。全体としてバランスのとれた施策・政策展開をしていくということが基本です。



 その中であえて申し上げれば、例えば神戸の港の貨物の取扱量は世界第3位だと言われてきたころから比べれば、神戸の元気ということから見ればそういう時代ではなくなってきています。
ですから、元気をどう回復するのかということが長期的に見まして必要です。そのために力を入れた部分については先ほどご説明いたしましたが、当面は消費税の税率が引き上げられますから、それを何とか乗り越えて神戸市の経済が腰折れすることなく好循環の過程に入っていくことが重要だと思いますので、それに対して必要な経済対策の事業量を確保したということです。



 同時に、これは安倍総理もおっしゃっておられますが、いろんな経済対策が給与・賃金の上昇につながって、そして給与・賃金の上昇が消費につながる。消費の拡大がさらに次なる景気の好循環につながっていくことが大変重要ですので、大変ささやかな試みではありますが、神戸市の非正規職員につきましては、必要な引き上げさせていただく予算もあわせて組んでいます。これは市役所OBの嘱託職員は入っておらず、比較的若手の臨時的任用職員、また、パート職員を中心にした対応にしています。



 大変ささやかですけれども、そういうメッセージを神戸市内の民間事業者の皆さんにも送って、そして、非正規雇用の皆さんも含めて、何とか給与の上昇につながっていくことを私は期待しています。



 それから、独自かどうかというのは自分で言う話ではなくて、市民の皆さんが判断していただくことだと思うんですけれども、これからの長い目で見た神戸を考えるときに、既存の重厚長大産業(鉄鋼業・セメント・非鉄金属・造船・化学工業などの産業)を大切にしながら、またそれにつながるような既存の企業への支援も大切にしながら、医療産業都市をどのように育てていくのかということが大変重要だと思います。



 先ほども申し上げましたが−仮称ですけれども−神戸アイセンターを造って、これを国内でもかなり競争が激しくなっている再生医療の実現に向けたエッセンス(要素)にしたいと。そして、小保方晴子さんの非常にうれしい、そして非常に驚くような発見もありまして、再生医療、iPS細胞に加えてSTAP細胞による再生治療−これは再生治療についてはなかなかご本人も慎重に発言さておられますが、そういうことにつながっていく可能性もあるわけですから−医療産業都市に対して必要な支援を行っていくことにも力を入れたつもりです。
 



記者:
 3つ目なんですけれども、今回の予算は編成のときにシーリングを撤廃して行った、−21年ぶりにシーリングを撤廃したということだったんですけれども−そのメリットはどのような点に表れているか、予算の内容、あるいは実際に職員の士気の違いなどを教えてください。
 



久元市長:
 私は、シーリングを撤廃して、度胆を抜くような予算要求をしてもらえるのではないかという期待もありましたが、ほとんどありませんでした。比較的穏当というか、穏やかというか、そういうような要求だったと思います。私のことを様子見をしているのかもしれませんね。あるいは、あまりにも大胆な要求をしたらあまりよくないという、様子見みたいなものだったのかもしれません。



 そういう意味からいえば、本当に斬新なアイデアというのは、正直言いまして、あまりなされませんでした。私は、就任して間もないので、これから職員の皆さんとディスカッション(議論)をして、何となく腹の探り合いをするのではなくて、できるだけ胸襟を開いて政策展開ができるような、そういう雰囲気づくりに取り組んでいきたいと思っています。



 全体的な印象はそうなんですが、シーリングというのは組織ごとにかけられるわけですね、各局ごとにかけられるわけです。そうすると、なかなか思い切った予算の増額ということもできません。



 今回、シーリングを撤廃しました結果、例えば、乳幼児医療費助成−先ほどご説明いたしましたけれども−これは4億2,000万ぐらい、新たに必要となる財源が増えることになります。これはこれまでの保健福祉局の予算の枠ではなかなか実現できなかったと思いますので、そういう効果はあったのではないかなと思っています。



 あとは、待機児童解消のための予算もかなり思い切って増やしています。



 そういう意味で、一定の効果はあったと思いますが、私は、要求側はもっと大胆な要求をしてもらう、そして査定側はプロの目で、他の自治体はどうなのか、海外の事例も踏まえて、「そんな中途半端な要求は絶対いけない」とか言って、侃々諤々、私の目の前で議論を戦わせるというような市役所にぜひなってほしいなと思っています。



記者:
 ありがとうございます。次ですが、先ほど、乳幼児医療や待機児童、シーリングの撤廃によって予算の増額ができたということなんですけども、その分、予算が減った事業もあると思うんですが、長年続いてきた施策でやめたもの、あるいは組みかえたものとかがあったら教えてください。
 



久元市長:
 例えば、教育委員会では、学力向上をするためにOBの先生方だけではありませんが、正規の先生方に加えて、支援をする職員を任用しています。これは幾つか種類があったんですけれども、これを再編しまして、1つの「学力の向上支援員」ということに統合しました。ばらばらのものが1つになったということです。



 そういうように、同じ教育委員会の中でもばらばらにやっていたものを1つにするとか、それから、救急医療の電話相談所も、各区ばらばらにあったものを1つに統合するとか、事業が統合されたものはないわけではありません。



 しかし、シーリングを撤廃すると同時に、新しいものを要求するけれども、漫然とやってるものをどう整理するのかということについては不十分だったと思います。そこはもっと、新年度、しっかりと職員と議論して、やめる勇気をぜひ持ってほしいということを、庁内メールでも職員に呼びかけました。



 私は、同時に、やめる勇気を持つための、職員への何らかのインセンティブ(動機づけ)みたいなものも、ひょっとしたら要るかもしれませんね。そんなことも庁内で検討していきたいと思っています。



 今のご質問に答えるとするならば、長年続けていた施策でやめたものについては、すぐに思い浮かぶものはありません。これは不十分だったと思います。これからの課題だと思います。
 



記者:
 次なんですけれども、神戸空港についてですが、30便という枠があることですとか、今、伊丹空港と関空の間で進んでいる運営権の売却など、いろいろ話が前に進んでいってると思うんですけれども、あまり対策に対しての予算がついてないのかなと思います。ここら辺について、教えていただけますでしょうか。
 



久元市長:
 これは新たに予算をつけて何をするのかという段階ではないんだろうと思います。仙台との間に2便、4月から就航することによって、既に30便の上限に到達するわけです。



いよいよ、便数の上限と運航時間の制約を何とか緩和していくということが必要だと思いますが、どういうプロセスでどう動いたらいいのかにつきましては、まだ十分な対応方針が確立できていません。



 神戸空港の問題は、神戸市の意向だけで決まる話ではなくて、国土交通省、また新関空会社、そして周辺自治体、この辺との間での調整が必要になってきます。私は、神戸空港の利活用を図ることは大変重要な課題ですが、これは任期中に何とか実現をさせることをターゲットにしていますので−私が就任してまだ3カ月にならないんですけれども−これまでのところは、従来からの経緯や、あるいは関係者の動きについての情報収集を行ってきたという段階です。



 従いまして、この予算の中で、神戸空港について、どう制約をブレークスルー(障害となっている事象を打ち破るという意味)するのかということについて、事業化する、あるいは予算化するところまで仕事が進みませんでした。これは、任期中に必ず目途をつけるという決意のもとに、26年度の非常に重要な課題と自分に課したいと思います。
 



記者:
 次に、震災20年の事業について、「貢献する都市としての神戸」ということで仮称がついていたんですけれども、もう少し具体的に、何か市長の頭の中で、いつまでにどういうことをしたいかということがあったら教えていただきたいのと、先ほど、予算とは別で、「ルミナリエ」とか「1.17のつどい」のことを、市民の意見も聞いて考えていくということだったんですが、具体的にどういうことをするのか、そして、ルミナリエの補助額の増額などはあるのかを教えてください。
 



久元市長:
 基本的には、震災20年の事業は、大規模なイベントを大々的にやって、そういうイベントを何とか成功するために職員が疲弊したり、市民の皆さんにいろんなことをお願いするということは、私は避けたいと思っています。



 震災20年、大きな節目ですけれども、静かに鎮魂の気持ちを持ち続けて、そして、震災を知らない市民の皆さんが42%になりましたし、これからも増えていく。これは時代の流れで避けられないことですから、震災の記憶と、そして震災のときの対応と、その後の街の再生に取り組んだ経験ということを、どう地道に継承させていくのか、このことが大事ではないかなと思っています。



 従いまして、やろうとしていることについては、例えば、「震災復興交流セミナー事業」というものを考えていますが、−これは、実際に東日本大震災に行った神戸市の職員、延べ2万3,000人いるんですけれども−そういう職員の経験と、それから、実際に被災地で対応に当たられた被災職員の皆さんが一緒に現地調査を改めてしたり、ワークショップをしたり、そういう地道な取り組みです。
さらには、これまでの経験を踏まえた子ども向けの教材の作成とか、そういうことが大切なのではないかなと思っています。



 その上で、特に予算措置は講じていませんが、「1.17のつどい」、また「ルミナリエ」をどうするのかについて、市民レベルでさまざまな議論をしていただくと。その上で、今年のルミナリエと来年の「1.17のつどい」をどうするのかということを考えていきたいと思っています。



 それから、「貢献する都市としての神戸」ということについては−これは改めて市民の皆さんにいろいろな意見を聞きたいと思うんですが−貢献することによって市民の皆さんが神戸に誇りを持つ、そういうメッセージのようなものを何とか作成できないかなと。



 最近、「シビックプライド」という言葉がありますけれども、それぞれの自治体の市民であること、ある地域の市民であることを誇りに思う気持ちということ。神戸はやはり、震災を経験して、その経験を生かして他の地域に貢献してきたということのいわば集大成となるようなメッセージを作りたい、と。そして、そういうコンセプトのもとに、いろんな方々が参加したり書き込みすることができるようなウェブサイトを立ち上げると。そんなことを、今、企画しています。
 



記者:
そのウェブサイトの立ち上げは、具体的にいつまでとか、そういうスケジュール感はありますか。
 



久元市長:
 まだ何月までということはありませんが、どちらにいたしましても26年度の予算ですから、26年度中に立ち上げたいと思っています。
 



記者:
あと、ルミナリエの補助金の増額とかは、具体的にお考えはありますか。
 



久元市長:
 特に考えていません。ただ、20年ということを契機として、関係企業の皆さんや市民の皆さんに呼びかけて、ぜひルミナリエが従来と同様に、また、20年にふさわしいような規模で開催できるように、改めて企業の皆さん、経済界の皆さんにも協力を呼びかけたいと思っています。
 



記者:
 次に、医療産業都市についてなんですけれども−STAP細胞とか新たな発見があってにぎわっているところだと思うんですが−アイセンター、それからエクサのスパコン−「京」の次のスパコンですね−その施設を設置するための土地の確保とかが多分予算の中に入っていると思うんですけれども、いつまでに具体的にどういう施設をつくりたいかとか、そういった具体的なイメージを教えていただきたいのと、STAP細胞の発見を受けて、地元自治体として急遽何かしたいと思っている支援があったら教えてください。
 



久元市長:
 まず、神戸アイセンターですけれども、これは、研究と再生医療に向けた細胞の培養、この細胞の培養ということが非常に大事なプロセスになりますし、そして眼科の病院とロービジョンケア(弱視者などに対するリハビリ)、こういう4つの機能が入る複合施設になるということを想定して対応していきたいと思っています。土地、建物、実施主体などについては、どういう形、手法がよいのかを26年度検討していくための調査検討の予算を計上しています。



 特にここを作っていく上では、理化学研究所の高橋政代先生からさまざまな助言をいただいています。高橋政代先生のご意向をよくお聞きしながら進めていきたいと思っています。できれば26年度中に施設の内容とか規模を決めまして、27年度中に工事の着工ができるように進めていきたいと思っています。



 それから、エクサスケールのコンピューターにつきましては、国の平成26年度予算で約12億円の予算が計上されています。まだこれを神戸で整備するということについて国の正式な表明はありませんけれども、これはぜひとも、今のスーパーコンピューター「京」の後継機になりますから、必ずこの神戸で整備していきたいということを強く国に対しても要望しています。私も強く要望していまして、それなりに手応えを感じているところです。



 この後継のエクサスケールのスパコンの開発チームが入るということも含めた建物につきましては、これも神戸市が土地を無償で提供することを前提に作業を進めまして、コンペを行いまして、建物の整備や運営事業者を選定していきたいと思っています。26年度中にこのコンペを行いたいと。できるだけ早く完成させたいと思っていますが、これは国や理化学研究所などとの調整も必要になってこようかと思います。具体的なスケジュールを立てるためには。



 STAP細胞につきましては、非常に驚く、非常に喜ばしい発見があったわけですけれども、現時点で神戸市として−これは今、理化学研究所の中で研究を進められていると思いますので−具体的にどういう支援をさせていただくのかということについては、これからの課題だと思います。
 



記者:
 先ほどやめる勇気の話の中で−漫然と続いている事業についてはやめるべきという話の中で−何らかのインセンティブ(動機づけ)があってもいいんじゃないかという話がありましたけど、何かこれについてもうちょっと具体的なのがあるようでしたらお願いします。
 



久元市長:
 それは、むしろ私がインセンティブということを、個人的なアイデアはいろいろありますけれども、私は、特に岸本行財政局長にお考えいただきたいなと思っています。
 



記者:
 津波対策のところでお聞きしたいんですけれども、防コミ(防災福祉コミュニティ)ごとの避難計画の策定をと先ほどおっしゃられていて、あと、市長は本の中などでも、小学校単位でのコミュニティの重要性みたいなものを常々おっしゃっていると思うんです。そういうところで、特に工夫された、こういうと
ころを津波対策でより打ち出していけばというようなお考え、あるいは盛り込んでいきたいようなことがあれば教えてください。
 



久元市長:
 これは、私が独自にこうしたらいいのかというようなアイデアは、特段、持ち合わせていません。この分野については、神戸は震災対策、阪神・淡路大震災のときに実際に苦労された職員が、今もう幹部、課長以上になって活躍していまして−今度は津波対策というまた違うステージになると思いますけれども−そういう経験を踏まえて、これまでも積み上げられてきたと思いますから、そういう蓄積を生かした対策をこれからも引き続きやっていただきたいと思っています。



 先ほども申し上げましたが、ハード、ソフトの対応を組み合わせることが大事ですし、それから−これは非常に不確定な部分がたくさんあるわけですが−できるだけ入念な科学的な知見に基づいて、どの地域にどのような津波が押し寄せてきて、どれぐらいの深さまで浸水するのかというようなシミュレーションを行って、それに対してどう対応するのかということが大変大事だと思います。



 今のご質問はハードというよりもむしろソフトだと思うんですけれども、そういう意味からいいますと、これまで神戸市では防災福祉コミュニティが全市に設けられていまして、これまでの想定では、必要な対応を行う地域が防災福祉コミュニティ単位でいいますと18地域で、この18地域では今年度中にこの地域津波防災計画の策定が終わると聞いています。



 問題は、単に計画を作っても、実際に動けるかどうかということですから、今ご指摘がありましたよう
に、プライバシーの問題もありますが、できるだけ住民の所在が、防災福祉コミュニティの皆さんのリーダー等にわかるというようなこと。特に災害時の支援が必要なひとり暮らしのお年寄りの方とか障害をお持ちの方などといったところの情報をしっかりと把握して、プライバシーの保護との両立に注意をしながら、しっかりとその辺の住民の皆さんの状況ということを共有して、そして行政機関との連携もしっかりやっていくということ。顔の見える地域社会をつくっていくということが、結局は、実際に津波が来たときにも機敏に避難ができる、必要な対応ができるということの基礎になるのではないかなと感じています。



 
記者:
 医療産業都市のところで、先ほどの市長のお答えに関連してお伺いしたいんですけれども、アイセンターというのは−今、臨床研究が行われていますけれども−より広く一般の人を対象にする治療となることも想定して、各地から人が集まるような、治療を受けに集まるような、そういうものを意識していらっしゃるんでしょうか。



 既に細胞の培養施設もありますし、病院もある中で、改めてつくるという狙いをもう一度お聞かせいただきたいのと、あとSTAP細胞についてなんですけれども、まだできたばかりで、臨床を考える段階ではないと思うんですが、そういう中で、地元の自治体として何ができるのかというのは、基本的な考え方として、こういうことならできるんじゃないかというお考えがあれば教えてください。
 



久元市長:
 アイセンターについては、結局のところ、基礎研究から臨床、治療、リハビリまでトータルで対応するということがコンセプトです。そこからさらにこの内容を、今ご質問がありましたように、幅広くいろんな方から、いろんな各界からの、いろんな地域からの患者を受け入れるような施設にするかどうかというのは多分これからの課題だと思いますが、私は、今すぐこれに対してお答えする材料がありませんので、これは担当局長から説明をお聞きいただければと思います。



 それから、STAP細胞につきましては、このSTAP細胞のニュースがあった以降、実際に担当局長以下、理化学研究所の皆さんとは恒常的に接触をしていますが、私自身は特段ご本人も含めて接触していません。



 正直言いまして、これは今この時点での−またしばらくしたら状況は変わってくるかもしれませんが−私の個人的な印象を言えば、小保方晴子さんに関する報道、あるいはメディアでの取り上げられ方というのはかなり過熱していると思います。ご本人もネットで表明されていますけれども、静かに研究をさせていただきたいというのがご本心だろうと思うんですね。私はもう少しその研究を見守りたいと思っています。



 過熱する報道に便乗するように神戸市が「研究はどうなったんですか。どこまで進むんですか。いつ実用化されるんですか」と畳みかけるようなことはすべきではありませんし、冷静に研究をできるような、そういう静かな環境を提供するということが地元自治体としての務めではないかなと私は感じています。



 ただ、そのことを前提にして、この研究がどう進むのかということについては、もちろん関心を払っていきたいと思いますし、これは組織としての理化学研究所の皆さんのご意見をしっかりとお聞きして、地元自治体としてお手伝いできることがあれば、しっかりと対応させていただきたいと思います。
 



記者:
 先ほど交通整備の話があったと思うんですけれども、既存の交通ネットワークの強化のキーに当たる部分のことをおっしゃっていたかと思うんですけれども、新しいことでLRTとかの導入を考えていくことについてどの程度検討されるか、どの程度調査されるのかというのを決まっていることがあれば教えてください。
 



久元市長:
 LRTについては、様々な課題があると思います。例えば、ぜひ導入してほしいと私も選挙の中で公約をさせていただいて、そして年末年始、特に年始ですね、経済界の方を前にしてお話をさせていただ
いたら、「反対だ」という人はまずいません。「ぜひやってほしい」という方が全部です。少なくとも。



 しかし、具体的にこれをつくろうとしたら、やはり様々な議論が出てくると思うんですね。私のこれまでの承知しているところでは、1つは費用対効果ですね。例えば堺市も指定都市になるときには、これを推進された市長は、LRTをつくるということを指定都市の指定のプランの中に盛り込まれていましたが、その後、これが立ち消えになっていきました。



 これは、市として費用対効果、つまり、金がかかり過ぎるということだったのではないかなと思います。宇都宮市でもこのLRTの可否について、反対があって住民投票にかけるべきだという意見も出ていますね。それから、例えば−私は札幌市にいましたけれども−札幌市でも当時、大分前になりますが、市電をさらに延伸するということを望む皆さんが多い一方で、特に沿線の商業者の方、お店を開いておられる方から、荷物の荷おろしができにくくなるというような、非常に強い反対論があって、なかなか進んでいないという状況もあります。



 そういう議論をどう乗り越えていくのかということだと思うんですね。神戸市では、これまで3回にわたって調査を行ったと聞いています。ですから、こういう調査をしっかりと踏まえて、一からやり直すんじゃなくて、この調査の結果をしっかりと踏まえて行う必要があるんですが、3回調査を行った結果、ネックになるのは採算性の問題です。その辺の問題をクリアしないといけないと思うんです。



 しかし、今回やろうとしている調査は、もう一度市役所の中でそういう検討を庁内だけでやっても、あるいは学識経験者の意見をお聞きしてやるということだけでは、多分なかなか実現に向けて踏み出せないだろうと思うんですね。むしろ、実際にこれに関心を持つ事業者の皆さんを公募するということを考えたいと思っています。全市を対象として、どういう地域で、どういうルートで、そしてどういう事業手法で行うのかということを含めて、端的にこれに関心を持つ事業者の皆さんを公募したいと思っています。



 そのためには、何でもいいからとにかく手を挙げてくださいということではだめですから、全市を対象とすると言いましても、実際に可能性があるエリアは大体どのあたりなのかということは神戸市としては示す必要があると思うんですね。その上で、どういう事業手法が考えられるのかとか、海外事例としてはこんなものを参考にして導入するということが考えられるのではないだろうかとか、あるいは関係する沿道の民間事業者を含めた皆さんの合意を調達するためにはこんなことが必要ではないだろうかといったような−いわば公募条件といいましょうか−仕様書まではいかないかもしれませんが、そういうものを神戸市として作って、それをお示しした上で、関心がある事業者の皆さんを募る。そして、一緒に考えていく。そして、一緒に考えた結果を市民の皆さんに提示して、そして議論をしていただく。そんなプロセスを踏んでいきたいと思っています。



 
記者:
 先ほど、STAP細胞の件で、今は静かに研究していただくことも大事という話だったんですけども、今のところ、既にSTAP細胞について、黙っていても金も支援もどこからでも来そうな状況にはなっていると思うんですけれども、特に神戸の発展、医療産業都市の発展を考えると、その前段階のまだ芽の出ないというか、花になっていないようなものの支援は今の段階で十分だと考えるのか、それとも何かしらもっと必要だと考えるのか、何かしら考えることはありますか。
 



久元市長:
 行政が何をすべきなのかということについては、必要な基盤をつくっていくということだと思うんですよね、医療産業都市について。これは用地を提供して、必要な場合だったら基礎的な研究をするような、特に国の理化学研究所などにつきましては必要な用地を提供すると。そういう基盤を用意していくということ。それから、実際にそこに働いておられる皆さんや、それから、そこで暮らしておられる皆さんに対して、ポートライナーの−先ほどの通勤の混雑の緩和というのもそうですけれども−そういう条件を整備していくということだろうと思います。



 それから、あとは研究所と、それから関連する企業との様々なビジネスマッチングというものをどうしていくのかということ。そして、医療産業都市の集積というものが、神戸のほかの既存産業にどういう波及効果を及ぼしていくのかということだろうと思うんですね。



 さらに、それに加えて、個々の企業がどんな研究をやっているのかということも、非常に企業秘密を要する部分もありますから、そういう部分に対してどういう支援をするのかということにつきましては、私は正直言いまして、まだよくアイデアは湧きません。そこは、これまで医療産業都市について関係部局では、様々なつき合いやいろんな政策展開もしてきたと思いますので、庁内で検討はしてみたいと思いますけれども、個々の企業が行っている基礎研究について、国のさまざまな研究開発助成というものをできるだけ使っていただくということに加えて、自治体としてどういう支援をしたらいいのかということについては、今のところ、私自身の考えは特段ありません。

その他の質疑応答

神戸空港について

 記者:
 先ほど質問が上がっていたんですが、予算外の質問としてお伺いしたいんですが、丸8年を迎える神戸空港の9年目の課題と展望についてはどのようにお考えですか。
 



久元市長:
 これは、当初の乗客数というもの、それを搭乗人員が下回っているということははっきりしていますから、これを抜本的に解決していくためには、何回も議論になっています便数の制約と運航時間の制約をどう撤廃していくのか、そのためにどういう手順で、どういう戦略のもとにこれを突破していくのかということが大きな課題ですね。



 そのための目標は、従来からの施政の方針を私は受け継いで、その方向でやっていきたいと思っていますが、関空と伊丹空港がコンセッション(運営権を民間事業者に設定して事業を実施させる事業実施形態)が行われる予定になっていますね。若干予定は遅れると聞いていますけれども、これが行われると。その後に神戸空港も新しい運営会社のもとで3空港一体運営ができるような形で運用してもらうという方向を目指すと。この方向は、大きな異論はないのではないかなと思っています。
 そのために具体的にどうしていくのかということについては、今はまだ情報収集をしたり、という状況です。先ほども言いましたけれども、そう簡単な問題ではありませんので、今年度の予算にどうするとかということではなくて、私の任期中に実現できるように、慎重にかつ入念に仕事を進めていきたいと思っています。



 それから、短期的に見ますと、便数の制限がある中でも乗客数を増やしていくためには搭乗率を上げていくということですよね。幸い新しい路線も開設をされているわけで、この路線にできるだけたくさんのお客さんに乗っていただく。今、神戸空港はビジネス客が多いわけで、観光客は大変割合が少ないですね。ここの部分についてどうやってインバウンド(主に神戸市へ来ていただく観光客の意味)とアウトバウンド(主に神戸市外へ出て行かれる観光客の意味)、両方の観光客に神戸空港を使って神戸に来てもらうか。



 そして、神戸近辺、関西の皆さんに神戸空港からいろんなところに、沖縄に、米子に行って、出雲の神楽を楽しんでもらったり、いろんなところに行ってもらう。こういう観光キャンペーンのようなものが大変大事だなと思っていますので−今度、今月中に鳥取県の知事もお見えになりますけれども−それぞれ神戸空港から開設されている路線の相手方との連携ということに力を入れて、そういう地域もぜひお客さんに来てもらいたいと思っているわけですから、神戸空港から来てもらう、鹿児島に、沖縄に、茨城に、そして仙台に、そういうところに行ってもらうための観光キャンペーンをしっかりと強化をしていって、少しでも搭乗率を上げていくということが短期的に見てやれることだろうと思っています。
 



記者:
 先ほど神戸空港に関して、入念に慎重に検討していくという、今後のことについては検討していくということだったんですけれども、1年先ぐらいには伊丹空港と関空のコンセッションも完了すると思うんですが、それまでに神戸市として3空港一体化ということを目指すには、何かしていかないといけないかなと思うんですが、もし短期的な目線でやっていきたいことが決まっていれば教えていただきたいのが1点と、あと、選挙戦中に公開討論会があったとき、神戸空港の問題について対立候補の方が日本維新の会との関係の中で、神戸空港は大阪との問題もありますが、「維新の軍門に下るのか」という質問が市長のほうからあったと思うんですが、発着枠が神戸空港にさまざまな規制をもたらしている、その原因というものは市長としては一番何と考えているのかというのを教えていただけますか。
 



久元市長:
 先ほどもお答えいたしましたように、大きな方向性は3空港一体運用ですから、それに向かって、どういうように、どんな手順でやっていくのかということについては、入念にかつ慎重に検討していきたいということですので、その中身については、まさにこれから情報収集しながら自分なりに考えていきたいということ以上に、今、特段お答えする材料はありません。



 それから、この撤廃については、私は国土交通省とよく調整をするということと、それから、関西空港をはじめ関係者の理解が得られるということが大変大事だなという気がしています。
そのために必要なことは、これから航空需要が伸びていく中で、神戸空港を活用するということが、3空港全体にとってもメリットがある。特に関西−先ほど東京オリンピック、パラリンピックの話がありましたが−東京一極集中ではなくて、日本がバランスのとれた成長をしていくためには関西が浮上していくということが重要で、関西全体の発展のために神戸空港が寄与できると。24時間運用できる可能性があり、また、私どももポートライナーの混雑対策などもしっかりととるわけですし、三宮の再開発もしっかりやるわけですから、神戸空港の関西における価値というのはこれから高まっていく。そのことを、関西の経済界の皆さんを中心に理解していただくような努力ということが、これは非常に地道なようですけれども、そういうことをしっかりやっていくことが、関係者の理解につなげることができるような。そういう取り組みが求められているのではないかなという気がしています。
 



記者:
 空港の件で2つ、3つお伺いたいんですけど、まず1つは、仙台便の就航で2年ぶりぐらいに30便満たされるわけですけれども、逆に言えば2年間ぐらいまだ空きがあったわけで、そういう埋まらないものを撤廃してどうなるのかという疑問を抱く方ももしかしたらおられるかもしれないので、その辺、その枠がなくなることとどう違うのかということを説明いただけますでしょうか。
 



久元市長:
 ご質問の趣旨があまりよくわからないんですが、ちょっとでも空いている期間があったから、どうせ30便以上飛んでいっても伸びないでしょうということですか。
 



記者:
そういう人がいるんじゃないかなと思うので、もうちょっと説明いただけませんでしょうか。
 



久元市長:
 それは、現に30便の上限に来ているということですから、30便という撤廃、上限がなければ、当然、その可能性があると普通は考えていただける方のほうが多いのではないかなと私は思っています。
 



記者:
 これまでの3空港一体というのと同時に、枠を緩和というのは同時進行、盛んに言われてきたわけですけれども、それは、市長も同時進行というのは変わらずということでいいですか。
 



久元市長:
 やはり、大きな方向としては3空港一体運用ということなんですね。それに向かってどういうプロセスでやるのかということについては、私も就任してまだ3カ月にもなりませんので、これからよくさまざまなご意見などをお伺いしながら、どういうプロセスで、どういう手順でやったらいいのかということについてはこれから考えさせていただきたいなと思っています。



 いずれにしても、この神戸空港の問題は、市長が代わったから急に動き出すとかという問題ではないと思うんですよ。そこは、私もまだ3カ月にもなりませんので、必要な対応をどうしたらいいのかということをよく関係者の間で相談して、そして神戸空港の有用性ということをしっかりと理解していただくという地道な努力を重ねていく。



 長い目で見て神戸空港の規制緩和、規制撤廃につながっていくと思っていますし、私も、これは任期4年の間に実現ができるように、必要な手順というものをこれから考えたいと思っています。
 



記者:
 その有用性の理解をしてもらうというのは、当然、搭乗率が高いというのはかなり説得力としては増すと思うんですが、その辺はそのとおりですか。
 



久元市長:
 そうですね。それは、制限がある以上は、搭乗率を高めるということが必要ですけれども、同時に、搭乗率を高めるということが神戸空港の有用性ということを証明する材料になると思いますから、今おっしゃいますように、それは規制撤廃に向けての一つの補強材料にはなるだろうと思います。
 



記者:
 去年の12月に空港島の造成が完了したんですけれども、埋め立てに当たってずっとお金を、これまでの市の説明等でも用地売却で補していくということだったんですけど、今現在ほとんど売れていない状況でして−これまでの前の矢田市長のお話でも、売るためにどんどん努力していくというのが市の見解ではあったんですけれども−仮に今の金額で全部売れたとしても、今残っている借金が全部返し切れない状況になってしまうんじゃないかという懸念もあります。



 今、企業会計の中から余っているお金なり基金で返していっているとは思うんですが、最終的にほとんどそういう形での決着になってしまう可能性もあるわけで、その点に関しては市長としてどのように考えておられるのか、また、売却についてももっといいアイデアなどがあれば、その点をお伺いしたいと思います。
 



久元市長:
 想定したとおりに売れていないと。当初これは−完成したのは平成16年ですかね−平成16年までに発行した起債の償還期限は10年だったわけですから、この10年の起債を土地の売却収入で埋めるという想定だったと思うんです。これは当時いろんな議論があって、そういう想定だったと思うんですけれども、これは、そのとおりには実現していなかった、全く売れていないということはなくて、やはり売れていますし、未売却の用地をどういうふうに売っていくのかということだと思います。



 しかし、全国の自治体を見ましても、造成した工業団地が想定したとおり売れたところのほうが少ないです。ほとんどないと言ってもいいと思うんです。



 想定は、残念ながら、ここ10年あるいは20年、もっと長いスパン(期間)で見ましても、自治体が造成した企業誘致のための用地がなかなか想定どおり売れていないということについて四苦八苦しているというのが実態です。



 神戸の場合には確かに想定どおりには売れなかったんですけれども、その間にどういうふうにしてこれを将来に向けて解決していくのかということについては、10年で償還する、償還期限の到来に応じてこれを借り替えて将来に償還期限を実質的に延ばしていくということは、現実的な対応であったし、対応だっただろうという気がします。



 長期にわたる事業ですから、そういうように資金面での対応をしながら、最終的にはどうやって早期に売却していくのかということだろうと思います。



 問題は、これからどうしていくのかというのは、中長期的に見て全体としてトータルで欠損が出ないような価格設定を考えていく必要があると思いますけれども−神戸空港のすぐそばの隣接している用地ですから−とにかく早く売れればいいというような形でディスカウント率を高めて、とにかく早く売ってしまうという選択肢がいいのかどうか。私はそうは思わないですね。



 長い目で見て神戸空港は必ずもっと活用される余地がありますし、すぐそばにはもう医療産業都市が集積してきている、新しい発見も生まれている、三宮の再開発もこれからしていくということになれば、私はむしろ、とにかくディスカウントして早く売るという発想ではなくて、未処分の用地というものは−確かに今は未処分かもしれないけれども−神戸の長い目で見た将来を支えるポテンシャルを持っている空間ではないかという気がしています。



 具体的にこれをどうやっていくのかということについては、将来の財政収支も勘案しながら、今年度また来年度も含めて、どういう対応するのかということはしっかり考えていきたいと思っています。
 

東京都知事選の結果について

記者:
 昨日、東京都知事戦で舛添要一さんが知事になられましたけれども−6年後のオリンピックがある中、国民的な関心事でもあったと思うんですが−市長としてはこの結果をどのように捉えていらっしゃいますか。
 



久元市長:
 大変喜んでいます。舛添要一さんが知事になられてよかったと思います。舛添要一さんは、私は個人的にも存じ上げていますし、前の職場の仕事になりますが、総務省の自治行政局長や、その前の選挙部長のときにも関係する法案とか、あるいは選挙制度や政治資金制度の改革などでも大変お世話になりました。



 特に、とりわけ舛添要一さんが参議院の政審会長のときには頻繁に相談をさせていただいたことがあります。政策にお強いだけではなくて、自民党の中で意見の対立があったときにも精力的に調整される方でありました。大変立派な方が東京都知事に就任されて喜んでいます。

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