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※終了した展覧会の情報です。

特別展 アメリカより里帰り 大図初公開 伊能忠敬の日本地図展

  平成16(2004)年4月17日(土)〜5月23日(日)
  休館日:毎週月曜日と5月6日(木) ただし5月3日(月・祝)は開館
  開館時間:午前10時から午後5時まで(入館は4時30分まで)

※会場の神戸市立博物館の所在・交通


里帰りする大図
《大図 和泉 岸和田 播磨 明石》 1舗
 伊能忠敬 明治時代の模写  米国議会図書館蔵
 2001年、ワシントンの米国議会図書館で江戸時代後期の測量家、伊能忠敬(いのうただたか、1745〜1818)が作成した「大図(だいず)」と呼ばれる日本地図が207枚発見されました。伊能図は中国伝来の暦学から近代天文学・近代測量への転換点にあたり、実測の緻密さにおいて、19世紀初頭の世界水準を示すものです。忠敬が制作した日本地図は、大図214枚(1/36,000)、中図8枚(1/216,000)、小図3枚(1/432,000)からなり、中図と小図は国内に伝存していますが、大図は国内に約60枚が残るのみでした。今回の発見により、伊能図のうち最も精緻な大図の内容をほぼ示すことができるようになりました。
 本展では、アメリカから里帰りの大図に加え、フランスで所蔵されている美麗な中図、国内に現存する中図、小図の優品、また測量機器などを展示します。このほか、伊能図が制作される以前の幕府撰日本総図や刊行日本図もあわせて展示し、江戸時代の日本図をふり返ります。

   主  催: 神戸市立博物館、国土地理院、アメリカ伊能大図展実行委員会*、
神戸新聞社、共同通信社、NHK神戸放送局
  *アメリカ伊能大図展実行委員会:(財)日本地図センター
   日本国際地図学会、(社)日本測量協会、(社)全国測量設計業協会連合会
   日本土地家屋調査士会連合会、(社)日本ウォーキング協会
   協  賛:トヨタ自動車株式会社、アイシン・エィ・ダブリュ株式会社、株式会社ゼンリン、 富士写真フイルム株式会社/プロラボクリエイト東京株式会社
   協  力:全日本空輸株式会社、日本写真印刷株式会社
   企画協力:伊能忠敬研究会

★入 館 料
当日券前売券団体
(30名以上)
一   般1000円850円750円
高校・大学生 700円600円550円
小・中学生 400円300円250円
*シルバー 500円 

*シルバーは65歳以上で、神戸市すこやか手帳持参の方
*障がい者の方は無料
*神戸市及び隣接6市2町、淡路1市10町、鳴門市、徳島市の小・中学生は、
 学校休業日には、「のびのびパスポート」の提示により無料
○5月18日(火)は、「国際博物館の日」により、入館料無料となります。


★展覧会の内容★

[1]プロローグ
 伊能忠敬が作成した日本図は、「正確さ」に焦点をあてると、江戸時代の地図学史上「金字塔」というべきものです。では伊能図ができる以前、日本は地図上でどのように表現されていたのでしょうか。
 地図作成事業は、国家の一大プロジェクトであり、江戸幕府は数回にわたり国土の基本図を作成し、それをもとに日本総図を作成しています。その一方で、民間の書店から刊行された日本図が市井に出廻っていました。
 まず、伊能図以前の日本図の流れを理解するために、幕府が作成した日本図や民間の刊行図から、代表的なものを取り上げてふり返ります。

皇圀道度図
《皇圀道度図》 2舗 寛文9年(1669)以降 大阪府立中之島図書館蔵
 本図は、日本の形態や蝦夷を描くことから、正保国絵図の徴収後に編纂された日本図であるとされている。縮尺は1里(約4km)を3分(約9cm)とする432,000分の1。城や一里塚、神社、寺院などを記号で図示し、海上の交通路の記載が詳細であるのが大きな特徴である。本図は、大目付北条正房が、寛文9年(1669)に実施した道法調査が反映した国立歴史民俗博物館所蔵図との類似性が指摘され、寛文9年以降の制作とも考えられている。伊能図以前において、幕府が作成した日本地図のなかでは、その形態が優れたものとなっている。

[2]緯度1度から全国測量へ
 1.北方へのまなざしと改暦事業
 18世紀後期は、わが国を取り巻く対外情勢が緊張した時期です。なかでも、ロシアの南下という脅威は、幕府の関心を蝦夷地をはじめとする北方地域に向けることになりました。
 同じ時期、京都の陰陽道の流れをくむ土御門家から暦作成の権利を収得した幕臣の渋川家が作成した宝暦暦も誤りが目立ちはじめます。これを修正するために、寛政期には天文方高橋至時(1764〜1804)が改暦事業に取り組んでいます。
 寛政7年(1795)、佐原(千葉県)の地から江戸に出た伊能忠敬は、至時に懇願してその門弟となります。天文学を修めた忠敬は、深川黒江町の居宅から浅草暦局までの距離を測り、緯度1度の長さを求めています。
 ここでは、伊能忠敬が測量に着手した時代の背景、忠敬の測量において重要な役割を担った当時の天文暦学の概要を紹介します。
 
 2.伊能忠敬実測へ
 江戸において緯度1度の距離を測った伊能忠敬でしたが、さらに詳しいデータを蓄積するために、高橋至時は幕府の目が向いていた蝦夷地の忠敬による測量を願い出て、許可を得ます。
寛政12年(1800)閏4月19日、忠敬は全国測量へ向けての1歩を北に踏み出し、それ以後、18年間にわたり全国をくまなく測量します。総日数3737日。その測量距離約39,000kmは、地球一周分にもおよんでいます。全国測量は、10回に分けて行われましたが、第3次の奥州日本海測量と越後の沿岸測量を除いて、そのたびに地図が作成されました。忠敬の測量は、道線法と交会法といった当時の方法に加えて、天体観測を導入することで正確を期しています。これが、世界水準の実測地図を完成させた要因といえます。
 ここでは、実測図や日記、絵画、測量器具などから、忠敬の全国測量の歩みをたどります。

日本輿地図藁
《日本輿地図藁》 1舗 文化6年(1809) 伊能忠敬 神戸市立博物館蔵
 伊能忠敬は、全国測量半ばの文化6年(1809)に、幕府の命により小図の2分の1の縮尺(1/864,000)からなる仮製日本図を作成している。測量が完了した海岸線は朱線で、未測量部分は墨線で示す。未測量の九州については、旧来の地図を参照にしたためか奇妙に細長い形態となっている。しかし、一方で多くの地名が記載されていることが注目される。伝存する伊能図のなかでも、一点しか確認できていない希少な日本図である。

[3]伊能忠敬の日本図
 1.伊能図の精華
 文政4年(1821)、幕府に上呈された「大日本沿海輿地全図」は、大図214枚、中図8枚、小図3枚からなります。これらは、明治6年(1873)の皇居炎上によって灰燼に帰し、その後伊能家から提出された副図も大正12年(1923)の関東大震災によって焼失したといわれています。
 しかし、伊能家に残された控図や大名家のもとめに応じて模写した中図・小図などが残されており、伊能忠敬の全国測量の成果を具体的に知ることができます。
 ここでは、昨年修復を行ったフランスのイブ・ペイレ氏所蔵の華麗な中図をはじめ、伊能図の精華ともいえる中図・小図を中心に紹介します。
《中図 奥羽》 1舗 文政4年(1821) 伊能忠敬 イブ・ペイレ氏蔵(仏)
フランスの中央に位置する小村、ムチエ・サン・ジャン村のイブ・ペイレ氏宅で、1980年頃に発見された中図で、8枚1組が揃っている。本図はそのうち奥羽(東北地方)を図示するもの。
 測量を実施した奥州街道と羽州街道筋や海岸線は朱書で線が引かれ、交会法のための見立山、岬、島嶼に向けても細い朱線が示される。図中の記載内容も充実し、天文測量を行った地点を示す☆印も記載されるなど、完成度が高い逸品といえる。この図がフランスに渡った経緯は不明。
中図 奥羽

2.アメリカより里帰りの大図
 「大日本沿海輿地図」のうち、大図は、1里(約4km)を3寸6分(約10.8cm)とする縮尺(1/36,000)からなり、「日本全土」を214枚でカバーします。忠敬が測量した道筋を中心にして、国・郡、村ごとにおける御領・私領の別、寺社などが描かれ、同時代の各種地図にくらべ、精緻なものです。  これまでは、約60枚の大図が国内に確認されるのみでしたが、2001年、米国の議会図書館地図部で、明治時代の写しが207枚発見されました。この大図の出現によって、214枚のうち欠図は4枚になり、伊能図の精緻な大図の全容をほぼ示すことができるようになりました。ここでは、米議会図書館からの里帰り大図8枚を紹介します。
大図 神戸付近
《大図 和泉 岸和田 播磨 明石》 1舗 米国議会図書館蔵
   (上はその部分、全体図は冒頭に掲載)

 2001年、アメリカの議会図書館地図部で発見された207枚の大図のうちの1枚。西宮から神戸、明石、加古川近辺までの海岸部と淡路島北端、岸和田の一部を収める大図。1里(約4km)を3寸6分(約10.8cm)とする縮尺(1/36,000)。大図は、国・郡、村ごとに御領・私領の別、寺社などが描かれ、同時代の各種地図にくらべ、精緻なものである。
 兵庫津には、宿場の合印である○、北極出地(緯度)の観測をした☆、港湾のマークが記載される。神戸村には北極出地(緯度)の観測をした☆、生田神社の参道には大きな鳥居が見える。


[4]伊能図の影響
「大日本沿海輿地全図」は、文政4年(1821)に幕府に上呈された後、長く世間に知れわたることはありませんでした。それが世に広まるのは、約40年の歳月を経て伊能図を参考にした図が刊行されてからのことです。
 ところで、明治の世になり、陸軍が近代測量によって地図を作成する時期に至っても、その影響をうけた日本図が少なからず作成されています。伊能忠敬が作成した日本図は、その命脈を近代国家においても保ち続けたといえるでしょう。
 ここでは、幕末から明治にかけて、その影響を受けた地図を紹介します。



★関連イベント★

(1)記念講演会
5月1日(土)「伊能忠敬が作成した日本地図」伊能忠敬記念館 学芸員 紺野 浩幸 氏
 午後2時〜 博物館地階講堂 聴講無料(ただし入館券が必要)

(2)ギャラリートーク
 5月8日(土)、15日(土)、22日(土) 午後2時〜 当館学芸員が展示解説をします。

(3)アメリカ伊能大図 里帰りフロア展
 @1階ホール:4月17日(土)〜5月23日(日)
  米国議会図書館で発見された伊能大図の原寸大彩色復元図41面(近畿管内分)を展示。
 A2階ギャラリー:4月17日(土)〜4月25日(日)
  最新の測量機器などを展示。伊能測量と最新の測量を比較、体験コーナーを設けます。
  
  以上は、伊能大図近畿地区フロア展実行委員会*による企画です。
  ※伊能大図フロア展実行委員会
   近畿地方整備局 国土地理院近畿地方測量部 近畿2府4県及び政令指定市
   土地家屋調査士会近畿ブロック協議会(滋賀・京都・大阪・兵庫・奈良・和歌山会)
   (社)全測連近畿地区協議会(滋賀・京都・大阪・兵庫・奈良・和歌山会)
   (財)日本測量調査技術協会近畿ブロック委員会 (学)近畿測量専門学校
   (社)近畿建設協会 (社)土地改良設計技術協会(社)日本測量協会関西支部 神戸市立博物館


★同時開催
 神戸ゆかりの芸術家たち展 平成16年4月1日(木)〜6月3日(木)
  於:2階ギャラリー
特別展の一覧:年代順分野別自主企画
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