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開館30年プレ企画  特別展
日本絵画のひみつ

平成23年(2011)12月10日(土)
          〜 平成24年(2012)1月22日(日) (34日間)


※開館時間:
 午前10時から午後5時まで
  (入館は午後4時30分まで)
 金曜日は午後7時まで開館
  (入館は午後6時30分まで)

※休館日:
月曜日(ただし、1月9日(月・祝)は開館)
 および年末年始(12月29日(木)〜1月3日(火)
    会場の神戸市立博物館の所在・交通


 日本には、古くから受け継がれてきた絵画のスタイルがあります。しかし、今日ではこうした伝統的な様式を用いて絵を描く機会は、ほとんどないといってよいでしょう。本展は、私たちから少々縁遠い存在となってしまった日本絵画のひみつを解き明かし、その特質と魅力を知っていただく試みです。
 本展では、「日本において製作された異国趣味美術品」をテーマとした池長孟(いけなが・はじめ)コレクションをはじめ、所蔵作品や関連作品を通して、伝統的な様式の継承(古画の学習・模写)や新しい画法(西洋画法)の習得、粉本(ふんぽん、絵手本・下絵)や画家の交遊関係に注目しながら、近世の画家がどのようにして作品を生み出していったのかを紹介します。また、「形態」「素材」「技法」などの多角的なアプローチによって、「日本絵画のひみつ」に迫ります。

★展覧会内容★


本展覧会の出品目録(準備中)

T 日本絵画の形態

 屏風、軸、衝立、扇面など日本絵画の形態を当館所蔵の名品を中心に解説し、表具が重要な構成要素であることを示します。

U 作品をつくりだすちから

 絵師は先行する本画(完成作)や粉本(絵手本・下絵)から、かたち・構図・技法などを学び、新たな作品を生み出しました。また、中国や西洋からもたらされた絵画や画法からもさまざまな刺激を受けました。

1.狩野探幽(かのう・たんゆう)と南蛮人交易図

 南蛮屏風は、狩野探幽(1602〜74)が鎖国下の時代情勢と需要を巧みに反映し、異国人との交易に特化した「南蛮人交易図」へと変容したと考えられます。江戸時代を通じて制作された本画・粉本を通して、探幽と「南蛮人交易図」の関係を明らかにします。
南蛮屏風
《南蛮屏風(右隻)》
狩野内膳筆 桃山時代 6曲1双 重要文化財 当館蔵
宣教師や南蛮寺などのキリスト教モチーフと、毛皮や絹織物などの交易品が鮮やかかつ緻密に描きこまれています。布教と交易が一体となった南蛮貿易のさまをうかがわせます。90件以上が確認される南蛮屏風の代表的作品。

南蛮人交易図屏風
《南蛮人交易図屏風(粉本)》
江戸時代 6曲1双 当館蔵
 江戸時代に入ると、キリスト教モチーフを排除し、港町での日本人と異国人との交易・交流に特化した「南蛮人交易図」が制作されるようになりました。本図をはじめ、「南蛮人交易図」の粉本には「探幽筆」と記されていることが多く、狩野探幽が「南蛮人交易図」を手がけた可能性が考えられます。

2.秋田蘭画(あきたらんが)の世界

江戸時代の洋風画の魁(さきがけ)である秋田藩第8代藩主・佐竹曙山(さたけ・しょざん、1748〜85)と小田野直武(おだの・なおたけ、1750〜80)の名品を、南蘋風(なんぴんふう)花鳥画や博物図譜、西洋の銅版画などの影響や日本絵画の素材と裏彩色(うらざいしき)などの技法に注目しながら科学的な調査結果とともに紹介します。
不忍池図
《不忍池図(しのばずのいけず)》
小田野直武筆 江戸時代 1面 秋田県立近代美術館蔵 重要文化財
 上野の不忍池を背景に、鮮やかな大輪の芍薬と草花の鉢植えを描いた秋田蘭画を代表する作品。西洋画法による新しい表現と輸入顔料のプルシアンブルーを用いて、透明感のあるひろびろとした水面と空を表現しています。 秋田藩角館(かくのだて)の藩士であった小田野直武は、安永2年(1773)に藩に招かれた平賀源内(ひらが・げんない)に画才を認められ、江戸に出て源内のもとで洋風画法を学び、藩主・佐竹曙山にその技法を伝えました。『解体新書』の挿絵を担当するなど、秋田蘭画を代表する画家です。


松に唐鳥図
《松に唐鳥図》
佐竹曙山筆 江戸時代 1幅 個人蔵 重要文化財
 佐竹曙山は幼少より絵画に強い関心を寄せました。画面を斜めに横切る老松は曙山の好んだモティーフ。陰影法を取り入れて描かれた迫力のある樹幹の上方には美しい緑の松葉が添えられています。また、極端な屈曲を見せながら不自然に遠くへ伸びた枝には、赤いインコ(唐鳥)がとまっています。鳥の羽毛の描写は極めて精緻で、微妙な色の変化を表現するなど、強烈でありながら繊細な色使いを見せています。銅版画風の写実的な淡い遠景も、前景をひときわ浮き立たせており、個性的で斬新な美しさに満ちた名品です。

3.洋風画家・石川大浪(いしかわ・たいろう)の画業

 蘭学者と親しく交わり、蘭書の模写をした洋風画家として知られる石川大浪(1762〜1817)。旗本としての伝記、油彩画や蘭書の挿絵・古画・探幽縮図(たんゆうしゅくず)などの模写、交遊の深かった山村才助(やまむら・さいすけ)・木村蒹葭堂(きむら・けんかどう)・大槻玄沢(おおつき・げんたく)・杉田玄白(すぎた・げんぱく)らとの関係、松平定信(まつだいら・さだのぶ)・谷文晁(たに・ぶんちょう)らとともに傾倒していた古物・古画の鑑賞・鑑定会、大浪によってもたらされた雪村(せっそん)の画論「説門弟資云」の問題などについて徹底的に検証し、大浪の新旧・東西のさまざまな事物への関心を追いながら、作品成立の謎に迫ります。

  1.油彩画の模写 2.蘭書の模写 3.大浪の蔵書 4.蒹葭堂との交遊
  5.伝統的画法の習得、古画の鑑賞・模写・収集 6.大浪の晩年


ファン・ロイエン筆花鳥図模写
《ファン・ロイエン筆花鳥図模写》
石川大浪・孟高(もうこう)筆、大槻玄沢賛 寛政8年(1796)1幅 秋田県立近代美術館蔵 秋田県指定文化財
 8代将軍・吉宗がオランダ商館長に紅毛絵の持ち渡りを命じ、享保11年(1726)に5点の西洋画が舶載され、そのうち2点の花鳥画が江戸本所(ほんじょ)の五百羅漢寺(ごひゃくらかんじ)に下賜されました。 寛政8年(1796)、石川大浪・孟高の兄弟は五百羅漢寺に5日間通って「W.Van Royen 1725」のサインのあるこの油彩画を模写しました。二人は、油彩画の陰影や遠近感を色の濃淡や墨色による色面と白のハイライトによって写し取ろうとしています。原画のモティーフにとどまらず、描き方(西洋画法)を理解し、日本の伝統的な画材で実践した画期的な模写作品といえるでしょう。


ファン・ロイエン筆花鳥図模写
《売茶翁図(ばいさおうず)メダル》
石川大浪造 寛政9年(1797)か 1点 個人蔵
 旗本の家に生れた石川大浪は、天明8年(1788)より生涯大番を勤めました。役目柄、大坂と京都に長期滞在を繰り返し、京阪の知識人とも深い交遊関係を結びました。特に、当代随一の文人・蒐集家(しゅうしゅうか)の木村蒹葭堂と親しかったことが知られています。このメダルも蒹葭堂が所蔵していたもので、裏側には煎茶道の始祖である売茶翁(1675〜1763)の生没年が刻まれています。売茶翁の13回忌にちなんで、蒹葭堂が所蔵する伊藤若冲(いとう・じゃくちゅう)筆「売茶翁図」をもとに、大浪が制作したと推測されます。


ヒポクラテス像
《ヒポクラテス像》
石川大浪筆 江戸時代 1幅 当館蔵
 江戸時代の蘭方医にとって、「医聖」とされるヒポクラテス(紀元前460頃〜377頃)の肖像画は垂涎(すいぜん)の的でした。石川大浪は、彼らが長年探し求めていた正しいヒポクラテス像を、ゴットフリート著『史的年代記』のオランダ語版から初めて模写したことで知られています。  本図は、フランソワ・ブーシェの原画をジル・ドゥマルトーが銅版画にした「男の頭像」を原本とする作品ですが、オランダ語の題記から「ヒポクラテス像」とされています。大浪の特徴である少し荒々しい墨線によって原本をよく写し取っています。大浪が亡くなった翌年(文政元年)に谷文晁が記した識語(裏面)の内容などから、文晁に西洋画法を教授した際の記念の作品と思われます。

4.唐絵目利(からえめきき)の仕事―石崎融思(いしざき・ゆうし)と渡辺鶴洲(わたなべ・かくしゅう)

 石崎融思(1768〜1846)と渡辺鶴洲(1778〜1830)による粉本や模写・作品を例に、長崎奉行のもとで輸入品の模写や輸入絵画の鑑定を仕事とした画家たちの作品を紹介する。

ヒポクラテス像
《長崎港図》
石崎融思筆  1面 個人蔵
 石崎融思は、長崎奉行の御用絵師(ごようえし)と唐絵目利(輸入した中国画を鑑定する役職)を勤めた画家。シーボルトの絵師として知られる川原慶賀も融思に学んだとされています。 本図は、原本の彩色や細部の表現について詳しく記録している粉本(下絵 当館蔵)をもとに文政3年(1820)に描いた作品。粉本と本画を比較し、画家が作品をどのように描いたかを検証できる貴重な作例です。


エピローグ 近代への継承と変化




   主  催:神戸市立博物館、文化庁、神戸新聞社

   後  援:NHK神戸放送局

   協  賛:一般財団法人みなと銀行文化振興財団  株式会社 大入

   助  成:公益財団法人花王芸術・科学財団  公益財団法人三菱UFJ信託地域文化財団

★入館料(同時開催のギャラリー・常設展も合わせてご覧いただけます。)


当日券 団体券(30名以上)
一 般 1,000 円750 円
高校・大学生 700円550円
小・中学生 400円250円

※65歳以上で「神戸市すこやかカード(老人福祉手帳)」持参の方は当日一般料金が半額。
※障がいのある方は身体障がい者手帳・療育手帳などの提示で無料。
※神戸市および隣接6市1町、淡路3市、鳴門市、徳島市の小中学生は、
 「のびのびパスポート」の提示により無料。


★関連イベント★

◆記念講演会

12月17日(土)
「<絵師のアトリエ> 近世絵画の材料と技法」
   講師:荒井 経 氏(東京藝術大学大学院 保存修復日本画研究室 准教授)

1月14日(土)
「日本絵画のひみつ―秋田蘭画と石川大浪の画業から」
   講師:勝盛 典子(神戸市立博物館 学芸員)

■会 場:神戸市立博物館 講堂
■時 間:14時〜15時30分
■定 員:180名
 (当日13時より地階講堂前で入場整理券を配付します)
  ※聴講無料。ただし、「日本絵画のひみつ」展の入館券が必要です。

◆インフォメーションスタッフによるスライド解説会

スライドを用いて展覧会の見どころをわかりやすく解説します。
■日 時:会期中 ①11時〜 ②13時30分〜 いずれも20分程度
■会 場:神戸市立博物館 展示室
■定 員:なし
※聴講無料。ただし、「日本絵画のひみつ」展の入館券が必要です。

◆ワークショップ 巻子と掛軸の取り扱い

あまり触れる機会のない掛軸や巻子(博物館所蔵作品の複製)を自分で扱って鑑賞してみませんか?
■日 時:12月23日(金・祝)・24日(土)・25日(日)・27日(火)・28日(水)
     いずれも14時〜15時
■会 場:神戸市立博物館
■定 員:20人(当日12時30分より1F受付にて整理券を配布します)
※参加無料。ただし、「日本絵画のひみつ」展の入館券が必要です。

◆ワークショップ 扇子つくりに挑戦!

南蛮屏風をモチーフにした扇子を骨組みから自作します。
■日 時:12月18日(日)
     14時〜15時
■会 場:神戸市立博物館 学習室
■定 員:15人(当日12時30分より1F受付にて整理券を配布します)
※参加無料。ただし、「日本絵画のひみつ」展の入館券が必要です。

◆ミュージアムコンサート

■日 時:12月17日(土)
     17時30分〜18時20分
■会 場:神戸市立博物館 1階ホール

★同 時 開 催★

ギャラリー 「日本画家・西田眞人が描いた阪神大震災」
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