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開館30年プレ企画  受贈記念速報展
和ガラスの神髄―びいどろ史料庫名品選

2011年(平成23)10月8日(土)
          〜 11月27日(日) (44日間)


※開館時間:
 午前10時から午後5時まで
  (入館は午後4時30分まで)
 金曜日は午後7時まで開館
  (入館は午後6時30分まで)

※休館日:
月曜日・10月11日(火)
 ※ただし、10月10日(月・祝)は開館
    会場の神戸市立博物館の所在・交通


 びいどろ史料庫は、昭和45年(1970)9月に神戸市内に開設された和ガラスを中心とするコレクションです。同コレクションのガラス器は、その質と量において国内最大級と言ってよく、多数のびいどろ・ぎやまん・ガラスの名品を収蔵しています。
 本年、同コレクションのすべてが、神戸市立博物館に寄贈されました。本展は、これを記念し、江戸から明治・大正期にかけて日本で製作されたガラス器の名品の数々を速報というかたちで、広くお披露目(ひろめ)しようとする展覧会です。
 江戸時代から明治時代前期の日本製のガラスは、ポルトガル語のガラスを意味する言葉―Vidroに語源をもつ「びいどろ」という語で呼ばれました。しかし材質は、ほとんどが中国・宋代のガラス製法に起源が求められる鉛ガラスで、薄い器体の吹きガラスが遅くとも17世紀後期の長崎で製作され始め、18世紀には大坂、江戸に製法が伝播していったと考えられています。
 「和」という言葉には、日本という意味のほかに、なごみ、おだやか、のどかなどの意味が含まれています。和ガラス―びいどろには、宙(ちゅう)吹きガラスにしても、型吹きガラスにしても、また、ぎやまんと呼ばれた江戸時代後期の手彫りの切子(きりこ)においてさえも、ヨーロッパ製のガラスにはない特有の温かみが感じられます。和ガラスの美的特質は、鶴首(つるくび)の徳利(とっくり)、小さな盃(さかずき)にさえ宿っています。
 本展は過去の戦災や地震などを生き抜いて伝世した、びいどろ・ぎやまん―長崎びいどろ、江戸切子、薩摩(さつま)切子など和ガラスの神髄に触れていただくまたとない機会と言えるでしょう。神戸の至宝となったびいどろ史料庫のベストセレクションは、この秋、ガラスファンへの最良の贈りものになるでしょう。 

★展覧会内容★


本展覧会の出品目録

第一章 宙吹(ちゅうぶ)きのおおらかさ

青緑色鶴首ガラス徳利など
≪青緑色鶴首(つるくび)ガラス徳利(とっくり)・黄色鶴首ガラス徳利≫
(江戸時代中期(1711〜81) 1対)
 漆(うるし)をかけた桐箱に1対で伝来した鶴首徳利。箱の蓋には「名酒」と判読できる墨書が記されています。
 青緑色は銅による着色で、琥珀(こはく)色といえる黄色は鉄による着色です。両方とも宙吹きで、吹き竿で息を入れて吹き、胴部をふくらませたあと、重力にまかせてガラス生地(きじ)を垂れ下がらせ、首部分を伸ばしています。首を切ったあと徐冷(じょれい)し、そのあとで、口部分だけを再加熱して成形しています。こうした鶴首徳利は、和ガラスの簡潔な造形の代表と言ってよく、遅くとも18世紀初期には長崎や大坂で造られていました。

弦朝顔ガラス盃
≪弦朝顔(つるあさがお)ガラス盃≫
長崎製 江戸時代後期(1772〜1844)
 原料中の鉄分によって薄い黄緑色を帯びた生地で、つるを伸ばして咲く朝顔をかたどった盃。共竿(ともざお)(ガラス管)で生地を巻き取り、ボウル部分を吹いたあと、管部分を加熱して棒のようなものに巻きつけて仕上げるのでしょう。吹き口部分はあぶっています。口辺は切ったあと、ていねいに磨(みが)いて仕上げています。『長崎聞見録』という本にこれと同種の盃の図があり、「弦朝顔の盃・この盃は硝子にて作る。酒和(やわ)らぎて飲よき物也(なり)、長崎硝子(びいどろ)細工屋にあり」と説明されています。注がれると下に置けない長崎製の「べく盃(さかずき)」の一種。

第二章 型吹きの陰影

 吹き竿の先に熔けたガラス生地を巻き取り、型に生地(きじ)を落として、管に息を吹き入れると、型に生地がはいりこみ同じ器形を複数、成形することができます。これが型吹きの技法です。型は、土や金属で造られました。型の文様を切り抜いたり、彫りこんだりしておくと、その部分が型に触れず、つややかに器面に浮かび、陰影のある文様が生み出されます。とくに18世紀前半期の作例は、質の高い型に吹きこまれている作例が多く、和ガラスの頂点とも言える高い品格を示しています。

型吹き淡青色草花文六角ガラス四段重
≪型吹き淡青色草花文六角ガラス四段重≫
正徳4年(箱書) 1式
 樅(もみ)の外箱の貼紙に西本願寺の印、「朝鮮硝子菓子入段々重四ツ」、蓋裏(ふたうら)に「正徳四甲午年三月拝受」と記されています。
 正徳(しょうとく)4年(1714)という古い時期に高い熟練の技に和製ガラスが到達していたことがわかります。今から約300年前の製作なのです。「朝鮮硝子(びいどろ)」とありますが、長崎製ではないかと推定されます。

第三章 和製切子(きりこ)のやさしさ

 江戸後期〜明治前期の和製切子は、鉄棒などの棒状工具に水溶き金剛砂(こんごうしゃ)をつけ、往復研磨の手作業でカットされていました。ヨーロッパでは回転する車状工具(グラインダー)で削ったり、磨いたりしていました。鉛ガラスに手彫りで加飾された和製切子は、カットのV字部分が広がり、角が丸くなって手触りや全体の印象がやさしい感じになります。さらに手彫りのためにカット面の仕上がりが、とくに滑らかになります。グラインダーを使うカットが導入されたのは、明治9年(1876)の品川硝子製作所の設立からです。この頃から「硝子」という文字は、びいどろではなく、ガラスと読まれるようになっていきました。

切子銅紅色被せグラヴュール唐草文ガラス鉢
≪切子銅紅(きりこどうあか)色被(いろき)せグラヴュール唐草文(からくさもん)ガラス鉢≫
薩摩製 明治14年(1881)頃
銅によって紅色に発色させた生地を青味を帯びた生地に被せかけ、手彫りで円や斜格子に八菊を切った鉢。本器は、明治6年(1873)、わが国初の洋式ガラス工場として創業した品川の興業社にギヤマン職人として勤務した宮垣秀次郎(みやがきひでじろう)の作ではないかと推定されています。側面に花唐草文をグラヴュールで加飾しており、その文様は江戸時代に輸入されたヨーロッパ製カットガラスにあると推定されます。このグラヴュールによって濃密さがやわらげられ、近代性を感じさせるシャレた印象になっています。

第四章 びいどろ細工自由自在

 この章では、「プレス(型押し)」、熔けたガラスを引っ張って棒や管を造る「引きもの」、「ビーズ細工」、型に流しこんだ板を磨いて平滑(へいかつ)にする「平磨(ひらず)り」、ガラスの塊(かたまり)に彫刻をほどこす「丸彫り」など多様な技法の作例を紹介します。ガラス素材が、日本人の生活の中に溶けこんで、涼感を演出し、時に宝玉のようにあつかわれているようすを見ることができます。

第五章 和ガラスの資料

 この章では、和ガラス製作や研究に欠かせない文献や用具などを紹介します。ガラス器や細工物(さいくもの)の見世物(みせもの)を描いた浮世絵、引札(ひきふだ)などの摺物(すりもの)は、大変に貴重です。古い金型や坩堝(るつぼ)なども、役目を終えると捨てられてしまう道具だけに大変に珍しいものです。



   主  催:神戸市立博物館、朝日新聞社

   後  援:NHK神戸放送局



★入館料(同時開催の企画展・常設展も合わせてご覧いただけます。)


当日券 団体券(30名以上)
一 般 800 円600 円
高校・大学生 550円400円
小・中学生 300円150円

※65歳以上で「神戸市すこやかカード(老人福祉手帳)」持参の方は当日一般料金が半額。
※障がいのある方は身体障がい者手帳・療育手帳などの提示で無料。
※神戸市および隣接6市1町、淡路3市、鳴門市、徳島市の小中学生は、
 「のびのびパスポート」の提示により無料。


★関連イベント★

◆連続講演と公開討論

「和ガラスの神髄を求めて―びいどろ史料庫コレクション収蔵の意義―」
   岡 泰正(神戸市立博物館参事 学芸員)
   井上暁子氏(美術工芸史家)
   土屋良雄氏(サントリー美術館企画委員)
■日 時:10月29日(土) 13:30〜16:00
■会 場:神戸市立博物館 講堂
■定 員:180名
 (当日12:30より地階講堂前で入場整理券を配付します)
  ※聴講無料。ただし、「和ガラスの神髄」展の入館券が必要です。

◆ジュニアミュージアム講座 (文化庁ミュージアム活性化支援事業)

■日 時:①10月22日(土)「切子に挑戦!」
     ②11月12日(土)「ダイヤモンドペンでぎやまん彫りに挑戦!」
     ③11月26日(土)「ガラスエッチングに挑戦!」
   いずれも14:00〜16:00
■会 場:神戸市立博物館 考古学習室
■対 象:小学4年生〜中学生
■募集人数:20名
■参加費:無料(ただし、保護者の方々は「和ガラスの神髄」展の入館券が必要です。
(2名様まで「和ガラスの神髄」展の団体料金600円で入館できます))
■申込方法
・往復はがきに参加希望講座名、参加希望の子ども全員の名前、学校名、学年、保護者の名前、住所、電話番号、返信用の宛名(「行」ではなく「様」でお願いします)を記入して、「ジュニアミュージアム講座」係まで郵送してください。
・1枚のはがきで複数の講座への申し込みはできません。
・1枚のはがきで兄弟姉妹や友達、本人を含めて3名まで申し込むことができます。
・応募者多数の場合は抽選となります。
・締 切:①10月8日(土)必着
     ②10月31日(月)必着
     ③11月14日(月)必着

★同 時 開 催★

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