岡山県水島港国際コンテナターミナルで確認されたコカミアリへの対応

　2023年7月3日（月曜日）に岡山県倉敷市水島港の国際コンテナターミナルのコンテナ及びその周囲において、特定外来生物コカミアリ(Wasmannia auropunctata)が確認されましたので、お知らせします。
　国内ではこれまでに、成田空港での輸入植物検疫において、コカミアリとして確認された事例が2014年に報告されているのみです。
　このコンテナは、フィリピンのマニラ北港を出港し、神戸港で内航船に積替えられ、水島港で陸揚げされました。その後、周辺の事業者敷地内での荷下ろし等を経て、水島港に搬入後に、コンテナ脚部等から、コカミアリ約30 個体が発見されました。
　なお、神戸港では、このコンテナの開封はありませんでしたが、7月6日（木曜日）と7月7日（金曜日）に環境省、神戸市の関係者及び専門家で、神戸港の当該コンテナが置かれていた地点周辺での生息調査を実施したところ、コカミアリは確認されませんでした。また、予防的対処として周辺に殺虫剤入りの餌（ベイト剤）を設置しています。引き続き、調査を継続し、個体が確認された場合には、速やかに防除を行います。

1.コカミアリ

学 　名：Wasmannia auropunctata
原産地：中南米原産。中米からフロリダ以南、アフリカ、ガラパゴス、ニューカレドニア等の太平洋諸島に侵入。
特 　徴：働きアリは体長1～2mm 程度、女王アリは4.5mm 程度の小型のアリ。刺されるとアルカロイド系の毒によって非常に激しい痛みを覚え、水疱状に腫れる。1 コロニー当たりの産卵量も多く、コロニーの増殖や分布拡大の能力が高い。ヒアリ類（トフシアリ属）ではなく、ヒアリよりも毒性が弱い。

（情報提供：環境省）

2.経緯

6月12日（月曜日）	フィリピンマニラ北港から当該コンテナを積載した船舶が出航。
6月23日（金曜日）	神戸港で内航船に積替え。
6月26日（月曜日）	神戸港を出港。
6月27日（火曜日）	水島港で当該コンテナを陸揚げし、港湾周辺の事業者敷地内で当該コンテナの荷下ろしと輸出品の荷詰めを行った上で、水島港に搬入。
7月 3日（月曜日）	岡山県が水島港国際コンテナターミナルで定期的に実施しているヒアリ等生息確認調査において、粘着トラップ及びコンテナ脚部で 「コカミアリ疑いのアリ」を約30個体確認。当該コンテナ及び周辺で、殺虫剤による防除を実施。 連絡を受けた環境省から、専門家に種名の判別を依頼。
7月 4日（火曜日）	環境省及び岡山県の関係者で発見地点周辺の調査を実施したところ、新たな個体の確認はなし。 確認場所周辺に殺虫剤入りの餌（ベイト剤）を設置。 環境省より神戸市に本件に関する速報あり。
7月 5日（水曜日）	環境省より神戸市に当該コンテナに関する詳細情報の提供あり。
7月 6日（木曜日）	神戸市が当該コンテナ情報により、神戸港で当該コンテナが置かれていた場所を特定し、この場所周辺を目視調査したところ、 コカミアリ疑いの個体の確認はなし。
7月 7日（金曜日）	水島港で確認されたアリはコカミアリと判明。 環境省、神戸市の関係者及び専門家で、経由地である神戸港の当該コンテナが置かれていた場所周辺の目視と誘因罠による 調査を実施したところ、個体の確認はなし。確認場所周辺に殺虫剤入りの餌（ベイト剤）を設置。

3.今後の対応

　コカミアリは、高い繁殖能力を持つこと、非常に小型で発見しにくい生物であることから、一旦定着すると、根絶することは非常に困難となります。そのため、定期的な生息調査により、早期発見、早期防除することで、定着前に根絶を図ることが極めて重要です。神戸市のコンテナヤードでは、すでに外来アリが営巣・定着できないように舗装改修・鋼板設置を実施しております。また、環境省と連携しながら、神戸港のコンテナが置かれていた地点周辺等においてコカミアリの侵入状況等について生息調査を継続し、個体が確認された場合には、速やかに防除を行います。

4.疑わしいアリの発見時の対応について

　コカミアリは毒性を持つことから、疑わしいアリを確認された際には、まずは触らず、どのような場所にどの程度のアリがいるか等、状況を確認してください。その上で、最寄りの環境省地方環境事務所等に速やかに連絡し、取扱いについて相談してください。
　万が一、刺されてしまった場合の対処方法などについては、下記を参考にして対応してください。

「特定外来生物「ヒアリ」「アカカミアリ」（神戸市ホームページ）」
「要緊急対処特定外来生物ヒアリに関する情報（環境省ホームページ）」