神戸市-KOBE-


国指定重要文化財 (建造物) 布引水源地水道施設

最終更新日
2007年9月1日

五本松堰堤

布引水源地水道施設 6所3基

所在

神戸市中央区葺合町

所有

神戸市

建立

明治30年代

指定

平成18年7月5日

概要

布引水源地水道施設(以下「布引水源地」)は、六甲山地を水源とし、神戸港に注ぐ生田川中流域に位置する上水道施設です。

布引水源地は、市街地及び船舶に供給する飲料水の確保と、公衆衛生の向上を主な目的として、内務省雇バルトンの基本計画に基づき、神戸水道事務所工事部吉村長策及び佐野藤次郎を中心として建設が進められました。

明治33年(1900)に五本松堰堤、雌滝取水堰堤及び布引水路橋が竣工・通水。その後、貯水池への土砂流入を防ぐために、同40年に分水施設、その翌年に締切堰堤及び放水路隧道が増設されました。その後の何度かの補修を経て、平成13〜17年にかけては、五本松堰堤の耐震補強工事が実施されました。

布引水源地は、上流から分水施設、締切堰堤、五本松堰堤、谷川橋、雌滝取水堰堤、布引水路橋(砂子橋)の順に配され、五本松堰堤の北側には貯水池とほぼ並行して放水路隧道が穿たれています。堰堤の基礎地盤はいずれも布引花崗閃緑岩です。

建設当時最大規模を誇った、明治期を代表する水源地水道施設のひとつとして重要で、中でも五本松堰堤は、我が国における重力式コンクリート造堰堤の嚆矢であり、堰堤建設の技術的発展に大きく貢献した吉村長策及び佐野藤次郎の設計による、近代堰堤の一つの規範を示す構造物として、土木技術史上価値が高いものです。

なお、五本松堰堤については、管理橋1基と耐震補強工事の際に取り出された取水管、排泥管、排泥管バルブ、コンクリート型枠用矢板が附として指定され、残されていた設計関係図面88枚のうち8枚が布引水源地水道施設の附として併せて指定されています。

五本松堰堤

重力式コンクリート造、堤長110.3メートル、堤高33.3メートル、仕上:花崗岩布積

分水堰堤

越流式アーチ式コンクリート造・右岸に取水井、堤長14.0メートル、単心円アーチ(半径18.6メートル)、水通部長12.1メートル、堤高4.3メートル(壁面は直立)、仕上:花崗岩布積、石張:取水井壁面、天端隅

附属橋

開腹式鉄筋コンクリート造・単アーチ橋、橋長11.5メートル、幅員1.2メートル、仕上:モルタル塗

分水隧道

南西端に石造坑門、延長24.9メートル、仕上:総切石張)取水井2.3メートル、西端6.6メートルの範囲  素堀)左記以外の部分

締切堰堤

越流式アーチ式コンクリート造(両袖部は直線状)

機能:分水施設より導かれた水の逆流と、川から水路への土砂流入防止

堤長31.9メートル、単心円アーチ(半径12.1メートル)、水通部長20.1メートル、堤高4.3メートル(壁面は直立)、仕上:花崗岩谷積

放水路隧道

延長264.3メートル、機能:貯水池への土砂流入回避、分水堰堤約80メートル下流と五本松堰堤余水路を結ぶ

谷川橋

開腹式鉄筋コンクリート造単アーチ橋、橋長6.1メートル、幅員2.0メートル、仕上:モルタル塗

雌滝取水堰堤

越流式アーチ式コンクリート造

機能:貯水池より一旦川に戻された水を取水、堤長19.3メートル、半径22.1メートルの単心円アーチ、水通部長16.6メートル、堤高7.7メートル(壁面は直立)、仕上:花崗岩布積

布引水路橋(砂子橋)

三連レンガ造アーチ橋、橋長19.2メートル、幅員3.3メートル
端部石積のレンガ造アーチ上部に送水管を収納、側面は石積柱形を除きレンガ

昭和51年、高欄上部への手すり追加により当初比60センチメートル嵩上げ