神戸市-KOBE-


フルーツ・フラワーパーク事業について

最終更新日
2015年11月26日

 フルーツ・フラワーパークについては、開園から20年近くが経過するなかで、老朽化による改修時期を迎えていたことに加え、入園者が減少傾向にあったことから、平成24年度に有識者による活性化検討委員会を開催し、今後のフルーツ・フラワーパークが果たすべき役割や機能、公共負担のあり方などを検討しました。
 これを踏まえ神戸市は、フルーツ・フラワーパークは農業振興拠点施設として再編し、ホテル棟については、これ以上の投資を行わず、民間事業者に売却又は閉鎖することを平成25年2月に公表しました。
 また、これまでフルーツ・フラワーパークの管理運営をしてきた株式会社神戸ワインは、フルーツ・フラワーパークにおける公共負担のあり方や、団体の設立趣旨、時代適合性の観点から、平成26年度中に清算することとしました。
 その結果、平成26年4月よりホテル棟を民間事業者に売却し、継続して運営していただいており、ホテル棟以外は農業振興施設として大学や民間事業者、農業者やJA等農業団体の参画を促しながら再編を進めています。
 これらの経緯・内容について、ご報告いたします。

1.経緯

ホテル外観 フルーツ・フラワーパークは、「豊かな自然環境の中で、人が花と果実に触れ、都市と農村の住民が交流することを通じて、市域農業の振興と地域の活性化を図るとともに、市民文化の向上、健康の増進、憩いと安らぎの場の提供等に資する」ことを目的に、平成5年4月20日に開園しました。
 フルーツ・フラワーパークの敷地は35haであり、農業振興拠点施設、憩いと安らぎの施設、果樹園、野外施設、その他施設で構成されました。施設の開園と合わせ、周辺には、地元農業法人が運営する65haの営農団地が開発されたほか、六甲北有料道路に大沢ICを設置するなど、農業振興や地域の活性化、地域交通の発展などに寄与してきました。

                フルーツ・フラワーパークの開園当初の構成
区 分利用目的施         設面積
 
パーク
 
 
ゾーン
農業振興
拠点施設
 園芸バイテク館,温室,ブランデー・ビール館,ミルク館,
 ビーフ館,フルーツフラワー館,バーベキュー場
7f
憩いと安ら
ぎの施設
 ホテル研修館,バーデハウス,音楽堂,プールプラザ,
 ウェルカムステーション,回廊,中央広場
8f
果樹園 フルーツガーデン(モモ,ブドウ,ナシ,リンゴ)
 アーモンド園、ブランデー用ぶどう園
6f
野外施設等ゴーカート,パターゴルフ場,多目的広場,わんぱく広場14f
その他駐車場,保存緑地,調整池
ファーム
ゾーン
営農団地
(地元法人)
 フルーツ団地(ワイン用ぶどう)65f
 ビーフ団地
                         
                       

ユリの優良苗の培養(1)農業振興機能
 平成5年の開園当初、フルーツ・フラワーパークには、園芸バイテク館でのイチゴやユリの優良苗の生産や温室でのラン・ベゴニア等の栽培展示による先端農業技術の振興、神戸ブランデーの醸造による神戸ブランドの開発、神戸チーズや神戸アイス等の製造による神戸産牛乳の消費拡大、フルーツ・フラワー館でのミニシアターや世界の果物の展示、神戸ビーフの宣伝普及、果樹の栽培展示、日曜朝市といった事業が実施され、神戸市の農業振興拠点としての機能が期待されていました。
 農業振興事業は、原則として、神戸市が施設を所有して、神戸市から(財)神戸市園芸振興基金協会(現在の神戸みのりの公社)に委託して運営していました。
 なお、平成18年度の指定管理者制度の導入以降は、株式会社神戸ワインが全体を一括して管理運営していました。

果物狩り(2)集客観光機能
 フルーツ・フラワーパークは、神戸市の北部地域の集客観光施設として、ホテル、温浴施設、売店、レストラン、プール、スケート場、ゴーカート、パターゴルフ事業などが実施され、フルーツ・フラワーパークに多くの来園者が訪れることによって、果樹園や周辺地域の観光農園での農業体験事業など都市と農村の交流や地域活性化も期待されていました。
 集客観光事業は原則として、株式会社神戸ワインが施設を建設して、独立採算で実施していました。
 なお、平成14年度に神戸市が株式会社神戸ワインから施設を買い戻し、農業振興と都市と農村の交流という目的をもつ公の施設として、フルーツ・フラワーパーク全体を神戸市が所有することとなりました。

(3)その他の機能
 また、フルーツ・フラワーパークは、北区のまつりやスポーツイベント、地域の会議などに活用されてきたほか、阪神淡路大震災の際は、炊き出しや温浴施設の無料開放、自衛隊宿泊など防災拠点としての役割を担い、その後も神戸市の総合備蓄拠点となっています。

(4)開園後の変遷
 平成5年の開園初年度の入園者数は、約160万人であり、翌年の平成6年度は約117万人でした。しかし、阪神淡路大震災後、入園者数は徐々に減少し、その間、遊園地やモンキー演劇場など新たな集客施設を誘致しましたが、平成22年度には約45万人まで落ち込みました。平成23,24年度はイルミネーションイベントの実施により約62万人まで回復しましたが、全体として入園者数は減少傾向でした。
 また、震災以降は、入園者数の減少に加え、神戸市の財政状況の悪化による経費削減のため、施設を一部閉鎖したほか、温室でのラン・ベゴニアの栽培展示、フルーツ・フラワー館でのミニシアターや世界の果物の展示、神戸ブランデーの醸造、神戸チーズや神戸アイス等の製造などの農業振興事業が中止・縮小されました。

2.フルーツ・フラワーパーク活性化検討委員会について (平成24年度)

 平成24年度に有識者による活性化検討委員会を開催し、本来施設に求められる役割・機能について検証した結果、フルーツ・フラワーパークについては、本来のコンセプトである「農業」に原点回帰し、農業振興拠点として再編することが望ましいとの報告を受けました。

 報告の中で、(1)農業振興の観点からは、産学官の連携による新たな農業技術の実証事業や、産地競争力の強化等、(2)都市と農村の交流の観点からは、地域資源や農業の魅力を活かした交流機能の強化が求められました。

3.フルーツ・フラワーパーク活用調査について(平成25年度)

 平成25年度には、フルーツ・フラワーパークを神戸の農業振興の拠点とするため、また、農業や食を通じて市民の憩いと安らぎの場とするため、地元農業者等関係者等とも協議を行い、フルーツ・フラワーパーク活用調査を実施しました。

4.ホテル棟売却に関する事業者公募について (平成25年度)

 また、フルーツ・フラワーパークのホテル棟(ホテル・バーデハウス・レストラン)については、老朽化による改修時期を迎えており、今後のフルーツ・フラワーパークが果たすべき役割や機能、公共負担のあり方などを検討した結果、民間事業者へ売却することとしました。

(1)主な条件
  1 建物は現状有姿で売却し、土地は30年間の事業用定期借地とする。
  2 売却範囲はホテル棟で、ホテル・レストラン・バーデハウスとして営業する。
  3 市街化調整区域のため、他の用途への転用はできない。
  4 ホテル事業としての使用を中止した場合などは、市は土地の賃貸を停止する。また、建物を買戻すことができる特約(10年間)を設ける。
  5 ホテル業務に従事することを希望する職員に対し、雇用機会の提供について努めること。
  6 ホテル棟にある設備のうち、フルーツ・フラワーパーク全体のインフラ(電気・ガス等)に関わる基幹設備については、建物売却後も神戸市が所有・管理するため、売却対象からは除外する。
  ただし、維持管理費について事業者から応分の負担を求める。
                                           など

(2)建物売却条件
 最低売却価格 77,166,000円(消費税8%込)
※外部有識者で組織する神戸市不動産評価審議会を経て決定した。ホテル棟が市街化調整区域内にあり用途が限られており、公募条件としてホテル以外への転用や不動産としての賃貸・転売を禁止していることから、ホテルとしての収益に基づく収益還元法により評価された。


(3)土地賃貸条件
 1 土地事業用定期借地権賃貸借契約(平成26年4月1日から30年間)
 2 賃料  月額483,750円(年額5,805,000円、消費税非課税)
 3 保証金 10,000,000円
 4 ゲート入口からホテル東側玄関までの通行料 年額798,000円


(4)対象施設の概要(ホテル棟)

所在地神戸市北区大沢町上大沢2150
構造鉄筋コンクリート造 地上4階建、地下1階
延床面積18,904u
定期借地対象面積9,198u(建築面積6,274u、外周2,924u)
※敷地面積238,682uのうちホテル棟部分を賃借
 
土地利用の制限等市街化調整区域のため、現在の用途(ホテル用途)に限る
主要施設客室(82室)、宴会場・会議室(8室)、レストラン、売店、温浴施設(一部天然温泉)、その他
竣工平成5年

 

事業者名  株式会社シーエイチアイ

       代表取締役 露崎 強

       東京都港区元麻布3丁目4番41号

審査得点 62.75点

入札額   200,000,000円(消費税8%込)

5.フルーツ・フラワーパーク事業に関する検証について(平成25年度)

 さらに、これまで株式会社神戸ワインが運営してきたフルーツ・フラワーパーク事業の経緯や役割・機能について、第3者による検証を行いました。

6.株式会社神戸ワインの特別清算について(平成26年度)

 フルーツ・フラワーパーク事業の見直しに伴い、運営会社である株式会社神戸ワインについて、フルーツ・フラワーパークにおける公共負担のあり方や、団体の設立趣旨、時代適合性の観点から、平成26年度中に清算に向けた手続きを進めることとしました。

 平成26年7月1日に神戸地方裁判所から株式会社神戸ワインの特別清算開始の命令が出され、裁判所の指導・監督のもと、法人税などの各種税金の納付・還付等の清算事務が進められました。
 その後、解散公告から2ヶ月間の期間を経て、平成26年9月16日に、裁判所の許可のもと、市と株式会社神戸ワインとの和解契約を締結し、市へ残余財産(62,829,475円)が返済されました。
 また、清算人は、平成26年9月17日に裁判所へ特別清算終結の申立を行い、18日付で終結決定を受けました。
 この決定をもちまして、特別清算の手続きは結了しました。
 その後、特別清算終結決定は、裁判所の嘱託により平成26年10月1日の官報に公告が掲載され、その翌日から2週間の即時抗告期間を経た平成26年10月16日に確定しました。
 そして、裁判所により、株式会社神戸ワインの特別清算終結の嘱託登記がなされ、平成26年10月17日に登記簿は閉鎖されました。これにより、株式会社神戸ワインの清算にかかるすべての手続きが終了しました。

7.本市の債権放棄額

 平成26年第1回定例市会(6月議会)の可決議案「権利の放棄及びこれに伴う和解の件」に基づく。

【本市の債権額】
・株式会社神戸ワインへの貸付金 30億円
・約定遅延損害金           6億4,320万円
(年14.6%、平成25年3月30日〜平成26年9月16日)

【株式会社神戸ワインからの返済額】
・本市に返済された株式会社神戸ワインの残余財産 6,282万9,475円

【債権放棄額】
・和解契約に基づく債権放棄額 35億8,037万525円

8.今後のフルーツ・フラワーパークについて

 農業振興事業としては、これまで実施してきた市内農家へのイチゴ苗の供給や果樹園の管理等を継続し、新たな事業として、市民が参画する農業サポーター育成事業や市内産花壇苗を使った市民ガーデン事業、神戸農業の情報発信事業などに取り組んでいます。
 また、施設改修を伴う事業については、民間事業者やJA等農業団体と運営計画や設計について協議を進め、平成26〜27年度に整備が終了し、農業ICTの導入実証、人工光型植物工場を活用した機能性野菜や戦略的作物の生産実証、最先端園芸施設での人材育成事業等を実施しています。
 今後、フルーツ・フラワーパークは大消費地に非常に近く、先進的な農業経営が営まれているといった神戸らしさを活かし、大学、民間事業者、農業者やJA等農業団体が参画しながら、新しい神戸の都市型農業を創造する拠点としていきます。

一部のファイルをPDF形式で提供しています。PDFの閲覧にはAdobe System社の無償のソフトウェア「Adobe Reader」または「Adobe Acrobat Reader」 が必要です。下記のAdobe Readerダウンロードページなどから入手してください。