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特別展 西洋の青
−プルシアンブルーをめぐって−
  2007年(平成19) 7月21日(土)〜9月2日(日)
  午前10時から午後5時 (入館は午後4時30分まで)
  ※毎週金曜日は午後7時まで(入館は午後6時30分まで)
  休館日 毎週月曜日


    会場の神戸市立博物館の所在・交通


 古来、空や水、花や鳥など自然にみられる「青」を絵画にあらわすことは簡単なことではありませんでした。しかし、1704年ベルリンにおいて合成顔料のプルシアンブルーが偶然発見され、西洋の画家たちは、合成の化学顔料によって青を表現する自由 を手にいれはじめるのです。江戸時代、日本に舶載(はくさい)されたプルシアンブルーは、洋風画法とともに伝えられ、謎に包まれた新しい青として注目され、蘭画(らんが)を象徴する青色の地位を確立します。
 展覧会では、科学的分析によってプルシアンブルーの使用が明らかとなった洋風画家たちの「西洋の青」による作品と、藍(あい)・群青(ぐんじょう)など日本の伝統的な青を用いた作品を対比し、さまざまに工夫して多様な青の表現を見せる近世の画家の技と感性に注目しながら、「西洋の青−プルシアンブルー」受容の過程を追跡します。また北斎など浮世絵版画や、当時実際に使われていた絵具や道具類、輸入の実態を知ることのできる貿易関係の資料も出品されます。プルシアンブルーをめぐる各分野の最新の研究成果を、作品を楽しみながらみていただける催しです。

image 左の写真:
若杉五十八筆 鷹匠(たかじょう)図 寛政年間(1790年代)
 布地油彩 1面   長崎歴史文化博物館蔵
 若杉五十八(1759〜1805)は、長崎の洋風画家。画歴は知られておらず、長崎貿易 の仕事にたずさわる会所請払役(かいしょうけはらいやく)としての経歴だけがわかっています。五十八の油彩画の技術は、江戸時代の洋風画の系譜のなかで際立って優れたものですが、なかでも、本図は油彩画の質感に溢れており、絵具などの画材や油彩画の技法について、オランダ側からの提供がなければ成立しえない作品といえます。プルシアンブルーの舶載量が少なく、高価であった時期に描かれたにもかかわらず、空の青は一面にプルシアンブルー、木の葉の緑もプルシアンブルーに黄色顔料を混ぜたものです。また、明治初年に外国公使館から阿波侯(須古(すこ)領主鍋島茂朝 1813〜66)に送られたという記録があり、出島のオランダ商館に伝えられていた可能性も考えられます。


  ★おもな出品作品
本展覧会の出品目録(全147件、PDFファイル)
    ※会期中展示替えがあります。(前期:7月21日〜8月12日 後期:8月14日〜9月2日)
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・茂義公皆春斎(しげよしこうかいしゅんさい)
 
御絵具・絵道具類 19世紀中期
 一式 武雄鍋島家資料 武雄市歴史資料館蔵
 皆春斎は武雄(佐賀県)の第28代領主鍋島茂義(なべしましげよし 1800-62)の号。茂義は、西洋の医学・科学を積極的に導入、種痘実施・西洋砲術の訓練・鋳砲・ガラス製造などに功績をあげ、安政元年(1854)には佐賀本藩の蒸気船製造責任者にも命じられました。絵画にも優れた才能を発揮し、本格的な作品を描きました。武雄に遺された茂義や周辺の絵師が使用した絵具や画材は、他にはみられない貴重な資料です。絵具類には、群青や緑青など天然岩絵具のほかに「ベレンス」「紅毛紺青(こんじょう)」(プルシアンブルー)や「舶来群青」(ウルトラマリンブルー)など、合成の化学顔料も含まれています。


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・平賀源内筆  西洋婦人図
 明和〜安永年間(1770年代) 布地油彩
 1面  神戸市立博物館蔵
 江戸時代の洋風画の先駆者である平賀源内(1728〜79)は、著書『物類品隲(ぶつるいひんしつ)』(宝暦13年(1763)刊)に「ベレインブラーウ(プルシアンブルー)」をとりあげ、強い興味を示しています。1704年にベルリンで発見されて約半世紀後、日本でもこの新しい青色が注目されることになったのです。本図は源内唯一の油彩画として有名ですが、科学的分析を行った結果、えり襟の青にプルシアンブルー、緑は藍に黄色顔料を混ぜ、プルシアンブルーと藍を併用していることが判明しました。本作品は、舶載されたプルシアンブルーを実際に絵画に使用した早い例として注目されます。

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・葛飾北斎(かつしかほくさい)
 冨嶽三十六景 凱風快晴(がいふうかいせい)
 天保2年(1831)頃 紙本色摺 1枚 礫川浮世絵美術館蔵
 俗に「赤富士」と呼ばれて親しまれてきた本図は、北斎(1760〜1849)の「冨嶽三十六景」シリーズ中の白眉(はくび)。点景物を取り除き、明け初めの青空のなかに全容をあらわし始めた富士山を、シンプルで調和のとれた浮世絵独自の美意識によって構成、北斎芸術の神髄を表すものとなっています。輸入の合成顔料「ベロ」(プルシアンブルー)を積極的、効果的に用いた本シリーズは、浮世絵の風景表現を一変させる契機となりました。また、通例、墨(黒)で摺る主版(おもはん、輪郭線を摺り出す版木)を、このシリーズ36図では青色で表しています。科学的分析の結果、輪郭線には藍を、それ以外の色版(いろはん)はすべてプルシアンブルーを用いたことが判明しています。
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・佐竹曙山(さたけしょざん)
 燕子花(かきつばた)にハサミ図
 安永年間(1770年代) 絹本著色 1幅 
 神戸市立博物館蔵
 秋田藩主・佐竹曙山(1748〜85)は、源内に師事した藩士・小田野直武(1749〜80)を通じてプルシアンブルーを知り、日本最初の洋画論『画図理解・丹青部(たんせいぶ)』(安永7年(1778))にも「ベルレンスブラアウ(プルシアンブルー)」について記しています。本図は、伝統的な花卉(かき)図をベースに、花器に陰影を施し、花や葉を銅版画から学んだ細密な筆致で描き出したうえ、西洋的なモチーフのハサミを添え、蘭字印「Siozan Schildereij」を捺しています。本図の花は明るい青色、同じく曙山筆「燕子花にナイフ図」(秋田市立千秋美術館蔵 前期展示)は紫色に表されていますが、科学的分析の結果、青色顔料はいずれもプルシアンブルーであることが判明しました。前者は胡粉(ごふん)を、後者は赤色染料を混ぜることで、異なった色をつくり出しています。 。



  ○主  催  神戸市立博物館・文化庁
  ○協  賛 (財)伊藤文化財団
  ○協  力  礫川浮世絵美術館


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